高木酒造(山形県村山市)が製造している日本酒十四代(じゅうよんだい)は、香り豊かな芳醇旨口の酒として市場で高い評価を得ている。しかし一口に十四代といっても、純米大吟醸から本醸造酒といった特定名称酒や使用米、上槽や火入れなどの工程によって種類が細かく分かれている。今回はその中でも十四代の槽垂れ(ふなたれ)について、特徴と買取相場、高額買取してもらう方法について紹介する。
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十四代槽垂れとは
十四代の槽垂れと銘打たれたものには、十四代純米吟醸槽垂れ本生原酒と、十四代純米吟醸槽垂れ本生原酒 おりがらみなどがある。「槽垂れ」や「おりがらみ」の意味と、酒の特徴について紹介する。
上槽の工程だけで味わいが異なってくる
日本酒は、酒米を麹菌と酵母の力で発酵させ醪(もろみ)という状態にし、清酒と酒粕に濾過したものである。この濾過する工程を上槽(じょうそう)といい、自動圧搾機で搾るヤブタ式や、酒槽(さかふね)と呼ばれる昔ながらの搾り機で搾る槽搾り(ふねしぼり)、酒袋に入れて吊るす袋吊りといった方法がある。
ヤブタ式は蛇腹状の圧搾機の中に醪を入れ両側から圧力を加えてしっかりと搾る方法で、短時間に大量に搾れることから多くの酒造メーカーで使われている。ただし圧力が強いため米の雑味が日本酒に残りやすく、大吟醸などクリアな味わいが求められる酒には向いていない。
槽搾りは、木材などで作られた酒槽の中に醪を入れた酒袋を何層にも重ね、上から圧力をかけて搾る方法で、この酒槽から垂れてきたままの状態の酒が槽垂れである。ヤブタ式のように短時間で大量に搾ることはできないが、ゆっくりと圧力をかけるので雑味がほとんど出ない。
一般的には、この後滓引き(おりびき・上槽後の液体をタンクで放置して沈殿した滓を取り除く)や濾過をしてより透明な酒になるが、この滓引きや濾過の工程をおこななわず、あえて滓を残すこともある。これをおりがらみという(十四代の表記は「おりからみ」)。この滓は雑味のもとにもなるが、同時に米の旨味も残っているため、おりがらみは日本酒のクリアな味わいにコクを加えたような風味になる。
袋吊りは醪を入れた酒袋をタンクの中に吊るして自然の重力のみで滴り落ちてくる雫を貯めるという方法で、こうやってできた日本酒を雫酒(しずくざけ)とも呼ぶ。この方法で搾った日本酒は全く雑味のない、クリアな味わいになるが、時間がかかる上に量が全くとれないというデメリットがあるため、大吟醸や品評会に出品する酒に用いられる。
十四代槽垂れの特徴
十四代は、甘味と辛みのバランスが良い、芳醇で深みのあるフルーティーな味わいが特徴としてあげられる。十四代純米吟醸槽垂れ本生原酒 は、酒米を50%近くまで精米して雑味を徹底的に除去した純米吟醸酒(酒税法では、精米歩合が60%以下で醸造アルコールを添加していない日本酒と規定されている)を槽搾りで搾ることで、さらにクリアな味わいを極めている。
槽搾りは時間がかかる分、日本酒が酸化しやすく酒造メーカーから敬遠されがちだが、あえて槽搾りと銘打つところに高木酒造の技術に対する自信が感じられる。また、通常は醪を搾って清酒にした直後と出荷前の2回おこなわれる火入れ(加熱処理)をあえておこなわないことで、吟醸酒の香りと味をストレートに味わえることもこの酒の特徴である。
一方、十四代純米吟醸槽垂れ本生原酒 おりからみは、クリアな味わいを目指した純米吟醸酒にあえて滓を残している。前述したように滓は雑味であると同時に旨味でもあるので、ともすれば無個性になりがちな純米吟醸に個性を出している。
また、おりからみの中には荒走り(あらばしり)と表示された酒もあるが、これは槽搾りで搾ったときに一番最初に出てくる白く濁った酒のことで、雑味が比較的多いが香り高く、フレッシュな味わいが特徴である。なお十四代純米吟醸槽垂れ本生原酒と十四代純米吟醸槽垂れ本生原酒 おりからみはともに使用米および使用酵母が明記されていない。
十四代槽垂れの買取相場
十四代槽垂れの買取には、買取業者に買取を依頼する方法と、ネットオークションやフリマアプリを利用する方法の二通りがある。買取業者とフリマでは買取相場が大きく異なる上、同じ槽垂れでも酒の種類によって値段が異なってくる。それぞれ紹介しよう。
大黒屋
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
大黒屋は全国各地に210店舗以上ある買取業者で、日本酒の買取にも力を入れている。日本酒は直射日光をあてるとすぐに変質したり温度管理が大変だったりして買取をおこなっていない業者も多いので、買取業者に買取を依頼するときは注意が必要である。
十四代槽垂れと銘打たれた日本酒の買取価格は、2019年7月22日の時点で、十四代純米吟醸槽垂れ角新本生が10,000円、十四代槽垂れ角新本生原酒が14,000円、十四代荒走り本生おりからみ角新が13,000円である(いずれも1,800ミリリットル)。十四代の他の純米吟醸にも10,000円~20,000円(1,800ミリリットル入り)の金額がつけられている。
ネオプライス
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
ネオプライスは大阪に本社がある買取・販売業者である。酒類の買取・販売に強く、自社サイトの酒類の紹介も日本酒、洋酒を問わず充実している。
