前田青邨は、文化勲章受章や「洞窟の頼朝」の重要文化財指定など、輝かしい実績を多く有している。そのため、日本画をはじめとした作品が多く高額で買い取られている。前田青邨の書画の骨董価値や買取相場やポイント等を詳しく説明していく。売却で失敗しないよう、基本的なことは押さえておこう。
本記事のポイント
- 前田青邨が手がけた「洞窟の頼朝」は重要文化財になっている
- 歴史画は高額査定になる可能性が高い
CONTENTS
このコラムには、合法的な広告・宣伝が含まれている可能性があります。また、当社のサービスである「ヒカカク!」と「magi」の紹介も含まれています。
前田青邨(まえだせいそん)とは
前田青邨(まえだせいそん、本名: 廉造【れんぞう】)は、岐阜県出身の日本画家である。1885年(明治18年)に生まれた前田青邨は、絵画を学ぶために1901年(明治34年)に上京した時に、親戚のつてで会った尾崎紅葉の勧めで日本画家の梶田半古に師事した。
その後、大和絵系日本画家の研究団体である紅児会に参加し、日本画家である小林古径らと研究をすすめ、注目を集めた。紅児会解散後は、再興日本美術院に参加し、同人に推挙され、その後院展などで長年活躍、文化勲章受章など近代日本画家を代表する1人となった。
また、東京芸術大学日本画科で教鞭をとるなど後生の育成にも努め、さらに法隆寺金堂壁画再現事業や高松塚古墳壁画模写事業など多くの文化事業にも関わった。
前田青邨の絵画の価値とは
院展などで長年活躍し、重要文化財となった「洞窟の頼朝」など多くの傑作を制作した前田青邨。彼が手掛けた作品は人気であるため、高額で取引されることが多い。
日本画は、絵の内容や状態にもよるが数十万円から数百万円取引されることが多い。「日本のアート産業に関する市場レポート 2020」によれば、1000万円以上で取引された事例がある作家となっている。人気作ともなると、1,000万円以上で取引されることがあるだろう。
前田青邨の作品としては、他に木版画やシルクスクリーンなど版画作品、さらに複製画があるが、こちらも絵の内容や状態にもよるが、数万円から数十万円で取引されることがあるようだ。
買取相場・買取価格・落札歴例
- 「富士」600〜1000万円(アート買取協会)
- 「富士」460万円(SINWA AUCTION)
- 「静物」300〜400万円(アート買取協会)
- 「豊沃」72万円(SINWA AUCTION)
- 「獅子舞」62万円(Shinwa Auction)
- 「桃太郎」15万円(SINWA AUCTION)
前田青邨の作品の価値を決めるポイントについて
前述のように近代日本画家を代表する1人である前田青邨の作品は高額で取引されることが多い。しかし、作品の価値を決める要因は様々にあり、たとえ前田青邨の作品であっても、作品の価値を決める要因にマイナス要素があると、取引価格は期待したほどの価格とならない場合もある。
ここに前田青邨の作品の価値を決めるポイントについて簡単に記載していく。
技法は日本画が作品の価値として高くなる傾向にある
前田青邨の作品としては、日本画やシルクスクリーン、版画、など様々な種類があるが、作品の価値としては日本画が最も高くなり、その他の版画、や複製画の何十倍の価格で取引されている。所有している前田青邨の作品はどのような技法か確認をしておいたほうがいいだろう。
人気作品は需要が高く高額で取引される
同じ作家の作品でも、その作家が得意としている図柄、その作家を代表するような図柄などは人気が高く、そして需要も高くなることから、高額で取引される事が多い。
前田青邨は、重要文化財の「洞窟の頼朝」のような歴史画、紅白梅などの人気が高く、高額で取引される前田青邨の作品の中でもより高額で取引される可能性がある。
所有している前田青邨の作品がどのような作品か把握すれば、市場でどのような価値を受けているか確認できるため、売却する時の参考になるだろう。
前田青邨の署名や落款がある作品は需要が高くなる
前田青邨が手掛けた作品の中に前田青邨の署名や落款がある場合は、ない作品より需要が高くなり、取引価格も高くなる傾向にある。署名や落款は、作者がこの作品を手掛けた証として作品に追加するものだが、同時に、この作品は「これで完成した」ということの証となる場合がある。
もちろん、署名や落款がなくても作品として完成していれば問題はないのだが、絵画を収集する収集家は、作品が完成した証である署名や落款がある作品を好む傾向にあり、そのため、署名や落款がある作品の需要は高くなり、結果として取引価格も高くなる傾向にあるのである。
所有している前田青邨の作品の署名や落款の有無について確認したほうがいいだろう。
共箱、共シールがある作品は価値が高くなる
日本画などを販売するサイトでは、絵画の状態などを記載した項目の中に、共箱、共シールの有無という項目がある場合が多い。この共箱、共シールは、作品の価値を決めるうえで重要となるため、その有無が項目として存在するのである。
