ゲーム界における任天堂の地位を不動のものにした1983年のファミコン発売から、4年後にリリースされた後続機であるにも関わらず大きくシェアを獲得するに至ったのがPCエンジンだ。
独自の「コア構想」によって家庭用ゲーム機としてだけでなく、周辺機器との拡張性も視野に入れた設計により、後のゲームハードの主流となるCD-ROMを生み出すなど画期的なゲームハード機であった。
発売からも1年ごとに種類の異なるハードをリリースしつづけたPCエンジンの特徴を踏まえながら、ヤフオクで売買する際の落札相場や知っておくべき情報をまとめていこう。
この記事の監修者
CONTENTS
このコラムには、合法的な広告・宣伝が含まれている可能性があります。また、当社のサービスである「ヒカカク!」と「magi」の紹介も含まれています。
PCエンジンの基本知識
ヤフオクで売買する際には、基本的な知識をおさえておく必要がある。あまりゲーム機に詳しくなければこの辺りの知識がないかもしれない。またあなた自身にあったとしても出品者、購入者にこの知識がなく取引の際にトラブルが生じる場合もあるので、これから紹介することを参考にしてほしい。
PCエンジンの定価
PCエンジン(PC Engine)は、日本電気ホームエレクトロニクス(NECホームエレクトロニクス)によって1987年10月30日に発売された家庭用ゲーム機である。ハドソンとの共同開発により作られ、独自に提唱したHE-SYSTEM規格に基づいて製造された。
リリース当初の価格は24,800円と、4年前にリリースされたファミコンよりも1万円ほど高い。
仕様
アーケードの再現を意識したグラフィック・音声が売りであり、CPUは1.79MHzとハイスペックな仕様であった。PCエンジンのさらに3年後にリリースされるスーパーファミコンと同等のスペックであることから、発売当時ゲームファンのシェアを独占していたファミコンのライバル的存在となったことが窺い知れるだろう。
ソフト
構造はファミコンと同様に、本体に各社が製造したゲームソフトを挿すことで異なるゲームを楽しむことができる。ソフトの形状はファミコンがROMカセット形式であったのに対して、PCエンジンの場合は発売当初はHuカードというカード形式、発売翌年から後年にかけてはCD-ROM形式といった2種類の形態だ。
周辺機器
これに伴い、PCエンジンの本体も異なる形式のハード機や周辺機器(拡張機器)が販売されていった。
初期のHuカード形式に対応したPCエンジン、翌年からリリースされたCD-ROM形式に対応したCD-ROM2(シーディーロムロム)やスーパーCD-ROM2、グラフィックを強化したスーパーグラフィックス、HuカードとCD-ROMの両方に対応するPCエンジンDUOなどが代表的である。
接続方法
PCエンジンは後発の据え置きゲーム機と同様に、ACアダプターより電源供給を受けた上でTVモニターに接続して遊ぶという形式だ。1980年代はアナログテレビ(ブラウン管)が主流であったため、VHFやUHFのアンテナ接続に用いられたアンテナ端子に、RFスイッチを挿して経由することでTVと接続していた。
RFスイッチの使用はファミコンで既に採用されていたため、TV配線をそのまま利用できたことも人気となった一因である。本体を購入すればACアダプターとRFスイッチが付属していたため、ファミコンを所有していなくても遊べた点も大きな普及の一助となった。
取引前に知っておきたい特徴
続いて、取引をする前に知っておきたいハードとソフトの特徴を見ていこう。
ハードの特徴
PCエンジンをヤフオクで取引する際、特にこれから購入しようと思っている方は遊びたいゲームを明確に把握しておく必要がある。その理由はソフト・年代によってソフトの形式が異なるため、遊びたいソフトによって必要なハード機が異なるからだ。
ソフトの形式こそカード形式とCD-ROM形式の2つではあるが、カード形式はHuカードとスーパーグラフィックス専用ソフト、CD-ROM形式はCD-ROM2(略称はCR)とスーパーCD-ROM2(SC)のそれぞれ2種類ずつ、つまりソフトの種類は合計4種類となる。
