ルイヴィトンは実にたくさんのバッグを発表しており、その多くがユーザーに愛されている。しかし中には、思ったほど売れ行きが伸びず、結果的に廃盤となってしまったものも少なくない。今回は、人気こそあれど日本ではなかなか新品にお目にかかれない「トレヴィ」の、買取相場・査定情報についてご紹介する。
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ルイヴィトン「トレヴィ」とは
ルイヴィトンは、よく品名に地名などを用いることがある。そのため、トレヴィという名称を聞いてピンときた人も多いかもしれない。
イタリア・ローマの泉の名前
トレヴィという言葉自体は初耳だと感じたとしても、おそらく「トレヴィの泉」と聞けば存在を思い出す方も多いだろう。ローマ有数の観光地であり、バロック時代に作られた人工の泉である。
よく知られている言い伝えとしては、後ろ向きにコインを泉へ投げ入れたら願いが叶うというものがある。その美しい光景にあやかったバッグが、ルイヴィトンのトレヴィなのだ。
バッグの特徴
トレヴィはルイヴィトンのバッグの中でも、特に可愛らしいデザインの一つと言えるかもしれない。上部に比べて下部がふくらんでおり、そのなめらかな曲線が美しいデザインである。持ち歩いた際もコンパクトながら存在感があり、収納力も十分だ。
開閉はファスナーでおこない、内ポケット・携帯ポケットがバッグ内部にある。バッグ内部はグッズを仕分けやすい造りになっていて、取り外し可能なショルダーストラップも付いている。ちょっとしたお出かけには十分な機能を備えていると言えるだろう。
サイズ・ライン展開
日本の通販市場などで見られるサイズは2種類で、ラインは基本的に1種類となっている。以下、順々に見ていこう。
PMサイズ
トレヴィの小さいサイズで横34cm×高さ25cm×奥行10.5cmとなっている。奥行がやや小さめではあるが、日常的な用途なら問題なく使用できそうだ。ショルダーストラップを使えば、よりアクティブな使い方ができる。取り回しが良い大きさなので、日本人向けのサイズと言えるかもしれない。
GMサイズ
トレヴィは、MMを間にはさまず、いきなりGMのサイズとなる。全体的に7~10cmのサイズアップで一回り大きく、収納力を増している。しかし、ポケットの種類と数はPM・GM変わらず1つずつなので、さすがに旅行となると厳しいが、ビジネスシーンでも十分通用する大きさだ。
ダミエライン
ルイヴィトンと言えばモノグラムがスタンダードと考える方もいるだろう。しかし、トレヴィではダミエがスタンダードであり、それ以外の柄はまず見当たらない。例外的にモノグラムも通販サイトで確認できたが、これはスペシャルオーダー品なので、多くの場合気にする必要はない。
こちらも格式高い上品なラインではあるから、他モデルと比べて見劣りすることはない。また、ダミエは幸いなことに、ラインの種類により値下がりが想定されるラインではないので、どの買取業者もそれ相応の値段はつけてくれるだろう。
ルイヴィトン「トレヴィ」の買取相場
トレヴィの基本的な部分はお分かりいただけたと思う。そこで、ここからは実際の買取相場について触れていきたい。こちらは日本で廃盤になっているモデルだが、その点は買取実績に反映されているのだろうか。
PMとGMの相場
トレヴィはサイズが2パターンしかないため、品数があるかないかで価格帯も異なる。買取実績を見る限り、PMであれば状態に応じて15,000~80,000円台、GMは40,000~100,000円台といったところだろう。
PMは買いたたかれる傾向がある
どちらも新品同様のクラスであれば、120,000円以上の買取実績が見られる。しかし、可レベルのクラスなら、GMに比べて出回る数が多い分、PMは特に買いたたかれる傾向にあるようだ。
使用感により買取価格は異なる
金額の差異は、大きさ以外では使用感の有無が主に影響するため、プレミアがつくデザインを市場が求めていることはないものと思われる。GMは比較的最低価格が高めに感じられるが、あくまでも実績を見る限りはそうなのであって、やはり使用感があればPM同様の相場まで落ちることも想定しておくべきだろう。
売値からチェックした最大値・最小値
通販サイトをチェックして、売値をチェックした場合の最大値・最小値については、概ね以下の通りである。
- PM:75,000~210,000円
- GM:80,000~200,000円
取り扱い商品が多い分、PMの方が最小値・最大値の差が大きいようだ。安い中古品は、買取額を計算する際のパーセンテージも低くなっているはずなので、80,000円の売値なら買取額は20,000円にも届かないだろう。
