今や若者の常識となったフリマアプリ「メルカリ」が2016年12月で日米合計6000万ダウンロード突破し、その勢いはとどまらない。その内訳は日本国内で4000万ダウンロード(以降DL)で米国では2000万DLとなっている。2013年7月「メルカリ」サービス開始以降3年で6000万DLを突破という目覚ましいスタートアップとなり、さらに進化し続ける「メルカリ」に多くの熱い視線が注がれている。
ここでこれまでの軌跡と急成長の要因、今後の展開を探ってみることにする。
『数々の受賞』
- *Google Play
- 「2014年ベストアプリ」受賞(2年連続)
- *App Store
- 「Best of 2013今年のベスト(ショッピングの新しいかたち)受賞
- *モバイルプロジェクト・アワード2014
- 「モバイルコンテンツ部門優秀賞」受賞
- *フォーブスジャパン
- 「THE START-UP OF THE YEAR 2015第1位」受賞
- *CNET Japan Startup Award 2014
- 「最優秀賞」受賞
CONTENTS
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驚くべき数字の数々
「国内3000万DL突破記念インフォグラフィックス」による
国内4000万DL米国2000万DL到達
2016年6月、2年で4000万DL(国内3000万DL米国1000万DL)達成、その後2016年12月6000万DL(国内4000万DL、米国2000万DL到達)達成、と異例の速さで上昇している。
一日の出品数100万品以上
1日あたり平均出品数約50万品以上(その後2016年12月100万品到達) 2014年1月比約8倍以上、1分あたりの過去最大出品数3409品、
商品の約20%が1時間以内に商談成立
商品の約20%が1時間以内に商談が成立し、売れた商品の半数が24時間以内に成立している。
177万人超が1万円以上を売り上げ
177万人超が「メルカリ」を利用して1万円以上を売り上げている。
1日あたりユーザー滞在時間は43分
1日あたりユーザー滞在時間は43分で、実にスマートフォン平均接続時時間の35%が「メルカリ」に費やしている。またフリマアプリユーザーの62,2%が「メルカリ」を利用している。
国内月間流通総額は100億超円
国内月間流通総額は100億を超える、現時点でヤフー、楽天、アマゾン、ZOZOTOWNに次ぐ数字で、各社を脅かす存在になっている。
同社2016年6月期(2015年7月~2016年6月)の売上高は122億5600万円(前期比189%増)、営業利益は32億8600万円(前期は11億400万円の赤字)で、初めて黒字化した。
現時点で、メルカリは10億ドル以上の価値が付けられているという。
ジャンル別販売点数シェア
レディース27%、エンタメ・ホビー20%、子供服12%、メンズ10%、コスメ9%、家具、スマホ6%、その他17%
これらの数字をもたらせた誘因
システムが簡単、手軽
スマートフォンで簡単に出品
以前からパソコンにあったフリマアプリだが、パソコンで出品するには複雑な操作が必要で、パソコン初心者には皆目分からない。出品したくともできない。しかし「メルカリ」ならスマホで写真を撮り、特徴を入力するだけですぐに出品できる。今までできなかったことがいとも簡単にできるようになり、若者を中心に多くの利用者を集めている。
発送も簡単
「ゆうゆうメルカリ便」「らくらくメルカリ便」等新しいシステムで、簡単に発送できる。しかも発送人の名前や個人情報なしでも送れる方法もある。また自宅で受け取れない人は、郵便局やコンビニで受け取ることもできる。進化した宅配システムで、送る側、受け取る側の様々なニーズに答えられる。
すぐに購入できる
いつでもどこでもスマホでボタン一つで購入できる。支払いは商品が届いてから。支払い方法もクレジットカード、ポイント、売上金等から選べるなど簡単、便利なシステムが好評で集客力に繋がっている。
商品が豊富
出品が簡単だから商品が豊富~だから客が集まる~だから売れる~だからまた多く出品される、というプラスのスパイラル状態となり客が客を呼んでいる。
C2C ビジネスの強み
ECOということ
「メルカリ」は要らなくなったものを安価に売買するシステム故、エコの観点からも、いわゆる「もったいない」思想にも通じ、昨今大いに人々に受け入れやすくなっているのも一つの要因である。
また断捨離思想が浸透し、身辺をスッキリさせようというムードが流行っているのも一つある。要らないものでも捨てるのはもったいない、誰かに使ってもらえばまた役に立つ、との思いが根底にある。
要らないものを売って、その利益で必要なものを買うことで一人二役、つまり誰でも売り手になれるし買い手にもなりうるのが、C2Cビジネスの強みである。この繰り返しが、プラスのスパイラルを呼び起こすことになる。
実際利用者の多くが既婚の女性で、自分や子供の不要になったものを売り、必要なものを安価に手に入れることで家計のやり繰りをしていることが多く見られる。つまり自分の利益=他の人の利益となり、満足感に繋がるのである。
コミュニケーションの場所として
