チャーチは靴づくりの街として有名なイギリス、ノーサンプトンにあるメープルストリート30番地の小さな工房で1873年に創業した歴史のあるシューズメーカーだ。チャーチはピューリタン革命からの靴づくりと密接な関係があるノーサンプトンで靴を作り続けていた。
およそ創業150年にわたり、グッドイヤー・ウェルト製法の紳士靴を作っており、単体の工場としてはヨーロッパ最大規模となる。工場はセント・ジェームス地区に位置しており、製造される靴の70%はイタリアやフランスなどのヨーロッパ各国で使われていた。
またアメリカ・カナダ・オーストラリア・香港など、グローバル展開もしていたチャーチはビジネスマンの憧れの靴としての堂々とした地位を築いた歴史を持っていた。今回はそんなチャーチの靴の中古買取相場と査定情報、そしてチャーチにまつわる情報を紹介する。
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チャーチ靴の特徴
紳士靴の特徴としてチャーチはグッドイヤー・ウェルト製法を採用しているが、このほかにマッケイ式という製法もある。
両方とも紳士靴に使われる製法として代表的なものではあるが、チャーチが採用しているグッドイヤー・ウェルト製法は中底とアッパー、そしてコパと呼ばれる細皮の三つを縫い付けているため、靴に関わる部品も多く作業工程も複雑なので、重量感のあるがっちりとした靴になる。
ただそのぶん頑丈で実用性が高く、バルカンプレスなどとは違いソールの交換ができ、長く履くことができる。
チャーチの一族経営
英国の紳士靴、とくに老舗となると英国王室御用達、ロイヤルワラントという称号を預かることが多いが、チャーチはその称号を申請しておらず、さらにコストパフォーマンスが優れていたため英国の良心とまで呼ばれていた。
チャーチは1930年にはニューヨークに海外出店するなど比較的早くから世界市場に事業を展開していたが、近年経営難に陥り、イタリアのプラダに資本を受け入れて買収され、以降2008年からプラダの傘下にある。
創業者のチャーチ一族はセカンドブランドとして展開していたチーニーの製造部門を買収し、それをチャーチブランドとして買収される前のオールドチャーチ、旧チャーチというモデルを制作している。
買収後のラスト
同族経営だったチャーチがプラダ買収後に大きく変わったのが靴の型を取る木型、ラストである。プラダはファッション性を意識したスタイリッシュ木型を開発し、それをもとに作られた靴を市場に投入し、英国靴のイメージから脱却し、刷新を図った。買収前のモデルはオールド・チャーチと呼ばれ、中には根強いファンもいる。
ただ近年になり、定番的なモデルに関しては木型やモデル名を旧チャーチの名称に戻すなど、プラダもチャーチの製法や歴史に関して敬意を図っているところが見てとれる。
日本市場での展開
日本市場での展開は1965年、大塚製靴が輸入販売元となっていたが、プラダの買収後に手放し、2008年以降は渡辺産業がディーラーとなっている。全国デパートや百貨店、各種セレクトショップに卸している。2013年12月には日本国内初の旗艦店としてチャーチ表参道店がオープンした。これはチャーチを買収したプラダグループの事業であり、プラダが取扱商品の買い付けや輸入をおこなう。
チャーチのファクトリーロゴ
チャーチの紳士靴は中敷きに製靴年代を判別できるようにファクトリーロゴが刻まれている。年代の新しい方から順に現行チャーチ、新生チャーチ、オールドチャーチ、オールド・オールドチャーチと称される。以下の表で紹介する。
- 新生、現行チャーチ 2014年以降
- ロンドン、パリ、ニューヨーク、ミラノ、東京
- 新生チャーチ プラダによる買収後から2013年まで
- ロンドン、パリ、ニューヨーク、ミラノ
- オールドチャーチ
- ロンドン、パリ、ニューヨーク
- オールド・オールドチャーチ
- ロンドン、パリまたはロンドンのみ
チャーチ靴の買取について
