冷蔵庫を廃棄処分したいときには国が定めた方法に従わなければならない。家電リサイクル法によってリサイクルに出すことが求められている冷蔵庫は、廃棄する人が家電リサイクル料金を払う義務を負うのだ。冷蔵庫のメーカーによって金額が異なるので、どのような料金設定になっているのかをまとめて理解しておくことが必要である。そして、冷蔵庫が不要になってしまったときにリサイクルに出すのが最も優れた選択なのかも他の方法と比較してよく考えよう。
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メーカーがリサイクルをする冷蔵庫のリサイクル料金
家電リサイクルでは基本的にはメーカーが自社の製品を引き取ってリサイクルする仕組みになっている。これに則って行われているケースでは、家電リサイクル料金の一覧表に個々のメーカーでの費用が記載されているので簡単に確認可能だ。また、冷蔵庫はサイズによって分類が行われていて、170リットル以下か、170リットル以上かでリサイクル料金が異なる場合がある。ただし、一部のメーカーではサイズによる区別を行っていない。リサイクル料金ごとにメーカーを分類すると下記のようになる。
170リットル以下が3,672円、170リットル以上が4,844円のメーカー
- クリナップ(株)
- シャープ(株)
- 東芝ライフスタイル(株)
- ハイアールジャパンセールス(株)
- パナソニック(株)
- パナソニック(株)(三洋電機)
- 日立コンシューマ・マーケティング(株)
- (株)富士通ゼネラル
- 三菱電機(株)
- 三菱電機エンジニアリング(株)
- (株)良品計画
170リットル以下が3,888円、170リットル以上が4,968円のメーカー
- エレクトロラックス・ジャパン(株)
170リットル以下が5,092円、170リットル以上が5,524円のメーカー
- (株)グローバル
- さくら製作所(株)
- 澤藤電機(株)
- (株)ジーマックス
- ジュージ工業(株)
- シロカ(株)(旧名称:オークセール)
- ジンアンドマリー(株)
- (株)スタイルクレア
- (株)STAYERホールディングス
- (株)正和
- 双日マシナリー(株)
- (株)ダイレイ
- ツインバード工業(株)
- (株)ツナシマ商事
- テクタイト(株)
- (株)デバイスタイル
- (株)デンソーエアクール(旧名称:GAC(株)
- 日仏商事(株)
- (株)ニトリ
- 日本ゼネラル・アプラィアンス(株)
- (株)ノジマ
- ハイセンスジャパン(株)
- (株)はぴねすくらぶ
- (株)ピーナッツ・クラブ
- (株)ビズライフ
- 日立アプライアンス(株)
- (株)フィフティ
- (株)Freedom
- (株)ベステックグループ
- (株)ベルソス
- ミーレ・ジャパン(株)
- 三ツ星貿易(株)
- (株)MOA STORE
- (株)ヤマダ電機
- (株)ユーイング
- 吉井電気(株)
- 吉岡電気工業(株)
170リットル以下が5,497円、170リットル以上が6,037円のメーカー
- ドメティック(株)
冷蔵庫の大きさによる区分がなくて4,844円のメーカー
- (株)コロナ
冷蔵庫の大きさによる区分がなくて4,968円のメーカー
- サムスン電子ジャパン(株)
承継先がある冷蔵庫のリサイクル料金
倒産してしまったメーカーの冷蔵庫や、子会社化されたメーカーのものなどの場合には、リサイクルをメーカー自身が行っていないケースもある。この場合、適切な業者が対応することになっているのだ。子会社化や吸収合併などの場合には関連する会社が承継先というのが通例で、そのメーカーに適用されるリサイクル料金になる。一方、それ以外の場合には指定法人(その他)となって、170リットル以下が5,092円、170リットル以上が5,524円という費用が課せられる。この二通りにメーカーを分類すると下記のようになる。
承継先のリサイクル料金が適用されるメーカー
- 金星ジャパン(株)
- (株)グラソン
- ゴールドスタージャパン(株)
- 三星電子(株)
- 三星電子ジャパン(株)
- 三洋セールス&マーケティング(株)
- 三洋電機(株)
- (株)ゼネラル
- (株)ダカス
- (株)東芝
- 東芝エルイートレーディング(株)
- 東芝コンシューママーケティング(株)
- 東芝ホームアプライアンス(株)
- 日本サムスン(株)
- ハイアールアクアセールス(株)
- ハイアールアジア(株)
- 海信日本(株)(Hisense、ハイセンス)
- (株)日立製作所
- 日立ホーム・アンド・ライフソリューション(株)
- (株)日立リビングサプライ
- 松下電器産業(株)
- 森田電工(株)
- ワイルドカード(株)
指定法人(その他)の料金になるメーカー
- (株)オーク
- (株)オークセール
- KNチヨダ(株)
- (株)桜川ポンプ製作所
- GEアプライアンスジャパン(株)
- GEアビエーション・ディストリビューション・ジャパン(株)
- ジーイー・エンジンサービス・ディストリビューション・ジャパン(株)
- ジーイー・クオーツ・ジャパン(株)
- GEコンシューマープロダクツジャパン(株)
- GAC(株) ジーエーシー(株)
- シークス(株)
- 大宇電子ジャパン(株)
