ドラムはご存知の通り、大小それぞれ異なる大きさのドラムやシンバルを、演者好みにセットして演奏するリズム楽器だ。ドラムを売却したいと考えている方は、まずお手持ちのドラムのシリアルナンバーを正しくチェックしておくべきだ。なぜならシリアルナンバーを知っておくことで売却をする際の業者とのやりとりがスムーズに行えるからである。
また、シリアルナンバーを知っておくと、そのドラムがいつ製造されたかわかるものもある。今回はドラムのモデル名とシリアルナンバーについて紹介していくので、売却を検討している方はぜひ参考にしてみてほしい。
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モデル名・シリアルナンバーについて
ドラムを売却する上でモデル名やシリアルナンバーは重要だが、どの部分に記載されているのか、ここで詳しく紹介していく。
シリアルナンバーとは
そもそも、シリアルナンバーとは、メーカーが指定したアルファベットと数字が組み合わさったナンバーのことを言う。シリアルナンバーがわかると、製造したメーカー、モデル、製造年、製造元を知ることができる。そのため、シリアルナンバーによって買取価格やそのドラムの価値が簡単にわかるのだ。
モデル名・シリアルナンバーの記載位置
ドラムの機種名はスネアドラムの胴部分に記載されている。この部分にはシリアルナンバーも記載されているので、まずはスネアドラムを確認してみよう。電子ドラムの場合はトリガーモジュールの底面に記載されているようだ。ただし、これらの記載位置はメーカーやブランドによって多少異なる。もし記載されていないようであれば、メーカーやショップに問い合わせてみよう。
保証書にも記載されている
ドラムを購入した際に付いてくる保証書にもモデル名とシリアルナンバーは記載されている。どのページに記載されているかは各メーカーの保証書によって異なるので、実際に確認してほしい。中古やネットオークションで購入したドラムは、保証書が付いていないものもあるので、購入する時は保証書がセットでになっているか一度確認してみよう。
ヤマハ（YAMAHA）のアコースティックドラムのモデル名
ドラムにはいくつかのシリーズがあるが、その中でさらにモデル名が付けられている。また、スネアドラム・バスドラムなどのそれぞれにさらにモデル名があるため、その数は膨大にあるだろう。まずはヤマハ（YAMAHA）の一部のドラムセットモデル名を紹介する。ヤマハのモデル名はシリーズごとに頭につくアルファベットが異なるようだ。
- ・「BBD」…アプソルトシリーズ。BBD1018JF、BBD1020、BBD1020J、BBD1020T、BBD1022など。
- ・「NBD」…オークカスタムシリーズ。NBD818UF、NBD820U、NBD822U、NBD824Uなど。
- ・「BD」…クラブカスタムシリーズ。BD720、BD722、BD724など。
- ・「SBD」「SFT」「STT」…ステージカスタムシリーズ。SBD620S、SBD620SJ、SBD622S、SFT614S、SFT616S、STT610S、STT612JG、STT612S、STT613JS、STT613S、STT614S、STT616Sなど。
ヤマハの電子ドラムのモデル名
電子ドラムもアコースティックドラム同様、いくつかのシリーズがある。電子ドラムは「DTX」のアルファベットが頭に付く。
- ・「DTX400」シリーズ…DTX450KUPGS、DTX450KS、DTX430KUPGS、DTX430KS、DTX400KSなど。
- ・「DTX502」シリーズ…DTX522KFS、DTX532KFS、DTX562KFS、DTX582KFSなど。
- ・「DTX700」シリーズ…DTX720K、DTX760Kなど。
- ・「DTX900」シリーズ…DTX920Kなど。
パール（Pearl）のアコースティックドラムのモデル名
パールは、打楽器やフルートなどを製造している日本の楽器メーカーだ。特にドラムは、世界中でも有名で、３大ドラムメーカーのひとつでもある。日本ではShinya（DIR EN GREY）、yukihiro（L'Arc〜en〜Ciel）、まこと（シャ乱Q）、shuji（Janne Da Arc）など、著名なアーティストも愛用している人気のメーカーである。今回はその一部のモデルを紹介する。
