皆さん、佐川急便はご存知だろうか。ヤマト運輸のヤマトホールディングスに次ぎ、国内二位のシェアを誇る日本有数の運送企業だ。佐川急便はクオリティの保証に力を入れており、三つのSを柱とする「Sクオリティ戦略」を取っている。
今回は、この佐川急便の家財宅急便について見ていこう。果たして本当にお得なのか、そしてそのクオリティについてはどう優れているのかに注目したい。
CONTENTS
このコラムには、合法的な広告・宣伝が含まれている可能性があります。また、当社のサービスである「ヒカカク!」と「magi」の紹介も含まれています。
佐川急便の家財宅急便
佐川急便は、迅速・確実・丁寧をモットーに事業を展開している。その中でも公式ホームページの見やすさは宅配業者ナンバーワンだろう。目的別にサービスが検索可能だ。
もしあなたが大型家電(例えば冷蔵庫など)を運びたい時は、公式ホームページから「大きな荷物を送りたい」の項目をクリックしよう。【飛脚ラージサイズ宅配便】が表示されるので、まずはこの飛脚ラージサイズ宅配便を見ていこう。
参考:http://www.sagawa-exp.co.jp/send/service.html
佐川急便の家財宅急便「飛脚ラージサイズ宅配便」の特徴
- ・飛脚宅配便と同じ重さの物を同じスピードで宅配できる
- ・法人、個人どちらも利用可能
- ・法人なら支払い方法を月ごとにもできる
- ・着払いもできる
- ・営業所での受取可能
- ・セーフティーサービス付き
- ・指定日配達サービス
- ・時間帯指定サービス
飛脚宅配便と同じ重さの物を同じスピードで宅配できる
まず、佐川急便の飛脚宅配便とは、日本国内ならば年間休みなく指定日に荷物を届けることができるサービスだ。飛脚宅配便では荷物の三辺を測り、その合計が160㎝以内のものに限る。重さは30㎏以内だ。
しかし、今回ご紹介している飛脚ラージサイズ宅配便では、大型家具・家電も対応しており、三辺の合計が160㎝以上、260㎝以内のものを運ぶことができる。ただし、飛脚ラージサイズ宅配便でも重さの上限は50㎏以内なので気を付けたいところだ。
(例)Sonyの32型液晶テレビを宅配したい場合は?
例えば、Sonyの32型液晶テレビ(KDL-32W600A)の場合だと、重さがスタンドも含み7.7㎏、大きさは「72.1×46.3×19.7(㎝)」となる。
参考:https://www.sony.jp/bravia/products/KDL-32W600A/spec.html
三辺合計で計算するので、すべて足すと138.1㎝となる。この大きさなら三辺合計が160㎝以内となり、大きさと重さともに飛脚宅配便のサイズ内になる。
(例)ニトリのカラーボックスを宅配したい場合は?
では、ニトリの三段カラーボックスはどうだろう。ニトリのカラーボックスのサイズは「41.9×28.9×87.8(㎝)」だ。三辺合計すると158.6㎝。重さは8.9㎏。こちらも飛脚宅配便の適応サイズ内だ。
参考:https://www.nitori-net.jp/store/ja/ec/OfficeBookshelfStationery/ColorBox/8841534s?ptr=item
これがもう少し大きなカラーボックス(カラーボックスカラボ45-3sh)になると、「44.2×29.8×87.8(㎝)」で三辺合計が161.8㎝。160㎝を超えるので飛脚ラージサイズ宅配便になる。
参考:https://www.nitori-net.jp/store/ja/ec/OfficeBookshelfStationery/ColorBox/8841341s?ptr=item
通常、このようなサイズに差がある家財を運ぶときにはどうしても時間が必要となるが、佐川急便の場合はどちらも同じスピードで配送可能としている。
また、配送しなくてはいけないものが複数ある場合は、大きな荷物も小さな荷物も同じ日に届けることができるので、引越しの際などに大変便利なサービスだ。
法人・個人どちらも使用可能のサービスである
飛脚ラージサイズ宅配便は個人・法人どちらも利用できるサービスだ。例えば、会社で飛脚ラージサイズ宅配便を配送し、個人に宛てて送るということも可能である。
