ルイヴィトンのバッグの中でも、パピヨンは人気のあるモデルとして知られ、現在も新品で購入できるモデルのひとつである。しかし、イメージするモデルの種類は世代によって違うかもしれない。今回は、ルイヴィトン・パピヨンの買取相場・査定情報についてご紹介する。
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ルイヴィトン「パピヨン」とは？
まずは、パピヨンというモデルについて説明する。パピヨンと聞くと、何となく羽根のあるようなデザインを思い浮かべるが、形自体が並外れて突飛というわけではないし、ラインが極めて特殊というわけでもない。
名前の由来
パピヨンという名称は、日本語で言うと「蝶」のことであり、4代目アンリ・ルイ・ヴィトンが、小型バッグを持ってシャンゼリゼ通りを歩く女性を見て考案されたと言われているモデルだ。
形を知っている人は「どこが？」と思うかもしれないが、蝶と形容しているのは2本の長いハンドル部分であり、このパーツが蝶のはばたきを連想させるという意味合いで名づけられた。
また、パピヨンは度々モデルチェンジをおこなっており、ひと昔前はハンドバッグとして、現代ではショルダーバッグとして人気を集めている。そして、パピヨンという名称は「ハンドバッグ」の方につけられたものだ。
流行時期
パピヨン人気に火がついた時期は、1960年代・2000年代・2010年代に分かれる。形状自体は似ているが、大きさやハンドルの長さが違うため、売却する場合はその点を考慮する必要がある。
1960年代
1960年代では、当時活躍したスーパーモデル「ツイッギー・ローソン（Twiggy Lawson）」が気に入っていたバッグである。ツイッギーの名前は、日本でも「ミニスカートの女王」として人気を集めていたため、ご存知の方も多いだろう。発売当初は型押しされた革のハンドルが採用されていた。
2000年代
2002年にマイナーチェンジを経験し、ハンドルはヌメ革となっている。ラインの種類も増え、幅広い層の人気を集めた。
2010年代
現在広まっているショルダーバッグ仕様となったのは2012年のことで、比較的歴史は新しい。また、草間彌生コラボ商品も登場し、可愛らしいドットプリントが人気を博したことでも知られている。
ルイヴィトン「パピヨン」の価値を決める要素
パピヨンの価値を決める要素としては、主に多種多様なラインがあげられる。以下に、主なものをご紹介していこう。
ライン
ラインはとにかく多くのものが世に出回っている。
モノグラム
ほとんどのモデルで見られる、スタンダードなラインである。もっとも価値が変わりにくいラインとして知られている。ちなみに、よく知られているツイッギーのモノクロ写真と一緒に写っているパピヨンは、モノグラムである。
ダミエ
こちらもほぼ全てのモデルで見られるラインで、モノグラム同様経年しても価値が下がりにくいラインだ。また、色合いとしてはスタンダードなエベヌになる。
ミロワール
本体からバンドまで、輝かしい一色で統一されたラインになる。シルバーとゴールドの2色がラインアップされていて、日本人には若干気後れしてしまうような色合いだが、ファッションによってはアクセントとして使える。
中古品でも状態が良ければ、公式サイトで販売されている新品モノグラムの値段（144,720円）とほぼ変わらない売値の商品もある。
チェリーブロッサム
ピンク色の桜が美しいラインだ。日本人には好まれる可愛らしいデザインになるだろう。モノグラムに桜が散りばめられているラインもあれば、全体的にピンクで統一されているデザインもある。
ウォーターカラー
カラフルなモノグラムで、17色のカラーが用いられている。全体的にかすれやにじみといった、水を使ってインクをぼかしたようなデザインとなっているのが特徴だ。ハンドバッグタイプでは、開口部が「がま口」になっていて、気軽に持ち運びやすい形状となっている。
サイズ
大きく分けてサイズは5種類となる。以下に、主なものをご紹介していこう。
パピヨン19
手さげサイズのミニバッグになる。大きさは【横19cm×高さ9.5cm・奥行9.5cm】で、収納できるものこそ少ないが、貴重品はしっかり入れられるサイズ感だ。
パピヨン26（PM）
大きさは【横26cm×高さ14cm・奥行14cm】となっている。パピヨン19よりもひとまわり大きいが、やはり手さげサイズである。長財布や携帯電話だけでなく、ハンカチ・小さな日傘レベルまで入るため、デートでも安心だ。
パピヨンGM（30）
大きさは【横30cm×高さ15cm×奥行15cm】となっており、ポーチが付属している。旅行に持ち歩くのは厳しい大きさだが、パーティーなどに参加する際にはポーチをカクテルバッグ代わりに使えるだろう。
ポシェットパピヨン
かなり小さめのパピヨン【横15.5cm・高さ6.5cm・奥行6.5cm】になる。中には完全に蝶々の形をしたものもあり、ショルダータイプで長いひもを持ち、背面にファスナーポケットがある。市場であまり見かけないタイプのため、持っていたら一度査定に出してみてもよいだろう。
