例年のように続く猛暑や熱中症といった問題もあり、今やエアコンは多くの人にとって必須の家電になっている。一方で、転勤や買替などで不要となったエアコンが中古市場にも大量に流れており、ヤフオクにおいても価格のお値打ち感もあって取引が多い。各メーカーの新製品から旧製品まで揃い、中古エアコンの選択肢は新品のそれを遥かに上回る。それだけに中古エアコンの相場情報はぜひ押さえておきたいところだ。
ここではヤフオクで特に取引の多い、セパレートタイプのエアコンの落札相場について触れていく。
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中古エアコン相場の基礎知識
エアコンの中古相場価格と言ってもピンと来ない人も当然いるだろう。しかし他の家電製品と共通する点も多いため、基本的な家電相場の知識があれば応用できる点も多い。ヤフオクも中古市場の1つである以上、この知識が通用する。そこでまずは、中古エアコン相場の基礎知識を列挙する。
新しい製品ほど価値が高い
当然のことだが、他の家電同様にエアコンも販売年が新しい製品ほど価値が高い。家電の場合は製造から5年を境に価値が急落しやすい。
理由としては、リサイクルショップなどの中古買取業者は、製造から5年以上を経過した製品を買い取らないことが多いためだ。これはエアコンも同様で、5年を目処に価格の下落幅が大きくなるため、売買の何れにおいても覚えておきたい。
製造から10年が経過すると価値が大きく下落する
製造から10年以上経過した中古エアコンは、メーカーを問わず中古相場価格が大きく下落する。これは家電メーカーが保有する補修用性能部品の最低保管年数が9年のためだ。メーカーのサポートが受けられるうちは例え中古でも問題なく使用できる。
しかしサポートを受けられないとなると、中古エアコンの購入のリスクは一気に高まる。そのため製造から10年を過ぎたエアコンは中古市場でも敬遠される傾向があり、価値が大きく下がる。
省エネ効果が優れた機種は人気がある
エアコンを購入する場合は、イニシャルコストよりもランニングコストが大事だと言われる。長時間稼働することが多い家電のため、本体価格よりも電気代の方がトータルで高くつきやすいためだ。
そのため省エネ効果が優れたエアコンほど人気を集めやすく、ヤフオクでも落札価格が高くなりやすい。この傾向はどこのメーカーにも見られるため、中古相場価格を判断する上で重要な要素だ。
ただし省エネ効果の確認は、「冷暖房平均COP」と「省エネ達成率」の2つの数値を実際に確認することが大切だ。同じ省エネタイプのエアコンでも、その性能は機種ごとに違いも大きいためだ。どちらも数値が高いほど省エネ効果に優れているため、メーカーのカタログスペックを参考にして判断したい。
取り外しを専門業者に依頼した製品は高評価
ヤフオクで出品されているエアコンの中には、取り外しに専門業者を利用した旨を記載していることが多い。なぜなら専門業者に取り外しを依頼したことは、エアコンの出品では大きなアピールポイントになるためだ。
エアコンは内部に冷媒が使われており、何も考えずに取り外すとこの冷媒ガスが外に漏れやすい。もしガスが漏れてしまったエアコンを購入すると、ガスを補充しないと使えないため商品価値は大きく下がる。そのため取り外しを専門業者に頼んだことを出品時にアピールする訳だ。
仮に冷媒を補充するとなると、費用が15,000円前後は掛かる。これでは中古エアコンを購入するメリットが大きく薄れてしまう。そのため取り外しが問題なく行われたかどうかは、中古エアコンの相場価格に大きな影響を与えている。
付属品が揃っていない中古品は多い
中古市場に出回っているエアコンは、その特徴として付属品が揃っていない製品がかなり多い。例えば付属の配管がなかったり、リモコンがなかったり、本体を取り付ける器具である据え付け板が欠品しているケースだ。その多くはメーカーから取り寄せられるが、やはり余計な出費となるためその分価値を低く見られてしまう。
ヤフオクでも付属品が1つ欠けているだけで、中古相場価格より10,000円以上安く落札される出品例もあったりと、付属品の有無は中古エアコンの価値を左右しやすい。
容量が大きい機種ほど相場は高い
容量とはそのエアコンが何畳用かという性能を表す1つの指針だ。昔のエアコンは本来の部屋の大きさより、容量の大きなものを使用すると電気代が高くなるというデメリットがあった。
しかし昨今のエアコンは省エネ化と自動運転の性能が上がったので、ほとんど消費電力に差がなくなっている。そのため「大は小を兼ねる」ことから、中古エアコンも容量が大きいほど落札相場は高くなる傾向がある。
出品時に参考にしたい相場情報
自分が出品の側に回った場合、悩ましい問題となりやすいのが「出品価格をいくらに設定するか」だ。中古商品の価値の見極めは新品のそれよりも遥かに難しく、エアコンも例外ではない。ここでは中古エアコンをヤフオクに出品するときに参考になる相場を紹介する。
エアコン買取専門店の価格を参考にする
数は少ないがエアコンの買取専門店も存在している。これらの業者は専門店だけに査定の目も確かで、中古相場価格に見合った価格で買取をしている。
また、専門店ということで取り扱っているエアコンの機種も多く、自分が調べたいエアコンの相場が見つけやすいのもメリットだ。ウェブサイトを持っている業者ならば、各機種の買取価格を提示しているので、ネットからも簡単に相場検索ができる。さらに家庭用だけでなく、業務用のエアコンも手広く扱っているのも相場を調べる上でプラス要素だ。
