操作しやすく綺麗なグラフィックのスマホゲームをプレイする機会が多い昨今、色々と不自由だが味のあったレトロゲームをやりたくなることもある。レトロゲームの中でもかなりコアなファンが多いMSX(エム・エス・エックス)は、現在でも中古販売業者やフリマアプリ、ネットオークションなどの個人取引で流通している。
ここでは、フリマアプリ・メルカリでMSXがどのくらいの価格で落札されているのか、人気の機種はどれかを紹介していく。
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MSX(エム・エス・エックス)とは
1980年代に任天堂のファミコンが大ブームとなり、その後の1990年代にはスーパーファミコンやプレイステーション等の大人気機種を含む多くのゲームハードがリリースされ、家庭用ゲーム機は最盛期を迎えてた。そんな環境の中でMSXシリーズはどのような存在だったのか、簡単に歴史を振り返ってみる。
時代背景
1980年代当時、パソコンは現在に比べてかなり高価な商品であった。デスクトップ型で約30万前後、ノートパソコンはまだ流通しておらず、子供に手が届くようなものではなかった。そんな中、当時のマイクロソフトとアスキーが提唱したパソコンの共通規格の名称がMSXである。20近くの企業がこの企画に賛同し、各々MSX企画のパソコンをリリースした。
売価が5~10万円前後と、それまでのパソコンに比べると圧倒的に安価で、最も安いカシオ製MSXは約3万円だった。発売からわずか2年で販売台数100万台を突破し、その当時最も売れた8bitパソコンとなった。
その時期に国内パソコン市場のトップシェアを誇っていたNECやシャープは、MSX規格には参加しなかった。また、MSXを安価なパソコンというよりは、ゲームハードであると捉えている購入者は多かった。そのため、同時代に過熱していく家庭用ゲーム機市場の中での位置付けとしてはメジャーとは言い難い。
MSXシリーズ
初代のMSX(以下MSX1)に次いで、MSX2、MSX2+、MSXturboRがリリースされた。MSX1は最も安価な5万円以下の機種が多く、ほぼ同時に販売されていたMSX2は10~15万円でグラフィックなどの機能面が強化されていた他、フロッピーディスクドライブが搭載されている機種もあった。
MSX2+では、参入がソニー、サンヨー、パナソニックの3社のみにとどまり、MSXturboRでは、参入企業がパナソニック(当時は松下電器産業)のみとなり、シリーズの最後を飾った。
参入企業
人気機種HIT-BITの発売元であるソニー、MSXturboR規格まで製品をリリースしたパナソニックの他に、ナショナル、カシオ、キャノン、日立、ヤマハなど様々なジャンルの企業がMSX規格に参入していた。当時の家庭用ゲーム機市場と同様に、多数の企業が争う群雄割拠の時代だったことが窺える。
当時高級パソコン市場でも売り上げていた富士通は1機種のみMSX規格製品をリリースしたが、自社の機種との互換性を持たせようと一部MSX規格に沿っていない面もあった。
このように参入各社は、規格の中で独自性を打ち出しており、ヤマハなら音源強化といったように、各社ワープロや動画編集などの機能を搭載して差別化を図っていた。
バーチャルコンソール
1990年代後半には家庭用ゲーム機市場の成熟と、パソコンの高機能化・低価格化という状況が重なり、MSXは衰退期に入る。2000年代にはMSXシリーズ製品を購入したユーザーも、本体の老朽化やサポートの終了により正常に動作するものが少なくなっていった。
そんな状況の中、2006年に任天堂がWiiのバーチャルコンソール上でMSXのソフトをラインナップすることを発表した。これによりハードがなくても、MSXのソフトウェアはプレイできる環境が提供された。
ワンチップMSX
MSXのソフトだけではなく、ハードを復活させる試みがワンチップMSXである。MSX2相当の回路が、幅135mm・奥行き156mm・高さ32mmの基板上に配置されており、D4エンタープライズから5000個限定で発売された。再販は無く、2011年にサポート終了がアナウンスされている。
MSXのゲームソフト
MSXゲームソフトの供給で中心的な役割を担っていたのはコナミである。アクション、スポーツ、RPGなど多くのジャンルのゲームを発売していた。ユーザーの間で人気のあるソフトも多い。
現在でも人気タイトルであるメタルギアソリッドもMSX2用に開発されたが、高性能ではないハードだったからこそ、あまり動かなくても良い「ステルスゲーム」というジャンルが考案されたという話は有名である。
