大正10年に創業したフーセンウサギ(Fusen Usagi)は、社内に起きたさまざまなできごとにより、中古市場における需要も大きく下がってしまった少し特殊な子供服のメーカーだ。こうした複雑な状況にあるフーセンウサギの子供服は、買取店の取り扱い商品に並ぶ人気ブランドと比べて売却先が見つかりにくい実態がある。
またこの会社がかつて自社ブランドとして販売していたキッズ衣料の中には、意外にも未だに買取可能なものも存在している。今回は、フーセンウサギの特徴や歴史、2019年4月20日現在で取り扱いのできそうな専門店の査定情報などに目を向けながら、こうしたメーカーのキッズ衣料を持つ方々が高い買取相場での売却を目指す上で心掛けたいポイントなどを詳しく整理していきたい。
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フーセンウサギとは?
フーセンウサギとは、かつて存在していた老舗の子供服製造卸企業だ。1921年に創業したこの会社では、かつて自社ブランドとなるセレクやフーセンウサギの他に、ナイキやソニア・リキエル、オリーブ・デ・オリーブ、ポール・スミスといった非常に幅広いライセンスブランドも展開していた。
番組スポンサー・CM提供による認知度の高さ
前述のようなブランド展開により勢いに乗ったフーセンウサギでは、1990年代に下記のような番組やレーシングチームとのスポンサー契約をおこなっていた。
- ・フーセンウサギレーシングチーム(F3)
- ・どうぶつ奇想天外
- ・平成ふしぎ探検隊
- ・桂三枝のにゅーすコロンブス
下降線をたどるフーセンウサギの業績
こうした形で平成9年頃にピークに達したフーセンウサギの人気や業績は、子供服業界における市況の低迷や少子化の影響などにより、一気に下降線を辿ることとなる。またポラリスグループの傘下に入り、再建に着手することとなった平成18年以降も、一度生じた減収には歯止めのかからない状態に陥ってしまったようだ。
その結果としてフーセンウサギは2013年10月に大阪地方裁判所に破産の申し立てをおこなった。大正時代から続いた長い歴史に幕を下ろすこととなる。
本格的によみがえった高級ベビー服ブランド セレク
会社としてなくなってしまったフーセンウサギの中にも、セレクのように他社が商標権を買取することにより本格復活を遂げたブランドも存在している。新会社によってつくられている2017年夏以降のセレクは、厳密に言えばフーセンウサギのブランドではない。しかし百貨店や専門店といった場所で積極的な展開をしていたかつてのブランドに強い印象を持つ方々の中には、セレクとフーセンウサギを重ねてしまうケースも少なからず存在しているようだ。
フーセンウサギ子供服で買取可能?
フーセンウサギのように過去に存在していたブランドへの対応は、専門店の査定基準や販売ルートによって大きく異なる実態がある。また2019年4月20日現在の日本国内では、このメーカーのキッズ衣料を歓迎するショップは非常に少ない傾向があるようだ。そこでここでは、一般の子供服買取専門店がどんなことを重視して買値をつけているかについて、少し詳しく見ていきたい。
大半の業者が重視する子供服の状態
まず中古市場でのリユース販売を目的に衣料品を買取する専門店では、商品の状態を厳しくチェックする実情がある。したがって今現在、高い人気のあるブランドであっても、シミや汚れ、穴あきなどの著しい問題を抱えた子供服は、基本的に減額査定もしくは買取不可となる。
また生活臭やタバコの臭いが強いブランド品も、買取市場では歓迎されにくい存在となる。したがって、将来的に売却予定のキッズ衣料があるときには、臭いやカビなどの付着しない環境で保管をするようにしてほしい。
子供服の購入年、使用年数も大事な査定基準
トレンドや流行デザインにこだわる専門店では、新作のキッズ衣料を買取するために査定基準の中に購入から2〜3年以内といった条件を並べる傾向がある。この基準を重視する業者の場合、2013年で破産となってしまったフーセンウサギの商品は、どんな最新モデルでも基本的に買取不可となる。
子供服の買取市場では一度も着用していない新品未使用の商品についても、愛らしいデザインが重視される。製造から3年以上が経てば買取対象外になる可能性が高いと捉えた方が良いだろう。
年数を重視しないショップも存在する
日本だけでなく海外に販売ルートを持つショップでは、古いデザインや購入年の子供服も歓迎する傾向がある。海外リユース向けの買取ができる専門店の場合、シミや汚れ、縮みなどのコンディション重視で査定がおこなわれる形となる。これに対して洋服としてのリユースではなく、ウエスなどへの再利用もできる業者の場合は、古いデザインや状態の問題などで買値のつかない衣料品も無料引き取り可能となるようだ。
ヤフオクやメルカリでフーセンウサギ子供服は売れる?