しかし、新品同様の買取額を70~80%と想定した場合140,000~168,000円台で取引されている可能性もある。状態が良いものをお持ちの方は、一度検討してみてはいかがだろうか。
スペシャルオーダー品は価値が高まる可能性がある
先ほどお伝えした通り、トレヴィのラインは「ダミエ」と相場が決まっている。しかし、そのような中で例外品が見られた場合、プレミアとはいかないまでも、価値が高まる可能性はある。
スペシャルオーダー品の相場
一例としてあげられるのがモノグラムだ。基本的にはラインアップの中には含まれていないはずだが、スペシャルオーダー品が一部中古市場に紛れ込んでいるものもある。
250,000円近い売値になっているので、もし80%の買取金額なら200,000円になる計算だ。もちろんこれはスペシャルオーダーなので、人によっては他に唯一無二のラインを持っている可能性もゼロではない。
売るよりも添い遂げた方が賢明
ただ、スペシャルオーダーするくらいなのだから、それはよっぽどお気に入りの一品なのではないかと思う。売るよりも添い遂げることを考える人の方が相対的に多いだろうし、価値が自分の思ったようにつくかどうかも不透明だ。
イレギュラー品があなたの手元にあるのであれば、たまたま遺産相続の関係で譲り受けたなどの理由でない限り、簡単に手放さない方がよいだろう。
ルイヴィトン「トレヴィ」の査定基準とは
相場がある程度掴めたところで、トレヴィにおける状態の良し悪しを決める「査定基準」についてご紹介する。例外品を探したとしてもほとんど見つからないため、基本的には売る時点での状態がそのまま査定基準になると考えて良いだろう。
状態の良し悪しはしっかり見られる
トレヴィにはクセがない。つまり、いわゆる限定品のような、見る人によって価値が上下する可能性は低い。よって、スタンダードな目線でバッグの状態が判断される。
購入時の状態に近づける
他のバッグにも言えることではあるが、売る時点で良い状態なら、それに応じて買取額も高くなってくる。最高レベルの状態を新品だとしたならば、当然新品に近ければ近いほど評価も高いのだ。それは、使用感だけに限らず、どれだけ購入当時の状態に近いかとも言える。
付属品をそろえておく
保存箱・保存袋・ショルダーストラップなど、当たり前に付属しているものは全てそろえたうえで、使用感の有無がチェックされていく。あまり使ったことがないのであればともかく、しっかり使い込んでいる場合は、そのまま売っても二束三文になる可能性は否定できない。
革製品のメンテナンスをする
革製品は汚れに敏感であり、特にカビなどは色合いを著しく損なうため、売る前には何とかしたい汚れの一種である。
ただし幸いなのは、ダミエは比較的汚れが目立ちにくいため、自分には無理でも職人にケアを頼めば、100%では無いにせよ、見た目的に綺麗な状態を取り戻しやすい。専門の修繕業者に頼むのも良し、革系のクリーニングに強い業者を頼るも良し、まずは売る前にできることは全てやっておきたい。
マイナーチェンジ情報が見られない
トレヴィは、例えばトータリーのように、型番が変わるほどのマイナーチェンジ情報は見られない。また、ラインの種類も原則1種類なので、ここでも比べようがない。
つまり、意外性・希少性を狙った売り方はできないと考えておくべきだろう。強いて言えば「廃盤」になっているモデルなので、将来的に何らかの理由で希少性が高くなった際に、買い手がつくことが期待できるくらいだろうか。
もともと参考定価は本体価格251,000円ほどになるので、決して安いモデルではなかった。そのため、将来的にルイヴィトンのモデルの中でユーザーの価値が高まれば、買取業者が渋い顔をしても、オークションで買い手がつくなどの可能性はゼロではない。
査定ポイントを押さえておく
トレヴィを売るのであれば、これもやはり基本となる査定ポイントをしっかり押さえておくことだ。年式は買った時期が関係してくるのでどうしようもないが、それ以外のポイントは保存時の心がけ次第で差が付く。今保管中の方も、それ以上悪くならないよう、手を打てる部分は手を打っておこう。
角のスレ
バッグはどうしても使用頻度に応じて劣化する。特に、四隅の角はバッグを置いたり移動させたりする都合上、どうしてもスレが生じやすい。最悪、中の素材が見えてしまうこともあるのだ。
これは何も普段使いの話だけでなく、押し入れの中を移動させる場合であっても同様だ。収納するなら場所を固定するか、しっかり保護袋に入れておくのが鉄則と言える。
金具の傷
使い込みという点で言えば、ファスナーの金具も重要だ。ルイヴィトンの金具系統は非常に光沢があるので、使い続けるとどうしてもメッキがはがれてしまうし、傷によって色にくすみも生まれてしまう。