MSX規格の提唱企業で「MSXマガジン」も発行していたアスキーは、本体はリリースせずにソフトウェア開発に参入していたが、大成功したとは言い難い。HIT-BITでハード面での売り上げに貢献していたソニーは、ソフトも大量に供給していた。
その他にも、エニックスやナムコ、ぷよぷよで有名なコンパイルなど様々なメーカーがソフトを制作していたが、MSXハードの衰退と、家庭用ゲーム専用機市場の成長により、発売本数は徐々に少なくなっていった。
メルカリにおけるMSXの取引情報
レトロなゲーム機であり、パソコンでもあるMSX。フリマアプリ・メルカリではどのくらい取引が行われているのだろうか。取引情報を見ていこう。
ゲームソフトが中心
MSXのソフトウェアはカセットテープ、ROMカートリッジ(ファミコンのカセットと同様の形態)、フロッピーディスクなど様々なメディアで供給されていた。プレイするために別売りの周辺機器を必要とするものが多いため、MSX本体に直接挿入できるROM版と呼ばれるファミコンカセットタイプのものが人気である。
価格には数百円のものから一万円を超えるものまで相当の幅があるが、一本千円以下のものはほとんど出品されていない。メーカー、タイトルに関わらず全体的に高値で取引されているといえる。
ジャンク品
また、MSX本体の出品について特徴的と言えるのは、「ジャンク品」が多いことである。テレビとの接続ケーブルが失われていることも多いため、電源ランプがついた、という通電確認のみの商品が半分以上を占める。
だが電源すら入らない商品であっても、そこまで値崩れはしない傾向にある。発売されてから既に30年以上が経過しており、現存する本体もかなり少ないため、修理部品を求めるユーザーが常に一定数いるためと考えられる。モニタに接続して各ソフトの動作確認まで行っている出品と、通電確認のみの出品の落札価格にそこまで大きな差はみられない。
入手困難なためにジャンク品も高値で流通しているということは、コードや周辺機器なども揃っているほど価格が上がる可能性があるので、出品の際は手持ちの品をよく確認してみるとよい。スティック型・パッド型のコントローラーや専用マウスなどは、どれも3,000円以上の高価格で落札されている。
MSX本体の中で人気のMSX2
メルカリでSOLDOUTとなっている商品を調査すると、人気があるMSX本体はソニーとパナソニックがリリースしたMSX2規格のHB-F1XD(ソニー)とFS-A1F(パナソニック)である。
両機にはフロッピーディスクドライブ(FDD)が搭載されており、ROMカートリッジに加えてフロッピーで提供されていたゲームもプレイしやすいため人気がある。MSX1本体では、MSX2向けに開発されたゲームをプレイすることができないので、より上位の機種を購入したいユーザーが多いことも一因である。
MSX2の平均落札価格
メルカリでのMSX2の平均落札価格を紹介する。- ・MSX2ソニーHB-F1XD平均落札価格:13,000円
- ・MSX2パナソニックFS-A1F平均落札価格:16,000円
ともに「HIT-BIT」のロゴがついた人気ハードであるHB-F1XD(ソニー)は本体単品での出品が中心で、説明書が付属しているものが多くみられる傾向がある。ソニーのMSXの説明書は分かりやすいと、ユーザーの間では人気がある。
FS-A1F(パナソニック)はソフトとのセット販売が比較的多く、ソフト10本付きで3万円という出品もあった。
その他のいくつかのメーカーのMSX2の平均落札価格は、日立8,000円、サンヨー6,500円、ヤマハ6,000円程度となっている。
パナソニック製が人気のMSX2+
開発メーカーが3社しかなくそもそもの市場供給数が少ないため、メルカリへの出品数も少ない。しかし、MSXは上位互換のためなるべく上位機種を手に入れたいユーザーが存在するため、出品されると早くに落札される傾向がある。
- ・MSX2+パナソニック:平均落札価格:21,000円
- ・MSX2+ソニー:平均落札価格:13,000円
- ・MSX2+サンヨー:平均落札価格:9,000円
メルカリでは、パナソニックのFS-A1WSXという機種が、MSX2+の中では特に高値で取引されている。動作確認されているものが多く、商品ページに仕様説明や整備状況を詳しく記してある出品者が多いためと考えられる。
MSXturboRとワンチップMSXはプレミア価格
この規格のMSXをリリースした企業はパナソニックのみで、FS-A1ST、FS-A1GTの2機種が存在する。
- ・MSXturboRパナソニック平均落札価格:45,000円
- ・ワンチップMSX平均落札価格:45,000円
MSXturboRは出品数自体がかなり少なく、動作確認が行われているものは4万円を超えるプレミア価格となっている。ジャンク品でも1万円で落札されており、出品されている機種はFS-A1STのみである。FS-A1GTはメルカリ上では流通していない。