ただ一つ気を付けたいのが、支払いが月ごとであることだ。こちらは運賃・料金の支払い方法になるのだが、荷物を送るほうも受けるほうも、月ごとの支払いを選択することができる。
ただし、これが利用できるのが法人のみとなっている。基本的に個人で利用するなら現金一括になる。法人が利用できるサービスとして「大型家具・家電設置輸送サービス」についても、後でご紹介するのでぜひ参考にしていただきたい。
着払い可能
料金の支払いについて便利なのがこの着払いシステムだろう。着払いとは、荷物を出した人が料金を払うのではなく、荷物を受け取った側が料金を払う仕組みだ。こちらの着払いの仕組みは、物を返品したい際などに送り主が料金を負担することなく、受取側がお金を払うことができる。メルカリのように、ネットで個人が商品をやり取りする機会が増えた昨今、この仕組みは大変ありがたいものだろう。
営業所受取が便利
送り状に相手の住所を記載することなく、営業所での荷物受取が可能だ。荷物を送りたい佐川急便の営業所名を記載すれば、あとは受取人の名前と電話番号だけで配送が可能になる。さらに、オプションサービスのe-コレクトとの併用も可能だ。荷物を営業所で預かってもらえる期間は7日間。7日間を超えてしまうと商品を引き渡せないことがあるので、この間に必ず取りにいきたい。
荷物の引き渡しには条件があり、該当荷物の受取人氏名と受取人の本人確認証の名前が一致していなければならない。この場合の本人確認証は、運転免許証やパスポートのことだ。
大事な荷物は手渡しで
また、追加料金なしで配送スタッフが荷物を受取人に手渡ししてくれるサービスがある。これを佐川急便では「セーフティサポート」と呼び、大事にしている仕組みの一つだ。営業所での保管も通常荷物とは別の貴重品室で行い、配送中も別ケースにて管理される。
これほどの手間をかけたサービスが追加料金無しで受けられるのは珍しいだろう。大事なものを運ぶなら、佐川急便の仕組みは大変お得だ。
記念日にあわせた配送も可能
さらに、指定した配送日にあわせて荷物を届けてくれる。こちらも追加料金は取らない。母の日や受取人の誕生日など、大切な記念日に合わせて荷物を届けることができるのでサプライズにぴったりだ。
利用の仕方は簡単で、指定日配達サービスシールを貼り、日にちを書き込む。そして指定日配達該当商品であることを担当ドライバーに伝えるだけだ。佐川急便のメリットは、このサービスの使いやすさにもあるのかもしれない。
細かい7つの時間帯指定
細かい時間帯指定もできる。某運送会社では、時間帯指定は一日を4分割したものが基本であるが、佐川急便の時間帯指定はなんと7つのパターンに分けることができる。
- ・8時~12時(午前中)
- ・12時~14時
- ・14時~16時
- ・16時~18時
- ・18時~20時
- ・18時~21時
- ・19時~21時
この仕組みなら長時間荷物を待つことをしなくてよいので、受け取る側も受け取りやすいと言えるだろう。天候不順や事故などの影響でこの時間帯に届けることができない場合も頭に入れておきたいが、クオリティという部分では申し分ないだろう。
料金の仕組み
先ほど少し紹介したが、料金の仕組みをもっと詳しく見ていきたい。
基準は3つ
配送料金を決めるポイントは3つ。荷物の大きさ(三辺合計)・荷物の重さ・配送距離だ。佐川急便の公式ホームページにある「料金検索ページ」から簡単に料金を割り出すことができる。
料金検索方法
では、最初に近い距離での利用料を出してみたい。ステップ1で地域を選択する。荷物を送る側と受け取る側の両方の地域を入力する必要があるのでしっかり確認しよう。
そしてステップ2。荷物のサイズを測る。縦・横・高さの三辺を測り、それを合計しよう。ここが160㎝以下なら飛脚宅配便。160㎝以上なら飛脚ラージサイズ宅配便になる。
そして重さを入力する。ステップ3では輸送モードといって、どの輸送サービスを使うかを選択する。通常ならば上の通常輸送を選択しよう。
近距離なら
では、試しに先ほどのニトリのカラーボックスならどのくらいのお値段になるだろうか。計算してみた。
少し大きなニトリ・カラーボックスカラボ45-3shを配送したい場合、「東京都から東京都に送る」を選択すると、2376円になった。ちなみに入力フォームは大きさの場合約10㎝刻み、重さの場合約10㎏刻みで入力すればいいので、そこまで正確に計算しなくてもいいだろう。