ネオパピヨン
モノグラム柄が浮き出たデザインが特徴のパピヨン。サイズは【横26cm・高さ16cm・奥行14cm】で、PMよりもやや大きめ。付属のショルダーストラップで肩にかけても使える。出回っている数が少ないこともあって、中古相場でも比較的高値になることが多いモデルだ。
ルイヴィトン「パピヨン」の買取相場
パピヨンの基本的な部分について説明してきた。次に、実際の買取相場について触れていこう。現在売られているモデル・廃盤になっているモデルとあるが、金額としてはそれぞれどのくらいになるのだろうか。
高値で取引される可能性は低い
パピヨンは、その種類によって金額が違う。また、もともと人気のあるモデルということもあり、大きさやラインを問わなければ数多くの種類が出回っている。
そのため、一律に値段をつけることは難しいが、全体で見ると1,000円～40,000円という金額が相場になるだろう。また、傷やよごれ・使用感によっては、1,000円を切るものもある。
特筆すべきは、旧パピヨンは懐かしがられることはあっても、高値で取引される可能性は低いということだ。希少品であったとしても、バッグとしての価値を第一に考えるのが、買取業者ということだろう。
また、買取実績の中で意外と目立つのが、GMにミニポーチが付属していないケースである。商品の状態にもよるが、それだけで3,000～4,000円の差が生じるため、今お持ちの方は付属品も含めしっかり残っているかどうかを確認する必要がある。
旧型（廃盤）だからといって価値が特段高くなるわけではないのだ。
売値から最大値・最小値を考えてみる
ルイヴィトンのバッグは、新品同様の状態なら定価の7～8割という値段で売れるものとされている。しかし、状態が悪くなるにつれ査定価格は下がり、さらには市場に商品が数多く出回っていれば、その分値段にも反映される。
そこで、実際の売値における最大値・最小値を調査してみた。最小値はいわゆる「可」レベルで、最大値は「良い」もしくは「新品同様」のレベルだ。
- パピヨン19
- 24,980円～62,980円
- パピヨン26（PM）
- 11,800円～69,120円
- パピヨン30（GM）
- 14,490円～97,200円
- ポシェットパピヨン
- 10,000円程
- ネオパピヨン
- 159,840円～237,600円
以上、主なモデルをまとめてみたが、可のレベルを売値の20％・良品のレベルを売値の50％としたとき、やはり1,000円～40,000円のラインにおさまるものがほとんどのようだ。
しかし、ネオパピヨンや一部のレアなラインであれば、価格は高めとなっている。パピヨンについて言えば、売るならレアケースに限ると覚えておこう。
レアなラインは価格が高い
高値がつくレアケースについて、もう少し踏み込んでおきたい。
ネオパピヨン
ネオパピヨンは、中古市場の中では出品されている商品の状態が良く、比較的高値で取引されている。新品で売られていたとき定価は350,000円を超えていたが、中古でも159,840円～237,600円という売値なので、新品の45～70％という金額になる。
チェリーブロッサム・ミロワール
チェリーブロッサム・ミロワールも、新品同様・良品ならば130,000円～140,000円の売値となるため、買取額としては70％で見積もると91,000円～98,000円になり、一般的な中古品よりは高めの相場が期待できるだろう。
ウォーターカラー
ウォーターカラーになるとさらに価格は高くなって、80,000円～190,000円の売値と状態によって差があるものの、最大で133,000円の買取価格と、全体的に高値の取引となりそうだ。がま口のハンドバッグはおよそ300,000円の売値となっているので、状態によっては買取額が210,000円を超えることも期待できる。
草間彌生モデル
草間彌生モデルも人気が高く、106,000円～190,000円という売値で取引されており、「非常に良い」・「新品同様」のクラスなら売値の70％で計算して買取額が132,300円といったところだろう。
ルイヴィトン「パピヨン」の査定基準
パピヨンの相場は幅広く、スタンダードモデルは高値にならなかったが、レアなラインは比較的高値で取引されていることが分かった。しかし、せっかく希少価値のあるモデルを持っていたとしても、売る時点での状態が悪ければ、査定基準に響いてしまうことは押さえておきたい。
特徴的な形がネック
パピヨンのスタンダードモデルは、全体的に買取金額が低めである。また、状態も使用感のあるものが多いことから、持ち主が多くて人気のある類のバッグだということが想像できる。よって、どうにか高値で売りたいと思っても、持ち主がお気に入りのバッグとして使い込んでいたら、それだけ不利になる。その理由は次の2つだ。
- ・型崩れしやすいバッグであること
- ・バッグの四隅が擦れやすく目立つ
パピヨンの形状は円柱型であり、非常に型崩れしやすいバッグとも言える。丸みを帯びた形状を残しているものは、おそらくほとんど持ち主が使っていないバッグに限られることだろう。