リユース目的とする買取基準のないメルカリやヤフオクは、出品する側の自由度の高さといった意味でもおすすめ度の高いツールとなる。しかしながらフーセンウサギというかつて存在していた古いブランドの場合、わざわざその会社の商品をキーワード検索で探す購入希望者が非常に少ない実態がある。
またヤフオクの場合、500円ほどの高額落札の大半が新品未使用のフーセンウサギ子供服となっている。したがって、デザインや形状などで際立つ魅力のない中古品の場合、こうしたフリマアプリで落札される可能性は低いと捉えた方が良いかもしれない。
フーセンウサギ子供服の売却に適した専門店を見つけたい
こうした形でフリマアプリを含めた買取市場の傾向を分析すると、人気ブランドと比べてウィークポイントの多いフーセンウサギの子供服は、柔軟な買取対応のできる専門店に査定に出すのが最も良いと考えられる。そこでここからは、子供服の買取市場で幅広い商品を買取できるショップの査定情報を確認しながら、フーセンウサギの売却先を比較検討する上でチェックしてほしいポイントをより詳しく整理してみよう。
ワットマン
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
神奈川県を中心に多くの店舗を展開するワットマンは、ノーブランドからスーパーの衣料品まで買取できるおすすめ度の高い買取業者だ。リユース目的でお客様より子供服を買取するこのショップでは、年数経過の古いデザインは買取できないとしている。
ワットマンの場合、しかし購入から2〜3年以内といった具体的な基準がない。トレンドのないスタンダードなデザインで状態の良いアウター類などであれば、フーセンウサギの商品でも査定がつく可能性があると言えるかもしれない。
国内販売の他に海外でのリユースや素材としての再利用もおこなえるワットマンでは、デザインやコンディションの問題で査定がつけられなかった衣料品を店内のリサイクルBOXで回収している。この箱に入れた子供服は、外国の工場でウエスなどに生まれ変わる形となる。
こうした形でリユース・リサイクル両方の対応ができる専門店の場合、査定NGとなった古い衣料品も自宅に持ち帰らずにその場で処分可能となる。また店内に回収BOXを設置するワットマンは、店頭買取サービス利用のメリットが高い専門店であると捉えて良いだろう。
エコリング
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
ブランド・ノーブランド問わず洋服買取のできるエコリングも、フーセンウサギ子供服の売却ができそうな専門店だ。良心的な買取対応で定評のあるこのショップでは、一般的なリサイクルショップで断ることの多いネーム有りやシミ有りの衣料品も査定可能としている。
買取できない衣類もある
しかしながらエコリングでは、衛生面において再販できない衣類を基本的に買取対象外としている。その具体的な例としては、下着や靴下、水着といった肌が直接触れる商品が中心となるようだ。
衛生面で考えると、あまりにもコンディションが悪く再販売が難しいキッズ衣料も歓迎されにくい存在であると捉えた方が良いだろう。また今現在、サイズアウトなどを理由に着用していない子供服は、経年劣化などが生じないうちに手放す心掛けが確実な現金化につながるポイントと言えそうだ。
各店舗でイベントやキャンペーンを開催中
全国の各店舗でオリジナルのキャンペーンやイベントを開催しているエコリングの場合、店頭買取を選択することで子供服の買取相場以上の価格で売却できる可能性が高い。例えば上野マルイ店では2019年4月21日現在、毎週火曜と水曜限定で古着10着を300円で買取するイベントを開催している。こうしたキャンペーンの開催期間中に売却をすれば、まとめ売りによるメリットも得られやすくなる。
セカンドストリート