たとえば1987年に発売された初期型PCエンジンの本体では、Huカードのソフトしか遊べない。PCエンジンに外付けする形の拡張機器・スーパーCD-ROM2はSCとCRの両方プレイできるが、1988年にリリースされた拡張機器CD-ROM2の場合プレイできるのはCRのみである。
そのため自分の遊びたいソフトがどれなのか、本体を購入する前にソフト一覧表を見ながらリストアップしておき、必要に応じたゲームハード機を買う必要がある。Huカードのソフトのみであれば初期のPCエンジンで十分だが、もしCRやSCをプレイしたいのであればPCエンジンとスーパーCD-ROM2の両方が必要になってしまう。
もし欲しいソフトが万遍なく存在する場合は、少し高額ではあるがHuカードとCR・SCを含めたソフト全般に対応しているPCエンジンDUOを買うことをおすすめする。
ソフトの特徴
ゲームハード機の次は、ソフトの形状とラインナップに関しても軽く触れておく。PCエンジンという括りで販売されたソフトは、1987年から1999年にわたって合計650本だ。アーケードからの大人気移植作である「R-TYPE」シリーズや、キャラクターゲームの「ビックリマンワールド」や「カトちゃんケンちゃん」など初期を盛り上げたソフト群はHuカード規格であるため、初期のPCエンジンで遊ぶことができる。
翌年1988年にCD-ROM2規格が誕生するものの、ソフトを開発・販売する会社にはまだまだ浸透しておらず1990年まではほとんどがHuカードの作品だ。1991年頃より徐々にCD-ROM2(CR)対応ソフトが増え始め、1992年頃からおよそ半々の状態となった。
また1991年にはスーパーCD-ROM2専用のソフトが出始め、1993年以降はほとんどがこのSC専用ソフトとなっている。1989年に登場したハード機・スーパーグラフィックス用のソフトは少なく、「大魔界村」や「バトルエース」など4〜5本程度だ。
他にもアーケードカードと呼ばれる種類のソフトも存在するが、こちらも数本ほどしかない。
PCエンジン基礎知識・まとめ
まとめると、遊びたいソフトがPCエンジン初期作品であるHuカード対応のソフトのみであれば初期のPCエンジン(白いシンプルな見た目から「白ボディ」という通称もある)、Huカードに加えてCRやSCなどCD-ROM2形式のソフトも遊びたいのであればPCエンジンDUOシリーズが良い。
もし初期の白ボディPCエンジンを所有しているならば、拡張機器であるスーパーCD-ROM2を購入すれば事足りるだろう。なおPCエンジンDUOは、さらに同名のバージョンに加えて廉価版のPCエンジンDUO-RやDUO-RXも存在している。
バッテリー機能が省かれていて携行できないという点しか変わっておらず、初代と同じくACアダプターがあれば作動するので特にこだわりがなければRでもRXでも問題はない。
ヤフオクにおけるPCエンジンの相場価格
前述の通りハード機と周辺機器の種類が多数存在するため、単体の相場価格と実用に向く組み合わせの価格をそれぞれ見ていこう。
初期のPCエンジンの相場価格
前述の通りハード機と周辺機器の種類が多数存在するため、単体の相場価格と実用に向く組み合わせの価格をそれぞれ見ていこう。最も取引が多い初期のPCエンジン(白ボディ)は、「PCエンジン 本体」と検索すれば真っ先に出てくるだろう。
初期型の白ボディであるPCエンジン本体のみであれば、相場価格は1,200〜1,500円あたりが目安となる。初期型を発売当初に新品で購入した場合、箱・本体と説明書の他にコントローラーパッドが同梱されていた。
またTVと接続するための75オームから300オームへの変換器とRFスイッチ(アンテナスイッチという表記)、DC9V・650mAのACアダプターも付属だった。
RFスイッチやACアダプターが付属したり、箱や説明書が付属するなどセット品が増えるたびに相場価格が上昇していく。ファミコンとは異なりコントローラーパッドの取り外しも可能であったため、購入する場合はコントローラーパッドの有無は特に気をつけたい。