チャーチ靴は商品の特性上、未使用の物が高く買取られる傾向にある。ただしきちんと手入れをされて大事に履かれていたものは中古でも高く買取ってくれることも多い。靴は手入れの方法を一度覚えてしまえば簡単で、さらにソールの張替えがきくということもあり、ソールを張り替えていれば減額を免れることもできる。
ここからはチャーチ靴を買取に出すときに気をつけるべき点と、チェックすべき点、チャーチ靴の買取にあたって事前に知っておくと買取に出しやすい情報を紹介する。
チャーチ靴の価格相場
グッドイヤー・ウェルト製法で作られるチャーチ靴は高級感漂う外観と、それ相応の値段がついている。一例を出すとチャーチ ディプロマット ラスト173が89,640円、シャノンが99,360円、コンサルが85,320円と新品価格は非常に高い水準だ。
チャーチ靴の買取価格相場
チャーチ靴は中古でも状態が良ければ高値で買取ってくれることも多く、また商品特性により未使用品はとくに高く買取ってもらえることが多い。
一例としてチャーチ バーウッド フルブローブシューズが20,000円、コンサルが10,000~30,000円で、未使用になると40,000円の値がつく。他にもチャーチ チェットウィン フルブロークが30,000円、シャノン プレーントウシューズが30,000円と、買取価格水準が高いのがチャーチ靴の特徴だ。
チャーチ靴を買取に出すときのコツ
チャーチ靴は商品が革靴なので、手入れが非常にしやすい。もし革靴の手入れの方法を知らなかったり、したことが無ければ、買取に出す前にぜひ覚えて今後履く靴にも同様の手入れを施してほしい。長く履けるうえに、足元を見られるというように、仕事によっては大切なポイントとなる。
自分でできるメンテナンスはしよう
買取に出すチャーチ靴がもし長いあいだ履いていない場合は革に油分が無くなっていることが多い。革も呼吸をするので、油分が切れていたりすると光沢が無くなり固くなる。固くなればシワがつきやすくなり、そこからひびが入ってしまう。まず靴の汚れを落とす必要があるが、ステインリムーバーという革靴専用の汚れ落としがある。
このステインリムーバーには水性の物と油性の物があるが、長く履いていない靴の場合はとにかく油分が必要なので油性のステインリムーバーを使って汚れを落とそう。丹念に磨いて、そのあと靴墨をまんべんなく、そして多めに塗っていく。そのとき靴ひもは抜いておこう。
塗った後はブラシをかけて十分な光沢が戻れば完了だ。靴ひもを元に戻し、しばらく玄関などで放湿と吸湿を促せば革の柔らかさや本来の光沢が戻ってくる。
買取価格や中古相場を調べておこう
これから買取に出す製品が中古市場でいくらで取引されているのかや、買取相場を調べることによって、ある程度査定額が適正かどうかがわかるようになる。査定額が自分が調べた額よりも極端に低い場合は他の買取業者へ査定を出すことも選択できるので、足元を見られていると感じたら、別の買取業者に頼む一つの指標もなる。
高く売るためのチェック項目
チャーチ靴は歴史があるうえに、木型の番号によっても買取価格が変わってくる。ここでは高く売るためのチェック項目を5つ紹介する
別注、限定モデル
チャーチ靴には他の有名靴ブランドにあるような別注モデルの数が少ない。流通量の少ない別注モデルなら高い買取価格が期待できる。
定番人気モデル
コンサル、セミブローグ、ディプロマットやバーウッドなど、ビジネスマン御用達の定番モデルは人気も高く、買取店舗にも喜ばれやすい。
遊び心があるモデル
シャンガイというモデルは英国の正統なイメージと違い、イタリア製のスポーティなデザインとブラックラピド製法で作られている、名門イメージの高いチャーチには珍しいモデルだ。こういった変わり種の靴は買取価格も希少性とニーズにより高くなる。
状態や付属品
未使用品の場合は付属品があると買取価格が高くなる。また前述したように手入れをよくされていたりする場合も買取価格は大きく変わってくる。
ラスト