遠距離なら
かなりお得感のある佐川急便の飛脚ラージサイズ宅配便だが、遠距離はどうなのだろうか。「東京都から鹿児島県」で条件を変えずに検索してみた。
すると、3888円になった。近距離との差は1512円。燃料代を考慮してもこれはかなりお得ではないだろうか。
ちなみに、これが東京から沖縄になると一気に15120円になる。こうなると現地で新しいカラーボックスを購入するほうが良さそうだ。
梱包方法
梱包は基本的に各自で行うことになっている。公式ホームページに丁寧な梱包の仕方を紹介した動画と写真が掲載されているので、それを参考にするといいだろう。
例えば、中古家電を輸送する際の梱包は、商品購入時に使われていた外箱を再利用することを推奨している。また、外箱自体に傷が付くと困るものは、各自で外箱の上からエアー緩衝材などで保護することが必要だ。輸送中の擦り傷について佐川急便では責任が持てないとしているので、送り主自身が注意を払うことが大切だ。
梱包材の販売も行っている
また、各営業所でそれぞれの用途にあわせた梱包材の販売も行っている。防水機能のついたエクスプレスバッグAなら、ともに税込でA-Lタイプ(110×320×405㎜)で43円、A-Sタイプ(85×260×370㎜)で32円だ。書類を送る際に重宝するマチなしタイプのビジネスエクスプレスバッグ(250×340㎜)は、税込21円。固めの紙でできているバッグなので、書類に折り目がつくことなく運ぶことができる。
衣類をつるしたまま運ぶことのできるハンガーBOXは、それ自体が衣類を保管できる形状になっており、短期間の単身赴任ではそのまま箱から直接取り出して利用できそうだ。ただしあくまで輸送用のBOXなので、そのままの状態で長期間使用することは避けたい。サイズは(480×480×1000㎜)で税込1315円だ。このような梱包素材が営業所に用意されているのは大変便利だろう。
届けられないもの
佐川急便の飛脚ラージサイズ宅配便にも届けることができないものがある。まず、規定サイズを超えたもの。これは他のサービスを利用することで代用可能だ。
また、危険物、現金、有価証券は配送不可、ドライバーが一人で運ぶことのできない荷物もお断りすることがあるという。これはドライバーにかかる負担を考慮してのものなので仕方が無いだろう。
貴重品や高価な荷物を送りたい場合は、必ず営業所に問い合わせよう。特別な措置が必要な場合もある。担当者に直接伝えてもいい。
また、届けられないというわけではないが、ガラス製品や壊れやすい工芸品については利用料金が二割増しになる。その他には、自転車やイスなどは不定形品とみなされ、こちらも料金が二割増しになるので気を付けたいところだ。
その他注意点
荷物の破損については配送から14日以内に報告しなければならない。損害賠償は30万円が上限だ。これを超える品物は、オプションサービスで保険を利用したほうが確実で安心である。
使用するときの流れ
- 1.佐川急便の専用送り状を営業所で手に入れる
- 2.送り状に必要事項を記入
- 3.各自で梱包した荷物を営業所窓口に提出
- 4.または担当ドライバーに直接渡す
個人で利用する時の支払い方法は、
- ・荷物を預かるときに差出人が現金で払う(元払運賃領収済)
- ・荷物受取時に受取人が現金で支払う(着払)
の2パターンある。ちなみに、法人利用ならプラス月ごとに払う仕組みも可能だ。(元払い)
オプションサービス
追加料金を支払うことになるが、各オプションサービスも充実している。
運送保険
佐川急便には、代理店を利用した運送保険に加入するオプションがある。通常の場合でも損害賠償はあるのだが、上限が30万円までだ。高価な品物を運びたい場合、30万円以上の保証がほしいこともあるだろう。
佐川急便では、そんな利用者のためにオプションサービスを用意している。送り状に記入した保険金額1万円につき10円で加入できる。しかし、条件によって保険が適応されるかどうかが変わってくるので、しっかりと営業所窓口で説明を受けたのち契約したい。
保険が適応されないものといえば「現金・小切手・金・有価証券・家畜などの生き物」があげられている。チケット、金券は利用可能だ。
e-コレクト