- ・「Masterworks」シリーズ…Black Clear Carbon、Natural Bubinga、Green Tamo
- ・「Reference」シリーズ…Reference RF（RF-148）、Reference Assembled in Japan（RF2218BXJ/C、RF1007TJ/Cなど）
- ・「Reference PURE」シリーズ…Reference PURE RFP（RFP-377）、Reference PURE Assembled in Japan（RFP2218BXJ/C、RFP1465SJ/Cなど）
- ・「Masters Maple Reserve」シリーズ…MRV-343（MRV2218BX/B、MRV1616F/Bなど）、MRS-330（MRS2218BX/G、MRS1616F/Gなど）
- ・「Masters Maple Complete」シリーズ…MCT-348（MCT2218BX/C、MCT1455S/Cなど）
- ・「Session Studio Classic」シリーズ…Session Studio Classic Option Model（SSC-361）、Session Studio Classic STANDARD（SSC925S/C-D）、Session Studio Classic COMPACT（SSC905/C-D）
- ・「Decade Maple」シリーズ…DECADE Maple Option Model（DMP-229）、DECADE Maple STANDARD（DMP925S/C-D）、DECADE Maple COMPACT（DMP905/C-D）、DECADE Maple BOP CLIB KIT（DMP984P/C）
- ・「EXPORT」シリーズ…EXPORT EXX（EXX725S/C、EXX785/Cなど）
- ・「CRYSTAL BEAT」シリーズ…CRYSTAL BEAT 4-pieces Shell Pacl（CRB524P/C）、CRYSTAL BEAT 5-pieces Shell Pack（CRB525FP/C）
- ・「ROADSHOW」シリーズ…ROADSHOW（RS525SCW/C）
- ・「MIDTOWN」シリーズ…MIDTOWN（MDT764/C、MDT764P/Cなど）
タマ（TAMA）のアコースティックドラムのモデル名
TAMAは、ヤマハ、パールと並ぶドラムの３大メーカーの一つである。TAMAはシリーズごとにモデル名が違う。その仕組みをHPで分かりやすく紹介してあるので、参照してみてほしい。
- ・STAR BUBINGA…TBB2218DNC、TBS136Sなど
- ・STAR MAPLE…TMB2218SBL、TMS138Sなど
- ・STAR WALNUT…TWB2218W、TWT1413など
- ・STARCLASSIC BUBINGA…BB2218BNY、BT0806など
- ・STARCLASSIC MAPLE…SMB2218FBNY、MGT0806など
- ・STARCLASSIC PERFORMER B/B…PLB22DY、PLF18Dなど
- ・STUDIO MAPLE…LMPF14D、LMP42RTLS-GSEなど
- ・FAT SPRUCE…LSP30CS-TWS
- ・DYNAMIC KAPUR…LKPF14A、LKP42HTS-GKPなど
- ・SILVERSTAR…VPB18RL、VPS145など
- ・IMPERIALSTAR…IP52H6HC、IP58H6HCなど
- ・COCKTAIL-JAM…CJB46C、CJP44Cなど
グレッチドラムズ（GRETSCH DRUMS）のドラムのモデル名・型番
グレッチはアメリカのメーカーでエレキギターが有名だが、実はドラムもいくつか発売している。グレッチのドラムを使用している有名なドラマーにはテイラー・ホーキンス（Foo Fighters）、クリス・セスター（JET）、ロブ・ボードン （Linkin Park）らが挙げられる。
