マッカランの正式名称はザ・マッカランで日本で最も飲まれているシングルモルトウイスキーの一種である。麦芽のうまみのみで作られたウイスキーのことをモルトウイスキーというが、シングルモルトウイスキーとはその中でも単一の蒸溜所で作られたものをいう。蒸溜所ごとの個性やこだわりが反映されやすく、山崎、竹鶴、バランタインなどが有名だ。
ちなみに複数の蒸溜所のモルトウイスキーを混ぜたものや、大麦以外の穀物から作られたウイスキーとモルトウイスキーを混ぜたものをブレンデッドウイスキーと呼ぶ。ウイスキー初心者には味のバランスがとれたブレンデッドがおすすめだが、産地や銘柄ごとの個性を楽しみたい、香りを楽しみたいという人にはシングルモルトウイスキーがおすすめだ。
マッカランは「シングルモルトのロールスロイス」と謳われたことがあり、重厚で高級感漂う風味を楽しむことができる。今回はマッカランの中でも特に入手が難しいダンカンテイラー マッカラン37年 1968～2005 の特徴と買取相場を紹介する。
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マッカランの特徴
マッカランの故郷は、スコットランドのハイランド地方にあるマッカラン蒸溜所である。スコットランド産のウイスキーは日本やアメリカ、イギリス、カナダ産のものと並んで世界5大ウイスキーのひとつであり、スコッチウイスキーとも呼ばれている。
スコッチウイスキーの産地はさらに6つの地域に分けられるが、マッカラン蒸溜所はその中でも「スコッチの聖地」と呼ばれ、約50もの蒸溜所が集まるスペイサイド地区に属している。スペイサイド地区のウイスキーの特徴は果実のような華やかな香りとほのかな甘みがあってバランスが良く、ウイスキー初心者から飲み慣れた熟練者まで幅広いファンがいる。
シンプルな原料とこだわりの製法
マッカランの原料は非常にシンプルで、大麦とそれを発酵させるためのイースト菌、そして水だけである。その分、大麦はマッカラン専用に栽培されたもののみを使用、水に関してはミネラル分が豊富なスペイ川近隣の泉の湧き水を使用するなど、ひとつひとつの材料にこだわって作られている。
それらの材料から作られたアルコールは蒸溜段階でさらに選り分けられる。最初と最後の蒸溜液には十分な成分が含まれていないとしてカットされ、実際に製品として使われるのは、全蒸溜液のたった16％である。この工程をファイネストカットと呼び、「良いものだけを製品に」というウイスキー職人の信念が感じられる。
自家製のシェリー樽を使用して熟成
ウイスキーを熟成させるための樽は、でき上がりの味や香り、風味に最も影響を与える。マッカラン蒸溜所では自社で管理する森林で栽培された木材を使い、手作業で樽を作っている。またでき上がった樽にはシェリー酒を3年間漬け込んで熟成させる。
マッカランの熟成に使う樽はすべて上記の工程を経ているため、熟成後のウイスキーはほのかにシェリー酒の香りや風味が漂う。それもまたマッカランの特徴のひとつである。
シングルモルトのロールスロイス
こうしてひとつひとつの工程にこだわり手間暇かけて作られたマッカランは、数々のコンペティションで賞を獲得し、英国の老舗百貨店ハロッズのウイスキー読本という雑誌の中で「シングルモルトのロールスロイス」と謳われた。ロールスロイスとは英国を代表する高級車メーカーのことで、マッカランにはそれだけの伝統や高級感があり価値ある存在と認められたということである。
マッカランの見た目は黄金色で美しく、香りはシェリー由来のフルーツの華やかさが感じられる。また、ほのかに甘味がありまろやかなのでウイスキーが苦手な人でも飲みやすい。
ダンカンテイラーマッカランについて
我々の手元に届くウイスキーには、蒸溜所で元詰めしたオフィシャルボトルと、独立系瓶詰業者（ボトラーズ）と呼ばれる人たちが原酒を樽で買取、独自に瓶詰したボトラーズボトルがある。オフィシャルボトルの場合は蒸溜所の個性やこだわりがストレートに味に反映されている。
一方ボトラーズボトルの場合は、ボトラーズたちの趣向によってオフィシャルボトル以上の年数を熟成させたり、樽を詰め替えたりしてアレンジを加え、独自の味を出すことが可能である。そのためボトラーズボトルはオフィシャルボトルよりもはるかに種類は多いが、各商品の在庫は少ないのが特徴だ。ボトラーズのひとつであるダンカンテイラー社が独自にボトリングしたマッカランをダンカンテイラーマッカランと呼んでいる。
1960年代の原酒樽の保有数は世界でも最大規模
ダンカンテイラー社は1960年代にスコットランド全域の蒸溜所からウイスキー樽を購入していた歴史があり、それがそのまま世界最大級のプライベートコレクションとなった。1960年代の原酒樽に関しては世界No．1の保有数を誇り、他社にはできない長期熟成のラインナップが多数ある。マッカランだけ見ても1966年瓶詰のものや1968年瓶詰のもの、また1980年代や1990年代に瓶詰されたものなどさまざまだ。