チャーチのラスト、木型は数多く、それにより相場が異なってくる。日本人に合った木型なら高い買取価格も望めるだろう。現行の木型の73番、81番、100番、103番、173番は相場が高くなっている。
おすすめの買取業者の紹介
靴の買取となるとかなり取扱店舗が多く、どこを選べばいいかわからないこともあるだろう。以下に一例を紹介するので、買取に出すときの参考にしてほしい。
エコスタイル
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
エコスタイルは洋服やブランド品の買取店舗として、東京に銀座本店、新宿三丁目店、渋谷店、広尾店、新宿南口店、下丸子店と6店舗、静岡に浜松鶴江店、磐田店の2店舗を展開している。買取方法も宅配買取、店頭買取、出張買取に対応している。
また取り扱いブランドにない商品の買取もおこなっており、買取時のクリーニングはしなくても専任のスタッフがおこなってくれる。
買取1点につきNPO法人を通してミャンマーやバヌアツ、ラオス、ブータンなどの開発途上国への寄付をしている。また公式ホームページから鑑定員のプロフィールも確認でき、買取をするときにも安心して任せることができるのも特徴だろう。
宅配買取
パソコンやスマートフォンで24時間申し込むことができ、送料、手数料が無料でおこなうことができる。申し込み後、宅配キットが必要ならば送られてくるので、それに商品を梱包し、集荷依頼をして店舗に送付する。佐川急便とヤマト運輸に対応している。その際に身分証のコピーを同封する必要がある。
また事前に申し込んだ品物の品数と、実際の品数が一致している必要がある。査定が終了すればメールが届き、査定金額に承諾すれば24時間以内に入金される。査定額に納得できない場合も、手数料無料で返送してくれるので安心だ。
店頭買取
エコスタイルの自社相場や、二次流通相場などさまざまな観点から、一流の鑑識眼をもった査定員が一点ずつ査定する。買取は一点からでも可能で、季節によらず買取価格が安定しているところもポイントだ。
出張買取
出張買取では鑑定士が自宅に直接訪問し、商品を鑑定してくれる。重いキャリーケースに入れて店頭に持ち込むこともなく、非常に助かる鑑定方法だ。これはエコスタイルのメールフォームから依頼することになるが、事前に見積価格が知りたい場合はLINEによる査定もしてくれる。
スケジュールはこちらで調節が可能なうえ、玄関先でも買取ってくれるので、とても親切なサービスだ。支払いは店頭買取同様、その場で現金で買取ってもらえる。
ブランド通販のRECLO(リクロ)
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
RECLOは商品を引き取った後、専任鑑定士が査定し、プロのカメラマンが商品を撮影するなど、販売や梱包に至るまで全ての作業をプロが代行してくれるので心強い。また、RECLOは、取引実績を考慮した価格で販売しており、販売価格(税込)の50%から業界最高水準の90%と高い還元率が魅力的だ。
RECLOは入会費、年会費などが一切かからないので手軽に利用できるだろう。チャーチ靴を高値で売りたいのであれば、買取サービスだけでなくRECLOなどの委託販売サービスも検討してみよう。
まとめ
チャーチ靴の特徴や歴史、またバリエーションによる価格相場や買取相場を紹介した。新品では非常に価格水準が高いうえに、中古でもおいそれと手を出せる金額ではないので、買取価格も高いのがチャーチ靴だ。木型により査定額が変わったりするので、事前知識として知っておけば査定額にも納得できるだろう。
とくにディプロマットなどは外交官という意味を持ち、オーソドックスなオックスフォードシューズとして人気が高く、日本でも所有している人は多いかもしれない。バルカンプレスの安いものではなく、きちんと縫製が施された靴なので、ソールの張替えからアッパーのリペアまでできるようになっている。
大切にしている場合は状態もいいものが多いので、もしこれ以上靴がいらないという人がいれば、上記で紹介した買取業者に査定を申し込んでみるのも検討してほしい。