バーナードリーチ陶器の買取相場・査定情報

陶器の買取は非常に難しいので注意したほうがいい。必ず陶器を売る前にリサーチをしてから売るべきだ。なぜなら、骨董品のなかでも陶器は高価買取になりやすいからだ。高額で売れやすいということは安易に売ってしまうと知らない間に大きく損をしてしまう。なので陶器を売るのであれば慎重になって売ったほうがいいだろう。また、ここで取り上げているバーナードリーチの陶器を収集しているコレクターは多く存在しており、積極的にバーナードリーチの陶器を買い取っている業者も多いようだ。

そこで、本コラムでは、バーナードリーチにテーマを絞って、陶器を売る上で知っておくべき情報やポイントを述べていくので、情報やポイントをこの機会に押さえておこう。

バーナードリーチの陶器の価値は

ここでまず、バーナードリーチの陶器の価値について述べていく。その陶器の価値を正しく把握する上で大事なのが作者や人物の基礎知識だ。バーナードリーチがどのような人物なのかを知っておけば、バーナードリーチの陶器の価値を正しく把握することができるだろう。陶器を売るとき、陶器を作った人物や作家の基礎知識は身に付けてから、買取に臨んだほうがいいので、この機会にバーナードリーチはどのような人物で陶芸家としての地位などをしっかり掴んでおこう。

陶芸家として人間国宝に認定されるほどの人物

バーナードリーチは、イギリス人の陶芸家で、画家、デザイナーとしても知られる人物。イギリス人でありながら日本陶芸に大きな影響を与えた人物として有名である。

バーナードリーチは当時イギリス領であった香港で生まれた。だが、出産した母が死去したため、日本にいた母方の祖父に引き取られ、関西で幼少期を過ごすことになる。また父親の再婚により香港に戻ったが、シンガポールに転勤となった、だが後にはイギリス本土に戻され教育を受けることになる。芸術家志望であったバーナードリーチがロンドンの美術学校に入学するも、父が他界したため銀行員として勤めることなるが、芸術家への希望は捨てきれず1907年からロンドン美術学校でエッチングの技法を学ぶ。

そのとき、ロンドン留学中の高村光太郎と知り合って日本に郷愁を抱くようになったことがバーナードリーチの転機となる。両親を失ったバーナードリーチは郷愁を抱いた日本へ幼少期ぶりに戻ることを決める。日本に戻ったバーナードリーチは柳宗悦をはじめとして芸術家や陶芸家と出会い、その親交も深めていった。

そのなかでバーナードリーチは陶芸家として有名な富本憲吉に出会う。富本とともに訪れた上野の博覧会会場で楽焼の絵付けを始めたことをきっかけに茶道や茶道具に惹かれ、その後、尾形乾山に陶芸を学び、中国から戻った1917年、我孫子の柳の家に窯を開き、陶芸家としての道を本格的に歩みだす。バーナードリーチは陶芸家として精力的な活動を行ない、その陶器は着実に評価を得ていく。西洋人が当時陶器は少しランクの低い芸術だと考えていたことにバーナードリーチは提議を唱えた。

イギリスに戻って1940年に出版した『A Potter's Book』（陶工の書）はリーチの職人としての哲学や技術、芸術家としての思想を明らかにした本で非常に高い評価を得て、バーナードリーチの名を広く知らしめた。このように日本陶芸に大きな影響を与え、また西洋と東洋の技術を融合し、作陶された陶器はファンのなかで根強い人気がある。

バーナードリーチの陶器の価値は非常に高い

バーナードリーチの陶器は上記で述べたように、多くの陶芸家のなかでも芸術性は高く評価されており、さらに西洋や国内の陶器業界に大きな影響を与えた人物としてその功績は非常に大きい。そして、人気のある陶芸家でその需要も高い。買取市場においても、バーナードリーチの陶器はコレクターに根強い人気がある。そのため、バーナードリーチの陶器であれば、高額査定を期待できるだろう。また多くの骨董屋・質屋でバーナードリーチの陶器は積極的に買い取られており、高額査定作家として挙げている業者も多いようだ。

バーナードリーチの陶器の査定情報

次は、バーナードリーチの陶器の査定情報について。バーナードリーチの陶器は高額査定が期待できる。そのため、減額になるポイントは押さえておくほうがいい。高く売れるモノは減額の幅も大きいので注意が必要だ。ここで陶器買取において、どのようなポイントが査定額に大きく影響してくるのかを述べていくので参考にするといいだろう。

陶器の買取では作者で大体の金額が決まる

陶器の査定で、最も査定額に影響するのは誰が作った陶器なのかという点が非常に重要なポイントになる。基本的に骨董品は、この作者で大半の価値が決まると言われているようだ。あとは年代によって希少価値が付くか、状態の程度で査定される。

