自分がいない間に部屋を綺麗にしてくれる「お掃除ロボット」は、すっかり一般的になった。各メーカーがこぞって開発競争を繰り広げているが、やはり同業界のパイオニアであるアイロボット社の製品が人気・実力ともに頭一つ抜き出ているようだ。
そんなアイロボット社の「ルンバ」と並ぶ人気商品、「ブラーバ」は、拭き掃除をしてくれるロボット。自宅の床を自動で拭き掃除してくれるブラーバはとても便利だが、決して安い買い物ではない。
そこで、少しでもブラーバを安く手に入れたい、あるいは高く売りたいという方のために、大手オークションサイト「ヤフオク」でブラーバを売買する際の注意点や相場についてご紹介する。
アイロボット ファンプログラムアワード2016-4.jpg / TAKA@P.P.R.S
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ブラーバの種類とそれぞれの特徴は
どのモデルを中古市場で狙うか選定するために、ブラーバの種類を解説しよう。現在国内で発売されているブラーバは現在2種類しかなく、様々なグレードやオプションのあるルンバと比較すると非常にシンプルで、ブラーバは中古市場における「お値打ち品」を見定めやすい商品といえる。
発売されているモデルの型番は「ブラーバ380j」「ブラーバ371j」の2種類。ただしどちらも本体自体は同じ機械で、付属品による差異があるだけだ。
付属品一覧
そこでまず付属品について説明したい。双方に共通している付属品は以下のとおりだ。
- ・ACアダプタ:充電時に使用するもの。フル充電までの所要時間は約4時間。
- ・ノーススターキューブ..:ブラーバが現在位置を認識するための装置。その名の通り「北極星」のようにブラーバはノーススターキューブの周りを動いて掃除する
- ・クリーニングパッド2種:ブラーバ本体を掃除するもの
- ・ドライクロス:乾拭き用のクロス
- ・ウェットクロス:水拭き用のクロス
- ・交換用導水キャップ:ブラーバ本体の導水キャップは消耗品なので、その交換品
「ブラーバ380j」には急速充電機も付属
これに加え、「ブラーバ380j」では急速充電器が付属する。ACアダプタ単体だとフル充電まで約4時間かかるのに対し、急速充電器があればフル充電まで約2時間と、半分の所要時間で充電が可能となる。ただブラーバは、一度フル充電すれば約2時間半稼働できるので、よほど大きな家でなければ1日分の掃除には一度の充電で十分だろう。
また、急速充電器は縦置きできるスタンドも兼ねているので、使用していないときにすっきり収納できることもメリットとして挙げられる。
なお、ブラーバはルンバとは違って自動で急速充電器に戻る機能は付いていない。
「ブラーバ371j」にはクロスが付属
「ブラーバ371j」は急速充電器の代わりに追加のドライクロスとウェットクロスが付属している。
だがクロスは洗濯して繰り返し使用できるで、絶対に複数枚必要というわけではない。よって、急速充電器の付属している「ブラーバ380j」が上位機種、「ブラーバ371j」がお手頃モデルという位置づけのようだ。
並行輸入品も出回っていることに注意
国内で販売されているのは上述した2機種のみだが、アメリカで販売されている並行輸入品も市場には出回っている。型番でいうと「ブラーバ380t」「ブラーバ320」の2種類。
「ブラーバ380t」は国内機種である380jとほぼ同仕様で、クロスなども同じように付属品するが、あくまで海外製品であるために、故障しても国内で修理を受けられないというリスクがある。
また「ブラーバ320」は国内販売2機種よりも下位機種に位置し、急速充電器などの付属品が省略されている点に加え、さらに本体に貯水タンクがないために、水拭きする際にはその都度、自分でウェットクロスに水を染み込ませなければならない。さらに380tと同様、国内で修理してもらえない点も注意が必要だ。その代わり、これらの並行輸入品はヤフオクにおいても国内販売品よりも安く取引されているようなので、メリット・デメリットをよく考えた上で購入を検討してみてもいいだろう。
ブラーバジェットという商品もある
最後にブラーバジェットについても一応説明しておきたい。型番でなく商品名自体が違っていることが示すとおり、ブラーバとブラーバジェットはその仕組みからして大きく異なる。見た目もまったく違う。
ブラーバは本体に装着したクロスで床を拭き掃除する仕組みであるのに対し、ブラーバジェットは本体から水を直接噴射し、それを本体底面で拭き取るという仕組みだ。
ブラーバジェットは水拭きに特化したロボットであり、より強力な清掃力が期待できる反面、ノーススターキューブを用いた位置認識システム非対応だったりと、掃除効率は落ちる。掃除ムラもブラーバより大きくなる。
「人間の代わりに掃除をしてほしい」というよりも「基本的な掃除は自分でするから、水拭きだけ機械にどんどんやってほしい」という方は購入を検討してもいいだろうが、ブラーバと混同しないように注意が必要だ。
ヤフオクにおける中古ブラーバの売買相場