共箱とは、日本画を保管する時に入れる桐箱に作者の署名や落款などが記載されているものである。この共箱は、その作品のために用意されたものであることから、作品と共に共箱があれば、需要が高くなり、取引価格も高くなる。
もう一つの共シールとは、作品の裏に貼られている紙片に作者の署名や落款があるもので、共シールが貼ってあることで、作者がこの作品を自分が手掛けたもの、と認めた証となる場合があるため、共シールがあれば需要は高くなり、取引価格も高くなる場合が多いのである。
所有している前田青邨の作品の共箱や共シールの有無について事前に確認をしておいたほうがいいだろう。
状態の良し悪しが作品の価値に大きく影響する
高額で取引されることも多い前田青邨の作品であるが、もし、作品の状態が悪くなった場合は、作品の価値が下がることから、取引価格も低くなる可能性が高いばかりか、場合によっては、取引を断られることも有り得る。それほど作品の状態は、作品の価値に大きな影響を及ぼすのである。
状態が悪い例としては、結露により発生するカビやシミ、日光などがあたることにより色が薄くなる日焼け、絵具のひび割れ、作品に発生するシワ、破け、欠損などがある。これらの多くは、作品を保管する環境や取り扱い方が、絵画の保管としては適していないために発生した可能性が高い。
作品の状態を悪化させて作品の価値を下げないためにも、作品の保管方法や取り扱いには十分に注意したほうがいいだろう。
作品を“本物”と証明する鑑定証は重要
作品の需要が高くまた高額で取引されるような作家の場合、別人が制作した作品をその作家が手掛けた作品と偽って流通させることがしばしばある。このような偽物の作品は一般に贋作と呼ばれるが、贋作は当然その作家の作品ではないため、作品としての価値は無いに等しい。そのため、もし贋作を前田青邨の作品として取引した場合に、取引に費やした費用すべてが損となるだろう。
それを防ぐために取引の際には、所定の鑑定機関が前田青邨により制作された作品と査定したことを証明する書類、つまり鑑定証が必要となってくる場合がある。鑑定証がない場合、取引が出来なくなる可能性もあり、取引の際には鑑定証は重要となってくる。
所有している前田青邨の鑑定証について、事前に確認をしたほうがいいだろう。業者の中には、鑑定証取得の代行などを行っているところもあるため、必要に応じて相談してみるのもいいだろう。
LINE査定に対応している買取業者
【ヒカカクおすすめ店】総合美術買取センター
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
総合美術買取センターでは絵画のジャンルごと、絵画以外の美術品のジャンルごとにそれぞれ専門の鑑定人が在籍し、マーケットの動向を把握したリアルタイムでの査定額を提示している。その同社のホームページに取扱作家として前田青邨は紹介されており、高価買取が期待できる。
アート買取協会
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
高額買取査定、年間3万点の買取実績、専門スタッフによる丁寧な鑑定・査定、全国出張買取・宅配買取を実施しているアート買取協会は、LINE査定にも対応している。前田青邨の作品の買取を強化しており、ホームページにも代表作である「紅白梅」「静物」「富士」の紹介と買取参考価格が掲載されている。
出張買取に対応している買取業者
古美術 永澤
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
古美術永澤ではメールやLINE査定に対応している。ホームページには買取対象の作家として前田青邨の作品の記載があり、高く評価し買取を行うとの記載もある。実際に前田青邨作品「牡丹図」の買取実績もありホームページで紹介されている。
小川処堂
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
小川処堂は骨董品・絵画・美術品の買取・販売店。日本全国で買取、販売を行っており、査定料や送料はすべて無料。前田青邨の作品の買取に力を入れており、ホームページでは前田青邨の紹介とともに、前田青邨の絵画・掛軸を高価買取するとの記載がある。
前田青邨の作品の売却について
前田青邨の作品を売却する場合は、買取業者に売却する、オークションに出品するなど、様々な方法がある。
買取業者については、前田青邨のような近代の日本画の買取実績が豊富な業者、オークションについては、アートオークションのような専門家が対応するもの、もしくはオークション出品の代行をしてくれる業者のほうがいいだろう。手数料が高いなどデメリットもあるが、売買の手続きからトラブルまで対応してくれるため、絵画の取引に慣れていない場合などは、安心できるといえる。