「メルカリ」はもはや単なるマーケットではない。「メルカリ」でものを売買する時、お互いに気軽なチャットで取引をすることが人気の一つである。コミュニケーションの中に ある種の自己表現がなされているという認識が満足感に繋がっている。
リアルフリマイベントも数回開催され、コミュニケーションのできるマーケットつまりコミュニティと言うこともできよう。
地道な努力
しかしこのようなうなぎ登りの人気も驚くべき数字も一朝一夕で出来上がった訳ではない。
「日本でコツコツやってきて~最初は苦しかったですよ。一日10万円売れただけでも嬉しかった。」と代表取締役会長兼CEO山田進太郎氏。
先を見据え、世界を目標としながらも、足元からしっかりと踏み固めるという地道な努力の末に数字として表われたのである。と同時に先見の明があったことも成功の大きな誘因である。
個人間の売買には根強い需要があることを山田氏は強く感じていたという。流通と決済がきちんと整っている日本で始め、将来的に世界に広めていく構想が初めから整っていたのだ。
豊富な人材
どのような立派な構想も一人では成し得ない。この点で、メルカリは最高の幸運に恵まれていたといえる。
- 2013年山田氏がコウゾウを設立。
- 2月 富島寛氏 (バンクオブイノベーション創業メンバー)
- 5月 石塚亮氏(Rock You Inc 創業者)
- 上記3人で創業
- 7月 「メルカリ」リリース時、3人含めメンバー10人
- 8月 米Unitedと業務提携し同社取締役手嶋浩己が取締役に就任
- 11月 株式会社メルカリに商号変更。
- 12月 小泉文明氏(ミクシィ、他数社監査役、エンジェル投資家)入社
- 2015年1月 浜田優貴氏(サイブリッジ副社長)
- 5月 松本龍祐氏(コミュニティファクトリー創業者)
- 柄沢聡太郎氏(クロコス創業者)入社
というそうそうたる顔ぶれだ。偶然のタイミングの良さもあろうが、学生時代からの友人、知人とは言え、これほどのメンバーを集めるのは、非常に難しい。友が友を呼び、類が類を呼ぶことが出来たのは、山田氏の人柄とメルカリの風通しの良さの現れであろう。
同社は創業時から社外活動を自由にしている。取締役でも他の会社の相談役になったり、出資したり等、出入り自由な点が特徴である。これにより一つの殻に閉じこもることなく、見識を広め、新たな技術、情報を取り入れることができたのだ。
この柔軟性こそがこれほどまでの人材を集め、彼らの持てる力を十分に発揮する原動力となったのである。今後も彼らの活躍が大いに期待されるところだ。
今後の展開
現在の問題点
順風満帆に見える「メルカリ」だが問題がない訳ではない。利用者が利用しやすくと考えた方法が逆に仇にもなっている。
「メルカリ」は登録時に身分証明書の必要がないので、偽名でも使える。「らくらくメルカリ便」や「ゆうゆうメルカリ便」を使えば互いに住所を知られずに売買できるので、悪徳業者などが利用しやすく問題になっている。マネーロンダリングや未成年の使用、ブルセラ目的、盗品の売買など多岐にわたる問題の解決が急務である。
近々登録時の身分証明を導入することも視野に入れている。このことも含め、8月ヤフーと共同で、安全なEC(電子商取引)環境整備を目的にした「EC事業者協議会」を発足、互いに協力して、正常化を目指している。
84億円を調達―アメリカでそして世界へ
マーケットを広げるために一番重要視しているのはアメリカだ。2014年3月、第三者割当増資の実施により14億5000万円を調達した際に米国子会社を設立。日本の伸び率には及ばないがやや順調に伸びてきた。
今回2016年3月同増資の実施により84億円を調達、米国での展開にもつぎ込んだ。結果9月2000万DL到達。急速な伸び率だがまだまだ伸びしろはある。問題はカスタマーサポートのスケーラビリティ、詐欺対策やリテンション向上など日本国内以上に多く抱える。今後欧州(最近イギリスでも伸びてきている)や、途上国にも、と思いは広がる。
また1月BASE株式会社に出資という新たな方向性も示した。つまり自前で全部やるのではなく、出資というゆるやかな繋がりで周辺事業領域を攻めるという方式だ。その結果先ず、今までとは違ったタイプの有能な技術者を獲得することもできた。
国内では3月、子会社のソウゾウから新たなアプリ「メルカリアッテ」も提供開始。
これら一連の動きは、幅広い大型の組織を作る兆しとも感じられる。ユニコーンと言われる「メルカリ」の今後の動向に熱い視線と大きな期待が寄せられている。引き続き注目していきたい。
これから注目していきたい買取サイト
上記ではメルカリの今後の展開などを紹介してきたが、最近新しく人気が出ているスマホの買取サイトも触れておきたい。紹介する買取サイトでは、メルカリのように値段は決めることはできないが自分のタイミングで素早く売れるというメリットがある。
スマホのマーケットが運営する買取サービススママDASHプラスでは、シリーズによっては高値で売れる可能性もあり初めて利用する人も使いやすく送料、本査定額後のキャンセルも無料となっておりお得にもなっている。これからはメルカリだけでなく新しいサービスにも注目していきたい。
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