それでは具体的に、ヤフオクにおける中古ブラーバ各モデルの売買相場を見ていこう。ちなみに、アイロボット社ホームページの国内モデル新品正規価格は、「ブラーバ380j」が税込42,120円、「ブラーバ371j」が税込39,960円、「ブラーバジェット」が税込32,270円となっている。
国内上位機種「ブラーバ380j」の売買価格
「ブラーバ380j中古」で検索した過去120日間の落札件数は29件、平均価格は21,385円だった。比較的状態が綺麗で、付属品がすべて完備している商品でもうまく探せば20,000円前後で手に入るようだ。
ほぼ未使用品とうたわれている商品でも25,000円前後だった。定価の半値~半値以下という落札価格を考えると、ブラーバは中古で取得したほうがかなりお得な商品といえる。
これは掃除機という特性上、他人が使用していたものを使いたくないという人間心理もあるだろうが、引っ越しに伴って不要になったり、定期的に買い替える層や興味本位で購入した層が多いことも中古品が市場に流通しやすい一因になっていると思われる。
国内下位機種「ブラーバ371j」の売買価格
「ブラーバ371j中古」で検索した過去120日間の落札件数は6件、平均価格は21,483円だった。急速充電器が付属していない点を除けば380jと変わらない371jは、定価でも2,000円程度しか380jと差がない。
このため、多くのユーザーは380jを購入しているようで、必然的に中古市場における371jも流通量が少ない。流通量が少ないと競争原理が働かず価格が下がらないので、わざわざ371jを購入する理由がなく、必然的に平均落札価格は380jと同じになった。
並行輸入品「ブラーバ380t」「ブラーバ320」の売買価格
「ブラーバ380t」の過去120日間の落札件数は2件、平均落札価格は25,600円。「ブラーバ320」の過去120日間の落札件数は0件だった。
新品としては市場に出回っている並行輸入品は、ヤフオク市場ではほとんど見かけない。ただし上述したように国内で保証が受けられないというリスクがあるので、価格にメリットがない場合以外は、間違って購入してしまわないよう注意しよう。並行輸入品は本体価格が黒い(国内版は白い)ので、色の知識さえ持っていれば誤らないはずだ。
逆に、インテリアに強いこだわりがあり、カラーリングの問題でどうしても黒がいいという場合は、並行輸入品を購入するしかない。
ブラーバジェットの売買価格
「ブラーバジェット中古」で検索した過去120日間の落札件数は8件、平均落札価格は18,603円だった。発売からすでに2年以上経過していることから考えても、中古市場の流通量は少なく、いかに人気が「ブラーバ380j」に一極集中しているかがわかる。
逆に言えばあまり注目度が高いとはいえない商品なので、時間をかけて何度も設定金額の低い商品にチャレンジすれば相当安く手に入れられるだろう。15,000円以下で落札されている商品も散見された。
ヤフオクでお得にブラーバを手に入れるコツ
それではここまでの情報を整理して、上手に中古ブラーバを手に入れるポイントを紹介したい。売却を考えている方には、逆の視点で参考にしていただければと思う。
基本的には380jを狙う
市場における流通量は380jが他を圧倒しており、お値打ち品を手に入れられるチャンスも多い。またほとんど値段の変わらない371jよりも急速充電器が付属している分お得だ。ヤフオクで検索する際には380jを優先的に探そう。
あえて消耗品の欠品しているものを狙う
ノーススターキューブなどの専用付属品は必須だが、クロスは市販品で代用可能だ。都度使い捨てになるというデメリットはあるが、クイックルワイパーなどに代表される有名商品は難なく使用できる。あえて付属品の欠品している商品を狙うのも手だ。
並行輸入品に気を付ける
保証が受けられないうえに価格が国内品と変わらないのであえて手を出す必然性に乏しい。特に本体カラー以外変わらないブラーバ380tには十分に気を付けよう。
あえてブラーバジェットを狙う
そもそも流通量の少ないブラーバジェットは、さらに格安で手に入れられるチャンスがある。これは「誰も見ていない商品はそもそも競争が起きない」というヤフオク特有の事情によるもので、こまめにチェックすることで「入札件数1件」、つまり入札したのが自分だけ、という状況が発生しやすい。
まとめ
ブラーバは新品価格と中古価格の開きが大きく、中古品を選ぶことでお得に購入しやすい商品だ。購入検討の際には基本事項である付属品の欠品ありなしを必ずチェックしよう。
使用に必須となる付属品さえあれば、基本的には中古でも問題なく使用できるはずだ。加えて、中古品であるため故障のリスクは当然新品よりも増すために、必ず保証の付いている国内販売品を選択しよう。
また、他人の使用したものにどうしても抵抗がある場合は、商品を検索する際に「未使用品」と入力しよう。使用歴のある商品よりはさすがに値が張るが、それでも新品よりは格安で手に入れることができる。
中古市場はヤフオク以外にもメルカリや中古品販売店、買取専門店など、様々なチャンネルがある。それぞれの目的や事情に合わせて、何が一番よい選択肢なのか吟味したうえで、利用していただきたい。