2003年に地上デジタル放送が始まって以来、液晶テレビはDVDレコーダー、デジタルカメラと並ぶ「デジタル三種の神器」として普及してきた。液晶テレビは「1人1台」の時代とも言われ、家庭の各部屋に設置されていることも当たり前となっている。
そのような時代の流れを受け、「ヤフオク」でも液晶テレビの取引は非常に活発だ。しかし中古の液晶テレビは価格も様々で適正な相場も分かりにくい。ここでは中古液晶テレビを「ヤフオク」で売買するにあたって参考になる相場情報を紹介する。
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インチ数とブランドは売買相場に大きく影響
中古液晶テレビの売買相場をチェックするときに、まず押さえておきたいのがブランドとインチ数だ。同じ製造年式で性能も似た液晶テレビでも、この2つの違いによって価格は大きく違う。実際の落札相場も挙げながら解説する。
1インチは500円が目安
業者が液晶テレビを買い取るときの目安として、「1インチ=500円」というものがある。例えば40インチの液晶テレビを買取専門店に持ち込むと、20,000円の買取価格が期待できるという訳だ。つまりインチ数が増えるほど高く売れる。
しかしこれは査定に減額要素がまったくない場合の価格である。実際の買い取りではほとんどのケースにおいて、付属品の欠品とか本体の小傷などにより減額がされる。
「ヤフオク」でもこの「1インチ=500円」という法則は通用する。出品者ならばこの計算方法で算出した価格から、コンディションや製造年式を参考に自分で価格を差し引いたものが出品価格になる。購入側の場合は、「1インチ=500円」はあくまで未開封新品や新古品レベルのものだと考え、中古品の場合はいくらかその価格よりも安いものが適正な相場だ。
国内ブランドは値崩れしにくい
国産家電は現在、海外の安価な製品に押されて苦しい状況にある。しかしその中でも健闘しているのが液晶テレビの分野だ。国内では今でも日本メーカーの上位4社が圧倒的なシェアを占めており、国内ブランドの信頼は厚い。
それだけに「ヤフオク」でも国産メーカーの液晶テレビは価格が堅調に推移しやすい。ブランド名を挙げると、「アクオス(AQUOS)」や「ブラビア(BRAVIA)」、「レグザ(REGZA)」などだ。
逆に気をつけたいのが、海外メーカーの液晶テレビの値動きだ。国内ブランドの製品に比べると値動きの幅が大きく、価格が予測しにくい。「ヤフオク」内の傾向としては、年式が新しい液晶テレビは国内、海外メーカーを問わずにそこまで価格差はないが、年式が古くなるに従い海外メーカーの製品は価格の下落幅が大きくなる。
例えば以下の実際の落札相場もそのような傾向がある。
- ・東芝 レグザ REGZA 32S5 2013年製:12,000円
- ・シャープ アクオス AQUOS LC-32H10 2013年製:14,500円
- ・ハイセンス LHD32K310RJP 2013年製:6,250円
- ・LG スマートTV 32LS3500 2013年製:5,000円
上に挙げた取引は何れも2013年製の32型の液晶テレビの落札価格であり、取引時期も近い。上2つが国産メーカーで、下2つが海外メーカーの製品になる。このクラスの液晶テレビは2台目や自室用としてそのサイズ感が人気であり、各メーカーとも毎年新モデルを出しているため「ヤフオク」でも出品が多い。
商品のコンディションや各型番ごとの性能なども影響するため一概には言えないが、この例のように海外メーカー製の液晶テレビは年月が経つと値段が下がりやすい。
このような相場の傾向から、海外メーカーの液晶テレビを出品するときは早く売ることを心掛け、逆に購入するときは値下がりを待つのが有効だ。国産メーカーの液晶テレビは先述のように値崩れが起こりにくいので、出品時は少し強気の価格設定にするのも良い。購入する場合は、価格がいくらか下がりやすい新モデル登場の時期を狙うなどしたい。
落札相場が適正かどうか調べるには
「ヤフオク」では簡単に中古液晶テレビの過去の落札相場価格を調べられる。しかし商品の落札価格が分かっても、その価格が高いか安いかの判断はまた別の問題だ。その価格が適正かどうかを見極めるには、他のサービスを利用して調べるのがもっとも確実だ。ここではその方法を挙げていく。
フリマアプリや他のオークションも参考にする
フリマアプリの代表としては「メルカリ」が有名だ。他にも「楽天」が運営する「ラクマ」もユーザー数が多く、液晶テレビの出品もある。さらに「モバオク」といったオークションサービスの落札価格を参考にするのも良い。
これらの価格が必ずしも中古相場を反映したものとは限らないが、ユーザーが実際に売り買いをした価格が分かるのが非常に大きなメリットだ。
家電買取業者やリサイクルショップの価格を調べる
家電買取を行っている専門店やリユース系のショップならば液晶テレビの買い取りにも積極的だ。そのためそれらの店を回ることで、中古相場の価格が見えてくる。またネット上にウェブサイトを出している所ならば、無料のオンライン査定を利用するのも手っ取り早い。
このサービスの便利な点は、型番を入力するだけで参考査定価格や販売価格がすぐに分かる点である。
複数業者に査定をしてもらう
