ヤフオクでパソコンを売買するときにはいくつかの注意点がある。とくにノートブックタイプであるMacBookを取り引きする場合、よく確認しておかないとトラブルのもとになるポイントがあるのだ。デスクトップタイプでは問題にならないが、ノートブックパソコン特有の注意点もある。
また、MacBookのメーカーであるApple製品ならではの注意点もある。取引者同士が直接会って確認できないオークションでは、出品者にはわかりやすい情報提供が、落札者には入札前の判断力が求められる。この記事では、主な確認ポイントを解説する。
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バッテリーに関してのトラブル
ノートブックタイプのパソコンは、モバイル用途で使うことが多い。たとえば、図書館やカフェに持ち込んで使う場合がある。パソコンユーザーのことを考えた場所であれば、デスクにコンセントが設置されていることがある。
一方で、電源供給のない場所では内蔵バッテリーで作業をすることになる。新幹線などでは電源が供給される座席もあるが、通勤通学の電車の中などではバッテリーに頼るしかない。その場合、バッテリーからの電源供給がなくなれば、作業がストップする。
ノートブックパソコンのバッテリーの重要性
仕事の期限が迫っているときに、バッテリー切れが原因で作業がストップしてしまえば、深刻な経済的損害を招く可能性がある。このように、ノートブックパソコンではバッテリーの持続時間はもっとも重要な評価ポイントのひとつといえる。
しかしながら、オークションに出品されているノートブックパソコンは、未使用新品のもの以外は、どのくらいバッテリーが持つのかわからないのが実状だ。中には、極端にバッテリーの持続時間が少なくなっているものが出品されている可能性もある。
この点に関しては、型番が新しいからといって安心できない。なぜなら、使用頻度が高ければ、その分のバッテリーの寿命は短くなっているからである。逆に、型番が古くても、あまり使っていなかったのであれば、新品同様の寿命が保たれている可能性もある。
トラブル事例とその対策
バッテリー絡みのトラブルとしては、「型番は新しいはずだが、バッテリーがすぐになくなる」というものが多い。このクレームを回避するには、出品者による情報提供が基本となる。MacBookでは、バッテリーの充電回数をチェックする機能があるので、それを利用するのである。
出品者としては、充電回数を商品説明のページでしっかり説明しておくと、トラブルのリスクが減らせるはずである。落札者としては、説明ページに記載された充電回数を目安にして、想定される使い方にあわせて入札するかどうかを検討すればよい。
使い方によっては、バッテリーの寿命にこだわらなくてもよいケースもある。MacBookに限らず,ノートブックパソコンは、モバイル用途に使うことを想定されているのだが、持ち歩かずに自宅で使う場合などがあるのだ。
デスクトップタイプと比べると、使わないときにはコンパクトに収納できるため、部屋を広く使いたい場合や、たまにしか使わない場合に便利なのである。このような使い方の場合は、ACアダプターから電源供給すればよいので、バッテリーの寿命はあまり問題にならない。
そこで、バッテリーの寿命が短いものを出品する際に、なるべく高値で取り引きしたいのであれば、室内向きであることを明示するとよい。たとえば、「充電回数が多いのですが、ACアダプターが付属するので、室内で使う分には問題ありません」などと記すのである。
高値で落札してもらうための裏技
もし、充電回数が数百回となっていて、バッテリー駆動が数十分程度しかできない場合は、高値での落札はほぼ望めないと考えた方がよい。そのときには、新しいバッテリーに交換して出品する方法がある。
たとえば、「新品バッテリーに換装済み」との説明があれば、型番の古いMacBookであっても、興味を持つ入札者が増える可能性がある。バッテリーの交換は、安くすませたいのであれば、バッテリーを入手して自分で換装するのがよい。交換用のバッテリーは、ネット通販や自作パソコンのパーツを扱うようなパソコンショップで入手可能だ。
手先の器用さに自信がないのであれば、パソコン修理を請け負うショップに依頼する方法もある。交換用バッテリーの在庫があり、混んでいなければ、30分から1時間程度の待ち時間で交換してもらえるショップもある。
ただし、交換用バッテリーの料金とともに、工賃や手数料が上乗せされるため、自分で交換するより高くなる。あまり高額になり、落札価格との差が縮まってくると、差し引いた利益が少なくなることもある。ショップに依頼する場合には、いくつかのショップで見積もりを出してもらい、もっとも有利なところに依頼すると良い。
液晶に関してのトラブル
MacBookを含むノートブックタイプのパソコンには液晶モニターがついている。この液晶には「ドット抜け」と呼ばれる現象がある。ドットとはピクセル(画素)のことを指している。液晶ディスプレイは、赤・青・緑の光を出す3つのサブピクセル(副画素)で構成されるピクセルの集まりで出来ている。
液晶のドット抜けとは