モデル名の見方は、例えば「RN2-1424B」の場合、ハイフンの前がシリーズ名、14が深さ、24が直径、最後のBがバスドラムを表している。以下でモデルの一部を紹介する。
- ・「Broadkaster」シリーズ…Broadkaster Standard Build（BK-1826B、BK-1214F、BK-0912T、BK-08146Sなど）、Broadkaster Vintage Build（BKV-1826B、BKV-1416F、BKV-1113T、BKV-08146MSなど）
- ・「Brooklyn」シリーズ…GB-E8246、GB-J483、GB-1418B、GB-1414F、GB-0812Tなど
- ・「Renown」シリーズ…RN2-E604、RN2-E8246、RN2-J483、RN2-1424Bなど
ローランド（Roland）の電子ドラムのモデル名
ローランドはシンセサイザーやキーボードなどを製造している日本の電気機器メーカーだ。続いて、ローランドの電子ドラムのモデル名を紹介する。
Vシリーズ
ローランドの電子ドラムといえばVシリーズだ。先進の音源技術が特長で、折り畳み収納できる電子ドラムまである。自宅で練習したい方にはうってつけのモデルだろう。ここでは、それぞれのモデルを簡単に紹介する。
- ・TD-50KV、TD-50KV with KD-A22…ドラマーが欲しい表現力を極めたフラッグシップモデル。
- ・TD-50K…プライベート・スタジオに最適な、フラッグシップモデルの魅力をコンパクトに詰め込んだモデル。
- ・TD-50DP…デジタル接続対応の音源TD-50 to,スネア用VパッドPD-140DS、ライド用VシンバルCY-18DRのパッケージ。
- ・TD-25K、TD-25KV…プロのクオリティのようなサウンドを自分好みに簡単にカスタマイズできる、新コンセプトのVドラム。
- ・TD-11K、TD-11KV…トレーニングに最適な、省スペースでの設置が可能なNew V-compactシリーズ。
- ・TD-11KQ-PS…自宅練習に最適な、ペダルを組み込んだコンパクトなオールインワンVドラム。
- ・V-Drums Portable TD-4KP…折りたたんで収納できる、連れ出せる場所を選ばず演奏できる。
- ・TD-1KPX2…コンパクトに折りたためて、演奏性能は本格派。ツインペダルにも対応している。
- ・TD-1K、TD-1KV…高品質なサウンドで気軽に演奏が楽しめる、コンパクトなVドラム。
プレイテック（PLAYTECH）の電子ドラムのモデル名
PLAYTECHは、明示されてはいないが実質、サウンドハウスという業務用音響機器、楽器屋舞台照明機器の輸出入と販売を手がけるネット通販会社がメーカーのOEM（委託者ブランド名製造）で販売している自社ブランドである。PLAYTECHの他にもZENN（アコースティック楽器）、CLASSIC PRO（音響機器）、STAGE EVOLUTION（ステージ機器）といった独自ブランドも幅広く展開している。以下ではPLAYTECHのPDSシリーズについて紹介する。
- ・PDS-750…コストパフォーマンスの評判が高く、ラック式の本格的なセットが特徴。
- ・PDS-250…初心者向きモデル。
- ・PDS-500…スネアのパッドにメッシュを採用したモデル。
ドラム・ワークショップ（Drum Workshop）の電子ドラムのモデル名
ドラム・ワークショップ、通称DWはカリフォルニアのドラムやドラム用ハードウェアメーカーである。アメリカのプロのミュージシャンの間では特に人気が高く、アレックス・ヴァン・ヘイレン（VAN HALEN）、ドミニク・ハワード（MUSE）、ニック・メイスン（PINK FLOYD）、ロジャー・テイラー（QUEEN）、サイモン・ライト（AC/DC）らが使っていることでも知られている。以下では、DWの種類豊富なシリーズについて紹介する。
- ・Collector’s Series…DWドラムキットの基本となるシリーズ。厳選された良質な材だけを選んで製作され、最大の特徴である「ティンバーマッチング」によって作られる。