十四代 純米吟醸 槽垂れ おりからみの買取価格は18,000円、十四代 純米吟醸 おりからみ 本生 荒走りは21,000円(いずれも1,800ミリリットル)となっている。十四代の他の純米吟醸にも17,000円~32,000円(1,800ミリリットル入り)の金額がつけられている。
ネットオークションやフリマ
ヤフオクにおける十四代 純米吟醸 槽垂れ 角新 本生の買取相場は2019年5月22日~7月21日までの時点で1本あたり11,000円~22,501円だった。買取相場を調べるにあたって対象にした件数は20件で、平均落札価格は20,060円である。
最低落札価格の11,000円は2019年6月に出品されたもので、製造月日は2017年12月だった。最高落札価格の22,501円は2019年5月に出品されたもので、製造年月日は2018年12月だった。
メルカリにおける十四代 純米吟醸 槽垂れ 角新 本生の買取相場は2019年2月~4月までの時点で1本あたり18,000円~21,500円だった。買取相場を調べるにあたって対象にしたのは10件で、平均価格は19,650円である。
最低価格の18,000円は2019年4月に出品されたもので製造年月日は2018年12月だった。最高価格の21,500円は2019年3月に出品されたもので、製造年月日は2018年12月だった。
買取方法や査定、出品方法
買取業者に買取を依頼する場合、店舗買取や出張買取など買取方法がいくつかある。買取業者の買取や査定の方法をフリマに出品する方法とあわせて紹介する。
買取業者の場合
買取業者に買取を依頼する場合、品物を店舗に直接持っていく店舗買取の他、業者が直接出向く出張買取、買取専用宅配キットに品物を詰めて郵送する宅配買取などの買取方法がある。このうち店舗買取は査定額がアップするだけでなく、すぐに現金化できるというメリットがある。
出張買取はエリアが決まっていることが多いが、宅配買取は全国対応のところが多く、宅配キットも無料である。高額買取をしてくれる業者が遠くにいる場合にはこちらの方法を利用してみよう。
また査定方法も、電話やメールの他、LINEで写真を撮って送るLINE査定などいろいろある。特にLINE査定は簡単でスピーディーな上に査定結果が正確なので人気がある。相見積もりを取るときにも便利なのでぜひ利用してみよう。
ネットオークションやフリマの場合
ネットオークションやフリマに出品する場合には、まずタイトルや商品名など商品の情報を入力しなければならない。その際、情報の正確さはもちろんのこと、商品の説明にもセンスが問われる。出品前に商品の購入時期や状態、化粧箱などの付属品をよく確認しよう。また商品画像を掲載するのであれば、写真を美しく撮影する技術も必要である。
価格を設定する際は、ヤフオクであれば落札価格を調べるなどの機能を利用して過去の落札相場を調べ、適正な価格を設定しよう。価格を低めに設定すると売れやすくなるが、低い価格のまま落札されることもありうるので注意が必要である。
高額買取のポイント
十四代はプレミア日本酒として買取業者やフリマ市場で高い値段が付けられている。ただし、高額買取のためには注意しておきたいポイントがいくつかある。
製造年月日が近い方が高額になる
日本酒は保存方法が難しく、特に火入れをしていない生酒や生詰め酒は品質が変化しやすい(品質が保持できるのは約9カ月。十四代の生酒についてはメーカー側が約2カ月を目安に飲み切ることを推奨している)。そのため、詰め日(製造年月日)が近いもののほうが高額で査定されたり、フリマで高い値段がついたりしやすい。
買取に出すのであれば、なるべく早めに出そう。なお、製造年月日から半年以上経過した生酒や吟醸酒については買取対象外にしている買取業者が多いので、そのような場合はネットオークションまたはフリマアプリに出品することをおすすめする。
きれいに保管しておく
日本酒は保存が難しく、室外に数時間放置しただけで酸味が強くなるなど酒質が変わってしまう。そのため、冷蔵庫などの冷暗所での保管は必須である。
また、ラベルがはがれていたり瓶が埃をかぶっていたりすると値段が下がることは言うまでもない。買取に出す前に一度瓶を磨くなど掃除をしておこう。写真映えが悪いとフリマでも買い手がつかないことがある。
相見積もりを必ず取る
買取業者とフリマの買取価格を比較するとフリマの方に軍配が上がるが、買取業者は販売手数料や相手方への送料の負担がない、梱包や配送などの面倒な作業がないなどのメリットもある。手間をかけたくなければ買取業者に依頼するのがベストだろう。
ただし、買取業者によっては日本酒の買取をしていなかったり、あまり得意としていない業者がいたりするので、必ず複数の買取業者に見積もりをお願いし、高額買取してくれる業者を選ぼう。買取価格を一括で比較できる買取査定無料サイトもあるので利用してみるといいだろう。
まとめ
十四代槽垂れは、その名が示す通り酒槽のなかでじっくりと、時間をかけて搾った日本酒である。その美味しさは折り紙付きだが、特に生酒の場合は品質が劣化しやすいので保管方法に気を付けなければならない。
そもそも十四代をはじめとする日本酒は、美味しく飲むために作られたものである。高額買取のためには買った人が美味しく飲めるような心くばりが何よりも大事である。