スコットランドのアイラ島は「ウイスキーの聖地」と呼ばれ、数多くのウイスキー蒸留所がある。ポートエレンはそのうちの一つであるポートエレン蒸溜所で作られていたシングルモルトウイスキーだ。ポートエレンは華やかな香りとスモーキーさを併せ持ち、アイラ産の特性を感じられる独特の味わいで根強いファンが多い。
ポートエレン蒸留所はすでに閉鎖され、熟成年数が長くなることでさらに味わいが深まることから幻のウイスキーと呼ばれ、高価で取引されている。また、蒸溜所を所有するディアジオ社が3,500万ポンドを投資して2020年に蒸留所を再開させると発表したこともあってさらに注目が集まっている。今回はポートエレンの買取相場と査定情報をまとめた。手持ちのポートエレンが少しでも高値で売れるように本記事を参考にしてほしい。
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ポートエレンは高値で買い取ってもらえるのか?
ポートエレン蒸留所が再開されるという話があるが、現在市場に出回っているのは閉鎖前に作られた在庫のみだ。いつかは在庫が底をつき、ポートエレンは永遠に飲めなくなってしまうという理由から在庫を買い集める熱心なファンが存在し、オークションでも高値で取引されている。長年自宅に眠っているポートエレンがあればぜひ一度査定に出してみることをおすすめする。
シングルモルトウイスキーとは?
モルトとは、英語で大麦麦芽を意味する言葉だ。つまり、モルトウイスキーは大麦麦芽のみで作られたウイスキーを指す。シングルモルトウイスキーの「シングル」とは、単一の蒸留所で作られたことを意味する。つまり、シングルモルトウイスキーとは大麦麦芽のみを原材料とし、単一の蒸留所で作られたウイスキーのことだ。
蒸留所では当然、複数の樽を使ってウイスキーを作る。樽によって味に違いがあるため、味を均一にするために専門の職人がウイスキーをブレンドする。シングルモルトウイスキーは「ブレンドしていないウイスキー」と思っている人も多いが、そうはなく、実際には大麦麦芽が原材料で単一の蒸留所で作られたものをシングルモルトウイスキーと呼ぶ。対して、複数の蒸留所で作られたウイスキーを混ぜ合わせて作ったものは「ブレンデッドウイスキー」と呼ばれている。
シングルモルトウイスキーの特徴
シングルモルトウイスキーは単一の蒸留所で作られることから、その土地の風土によって全く違う味わいになるのが特徴だ。バランスの良いブレンデッドウイスキーと比べると、シングルモルトウイスキーは個性を楽しむウイスキーと言えるだろう。
アイラ産ウイスキーの特徴
スコットランドのアイラ島には複数の蒸留所が存在し、ウイスキーのメッカと呼ばれている。アイラ産ウイスキーは「薬の臭いがする」と言われるほどスモーキーでピーティーな独特の味わいだ。ウイスキーファンの間では、「アイラウイスキーを飲まないと通ではない」と言われている。
アイラ産ウイスキーの独特な香りはピートによるものだ。ピートは日本語で「泥炭(でいたん)」と呼ばれ、植物や海藻などが長年かけて蓄積されていったもの。アイラ島は海に面していることから、アイラ島のピートは磯の香りが強い。この強烈な香りのピートを燃やしてウイスキーの原料となる大麦麦芽を焚くことによって独特な風味のウイスキーができあがるのだ。
ポートエレンとは?