ドット抜けとは、サブピクセルが光らず黒い点のように見えてしまうものだ。逆に、常時光ったままになると、暗い画面で光った点が目立つことになる。このような現象をドット抜け(ドット欠けともいう)と呼んでいる。
Retinaディスプレイなどの高精細液晶になると、液晶のサイズが極小になるため、それほど目立たない場合も多い。実際は、ひとつの液晶画面に万単位のピクセルがあるので、ドット抜けを完全に防ぐことは製造技術の面から難しいとされている。
新品のMacBookであっても多少のドット抜けは故障とは見なされないこともあるのだ。ただし、実用上は問題なくても、ヤフオクやメルカリなどのオークションでの取引では、クレームになることも考えられる。
トラブル事例とその対策
液晶絡みのトラブルとしては、「ドット抜けが見られるが、商品説明に明記されていなかった」というものが多い。この対策としては、出品者がヤフオクのサイトに掲載する前に、チェックしておくしかない。YouTubeの動画や、JavaScritを用いたブラウザーベースのものなど、チェック方法にはさまざまものが公開されている。
出品の際にはどのようなチェック方法を使ったかもあわせて記載しておくと信頼度が向上する。出来れば、2つ以上の異なる方法でチェックするとさらによい。
落札者としては、もし落札したMacBookにドット抜けが見られ、商品説明に何も記載がなかったとしても、それは故障ではないということを知っておく必要がある。液晶についての生産技術的な知識を持っている出品者ほど、ある程度のドット抜けは許容範囲と考えていて、あえて説明に書かないこともあるのだ。
画面のコーティング剥がれについて
液晶のトラブルとしてドット抜けと並んで多いものに、「画面のコーティング剥がれ」がある。MacBookの液晶には、ステインゲートと呼ばれる、反射防止コーティングが施されている。このコーティングは、スプレー式のOAクリーナーなどでメンテナンスしてしまうと、剥がれやすいのである。
液晶のクリーニングは、柔らかい布で拭き取ることが基本とされている。出品を予定しているMacBookの液晶が剥がれているようであれば、アップルストアなどに持ち込んで交換できるかどうかチェックしてもらうとよい。
MacBookのモデルによっては、購入から時間が経っていても無償交換の対象になっている場合があるからだ。もし、うまく交換してもらえたら、そのことも商品説明に書いておくと、落札金額が上がる可能性がある。
トラブル回避ための上手な売買サイクル
パソコンは生鮮食料品と同じといわれる。新しいモデルが次々に発売されるので、購入したモデルはすぐに古くなる。このスピードの早さをなまものに例えるのである。
MacBookの買い換えサイクル
アップルの製品に関しては、ウィンドウズOS搭載の他社製に比べると、中古品の価格は高どまりする傾向にある。
それでも、MacOSや使っているアプリケーションがアップデートされてくると、ハードウェアとしてのMacBookのスペックが追いつけなくなることもある。そこで、ヤフオクやメルカリを利用して、数年単位で買い換えるほうが、快適に使い続けられるのである。
MacBookとアップルケア
MacBookを買うと、1年間のハードウェア製品保証と90日間の無償電話サポートがついてくる。それを延長するものが「アップルケア」である。故障時の修理費用が無料または減額されるサービスとなっている。MacBookの場合はアップルケアに入ると、製品保証とサポートが購入後から3年間まで延長される。
アップルケアに入っていない場合に故障すると、修理や交換部品代が高くなるので、アップル製品を買ったらアップルケアに入ることが推奨されている。
売るタイミングはアップルケアが切れる前に
ヤフオクやメルカリでMacBookを売買するときには、アップルケアの保証期間内に出品するとよい。なぜなら、もし出品物にトラブルがあったとしても、アップルにメンテナンスしてもらえるからである。出品前に故障が見つかれば、アップルケアを利用して修理してから出品すればよい。
修理したことについては、商品説明にしっかり記載しておくと、入札者からの信頼を得られやすくなる。また、出品時には問題がなくても、落札者への輸送時に不具合が起こることも考えられる。その場合でも、アップルケアが有効であれば、落札者自身でアップルのコールセンターに問い合わせるか、アップルストアに持ち込んでもらえばよいのである。
そのためには、出品する時点でアップルケアの保証期間が残っている必要がある。最低でも、1ヶ月程度は残っている段階で出品すると落札者も安心だろうし、落札価格も上がる可能性がある。
まとめ
ヤフオクでMacBookを売買する場合のトラブル事例をご紹介した。MacBookを取り引きする場合、よく確認しておかないとトラブルのもとになるポイントがいくつか存在するので事前にきちんと確認しておきたい。
また、MacBookのメーカーであるApple製品ならではの注意点もある為、出品者にはわかりやすい情報提供が、落札者には入札前の判断力が求められるのだ。トラブルを避けるために対策をしっかりとり、悔いのない取引を行おう。