加水やブレンドをおこなわないピアレス
熟成させたウイスキーには加水をしたり他の樽のウイスキーとブレンドしたりしてから瓶詰をおこなうことが多い。しかし、ダンカンテイラーでは数ある樽の中で最も良い状態のものを選んで、加水やブレンドをおこなわず、1つの樽のウイスキーをそのままの状態で瓶詰することがある。一般的に、1つの樽から取り出したウイスキーのみを使うことをシングルカスク、加水をしていないウイスキーをカスクストレングスと呼ぶ。
シングルカスクの場合、最も良い状態の樽を見分けるのに時間がかかり、また樽から取り出すタイミングをはかりシングルカスクにするかブレンドカスクにするかの判断も難しいことから希少価値が高く、価格も高いことが多い。ダンカンテイラーではシングルカスク、カスクストレングスのウイスキーを多数ボトリングしており、ピアレスコレクションと呼ばれている。これもまた1960年代の良質な古酒を多数保有しているダンカンテイラーだからできることだ。
ピアレスコレクションは他の樽と混ざり合っていない分、味のバランスは不安定であるがウイスキーの個性を楽しみたいという人には最適だ。また加水もおこなっていないため、香りや味が強いのも特徴である。
マッカラン37年 1968～2005とは
その名のとおり1968年に熟成を開始し、2005年に瓶詰をおこなったものである。先ほど説明したピアレスコレクションのひとつでもある。一般的に長期熟成されたシングルカスクは味や香りが豊かになる一方でアルコール度数が下がる傾向にあるが、このマッカラン37年のアルコール度数は50程度と高く、ボディにも厚みがある。シロップのように濃厚で、麦芽の味とともにオレンジやバニラ、シトラス、シナモンなどの風味が上品に絡み合う一品だ。
1960年代のウイスキーは在庫が減ってきており、現在市場に出ているものが少ないため非常に高額で取引される。この37年熟成のマッカランに限らず、60年代のウイスキーの市場価格は10万円を超えているものがほとんどだ。
またボトラーズボトルは元々の数が少ないこと、さらにシングルカスクは希少価値が高いことからダンカンテイラーのピアレスには高値がつくことが多い。1960年代の原酒は今後ますます数が少なくなることから、数年後にはより高い価格で取引されることも考えられる。
買取状況は？
ダンカンテイラーのマッカラン37年が手元にある場合、高額買取してもらえる可能性がある。希少価値の高い商品なので、売り手側としては1円でも高く売りたいものだろう。事前に買取業者やオークションサイトで買取相場などを確認しておくと良い。
買取相場は買取実績のある業者や、取引実績のあるオークションサイトから確認することができる。そもそも市場に出回ることの少ない商品のため、実績自体が少ないが、その場合はダンカンテイラーの同じような年代、年数のマッカランの実績を参考にすると良い。ここでは信頼のおける買取業者の情報とオークションサイトでの取引実績などを紹介する。
大黒屋
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
年間買取件数150万以上の実績を誇る大黒屋では、お酒の高額買取をおこなっている。ダンカンテイラーのマッカランなどの限定品は特に高額で買取するとホームページ上に記載があり、高値での買取が期待できる。全国210店舗での店頭買取のほか、宅配買取や東京近郊のみだが出張買取サービスも利用できる。
ダンカンテイラーのマッカラン37年の買取実績は2019年5月に1件あり、その際の買取価格は12万円と非常に高額で買取されている。ただしこれは箱ありの状態での買取価格で、箱がない場合には買取価格がもう少し下がる可能性があるので注意が必要だ。
レッドバッカス
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
レッドバッカスはラベルがボロボロになっていたり、ほこりだらけになった商品でも買い取ってもらえるのが特徴である。またマッカラン以外の商品になるが、ミニボトルの商品や箱なしでも買取可能だ。
店頭買取は千葉県と岡山県の2か所のみで、そのほかは宅配での買取となる。査定額に納得がいかない場合の返送料も店が負担してくれるため、売る側が損をすることはない。また他店より買取価格が1円でも安ければ全品返却してもらえるルールもあるため、安心して買取をお願いできる。
マッカランの買取実績は24件（2019年6月6日現在）あった。ダンカンテイラーのボトルの実績はないが、買取価格の相場は26～112万円と非常に高額である。特に限定品や箱付きのものは高額買取の対象となっている。