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
全国に600以上のショップを展開するセカンドストリートも、店頭買取で子供服を売る方々におすすめ度の高い買取業者だ。この専門店の実店舗では、流行のデザインやコンディション問題さえクリアすれば、ハイブランドからノーブランドまで幅広い衣料品を買取してもらえる。また購入年に関する査定基準を公開しないセカンドストリートの店頭買取であれば、良い状態で保管されていたフーセンウサギ子供服も持ち込みやすいだろう。
買取方法によって取り扱い商品を変えるセカンドストリートでフーセンウサギのような古いブランドの子供服を売却できるのは、店頭買取サービスのみだと捉えた方が良い。これに対して自宅近くに実店舗のない人でも利用可能な宅配買取は、ホームページ内の取り扱い一覧に記載されたブランドのみが買取対象となる。
また大型商品を対象とする出張買取では、衣料品の取り扱いがない。したがって、セカンドストリートで子供服の高額査定を狙うときには、使い勝手の良さだけでなくそのブランドに合った方法を選択する必要があると捉えてほしい。
ドンドンダウン
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
フーセンウサギのようにトレンドに合わない非常に古いブランドや、1点ずつでは高額査定の見込めない子供服が大量にあるときには、複数の査定方法を用意するドンドンダウンの利用もおすすめとなる。
ドンドンダウンにおける衣料品の買取相場
この業者では、下記の4ランクのどれに該当するかによって異なる条件で査定をつけてくれる。
- ・買取強化中のブランド服→1点ずつ買取可能
- ・ドンドンダウンで特に人気のある服→500円/kg(月木曜日は750/kg)
- ・ドンドンダウンで人気のある服→50円/kg
- ・ドンドンダウンでの販売は難しい海外出荷向けの服→1円〜10円/kg
人気ブランドとは言い難いフーセンウサギ子供服の場合、国内リユース可能なデザイン、コンディションの品物であれば、50円/kgで買取してもらえる可能性が高いと考えられる。
古い子供服でも歓迎するドンドンダウン
前述のとおり国内だけでなく海外にも販売ルートを持つドンドンダウンでは、日本の子供服市場ではトレンドから外れた流行遅れとも言える古いデザインの商品にも査定をつけられる。したがって、今から5年以上前に会社自体がなくなってしまったフーセンウサギの子供服であっても、良い状態で保管されていれば大きな問題はないと捉えて良いだろう。
また良心的な買取対応をするドンドンダウンでは、自宅できちんと洗濯をおこなっていれば、わざわざ査定前にクリーニングに出す必要はないとしている。そのため、ブランドごとの仕分けやクリーニング業者の利用が必要のないドンドンダウンなら、売却に向けた準備もスムーズに進められることだろう。
まとめ
かなり昔に製造販売が終わってしまったフーセンウサギも、海外向けのリユースやリサイクルのできる専門店を利用すれば、買値がつく可能性が高いと考えられる。特に持ち込み商品に対して1点ずつ査定をつけるショップの利用の際には、フリーダイヤルやLINE査定などを使ってフーセンウサギの子供服も取り扱い可能か、事前確認をするのがおすすめ度の高い売却準備となる。
日本国内では歓迎されにくいフーセンウサギの商品を宅配買取で業者側に送るときには、後々のキャンセルや返送を生じさせないためにも取り扱いブランドの確認を必ずおこなう必要がある。この作業を省いて子供服を大量に送った場合、お客様の送料負担で査定のつかない商品が返送されてくることもある。したがって、前述のようにどんなに良心的な対応のできる専門店を使うときにも、査定基準や注意事項を確認した上で、相手方が困惑しない品物を送ることが宅配買取サービスを使うマナーであると言えるだろう。