- (株)ドウシシャ
- 東部大宇電子ジャパン(株)
- 日商岩井メカトロニクス(株)
- 日本ゼネラル・アプラィアンス(株)
- 船井電機(株)
- (株)山善
冷蔵庫の廃棄の前に考えておきたい方法
冷蔵庫を廃棄するときにリサイクル料金を払わなければならないのは受益者負担という考え方をすれば当然かもしれない。しかし、家電リサイクル法の仕組みをよく理解すると、実は冷蔵庫をどれだけ使っていたとしても家電リサイクル料金を払わなくても良いと考えることができる。この法律ではあくまで廃棄する人がリサイクルに必要な費用を負担することを義務付けているものであり、購入するときや所有しているときには費用は発生しないのだ。
家電の場合は人に譲り渡しても税金が発生しない
例えば、不動産を譲渡するときには譲渡所得税が発生するが、冷蔵庫のような家電の場合には人に譲り渡しても税金が発生することもないのである。冷蔵庫はもともと耐久性も高くて何十年も使えることが多いと言える。
つまり、まだ使える冷蔵庫なら人に譲ってしまえば自分はリサイクル料金を払わなくて済むのである。もう少し考え方を変えれば、様々な方法で冷蔵庫を手放せるとわかるだろう。個人に譲っても良いが、法人を相手にして回収してもらっても構わない。また、個人や業者に対して冷蔵庫を売ってしまっても良いのである。
業者に買取してもらう場合の注意点
ただし、気をつけておきたいのが業者に回収してもらう方法だ。不用品回収業者に依頼すれば冷蔵庫も引き取ってもらうことはできる。しかし、通常は回収してもらうための費用が発生してしまう。その業者が冷蔵庫を正しくリサイクルに出しているのであれば、少なくともリサイクル料金に相当する金額を請求されることになる。それに加えて、人件費や運送費、リサイクルをする代行手数料を考えると自分でリサイクルに出すよりも高くなってしまうことは否めない。
現実にはリサイクル料金よりも安く回収してくれる業者もあるが、そのような業者は二通りに分かれるので注意が必要である。
買取業者が中古品を再販して利益を得ている場合
一つは引き取った冷蔵庫を中古品として販売して利益を得たり、リサイクルショップなどに売って換金したりしているというパターンだ。この場合には冷蔵庫が再販する価値があるほど新しくて良品であれば高額買取をしてくれるだろう。ただし、リサイクルショップなどに売っている場合には、自分で直接買取を依頼するのに比べると買取価格が低くなってしまうのだ。
不用品回収業者が処分している場合
もう一つのパターンとして挙げられるのが冷蔵庫をリサイクルせずに処分しているというものだ。この場合には不法投棄になり、決して望ましい処分方法であるとは言えない。そのような業者が横行しているため、自治体が不用品回収に出さずにリサイクルするよう呼びかけるようになっているのだ。不用品回収業者を使って冷蔵庫を廃棄するときには、回収した冷蔵庫をどうするのかについてよく聞いておくことが肝心である。
買取価格を上げるためには
冷蔵庫がいらなくなったら売ってしまえば良いとわかると、できるだけ買取価格を上げたいと考えるようになるのが常である。冷蔵庫の買取は一般的には製造から5年以内のものに限られ、目立った傷や汚れもなく、正常に動作していることが求められるのだ。
業者によって買取基準には違いがあるが、壊れているものや10年以上も使っているものなどは買い取ってもらうのは難しいと考えておいた方が良いだろう。若干古くてもしっかりと動作する冷蔵庫なら買い取ってくれるリサイクルショップもあるので、一度断られてしまったとしても諦めずに他の業者にも当たってみるのが常套手段である。想像していたよりも高い値段を付けてくれる業者が見つかるとすぐにでも売ってしまいたい気持ちに駆られるが、できるだけ多くの業者に査定をしてもらった方が高く売れる可能性は上がる。
いくらで買い取るかについて業界基準があるわけではないため、業者によって査定価格にも大きな差が生まれることが多いのである。業者としては安く買い取って高く売りたいというのが常なので、最初に提示する価格が実は低めになっている場合もある。他ではもっと高い査定価格だったので断るという話をすると、買取価格を上げてくれることもあるだろう。このような交渉をするのも高く買ってもらうための秘策である。特に、他社の見積もりがあると具体的な数字を出して交渉しやすい。
さらに、査定を受けたときにプラス査定やマイナス査定になっているポイントを聞いておけば、それを根拠にしてこのくらいの価格にならないかと話を切り出すことができるだろう。根拠を持って話をするのは交渉を上手に行うための基本であり、他の業者から査定を受けることで交渉のネタを増やすのは賢明な方法なのである。また、業者だけでなく個人にも売るという視点を持つとさらに高く売れる可能性もあるだろう。
まとめ
人気の機種を売り払いたいというときにはオークションにかけると高値が付きやすい。業者が間に入らないため、買取よりも高額取引になることもよくある。ただし、オークションの場合には出品手数料がかかることが多い。その金額がどの程度になるかを考え、業者に買い取ってもらうのとどちらが儲かるかを試算した方が良いだろう。さらに、冷蔵庫の配送手配をしたり、入金確認をしたりする労力がかかることも考慮し、頑張った割にそれほど利益が増えなかったと後悔しないような方法を選ぶのが重要である。