「ブラーバ」は「iRobot」社が販売している床拭きロボットだ。高度なナビゲーションシステムと位置情報により、部屋の形状や家具などに合わせた清掃を行ってくれる。同社のお掃除ロボット「ルンバ」と併用できることもあって、2つを同時購入する人も多い。ヤフーオークション(ヤフオク)でも価格のお手頃感もあって取引されやすく、常時数百点の出品がある人気商品だ。
しかし、中古ブラーバは状態もまちまちな上に、出品価格も同じモデルでも開きがあったりと、選び方が新品よりも難しい。そこで、中古ブラーバをヤフオクで購入するときに特に気をつけておきたいポイントをまとめてみた。
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事前に知っておきたい点
現行のブラーバは複数のモデルがあり、ヤフオクではさらに並行輸入品も混じっていたりと、ラインナップも豊富だ。購入にあたっては、事前に知っておいたほうが良い情報もあるので、以下の点をチェックしておきたい。
「ブラーバ380j」と「ブラーバ371j」の違い
ヤフオクでもっとも出品が多いのは、国内正規品である「ブラーバ380j」と「ブラーバ371j」の2機種だ。そのため、まずこの2つの機種の違いを知った上でどちらが自分に必要か、あるいは別のモデルのブラーバがほしいかを判断するのが、上手なブラーバの選び方だ。
付属品の違い
実はこの2機種は性能面ではまったく同じである。違いは付属品で、「ブラーバ380j」には急速充電用のスタンドが付属している。急速充電スタンドは約2時間で充電が完了するのに対して、ACアダプターから充電した場合は約4時間掛かる。
また、急速充電用のスタンドは縦置きにできるため、ブラーバを使わないときは狭い場所に縦置きで収納できるというメリットもある。
海外仕様製品の存在
国内で流通しているブラーバには、日本仕様と並行輸入された海外仕様の2つのタイプの製品がある。例えば、国内の公式サイトで購入できる「ブラーバ380j」や「ブラーバ371j」は、モデル名からも分かるように、末尾に日本仕様を意味するアルファベットの「j」がついている。一方、海外製の並行輸入品は末尾のアルファベットが別の文字であったり付いていない。
そして、日本仕様と海外仕様のブラーバの違いは、一部機能と保証の有無がある。日本仕様のブラーバにない機能としては、「クイッククリーンモード」という、オープンスペース向けの時短掃除機能がある。また、海外仕様品は国内ではメーカーの修理対応から除外されるので、ヤフオクで中古を購入するにあたってはこの点を忘れないようにしておきたい。
本体でチェックしておきたい点
中古のブラーバを買う場合に多くの人が気にするのは、本体の状態についてだ。故障のリスクを考えると極力状態の良いものを手に入れたいし、デザイン性の高い家電だけに汚れなどがひどいものは避けたいところだ。ここではそのためのチェックポイントを挙げていく。
製造年数の確認
同じモデルであっても製造年数の違いはあるため、極力新しいものを選びたい。例えば「ブラーバ380j」なら、もっとも古い製造年数は2014年製だ。実際には使用状況が影響するため、必ずしも製造年数が新しいものほど状態も良いとは限らないが、1つの目安にはなるはずだ。
ボディの汚れや傷
ホワイトを基調としたシックなデザインもブラーバの魅力の1つだ。しかし、それだけに中古品だと傷や汚れも目立ちやすい。本体の機能とは直接関係ないが、毎日あるいは定期的に使用する家電だけに汚れや傷は極力少ないほうが快適だ。
ダンパーの痛み
家具を傷つけないように、ブラーバの前面にはゴム製のダンパーが装着されている。このダンパーは中古製品では痛みが現れやすい箇所なので、全体の状態を把握する上でも参考になりやすい。
ダンパーに小傷がついているくらいならば本来の役割を果たしている訳だから、特に問題はない。しかし、ダンパーのゴムがボロボロになっていたり、一部欠けているなどしている場合は、状態はそれほどよくないと判断すべきだ。
センサーは正常か
本体に搭載された各種センサーのおかげで、ブラーバは障害物や段差を認識している。そのため、センサーに難があると、動作に問題が起きやすい。例えば、段差センサーが故障していると、3mm以上の段差でも認識できずにぶつかったり、あるいは階段から落下する恐れもある。
ヤフオクの商品説明でセンサーの不具合に触れていたり、掃除経路に問題があるといった記載が見られる場合は、正常動作するとは言い難いので、基本的に入札は控えたほうが無難だ。
異音がしないか
静音性の高さもブラーバの特長の1つだ。掃除機とは違って吸引はしないため、夜間や集合住宅でも気兼ねなく使用できる。
しかし、中古ブラーバの中には動作音が異常に大きかったり、内部から異音がするといった不具合を抱えているものもある。異音に関してはヤフオクで入札者が事前に知ることは難しい。誠実な出品者ならばそのことを商品説明ページに記載してくれるケースもあるが、すべての出品者がそうだとは限らない。
対策としてできることは、使用感が薄い製品を選ぶこと、旧モデルのように製造年数が古い機種は極力避けることなどだ。
付属品で気をつけるべき点