セルフクリーニングも技術があれば不可能ではないが、素人のケアではかえって悪化させてしまうことも考えられるため、プロに依頼するかどうかはよく考えたいところだ。
バッグ内部の刻印
トレヴィの内部は柔らかい生地で、スエードのような触り心地だ。よって、使い続けていると痛んでしまうことも珍しくない。ご存知の方もいると思うが、ルイヴィトンの製造番号が刻印されているのは、多くの場合内部である。使い込んでいると、この刻印が消えてしまう場合もある。
そうなってしまうと査定価格に響くため、売却前に消えているかどうかはチェックしてみよう。消えてしまっていたのなら、高額査定をあきらめるか、壊れるまで添い遂げるかの決断を迫られることだろう。
ショルダーストラップ
査定品として重要な位置をしめているグッズだ。人によっては一切使わずにいるものだが、れっきとした付属品なので、査定時にきちんと出しておきたい。仮に単品で購入を考えた場合、中古品でも1~2万円はする。査定する際は、購入時の現状に近づけることが基本中の基本だから、忘れないようにしたいものである。
トレヴィを高値で売却するためには
ここまで、トレヴィの買取相場・査定情報につき、重要と思うところをご紹介した。トレヴィは比較的新しいモデルなので、2019年2月時点で極端な値崩れが起こっている状況は見られない。
しかし、もともとのデザインにエッジがきいているわけではないため、プレミアがつくのはイレギュラーケースと考えておいた方がよい。そんなトレヴィをできるだけ高値で売却するためには、どうすればよいのだろうか。
買取店の場合
例えば近所に買取店があるなら、まずは全てを回らずに、1~2店で査定してもらおう。そして、どの部分がマイナスポイントかをチェックする。このとき、指摘された部分がリカラー・クリーニングできるレベルのものなら、使用感をぬぐうことは難しくても、きれいにすることは可能だ。
査定ランクについて
基本的に査定ランクは、Nランク(新品)・Sランク(新品同様)・Aランク(良品)・Bランク(中古)といったランク付けになる。しかし、お店によってはその間にSAランク・ABランクといったように、より細かな査定基準を設けていることもある。
補強すればどのくらいの値段になるか確認
型崩れ・角スレ・はがれ・色あせが目立たなければ、良品として査定してくれるところもある。弱点を補強したうえで、まずはどれくらいの値段になるのかを確認してみよう。
フリマアプリのメルカリの場合
フリマアプリのメルカリでは、トレヴィはちょっと面白い品ぞろえだ。というのも、通販サイトなどでは表立って見られない、アズールなどの商品もちらほら見受けられるからだ。
良心的な値段で売買されている
SOLD品の多くは良心的な値段が付いていて、新品未使用で150,000円程度となっている。そのほかの品もほとんどが100,000円を切っていることから、売り手もやはり傷や汚れを気にして、強気の値段設定ができなかったものとうかがえる。
売れ残っている商品は高額設定
現在売れ残っているものは、ほとんどの商品が売値100,000円を超えているので、売れるかどうかは今後の値下がり次第というところだろう。ちなみに、新品同様の値段で販売しているユーザーもいるが、賢明な方は反面教師として捉えておくのが正解だ。
オークションの場合
オークションサイト・ヤフオク!の取引結果を見てみると、トレヴィの取り扱い数は少ない部類に入るだろう。その中で、1円スタートのものが80,000円弱になっていることから、それなりにニーズがあることは分かる。
ただ、美品をうたっている商品でも140,000円にまでは届かなかったことから、買取業者に売るより高くなる可能性はあっても、劇的に落札金額が上昇するというわけではないようだ。将来的に中古市場でトレヴィを見かけなくなったら、取っておいた品を出品してみるのが賢いかもしれない。
まとめ
トレヴィは可愛らしいデザインの中に機能性を備えたバッグであり、普段使いには必要十分の機能を備えている。残念ながら廃盤になってしまったモデルだが、参考価格が250,000円を超えることから、人気が極端に無かったというわけではない。
ファスナー付きのモデルなので防犯の面でも安心できるし、ショルダーストラップを使えばより自由度高く、カジュアルに持ち歩ける。時代が変わっても一定のニーズはあるモデルの一つと言えるだろう。
売る場合になかなか値段がつきにくいというデメリットこそあるが、売る場所を考えれば相場よりも高く売れる可能性を秘めているモデルでもある。いろいろな業者に査定してもらって相場をつかみ、納得のできる値段で売れるよう努力してみて欲しい。
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