ワンチップMSXはメルカリ上には1件のみ出品されており、高額で落札されている。生産数が限られているため、流通自体が少ないレア商品である。
MSX1の落札価格は低め
先ほども述べたようにMSXは上位互換のため、初期の機種ではプレイできないゲームが多くなる。そのためMSX1の落札価格は上位機種に比べると5分の1程に落ち込む機種が多い。
- ・MSX1パナソニック平均落札価格:15,000円
- ・MSX1ソニー平均落札価格:2,500円
- ・MSX1カシオ平均落札価格:3,000円
パナソニック製のみ後継機種と同様の価格で取引されているのは、すべての規格をパナソニックで揃えたい、というユーザーが一定数いるためと思われる。MSX2では高価落札されているソニー製でもMSX1では2,000円台に留まっている。
その他の企業の平均落札価格は、ナショナル3,000円、サンヨー2,000円ほどとなっている。
MSXの業者買取価格
フリマアプリ・メルカリなど個人売買の場で高値で取引されているMSXシリーズだが、業者買取価格はどのくらいだろうか。
駿河屋の買取価格
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
- ・MSX2ソニー:30,000円
- ・MSX2サンヨー:30,000円
- ・MSX2パナソニック:8,800円
- ・ワンチップMSX:44,000円
人気機種のMSX2を中心に見てみると、メルカリよりもかなり高値で買い取っていることが分かる。メルカリとは異なる傾向として、パナソニック製が極端に安いことがある。ソニーとサンヨーはどの機種でも高額買取対象である。
ゲームブリッジの買取価格
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許可番号
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ウイルス
対策
- ・MSXturboRパナソニック:1,955円
買取価格が提示されているのはMSXturboRのみで、他はMSX関連書籍の買取が価格検索にひっかかるのみであった。
宅配買取が便利なトイズキング
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対策
ゲーム類の買取ならトイズキングもおすすめだ。MSXの買取価格は掲載されていなかったが、レトロから最新版まで幅広いゲーム類を買取しているので、他社に劣らない買取価格がつくと思われる。買取方法は人気の宅配買取の他、出張買取、店頭持ち込み買取にも対応している。全国から送料や出張費などの費用が無料で利用できる、おすすめ店だ。
手軽にMSXを売りたいときはネットオフ
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対策
メルカリでもそうだが、業者買取の場合もどこで売るかによって相当の価格差があることが考えられる。最新機種であればどこでも高額買取を行っているが、レトロゲームやマニアックなゲームは各業者がどのジャンルに力を入れているかによって査定額が大きく違ってくる。1円でも高く買ってくれる業者を時間をかけて探すのも良いが、他のものとまとめて手軽に昔懐かしい品々を処分したい人も多いのではないか。
ネットオフであればゲーム買取の専門店ではないが、大掃除で出てきた他の不用品、読んでしまった最新刊、着なくなったブランド品など、様々な商品をまとめて買取査定してもらえる。手軽に頼める宅配買取は段ボールも無料で送られてくるので、詰めて送ってしまえば後は買取金が振り込まれるのを待つばかりである。常に各種キャンペーンを行っているので、自分がまとめて処分したいジャンルの買取アップキャンペーンの開催中に査定を依頼すると、さらにお小遣いが増えるかもしれない。
可能な限り少ない労力でなるべく多くの臨時収入を手に入れたい人は業者買取が合っているだろう。
まとめ
メルカリでMSXを売買するときの落札相場を見てきた。レトロゲームの中でもかなりコアなファンが多いMSX は、中古で探し求めている人も多いはずだ。それを証拠に、現在でも業者やフリマアプリ、ネットオークションなどで取引されている。また、可能な限り少ない労力でなるべく高値で売りたいときは業者がおすすめだ。
今回の記事で相場や取引の注意点を詳しく紹介したので、メリットとデメリットをよく考え、複数の方法と比較検討したうえで、納得のいく取引を行ってもらいたい。
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