「ヤフオク」に出品する前に、複数の業者に実際に買い取りの査定をしてもらう方法も効果的だ。一社の査定だけだと、その業者のニーズ次第でどうしても相場からズレた価格になることがある。そこで複数の業者に買取査定を出すことで、より正確な相場を出せる。
中古液晶テレビは商品によっては新品の半額から6割以上の落札価格も十分期待できる。それだけに出品で損をしないように、正確な相場を知っておくと有利に事を運べる。
安く買うための相場情報
中古液晶テレビの価格はこれまで挙げたようにインチ数やブランドなどが影響しているが、他にも時期によって値動きがあったり、性能や機能が関係していたりとその仕組みは複雑だ。ここでは安く買うために知っておきたい相場情報を記述する。
モデルチェンジの時期は購入のチャンス
車と同じで液晶テレビも新しいモデルが出ると、旧来のモデルは値段の下げ幅が大きくなる。そのため「ヤフオク」で中古液晶テレビを購入する場合もモデルチェンジの時期を狙ってみると、あっさりと欲しいモデルが安い値段で買えることがある。
モデルチェンジの時期は春夏モデルが3月から7月、秋冬モデルだと9月から11月あたりが一般的だ。この時期は業者からの大量出品もあったりと、何かと美味しい出品が多いため、狙っているモデルがあるならこまめにチェックをしたい。
価格の安さを求めるなら
現在の液晶テレビの解像度の主流はハイビジョンとフルハイビジョン、そして4Kだ。8Kもあるがまだまだ普及しておらず、「ヤフオク」でも出品は少ない。この解像度の中で価格面で特にリーズナブルなものがハイビジョンとフルハイビジョンだ。
解像度は1,366 x 768画素、後者が1,920 x 1,080画素であり、4Kなどの映像を本来の解像度で楽しめないのがデメリットだ。しかし「ヤフオク」でも10,000円~30,000円前後で買える製品も多く、価格訴求力は高い。例えば以下のような落札相場がある。
- ・ソニー ブラビア BRAVIA KDL-52W5000:13,500円
- ・シャープ アクオス AQUOS LC-52LX1:23,500円
どちらも52型のフルハイビジョンで、製造年数が家電寿命と言われる10年前後なのが難点だが、かつての国産準フラッグシップモデルが中古ではこの価格で購入できる。現在は4Kテレビへの買い替えが進みつつあり、今後中古市場にハイビジョンとフルハイビジョンの液晶テレビがさらに増えるため、より相場も下がるのは間違いない。
高く売るための相場情報
出品を「ヤフオク」にするからには高く売りたいのが人情だ。そこで中古液晶テレビを売るにあたっては、以下のポイントを特に意識しておきたい。
外箱などの付属品の価値は高い
中古買取業者に液晶テレビを持ち込んだ際に、外箱などが欠品だとかなりの減額をされてしまう。これらの付属品は液晶テレビでは価値が意外と高く、出品時に欠けていると入札価格も上がりにくい。実際の落札相場を43型「レグザ」で比較する。
- ・【新品同様】18年製 43C310X 43V型 TOSHIBA REGZA 4K対応 43インチ 東芝:61,000円
- ・箱なし/未使用 2018年製 4K対応 43V型 東芝液晶テレビレグザ 43C310X :51,000円
どちらも2018年製の最新モデル「43C310X」であり、現在の新品価格では70,000円から80,000円の製品だ。この2つの製品はともに未使用品と商品説明にあり、違いは外箱の有無だけだ。
しかし上記のように落札価格で10,000円も違っている。落札価格は入札者の数なども影響するので、一概に箱の有無だけでこれだけの価格差が出るとは言えないが、箱も含めた付属品の有無が大きく価格に影響を与えるのは確実だ。
ボーナス時期は落札価格が上がりやすい
7月初旬と12月初旬はほとんどの企業のボーナス支給時期にあたる。この時期は「ヤフオク」でも比較的高額な商品が落札されやすく、液晶テレビも例外ではないため、狙い目の出品時期だ。
しかし同じ考えから他の人も出品をすることが多いため、同じ液晶テレビの出品があった場合は商品説明でアピールポイントを増やしたり、価格を少し下げるなどの対策も必要だ。
同様の狙い目として、企業の給料日に設定されていることが多い15日や25日前後も比較的落札が増え、落札価格も上がりやすい。出品期間を調整してオークション終了日時と給料日を重ねるのも、基本的な「ヤフオク」のテクニックとして有効だ。
製造から5年以内のモデルは売れやすい
液晶テレビは5年ごとに価値が下がりやすくなる。これは中古業者の買い取りの基準となっているためだ。基準としては以下のようなものだ。
- ・製造から5年以内・・・新モデル、準新モデルとして扱ってくれる
- ・製造から5~10年・・・家電寿命である10年に近づくと買取価格が大きく下がる
- ・製造から10年以上・・・買取不可の業者も多く、買取可能なものも二束三文の価格がつきやすい
「ヤフオク」も中古市場である以上、この影響を強く受けており、製造から5年以内のモデルは高めの落札価格で売れやすい。不要な液晶テレビが手元にある場合は、製造から5年を経過する前に売るのが賢い処分方法だ。
まとめ
ヤフオクで中古の液晶テレビを売買する時の落札相場情報を紹介した。ヤフオクでは液晶テレビの取引は非常に活発だが、中古の液晶テレビは価格も様々で適正な相場も分かりにくいのが現状だ。
売買するなら製造から5年以内、モデルチェンジやボーナスの時期、給料日前後などタイミングをよく見計らって、後悔のない取引を行おう。