丸いバッグは、使い込むとどうしてもつぶれてしまいがちだ。持ち主があえてバッグの中にクッションなどを詰めない限り、持ち歩いた際に中身が動くから、普段使いから型崩れを防ぐのは難しい。
さらに言えば、バッグの4隅はどんな種類のものでも擦れやすいものだが、筒形であればより目立ちやすくなる。パピヨンの可愛らしい形状が災いして、結果的に査定額を少なくしている点は否めないだろう。
旧型は残念ながら高値にはならない
アンティークの世界では、時に古いものが高額で取引されることもある。しかし、大多数の人にとってそれが「ガラクタ」扱いされていることからも分かる通り、バッグを使う側からすると「使いやすいか」どうかが問題となってしまう。
よって、発売されてから時間が経っているという時点で不利になるのは否めない。状態が良ければ40,000円～50,000円の買取額となるケースもあるが、自分が持っているものがその値段になるとは、安易に考えない方が良いだろう。
今の状態を少しでも改善する
パピヨンを高値で売りたい方は、少しでも高い買取額を実現するために、とにかく「目に映る」部分をきれいにすることをおすすめする。プロの目をあざむくのは難しいが、それでも何もしないよりはマシだからだ。
まずは状態を確認し、表面の汚れ・バッグ内側の汚れやゴミの有無を確認する。次に、アルコール・水を含んだ布で汚れを拭き取る。保存時についたニオイなども査定基準に含まれるため、何らかの消臭対応は必要だろう。
GMであれば、付属品としてサブポーチがあるので、それも忘れずに用意しておく。また、箱・袋などがあれば、そちらも用意しておかなければならない。
最後に、査定金額に納得がいかなかったら、無理やり売らずに再度見積もりを取ろう。それでもダメなら自分で使い倒そう。二束三文で売るよりも、新しいバッグを買わずにいた方が、その分お金も浮くはずだ。
パピヨンを高値で売却するためにできること
ここまで、パピヨンの買取相場・査定情報につき、重要な部分をいくつかご紹介してきた。パピヨンは、何度かリニューアルを経験しているものの、スタンダードなモデルの場合は目立って金額に反映されていない。
そのため、ラインがモノグラム・ダミエの場合は、査定してもらった結果、思うような値段がつかないことは十分考えられるだろう。そのような場合、あえてプロの目にこだわらない売り方を考えてみよう。
メルカリの買取相場
メルカリで「ルイヴィトン パピヨン」と検索すると、SOLDでは1,000円台からの売値であった。その反面、高いものは強気の値段が多く、草間彌生・ガマ口などは相場とほぼ変わらない値段で売られている。
しかし、買取店による査定の場合は100円台になることも珍しくないため、送料を着払いにして売り払えば、査定してもらうよりも高値で売れる可能性はある。とはいえ、その分手間はかかるので、売るのに時間をかけられるかどうかが問題だろう。
ヤフオクの買取相場
ヤフオクでパピヨンのオークション状況をチェックしてみると、やはり目立って高値になっているケースは多くない。それどころか、1円で落札されてしまった残念な出品者もいる。やはり、誰もが知っているモデルということもあって、オークションの参加者もシビアにチェックしているのだろう。
写真を見ても、落札金額が低いものは、明らかに型崩れしているものが出品されている。また、入札者の評価・認証制限によって、悪い評価をつけそうな買い手を事前にシャットアウトしているユーザーもいる。
ヤフオクで高値をつけたいなら、少なくともヤフオクに出回っていないモデルを出品しなければ、高値で売るのは難しいと言えるかもしれない。ただし、ルイヴィトンのバッグを複数所有しており、まとめ売りのような形態を考えているなら、高値で売れている実績も見られるようだから試してみるとよい。
ジモティーで出品してみる
買取店で思ったほどの値がつかなかった場合は、リスクはあるがジモティーで買い手をつのるという方法もある。金額自体は決して高値で売れるとは言えないが、地域を限定して出品できるため、郵送のやり取り・料金の支払いが面倒だと感じたユーザーが名乗りをあげてくれるかもしれない。
ただし、ジモティーだけで出品するのではなく、フリマ・オークションと同時進行で出品することを考えておこう。
まとめ
パピヨンは、世代を問わず人気のあるバッグであることから、スタンダードモデルは高値になりにくい。そのため、多くの場合は買取価格が低いことを覚悟しておいた方が良い。査定してもらった結果、思うような値段がつかないこともあるだろう。その場合はメルカリやヤフオクなど個人間取引をする方法もある。
スタンダードモデルは高値になりにくいが、草間彌生・ネオパピヨンなどレアなラインで、状態が良ければ十分高額買取も期待できるだろう。ぜひ今回紹介した内容を参考にして、納得のいく取引をしてほしい。
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