必要なケーブル・アダプターとコントローラーが付属していると、2,000円前後にまで相場価格が上昇する。
PCエンジンに対応するHuソフトを3〜5本つけたセットとして出品しているケースも散見され、この場合はソフトのレア度や本体の状態によって3,000〜5,000円と価格の開きが大きい。
PCエンジンDUOの相場価格
次に、HuカードとCR・SCの3種類がプレイできるPCエンジンDUOの相場価格は、12,000〜15,000円あたりが目安である。ただ発売から20年以上経過していることもあり、動作の安定性を確約できないため「ジャンク品」という形で出品されていることが非常に多い。ジャンク品の場合は7,000〜11,000円と、こちらも状態や付属品の有無によって相場価格に大きな開きがあるため、あくまでも目安としたいところだ。
初期型の白ボディの定価が24,800円であったのに対して、PCエンジンDUOの発売当初の定価は59,800円であったことも踏まえて出品および落札を行ってほしい。
DUOの派生品であるPCエンジンDUO-Rの場合、13,000円前後から18,000円あたりが相場価格となっている。ただし出品するタイミングにおける市場の在庫や出品数によって価格が大きく変動しており、20,000円台になっていることも珍しくない。
DUO-Rの発売当初の新品価格が39,800円であったことを考えると、その機能の優秀さ(3種類の規格のソフトが遊べる)や人気の高さが窺い知れる。加えて、DUO-RはDUOに比べてトラブルが少ないというメリットがあることも、高値取引となる要素の1つと言えるだろう。
さらにDUO-Rのマイナーチェンジバージョンとして1994年にリリースされたPCエンジンDUO-RXは定価29,800円であったが、ヤフオクの取引相場価格は20,000円と脅威の値段を誇る。ただDUOを凌ぐ安定性と、スペックが拡張されたことによる高速処理システムが手に入ることを考えると妥当かもしれない。
ちなみに唯一DUOから漏れているスーパーグラフィックス対応ソフトをプレイするには専用のハード機・スーパーグラフィックスが必要だが、こちらもヤフオクの相場価格は20,000円前後で取引されている。
650本リリースされているPCエンジンシリーズの中で、この専用ソフトは数本しかリリースされていないというレア度から来るものだろう。出品数も少ないためもしスーパーグラフィックス専用ソフトを遊びたい場合は、焦らず根気よく探し続けるほかない。
PCエンジン売却はゲーム買取店がおすすめ
ヤフオクでPCエンジンを売買する時の落札相場情報についてまとめたが、PCエンジンの売却を検討している方へむけて、最後にゲーム買取店での売却についてご紹介。買取業者を利用することで、現金化までの期間が短くなり、また送料や梱包材無料のサービスを受けられるなど、店による独自の特典もあるので、ぜひ参考にしてほしい。
トイズキング
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
トイズキングでは宅配・出張・店頭買取でゲーム機全般を買取りしている。なかでも宅配買取はヤフオク利用時のように自宅から品物を送付するだけなので、手軽で人気の買取方法だ。
送料・梱包材・振込手数料そして、万が一査定額に不満があった場合のキャンセル時返送料までもが無料で利用でき、ゲーム専門のスタッフが細やかに検品、対応してくれるため、オークション利用時ほど、自身で神経質に検品しなくてもトラブルになることはない。落札者とのやりとりや、商品説明の作業もカットできるので、売却に不慣れな方でも利用しやすい方法だ。
まとめ
ヤフオクでPCエンジンを売買する時の落札相場情報をご紹介した。
購入する側は欲しいソフトと対応するハード機をしっかり確認しておくこと、それにより必要な拡張機器やハード機が変わることを把握するのが必須だ。
ヤフオクで取引するときには、PCエンジンの情報をしっかりと仕入れて、売る人と買う人がお互い得をする取引を心がけよう。思わぬ掘り出し物が、高額、低額で取引できるかもしれない。今回の記事を売買するときの参考にしてほしい。
この記事の監修者