- ・Classics Series…俗にいう「ヴィンテージ」。温かみのあるウォームなヴィンテージサウンドが出るよう開発されたシリーズ。
- ・Jazz Series…ジャズプレーヤー向けに特別に設計されたシリーズ。
- ・Eco-X Project…名の通り、環境に優しいエコを目指したシリーズ。
- ・Performance Series…上記でも記載したCollector’s Seriesという上級機種で培ったアイデアを取り入れたシリーズ。
- ・Design Series…DW独自のドラム作りの経験を元に、品質と価格を見直した新しい標準のプロ品質のドラムキット。
- ・Concept Series…カスタムドラムキットデザインをもっと手軽に入手できるように作られたシリーズ。
レモ（REMO）のドラムヘッドのモデル名
レモは、世界的に定番のドラムヘッドのブランドである。ドラムヘッドは、ドラムの皮の部分である叩く部分。50年以上にわたりミュージシャンのニーズを満たし続け、世界のドラムヘッドのスペシャリストとして業界トップを誇っている。
レモはドラムヘッドの他にも、ボンゴ、コンガ、ティンパニなど様々な打楽器用ヘッドを開発している。レモのドラムセットの愛用者にはトレ・クール（Green Day）、チャド・スミス（Red Hot Chili Peppers）、ロブ・ボードン （Linkin Park）ラリー・マレン・ジュニア（U2）がいると言われている。以下ではレモが展開するモデルの一部について紹介する。
- ・「COATED」シリーズ…AMBASSADOR（106TA、124Bなど）、AMBASSADOR-00（108TA-00、118TA-00など ）、EMPEROR（106TE、124BEなど）
- ・「CLEAR」シリーズ…DIPROMAT（C-8TD、C-18TDなど）、AMBASSADOR（C-6TA、C-26TBなど）、EMPEROR（C-6TE、C-26BEなど）
- ・「PINSTRIPE」シリーズ…PS-306BE、PS-326BBなど
- ・「PINSTRIPE X」シリーズ…PSX-310BE、PSX-314BEDなど
- ・「CONTROL SOUND」シリーズ…CLEAR（CS-6、CS-26Bなど）
- ・「AMBASSADOR X」シリーズ…AX-108 、AX-118など
- ・「VINTAGE COATED AMBASSADOR」シリーズ…VA-108、VA-118など
ドラムの他パーツのシリアルナンバー
ドラムは大きな楽器なため自宅に置くだけでも結構な場所をとる。そのためスネアやシンバルなどの楽器を所有して、練習やライブの際にそれらだけを持ち運んでいる方も多いだろう。ではドラムの他パーツのシリアルナンバーはどこに記載されているのだろうか。
スネアのシリアルナンバー記載位置
スネアは打楽器の一つである。ドラムセットをする際に、ドラマーが座った状態で左側にあるドラムだ。小太鼓、サイドドラムともいわれる。
スネアのシリアルナンバーは、バッジの上に記載されていることがほとんどである。
シンバルのシリアルナンバー記載位置
シンバルは金の平たい打楽器である。シンバルの中にもさらに種類があり、ハイハット、クラッシュ、ライト、クラッシュライト、チャイナなど豊富にあり、ドラムセットをする際にドラマーの個性が出る一つの指標でもある。
シンバルのシリアルナンバーはシンバル表面に記載されている。ただし、こちらは経年劣化によって消えている場合もある。そのときは、保証書を確認してみるとよいだろう。
ペダルのシリアルナンバー記載位置
ペダルはバスドラを叩く際に足で押して鳴らすものだ。キックペダル、フットペダル、ドラムペダルとも呼ばれる。
ペダルのシリアルナンバーはフットボード部分に記載されていることが多いが、メーカーによって若干異なるようだ。
まとめ
今回はドラムのモデル名とシリアルナンバーの調べ方をまとめた。基本的にドラムのシリアルナンバーは、スネアドラムに記載されていることがほとんどなようだ。電子ドラムの場合はトリガーモジュール部分に記載されている。シリアルナンバーは、買取を依頼する際に聞かれることが多いので、あらかじめ確認しておこう。