オークションサイトでの取引状況
続いて、オークションでの取引実績も見ておこう。オークションの場合は開封済みの商品や空き瓶でも高額で買い取ってもらえる可能性がある。
ヤフーオークション
ダンカンテイラー マッカラン37年の取引実績は1件で落札価格は税込152,280円であった。ほかに1960年代のダンカンテイラーマッカランが3件取引されているが、いずれも落札価格は10万円を超えている。未開栓の場合の取引価格の相場は10～20万円といったところである。
また、驚いたのが空き瓶でも出品や落札があるということだ。ダンカンテイラーマッカラン37年と他2本の空き瓶が77,000円という高額で落札されている。しかも入札件数はわずか6日間で32件と人気のあることがうかがえる。空き瓶のみで業者での買取が難しい場合、オークションに出品してみるのが良さそうだ。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/t641239888
メルカリ
2019年6月現在、ダンカンテイラーマッカランの出品や実績は無いが、マッカランでは1000件以上の出品がある。また空き瓶や空き箱のみでの出品も非常に多く、空き瓶だけでも20,000円以上の価格が付いている。飲み終わった後のマッカランの瓶は捨てずに、きれいに洗って出品することをおすすめする。
買取業者で高く売るためには
買取業者に物を売る場合、できるだけ高い金額で買い取ってもらいたいものだろう。希少価値の高いダンカンテイラーのマッカランとなるとなおさらだ。ここでは買取価格をアップさせるための簡単なコツをいくつか紹介する。
外見をきれいにする
酒類を買い取ってもらうときに重要なのは、味などの中身ではなく見た目だ。事前に箱や瓶をチェックして、汚れがあったり埃をかぶっていたりする場合は、落とせる範囲で汚れを落としておこう。できるだけきれいな状態で持ち込めば、査定額が高くなる可能性がある。
未開栓のものは高く売れる
商品は新品に近い状態の方が高く売れる。未開栓・未開封のものはそのままの状態で持ち込むのが良い。未開封の箱をわざわざ開けて瓶の状態などを確認する必要はない。
箱などの付属品は必ず付ける
箱や説明書、替え栓などの付属品がある場合は必ず付けること。付属品の有無によって、倍以上も査定額に差がついてしまうこともある。オークションサイトなどで売る場合にも付属品の写真を付けたり付属品がある旨を書き添えたりすると、高額で落札される可能性が高い。
買取業者との取引の流れ
埃などを取って付属品をつけ、売れる状態にしたらいよいよ買取業者との取引をしよう。取引の流れは業者によって異なるが、主なものを紹介する。
査定
まずは商品の価格査定を依頼する。店頭査定のほかに電話査定、FAX や LINE での査定など何パターンかの査定方法をおこなっている業者が多いので、買取業者の店舗が近くになくても問題ない。
複数の業者に査定を依頼して少しでも高く買い取ってくれる業者で売るのがおすすめだ。無料査定をおこなっている業者がほとんどだが、念のため査定前に査定手数料の有無も確認しておくと良いだろう。
商品の引き渡し
査定額を参考にして取引業者を決めたら、次は商品を引き渡す。これも業者によって店頭に持ち込む方法や宅急便で送る方法、業者が取りに来てくれる方法などいろいろあり、そのうちの複数に対応している業者も多い。
業者が家まで取りに来てくれる出張買取の場合は自分で重い荷物を運ぶ必要がなく、かつ業者と顔を合わせて商品を引き渡せるため安心だ。しかし、出張買取は限られた範囲でしかおこなっていない業者もある。そのようなときは宅配サービスを利用するのが主だが、その場合は運送保険を完備している業者を選ぶようにしよう。店頭持ち込みの場合は出張買取と同じく、直接商品の引き渡しができるという安心感がある。
支払い
商品の引き渡しが済めば、買取額を支払ってもらえる。店頭買取や出張買取で直接業者に商品を引き渡す場合はその場で支払われることが多いが、宅配の場合は後日指定した口座に振り込まれることになる。その際は査定額と実際振り込まれた額に差異がないか、しっかり確認しておこう。
まとめ
ダンカンテイラー マッカラン37年の買取相場は2019年6月現在、約12～15万円と高額である。市場に出回っている数が非常に少なく、希少価値が高いのが理由だ。
高額買取を狙うには付属品が完全にそろった未開封の状態が望ましいが、開封済みや空き瓶の状態でも諦めるのはまだ早い。そのような場合にはオークションやフリマアプリに出品してみよう。特に空き瓶は人気が高く、高額で買い取ってもらえる可能性がある。さまざまな可能性を検討し、より高く売れる方法を考えたうえで買取業者やオークションサイトを選ぶことをおすすめする。