スコットランドのアイラ島に位置するポートエレン蒸留所は、1824年に Alexander Mackay 氏によって設立された。その後、蒸留所をリースされた John Ramsay 氏が販路の拡大に努め、アイラ島が「ウイスキーの聖地」と呼ばれるようになるまでの礎を築いた。
しかし、ポートエレン蒸留所はスコッチウイスキーの不況を受け、1929年に操業を停止した。それから30年以上の月日が経った1967年に一度再開されたものの、1983年には完全閉鎖となった。閉鎖後も樽詰めされた原酒が残っていたため、いくつかの瓶詰業者によって「ポートエレン」の名前でリリースされてきた。
幻のウイスキー
すでに蒸留所が閉鎖されているため原酒の量には限りがある。また、貯蔵年数が増えて熟成されることによって味わいが深まり、愛好家の間では「幻のウイスキー」と呼ばれている。
蒸溜所を所有するディアジオ社は、2020年にポートエレン蒸留所を再開させると発表した。二度と再開することがないと言われていたポートエレン蒸留所再開の発表は、一部の愛好家の間で取引されていたポートエレンに再びスポットライトを当てることになった。蒸留所閉鎖前の貴重なポートエレンは今後ますます高値で取引されるだろう。
ポートエレンの特徴
ポートエレンはスモーキーでピリッとした辛口が一番の特徴だ。アイラモルトは「薬臭いウイスキー」と言われることがある程くせが強いが、ポートエレンはスモーキーさに加えて潮の香り、樽由来の干し草のような香りなど、さまざまな要素がバランス良く保たれている。アイラモルトウイスキーが好きではない人にも一度は試してもらいたい。
口当たりはマイルドで、ピーティーな香りがじわじわと迫ってくる。麦芽を焚いて乾燥させたピーテッドモルトを原料にしたウイスキーは独特のスモーキーさがあり、その中でも燻製のような香ばしい香りをピーティーと呼ぶ。スモーキーさはウイスキーに欠かせない要素で、ポートエレンはそんなウイスキーの醍醐味を存分に楽しめる。
ポートエレンのオークションサイトでの価格
代表的なポートエレンのオークションサイトでの価格は次の通りだ。
ポートエレン コニサーズチョイス
コニサーズチョイスは世界的に有名なボトラーズであるゴードン&マクファイル社を代表するシリーズである。同社は「コニサーズチョイス」のブランド名でさまざまな蒸留所のシングルモルトウイスキーをボトリングしている。ポートエレンのコニサーズチョイスのヤフーオークションでの取引価格は1980年〜1998年のものが6万円程度だ。
ポートエレン ダグラスレイン
ダグラスレイン社はスコッチウイスキーのブレンダーとして創業し、名作と呼ばれるブレンデッドウイスキーを世に送り出した。ダグラスレインの創業者がポートエレンを愛していたことから、ダグラスレインといえばポートエレンと言われるほどである。ポートエレンのダグラスレインは、ヤフーオークションで6万円~9万円程度で取引されている。
ポートエレン シグナトリー
シグナトリーは1988年創業の比較的新しいボトラーズである。ボトリングの数はダグラスレインの次に多く、ボトリングの質には定評がある。ポートエレンのシグナトリーのヤフーオークションでの取引価格は9万円〜24万円程度と高値である。
ポートエレンの買取相場
同じポートエレン蒸留所で作られたウイスキーでも熟成期間や樽の違いなどによって価格はさまざまだ。大手買取業者の大黒屋によると、ポートエレンの買取相場は一番安いもので「ポートエレン 17年 プロヴェナンス」の34,000円、最も高価なもので「ポートエレン 22年 1st オフィシャル 1979」の188,000円となっている(2019年5月8日現在)。
買取価格
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許可番号
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ウイルス
対策
オークションサイトの「ヤフオク」での取引価格もおおよそ数万円~十万円代後半だが、「ポートエレン 1979 22年 アニュアルリリース」が約244,124円で取引された実績がある(2019年4月18日)。希少価値の高い年代のものであればオークションの方が高く売れる場合もあるので、買取業者と合わせて主要なオークションサイトもチェックしておきたい。
ポートエレンの買取業者