ヤフオクの過去の落札相場を調べる
ヤフオクでは、過去に取引されたエアコンの落札相場を見ることもできる。出品物が並んでいるページで、「落札相場を調べる」をクリックすれば現在開催中のオークションに代わって、過去のオークションでの落札物が表示される。落札平均価格も自動で計算してくれるので、非常に便利だ。
ヤフオクでのエアコン落札相場例
実際にここではいくつか落札相場を見てみよう。
- ・ダイキン ルームエアコン AN28RCS-W / AR28RCS:29,000円
- ・ダイキン フィルター自動掃除搭載 Cシリーズ ルームエアコン 8~12畳 AN28RCS 2014年製:22,000円
上記の2つはダイキンのCシリーズのワンルームエアコンの落札価格で、型番は何れもAN28RCSだ。室内機と室外機がセットの出品であり、付属品も完備している。Cシリーズはどちらかといえば機能を抑えて、その分価格を安くしたエントリーモデルと言って良い。そのため落札価格も2014製のエアコンとしては比較的安めだ。
このようにヤフオクでは調べたいエアコンを機種や状態(新品・中古)、出品者(ストア・個人)などを指定して詳細に相場を調査できる。付属品などの出品もあるため、より正確な相場を出すには検索条件を指定して、リモコンだけの出品などを除外するのがベストなやり方だ。過去の正確な相場が分かることで、ユーザーが買いたいと思える価格で中古エアコンを出品できる。
フリマアプリを参考に相場を判断する
昨今はフリマアプリが流行しており、エアコンの出品も多数ある。そのためヤフオクで出品する前に、これらを参考に価格を調査するのも賢い方法だ。フリマアプリの良い所は、価格の交渉は売買する2人が行うため、需要と供給のバランスに合わせた適正な価格に落ち着きやすいことだ。ヤフオクのように入札者が競ってしまったため相場より高騰したり、逆に相場以下になることが少ない。
特に「メルカリ」のように人の多いフリマアプリならば売買が盛んなため情報が多く、同じメーカーの同じ年式のエアコンでも型番ごとに相場が判明しやすい。
注目したい落札例
過去のヤフオクの中古エアコンの取引の中で、相場の参考になるものについてここでは取り上げ、分析する。中古エアコンの売買の何れにおいても役立ちそうなものを中心に選んだ。
臭いが問題となるエアコンは多い
エアコンは長年使用していると生活臭の他、メンテナンス状態が悪いとカビ臭などもしやすく、出品時にも問題になりやすい。以下の取引はタバコ臭がするという出品例だ。
- ・TOSHIBA【RAS-401ER】東芝 大清快 14畳用 煙草臭:27,010円
大清快はTOSHIBAのルームエアコンのブランドであり、調査時点での同社の14畳向けのエアコンの平均落札相場は34,586円だ。RAS-401ERは2013年製で、中古エアコンとしての価値はまだまだあるにもかかわらず、平均落札価格よりもだいぶ下回ってしまった。
中古エアコンの臭いは嫌われることが多いため、出品時はクリーニングを徹底するなど対策をしておきたい。
ガス回収や分解清掃済をしていると入札されやすい
先にも触れたが、冷媒ガスの回収をしっかりと行っていると入札がつきやすい。それに加えて分解クリーニングも行っていればなおのこと価格も上がる傾向にある。以下の2つの出品は、上がガス回収とクリーニングをしており、下が特段その記載がない同機種の出品だ。
- ・極美品 ダイキン ルームエアコン 17年製 8畳用 F25UTES-W 外気R32 分解清掃 ガス回収済み:37,500円
- ・ダイキン ルームエアコン F25UTES-W/R25UES 8畳:27,500円
ほぼ同じ時期に出品された同じ型番にもかかわらず、このように約10,000円もの落札価格の差が生じている。価格差の要因のすべてがガス回収やクリーニングによるものとは限らないが、前者の方が商品状態が良好と入札者から判断されたのは間違いない。このように中古エアコンはメンテナスの状況で価格に大きな差異が生まれるので留意しておきたい。
入札で人気が出やすい機能一覧
最近のエアコンには様々な機能が搭載されているが、その中でもヤフオクの中古エアコンの落札価格に影響しやすい、人気の機能をまとめた。
- ・センサー機能
- ・フィルター自動掃除機能
- ・再熱除湿
センサー機能は人感センサーや温度センサーなどを組み合わせて運用し、人の有無で風量や室温を調整する機能だ。「再熱除湿」は通常の除湿と違って、室温を変化させずに除湿を行うことができる。
これらの機能は各社のハイエンドモデルには搭載が当たり前となりつつあるが、ヤフオクで出品される中古エアコンには搭載されていないことも多い。それだけに注目の機能として、入札を集めやすい。
人気機能付きエアコンの落札例
- ・パナソニック エコナビ お掃除ロボット ルームエアコン ~12畳 CS-28BVE4-W:37,000円
エコナビはお掃除ロボットというフィルター自動清掃機能が備わっている。フィルター掃除の手間が省けるため、中古エアコンの中でも人気機種の1つだ。2016年製という新しさもあって、13件の入札を集めて上記の価格で落札された。
まとめ
ヤフオクで中古エアコンを売買するときの落札相場情報をご紹介した。ヤフオクなど中古市場には、転勤や買替などで不要となったエアコンが大量に流れているが、悩ましいのは出品価格をどうするかである。
あらかじめ基本的な家電相場の知識を身につけて、ヤフオクの過去の落札相場などを参考にし、納得のいく取引を行いたいものだ。