1946年に誕生し2016年に生誕70週年を迎えたVespa(ベスパ)は、日常の足として多くファンに愛される人気のスクーターブランドである。レトロ&クラシックという表現がぴったりのベスパも、近年ではプレミアムな要素を凝縮したベスパ946の発表によって、謙虚なデザイン性とは真逆な高性能を兼ね備えられるようになった。今回は日本人ファンの多いベスパについて、リセールバリューが高い理由を皆さんと一緒に考えていきたい。
Vespa / Number Six (bill lapp)
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ベスパのデザイン性の高さ
ベスパとはラテン語で「スズメバチ」を意味する語で、ボディーのテールの形状が蜂のお尻に似ていることから名付けられた。横と後ろから見たとき、ぷっくりと膨らんだ丸いヒップラインが可愛らしいと絶大な人気を誇っている。
ベスパにはおしゃれ心をくすぐるラインナップが揃っており、トロな雰囲気に一目惚れして購入する人も多いと言われている。独創的なフォルム、独特でクラシカルなデザイン、そして多彩なカラーリングがベスパの特徴である。一般的なオートバイではカウル部分はFRPなどのプラスチック製であるが、ベスパでは自動車と同じくスチールモノコックボディが採用されている。これは二輪車では珍しく、鉄製のボディー自体がフレームになっているため車体のなかにフレームを持たない。最近ではプラスチックスクーターが主流だが、このスチールモノコックボディーの独特の質感が支持される理由の一つでもある。また、個性的な片持ち式のフロントサスペンションは航空機の前輪タイヤによく使われており、航空機製造を手がける会社、ピアジオ社がベスパ開発に携わったからこの構造が生まれた。タイヤ交換も非常に簡単で、4つのボルトを脱着するだけでできてしまう。
ベスパの人気モデル
では、ベスパの人気モデルについてもいくつかみておこう。
Vespa Primavera 125 ABS
Vespa Primavera 125 ABSはベスパの中でもっとも長く発売されているモデル、プリマベーラの名を継承したモデルである。また、各部位に即完売した最上位モデル「Vespa 946」のデザインも継承している。4st空冷短期等SOHC3バルブを搭載したi-Getエンジンを搭載している(i-Getエンジンは排ガス性能の向上や燃費効率といった環境への配慮されたエンジンである)。最新液晶デジタルメーターや収納スペースが完備されており、実用性と快適性の備わったモデルとなっている。
新車価格 459,000円
買取価格 280,000円〜498,000円
Vespa Primavera 50
Vespa Primavera 50はベスパの中で唯一の原付免許または普通自動車免許で乗ることのできるモデルである。上記のPrimavera 125 ABSと同様、車体に50ccのエンジン、空冷2st単気筒が搭載されており、とてもおしゃれなモデルとなっている。価格帯は少し高めだが、基本な装備はPrimavera 125 ABSと同じである。
新車価格 349,000円
買取価格 248,000円〜349,000円
Vespa Sprint 150 ABS
Vespa Sprint 150 ABSはベスパの中で人気の高いシリーズ「Sprint」の名を受け継いだ最新スポーツモデルである。他のベスパのモデルに比べて、スポーツ性能と走行性能が高いのが特徴である。グローブボックスの中にUSB給電ポートや電動サドルオープナーも完備されており実用性が非常に高い。また、新開発エンジンのi-Get(4st空冷単気筒3バルブSOHCエンジン)が搭載されている。
新車価格 486,000円
買取価格 348,000円〜899,000円
Vespa GTS 250
Vespa GTS 250はツーリングに特化したGTSシリーズの最新モデルである。快適性とデザイン性はもちろん、快適なツーリングが楽しめるように作られたのがこのモデルの特徴である。2種類の排気量(維持費の安い250ccクラスとベスパの中で一番大排気量の278ccクラス)を搭載したモデルがある。色は4つ(ドロミテグレー、バルカンブラック、ミッドナイトブルー、モンテホワイト)も展開しており、新色のモンテホワイトは2016年5月に発売されている。
新車価格 698,000円
買取価格 142,000円〜272,000円
ベスパの中古バイクが高価買取される理由とは
ベスパのリセールバリューが高い理由には、これから紹介する2つの背景が大きく関係している。
ファッション性の高さ
日本国内には、レトロ&クラシックを兼ね備えたベスパのデザインを真似て作られたスクーターがたくさん存在している。またベスパは、「ローマの休日」や「アメリカン・グラフィティ」、松田優作主演の「探偵物語」といった映画やドラマの中にも多く登場しているため、作品によって与えられたファッション性が日本人ファンの心を掴んでいると考えて良いだろう。
ピアッジオの影響
世界第4位のピアッジオグループ内で製造されているベスパは、ブランドとしての安定性という意味でもユーザ達に安心感を与える存在となっている。安定したメーカーには、倒産や売却による相場の高騰・下落はほとんどない。しかしコツコツと銘車を作り続けるベスパには、「これからもずっと続くメーカー」という安心感によってユーザや買取店の期待度が増しているため、結果として中古市場における需要にもイタリアンスクーターでは珍しい安定性が生まれているのだ。
人気シリーズと参考買取相場
高価買取が期待できるベスパには、スタンダードなベスパ50Sや2005年発表のGTV250_Navy、GTV250ieなどがある。創業60周年記念で作られたGTV250ieは、発売から10年以上経った今でも17万円~21万円もの高額査定が狙えるシリーズとなっている。また12インチホイールを採用したフラッグシップ車種GTV250_Navyの買取実績には、10年以上前の車種とは思えない25万円といった取引も見受けられるため、年式や走行距離を気にせず積極的に売却可能なメーカーと位置づけて良いだろう。
まとめ
デザイン性と性能、環境への優しさが詰まったベスパについて、日本国内で中古バイク需要が高い理由を紹介してみた。ベスパは国産スクーターに比べると乗り難く、クセのある乗り物ではあるが、それこそが味として非常に高い人気があるのだ。ベスパの中古車は、ほとんどのショップで高額査定対象となっている。また近年では、メール査定や一括査定サービスを活用した高価買取事例も多く見受けられる。一括査定サイトの中で、バイクユーザーから最も支持を受けているのがカチエックスだ。300社を超える企業が登録しており、情報を入力するだけで全ての査定情報が送られてくる。ショップを1つずつ比較していくとなれば手間も時間もかかってしまうが、査定サイトならば一度入力するだけで一気に複数の業者を比較することができてしまうのだ。少しでも高く売りたいと考えている方は、確実に使用すべきサービスだろう。