希少価値の高いポートエレンを持っているならば少しでも高値で売れる方が良い。買取業者によって価格が異なる場合があるので、可能であれば複数の業者に見積を依頼することをおすすめする。今回はポートエレンを高値で買い取ってくれる業者を4つ紹介する。
大黒屋
買取価格
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ポリシー
ウイルス
対策
大黒屋は年間買取実績が150万件を超える老舗の買取業者だ。電話、メール、LINE で気軽に買取の相談ができる。一般的に30年、40年といった熟成年数が高いウイスキーほど高値になりやすく、箱の状態が悪くても驚くほど高額な査定結果が出ることがある。
お酒買取専門店ファイブニーズ
買取価格
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ウイルス
対策
ファイブニーズはお酒の買取を専門に行っている業者だ。「電話、メール等の対応が丁寧」「見積の時よりも高く買い取ってもらえた」など、評判は上々だ。また、買取価格も他と比べて高いとの口コミも多く見られるので、ポートエレンを買い取ってもらう業者の候補としておすすめしたい。
ブランド風月
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対策
ブランド風月は「ポートエレンについては全モデルの買取に自信がある」と謳っているだけあって、「箱がない」「売れるかどうか分からない」といった状態のポートエレンについても相談が可能だ。また、LINE@ を通じての査定や、査定以外の相談も受け付けてくれる。
ジョイラボ
買取価格
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対策
ジョイラボはお酒の高価買取専門の業者だ。他の業者からの見積価格を提示すれば最高値で買い取ってくれるので、先に他の業者でいくつか見積を取り、ジョイラボに提示することをおすすめする。「お酒を送る際の梱包材などを用意してくれた」「迅速に対応してくれる」など、良い口コミも多い業者だ。
ポートエレンを高く売るためのコツ
貴重なポートエレンを少しでも高く売るためにはコツがいくつかある。いずれも簡単にできることばかりなので、査定を依頼する前にぜひ実行してほしい。
なるべく早く売る
ウイスキーは食品なので、適切な環境で保管しないと蒸発や劣化の可能性がある。一般家庭でウイスキーを正しく保管しておくのはなかなか難しいので、飲む機会がないお酒はなるべく早く買い取ってもらった方が良い。また、時期によって買取価格が異なる場合もあるため、思い立ったタイミングでまずは査定をしてもらうことが大切だ。
汚れや埃を取り除く
倉庫や床下収納などで長期間保存されていたウイスキーは埃を被っている場合が多い。ウイスキーは中身だけを査定する訳ではないので、最低限、汚れや埃は取り除いた上で査定に出したい。
付属品は必ず付ける
ウイスキーは新品に近い状態のものほど買取価格が上がる。栓やグラスなどの付属品がある場合は必ず一緒に査定してもらった方が良い。自己判断で処分したことによってかえって価値が下がってしまう場合がある。
複数のウイスキーをまとめて査定に出す
買取業者によっては、複数のウイスキーをまとめて査定に出すことによって買取価格がアップする。倉庫や台所などに眠っているウイスキーが他にもないかどうか一度確認してほしい。
限定品の証明書があるか確認する
ウイスキーは限定品であれば証明書が付いているケースが多い。証明書があるウイスキーは高値で取引される傾向があるので、ポートエレンの売却を考えている場合は必ずチェックしておこう。
箱は捨てない
長年、倉庫などで保管されていたウイスキーは箱が破れたりシミがついたりして傷んでいる場合がある。ただし、箱が汚れているからといって捨ててはいけない。たとえ傷んでいても箱があることによって評価がアップすることがあるからだ。特に木箱は価値があがりやすいので、できる範囲で埃などを取り除いてきれいにした状態で査定に出そう。
まとめ
今回は「幻のウイスキー」と呼ばれるポートエレンの買取相場と査定情報を紹介した。スモーキーな香りをベースに潮や樽などの複雑な香りが楽しめるポートエレンはアイラモルトの中でも人気のウイスキーだ。近年のウイスキーブームを受け、ポートエレンは高価買取されやすくなっている。長年保管しているポートエレンがあれば、この機会に査定してみてはどうだろうか。