また、買取市場においては査定額のほとんどが、作者で決まると言われているほど重要視されている。陶器はコレクター向けの市場になっているため、人気のある作家の陶器は需要が高い。そのため需要が高ければ高いほど買取額は高額になる。 上記で述べたように、バーナードリーチは陶芸家のなかでも、評価・人気ともに高い。バーナードリーチの陶器は高額査定となる可能性は非常に高いだろう。

状態の良さも査定額に大きく影響する

陶器の査定でもう一つ重要なポイントになるのが状態だ。陶器は鑑賞用の骨董品として、価値が高いので、状態の良し悪しは作品の価値を大きく左右するポイントである。そのため、悪い状態が見つかれば価値は一気に落ちるだろう。この状態の悪さが酷い場合は大きく減額だけでなく、買取不可になることもあるので注意しよう。陶器の保管状態には常に気を配っておくべきだ。手入れやメンテナンスをできるだけするようにして、良い状態を保てるような保管方法で扱うようにしよう。

悪い状態の例だが、汚れ、ヒビ、キズ、デザインの擦れ、欠け、割れなどの状態があった場合、間違いなく減額になる。このように状態の査定は厳しいので細心の注意を払っておこう。

鑑定書や保証書は丁寧に扱うべき

陶器の鑑定書や保証書にも価値がある。勝手に処分しないようにしよう。この鑑定書や保証書も査定額に影響するポイントになる。もし、鑑定書や保証書があるのであれば、忘れずに持参して一緒に売るほうが高く売れる。陶器の査定では、鑑定書や保証書は多くの業者でプラス査定となるようだ。

市場には偽物や模倣品が多いため、鑑定書や保証書は重宝される傾向にある。そのため鑑定書や保証書が出せる鑑定士の鑑定書や保証書などは非常に信頼が高くなるので、一定の価値があるというわけだ。鑑定書や保証書を一緒に売ることで、査定額は上乗せになることも多いので忘れずに持参しよう。

付属品にも価値が…

そして、陶器の査定では付属品も査定額に影響する。陶器を入れる木箱や作家の書物などの付属品がある場合は、陶器と一緒に売るようにしたほうがいい。これらの付属品も鑑定書や保証書と同様に、査定額は上乗せになることが多いようだ。なかでも、共箱と言われる作家の本名のサインや印がある桐箱は非常に価値が高いので押さえておこう。

バーナードリーチの陶器の買取相場

最後は、バーナードリーチの陶器がどれくらいの金額で売れるのかについて。陶器買取では買取相場をある程度、把握しておいたほうがいい。また、買取相場を把握することは買取における基本的なポイントでもある。買取相場を把握しておけば、損をするリスクは低くなるだろう。

明確な相場がわからないので注意

バーナードリーチの陶器がどれくらいの金額で売れるものなのかについてだが、バーナードリーチの陶器の買取相場は明確に掴めないのが現状である。なぜなら、多くの業者で実績や金額を公開していないからだ。現物を査定へ出してみないと買取額はわからないだろう。基本的に骨董品の多くは明確な相場が掴めない。なので、バーナードリーチの陶器を売る場合は、必ず複数の買取業者へ査定依頼を申し込み、見積もりを出してもらうようにしよう。そして各業者で提示された査定額を比較検討して、納得のいく金額を提示してくれた業者で売る方法が一番いい。

バーナードリーチの陶器はどれくらいで売ればいいのか

先述したようにバーナードリーチの陶器は明確な相場がわからない。ただ、バーナードリーチの作品は非常に評価・人気も高いため高額査定は期待できる。では、どれくらいの金額でバーナードリーチの陶器を売ればいいのだろうか。陶器買取の市場では有名作家・人物の作品は、数十万～数百万円で売れることが多い傾向にあるようだ。下記がその買取金額の一例となる。

• 松井康成 大壺…800,000円
• 加藤唐九郎 志野茶碗…1,200,000円
• 13代酒井田柿右衛門 濁手花瓶…650,000円
• 藤田喬平…600,000円
• 島岡達三 皿…400,000円
• 藤本能道?花瓶…250,000円

上記の買取金額の例をみてわかるように、陶取の高額査定は数十万～数百万円が多い。本コラムで取り上げているバーナードリーチの陶器は数十万円～数百万円で売れる可能性が高いと言える。なので、最低でも数十万円の査定額を目安にするといい。

まとめ

本コラムでは、バーナードリーチの陶器の買取相場・査定情報をテーマに、陶器を売るときの基本的なポイントをいくつか紹介した。器のような骨董品を売るときは慎重に売るようにしよう。述べたように、骨董品の多くは非常に相場が掴みにくく、価値もわかりづらいこともあり陶器買取は難しい。損をしないためにも、売る前にしっかりリサーチはやっておくべきだ。とくに業者選びでは妥協せずに徹底的にリサーチをしよう。