聞きなれない名前のオプションサービスだが、簡単に言えばこれは代引きシステムだ。担当ドライバーが差出人の代わりに商品の代金を徴収してくれるサービスだ。個人でハンドメイド品の小物販売をしている方には大変便利なサービスだろう。このオプションは利用手数料がかかるものの、代引き可能な決済方法は現金だけでなく、クレジットカードや電子マネーも使えるため、取引が比較的スムーズにできる。支払う側も購入した商品が自宅まで届き、玄関先で商品代金を支払うだけなので利便性に優れたサービスだ。
ただし、注意したいのは一部地域では利用できないサービスであること。この点はしっかりと各営業所で確認したい。そして受取側が受取を拒否した場合、料金が着払いで差出人側に戻ってきてしまう点だ。ここはしっかりと受取人と意思疎通をはかりmこのような事態が起こらないよう気を付けたい。
受取人確認サポート
法人から個人に荷物を届ける場合、受取人に確実に荷物を届けたいときに、通常運賃にプラス300円の利用料金で受取人本人であることを確認してくれるサービスがある。受取人は身分証明書の提示をすることで荷物を受け取ることができる。ここでの身分証明書とは、運転免許証やパスポートのことだ。その上で事前に登録したパスワードと照合させる二重確認方式となっている。
気を付けたいのが、事前登録が必要な点と、専用の送り状が必要になる点だ。また、荷送人が個人の場合には使うことができないサービスであることも頭に入れておこう。
さらに大きい荷物はチャーターサービスで
さらに大きい荷物は、チャーターサービスを利用する手もある。こちらは法人・個人両方で利用でき、飛脚ラージサイズ宅配便で運ぶことができない三辺合計が260㎝を超える家具・家電を運ぶ際に使うことができる。重機や精密機器も運ぶことができ、他の利用者の荷物とは別に貸切り状態での輸送を実現しているので、運ぶのに特別の配慮がなされる。
欠点といえば、利用料金が荷物の量や内容によって変化し、見積りがしにくい点だろうか。各営業所に問い合わせると対応してくれるので、問い合わせしてみるのもよさそうだ。
参考:http://www.sagawa-exp.co.jp/send/branch_search/tanto/
法人なら大型家具・家電設置輸送サービスもある
法人に限り、ドライバーと専用スタッフの二名で運送を担当してくれる大型家具・家電設置輸送サービスもある。荷物を届ける相手は法人でも個人でも大丈夫だ。このサービスでは、荷物を指定場所に設置して梱包材を回収するまでがワンセットとなっている。大型家具・家電設置輸送サービスだけあって、取扱可能な荷物のサイズは 三辺合計が160㎝以上600㎝以内とかなり幅広く、重さも80㎏以内のものまで輸送可能だ。
また、ネットで荷物の位置を確認できる追跡サービスも利用できる。設置料金は荷物の個数とサイズで変動し、例えば三辺合計が220㎝の荷物を二つ運んだ場合、6696円になる。これは運賃とはまた別にかかるものなので注意しよう。
組立もさらに追加料金を支払えば対応してくれる。15分1620円から最大240分25920円までだ。それ以上かかる可能性のあるものはドライバーに相談しよう。組立作業が必要な場合、事前にスタッフに相談しておく必要があるので、詳しくは問い合わせするのが確実だろう。
- 各営業所検索
- http://www.sagawa-exp.co.jp/send/branch_search/tanto/
- 問い合わせフォーム
- https://www2.sagawa-exp.co.jp/contact/communication/?_ga=2.73236883.1882482522.1544077108-1643779090.1544077108
まとめ
ここまで見てきたが、佐川急便の家財宅急便はお得だと言える。理由は、料金以上の付加価値があるという点からだ。運びたい荷物のサイズによってサービスを選ぶ手間はあるものの、細かい時間帯指定が可能であったり、営業所に梱包材を用意してあったり、利用者へのケアが行き届いている。損害賠償が付いている点もポイントが高いだろう。
また専用アプリもあり、スマートフォンからの利用という点でも使いやすく時代に合わせたサービスを提供する姿勢が評価できる。総合的に判断して佐川急便を利用するのは得策と感じた。