ブラーバには様々な付属品が備わっており、欠品していると本体の動作に影響を及ぼすものもある。付属品の中には後から購入可能なものもあるが、手間やお金のことを考えると最初からすべてが良い状態で揃っているのが当然理想だ。
ここでは付属品についての気をつけたいポイントを見ていこう。
バッテリーの寿命
付属品の中でもっとも注意しておきたいのがバッテリーの寿命だ。ブラーバは内部電源に充電式ニッケル水素電池を使っており、長期間繰り返し使用する内にバッテリーの寿命が次第に短くなっていく。中古品である以上、バッテリーもある程度寿命が短くなっていると想定するのが当然だ。
極端に稼働時間が短かったり、充電に時間が掛かる場合はバッテリーの交換が必要となる。「iRobot」社から購入する場合は9,000円程度の値段となり、場合によっては中古品の本体価格よりも高くなるため、バッテリー状態ができるだけ良いブラーバを購入するのが賢明だ。
「NorthStarキューブ」の有無と状態
「NorthStarキューブ」は、部屋をマッピングしてその情報をブラーバに送るための機器だ。これによりブラーバは自身の部屋内での正確な位置を把握して、部屋の隅々まで清掃ができる。この機器がなくてもブラーバ自体は使えるが、部屋を清掃できる範囲が限定されてしまうので実際にはほぼ必須の機器と言って良い。
しかし、ヤフオクの中古品の中には「NorthStarキューブ」が欠品であったり、「難あり」と記述されている出品もあるため、価格が安くてもそれらは避けたほうが安心だ。
クリーニングパッドの状態
クリーニングパッドはクロスをブラーバに取り付けるための器具だ。ウェット用とドライ用の2つが付属しており、ウェット用は水拭きのために使用時に注水を行う。
しかし、手入れをしていないクリーニングパッドは水垢汚れなどが目立つものも多い。本体の状態とは関係ないとはいえ、使用者の日頃の扱いが分かる部分なので、クリーニングパッドの状態にも着目だ。
クロスは消耗品
ドライモード(から拭き)とウェットモード(水拭き)の2つのモードがブラーバには備わっており、それぞれ専用のクロスが付属している。しかしこのクロスは消耗品のため、中古ブラーバには付属していないことも多い。クロスは市販品でも代用可能なため大きな問題にはなりにくいが、一応付属しているかチェックをしておきたい。
外箱の有無
家電製品全般の出品でも言えることだが、ブラーバにも外箱がついていないものが多い。本体のデザイン同様に、ブラーバの外箱も見た目の評判が良いため、付属していない中古品を買いたくないという人もいるだろう。
また、外箱はリユースショップなどの買取査定の価格にも影響するため、できればあったほうが良い。
その他付属品の有無
ブラーバの付属品には、他にも導水キャップなどがある。これらが付属していない場合でも、公式ショップから購入できるためブラーバの使用自体には問題はないが、余分な出費を抑えるためにも、一応付属品はすべて完備しているか見ておきたい。
入札前の最終チェックポイント
いくら状態が良好で値段も手頃なブラーバを見つけても、肝心の取引でトラブルが起きてしまっては元も子もない。ヤフオクでは個人間取引という前提のため、トラブルが起きると自分たちで解決するしかない。
せっかくの買い物が台無しにならないためにも、ブラーバ購入前の最終チェックポイントを押さえておきたい。
他に安い出品がないか
冒頭にも述べたように、ブラーバの出品は関連商品も含めると数百点が並ぶ。そのため同じモデルも多く出品されており、値段の差異も大きい。価格判断は商品の状態や送料なども考慮すべきだが、本当に他に安い出品がないかもう1度調べておきたい。
価格について特にありがちな失敗が、出品直後にブックマークをしておいて、後日入札した後でより安い商品を見つけるというものだ。出品数が多い商品だけに、入札前にこまめな出品のチェックをしておくのが賢い買い物の仕方だ。
商品の説明は正確か
家電は型番が少し違っただけで、全く異なる商品ということも珍しくない。ブラーバも同様だが、ヤフオクの出品の中には型番の記載が適当なために国内仕様品か、並行輸入品か商品タイトルを見ただけでは判断がつかない出品も散見される。こういった出品に間違って入札した場合、後々トラブルに成りかねない。
ヤフオクで出品者と購入者が揉めることが多いのが、商品状態についでだ。余計なトラブルを抱えないためにも、値段に加えて商品の説明が正確で丁寧な出品者のブラーバを選ぶようにしたい。
喫煙者かどうか
意外と忘れがちなチェック項目がこれだ。家電にとってタバコの煙は天敵と言ってよく、ブラーバも落ちにくい臭いや汚れの原因となる。気の利く出品者ならば、自分が喫煙しているかどうかをプロフィールなどに記述していることも多いので、確認をしておきたい。
まとめ
ヤフオクで中古ブラーバを購入する際の注意点と完全チェックポイントをまとめた。ブラーバやルンバなどのお掃除ロボットは需要が高く、ヤフオクでは常に数百点の中古品が出品されている。それ故、希望に合う商品を見つけるためには、入札前に商品の状態を説明書きや写真からしっかり確認し、出品者が掲げる情報が正しいのかを見極める必要がある。
今回ご紹介した注意点とチェック項目を確認しながら、すべてクリアできる商品をぜひ見つけてほしい。