日本発のアート・具体美術は、コレクターだけでなく美術品研究を行なう世界的な学者の間でも注目されるカテゴリだ。
Field Test in Habitat at the Foothills Art Center / Madilworth
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具体芸術のイベントが開催される
斬新かつ現代的なアートに目が向けられることの多い近頃では、40年以上前に活動が終わってしまった具体美術について、再考を目的としたシンポジウムやイベントも開催されている。
また具体美術の実験性は、世界的に人気を高めるパフォーマンス・アートやインスタレーションといった現代美術にも先駆的な影響を与えているため、再考や回顧以外の部分でも芸術業界における話題性は未だに残っていると考えて良いだろう。
今回は、現代のアートに大きな影響をもたらした具体美術について、その定義や査定情報を徹底解説していく。
具体美術とは?
このカテゴリの査定情報を詳しく理解するためにも、1972年まで活躍していた具体美術協会や、この市場に好循環が生まれつつある理由を把握しておこう。
具体美術協会
多くのショップで高価買取対象となっている具体美術は、1954年に関西の前衛作家・吉原治良をリーダーとして発足した「具体美術協会」のメンバーによって作られた作品ばかりだ。
機関紙「具体」の創刊を機に活動を始めた具体美術協会は、全盛期には約60名もの大集団になったと言われている。
具体美術協会ではどんなアートが行われていたの?
具体美術に関する買取情報を見ていると、その大半が現代アートのような絵画という印象を受ける。
しかし実際は、音、煙、光といった非物質的メディアを用いた舞台美術や、紙を突き破るといったパーフォーマンスなどを通して、非常にラディカルな活動を行なう集団だったのだ。
このようにパーフォーマンス・アートに近いことを得意としていた具体美術は、空間や場所を芸術として体験させる表現手法が中心となるため、一般の芸術カテゴリのように「買取対象として残った作品」が非常に少ない実情があるのだ。
具体美術が今、注目されている理由とは?
具体美術に世界的な注目が集まる背景には、欧米における戦後の美術史研究が進んだ理由が考えられる。
従来は西欧中心と考えられていた前衛美術も、調査研究が進みそのカテゴリが広がることで、日本に目を向ける芸術家や研究者が増えたと言われている。
また、2013年にはニューヨークのグッゲンハイム美術館にて「GUTAI(具体美術協会)」の特別展も開催されているため、海外の人たちの影響により日本の買取市場にも好循環が生まれつつあると考えて良さそうだ。
現存しないから希少性も高い
日本を代表する前衛アート集団・具体美術協会も、リーダーを務めていた吉原治良の死去とともに解散することになってしまった。
40年以上前に活動に終わりを迎えた具体美術作品は、希少性といった部分でも大変価値ある存在だ。
具体美術の人気作家と買取相場
世界の研究者が注目するほどの歴史的価値を持つ具体美術は、大半の専門店で買取相場などの情報を非公開にしている。
しかし、ニュースメディアによって公開されたオークション結果を見てみると、普通の現代アートとは全く異なる価格で取引されることが多いようだ。
ここからは、具体美術を代表する人気作家の情報と一緒に世界的なオークションの落札価格などを確認してみよう。
吉原治良
具体美術協会を率いた吉原治良は、グラフィックデザインや抽象画を含めた多くの作品を世に残している。
サザビーズによって開催されたオークション・吉原治良コレクションでは、「円」と名付けられた2作品が6,000万円以上もの高額で落札されている。
このイベント全体では、吉原治良の作品だけで総額4億円を超えたと言われているため、世界の富裕層が具体美術に注目する理由も納得できると言えるだろう。
白髪一雄
1955年に具体美術協会に合流した白髪一雄も、戦後の日本美術を語る上で欠かせない作家だ。
白髪一雄の有名作品「古史」は、アジア圏のコレクターが集うオークションにて香港最高額(488万円4千香港ドル・日本円で7814万円)で落札されている。
晩年に地域文化功労者賞なども受賞した彼は、具体美術の国際市場を牽引する存在として世界的な注目度を高めているようだ。
元永定正
「面白い駄作をたくさん作る」というコンセプトでファニーアートを確立させた元永定正は、1970年以降、絵本作家としても活躍した。
彼の人気絵本「もこもこもこ」や「もけらもけら」は、現在でもたくさんの子供達に読まれている。
2012年に開催された近代美術のオークションでは、元永定正の「いち」というアクリル絵の具を使った作品に500,000円~800,000円ものエスティメート(落札見積り価格)が算出されたこともあるようだ。
田中敦子
オノ・ヨーコや草間彌生に並ぶ偉才と称される田中敦子は、「電気服」のオブジェで知られる具体美術作家だ。
色彩豊かな曲線と円が絡み合う彼女の絵画作品は、国際的な評価によって1,000万円ものオークション価格がつくこともある。
また、東京都現代美術館などでは彼女の回顧展なども開催されているため、田中敦子への注目度は今後も高まる兆しがあると言えるだろう。
具体美術の買取に積極的な業者 まとめ
一般の美術品や絵画よりも遥かに高値が狙える具体美術は、「作品や作家の知識に長けた専門店」や「資金力の高い専門店」に査定依頼をすることが必要不可欠となる。
美術品を高値で売るためには、ユーザ自身が買取相場を把握する作業網も欠かせないため、これから紹介する4つの業者情報を中心に、複数のショップに問合せをかけてみてほしい。
総合美術買取センター
http://www.sbkart.net/staffblog/cate/%E5%85%B7%E4%BD%93%E7%BE%8E%E8%A1%93/
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
スタッフブログの中で具体美術に関するコラムを公開する総合美術買取センターは、査定士の専門性や買取方法の多彩さといった意味でもおすすめ度の高い専門店だ。
運営経費を抑えることで高価買取も実現しているため、高く売れる具体美術を手放す際には必ず問合せをしておくべき存在になると言えるだろう。
筑波商会画廊
http://www.olympianw.co.jp/kaitori10.html
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
東京都千代田区にある筑波商会画廊は、査定士自身が具体美術のファンという少し変わった買取業者だ。
サイト内には「具体に関わる全てを集める所存」と書かれているため、作品展のパンフレットや図録なども持ち込みやすいショップになることだろう。
そんな筑波商会画廊では、60年代の具体展出品作品を特に高値で買い取っている。
アート買取協会
http://www.artkaitori.com/specific_art/
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
具体美術の作家紹介ページを設けるアート買取協会も、おすすめ度の高い専門店だ。当ページでも紹介した吉原治良、元永定正、白髪一雄、田中敦子の4人は強化買取作家となっている。
またアート買取協会では、他店での買取実績の少ない山崎つる子や白髪富士子などの作品も歓迎しているため、キーワード検索で理想のショップが見つけられない人にもより良い問い合わせ先になることだろう。
エムケイワン
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
現代アートの買取実績が豊富なエムケイワンでは、トップページで吉原治良の作品を公開している。
また、この業者のスタッフは前衛美術への知識も大変豊富であるため、具体美術を含めた昭和の時代の作品を持ち込むには大変おすすめ度の高いショップになると言えそうだ。
まとめ
国内買取店で滅多に買取実績が公開されない具体美術も、査定士やオーナー自身がコレクターをしているショップに持ち込めば数百万円~数千万円もの高額査定を狙えることもあると考えて良いだろう。
もし世界の富裕層や研究者も注目する具体美術を所有しているなら、妥協をせずにじっくり時間をかけて売却に向けた準備を行ってみてほしい。