昭和時代に活躍した堂本印象は、買取査定ポイントを抑えた売り方を徹底すれば、高価買取の狙いやすい人気の日本画家だ。特に彼が多く制作していた掛け軸については、ライブオークションや人気テレビ番組・開運なんでも鑑定団にも多く出品が行われている。また2016年には京都で生誕125年を記念する作品展も開催されているため、堂本印象はさまざまなシーンで注目度の高い日本画家と位置づけて良いだろう。
今回は、彼の掛け軸を所有する皆さんと一緒に、高価買取に繋げた人達が実践する査定ポイントや、買取相場、作品の価値などを確認していきたい。
KAKEJIKU (Shikishigake) / Hyougushi
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堂本印象とは?
堂本印象は、京都府京都市出身の日本画家だ。
経歴
19歳で京都市美術工芸学校を卒業していた堂本印象は、当時行っていた西陣織の図案描きの仕事を辞めて日本画家を志すようになる。その後、京都市立絵画専門学校を卒業した印象は、第6回の帝展で帝国美術院賞を受賞したことで、国内第一級の日本画家として認められたようだ。
多彩な会員歴受賞実績
こうした形でその実力が業界内で認められた堂本印象は、自身が卒業生でもある京都市立絵画専門学校の教授となる。またその8年後には帝室技芸員や日本芸術院会員になどにもなっているため、彼の活動は制作者の間だけでなく宮内庁や教育分野でも認められていたと捉えて良いだろう。また1960年代には、芸術界や科学技術における発展や向上に貢献をした者のみに与えられる文化勲章や、密教学芸賞なども受賞している。
国際舞台における活動
第二次世界大戦が終わると、堂本印象の活動は海外に広がっていく。国際展覧会を通して抽象表現や障壁画の世界に触れた彼は、1963年に大阪カテドラル聖マリア大聖堂に描いた「栄光の聖母マリア」という作品により、ローマ教皇ヨハネス23世から賞を与えられている。また後期以降は、婚礼衣装や茶釜、彫刻といった大変幅広いジャンルにも挑戦をしているため、外国での抽象表現や海外アーティストとの出逢いにより、日本画家としての枠に囚われない活動にシフトしていったと捉えて良いかもしれない。
京都府立堂本印象美術館
彼の出身地・京都府京都市には、堂本印象が自らデザインした京都府立堂本印象美術館が存在する。京都文化財団によって管理運営が行われているこの施設には、「木華開耶媛」や「兎春野に遊ぶ」といった作品がある。現在休館中の堂本印象美術館は、2018年春にリニューアルオープンの予定となっているため、施設関連の話題により来年には更に堂本印象への注目度が高まると言えるだろう。
代表作品と所蔵施設
この他に堂本印象の作品は、京都国立近代美術館に「新聞」と「訶梨帝母」、東京国立近代美術館に「朝顔」、京都市立美術館に「水郷欲雨」といった形で彼の地元である京都エリアを中心に多くの施設に所蔵されている。
こうした形で美術館所蔵の多い作家の掛け軸や日本画は、それだけ買取市場における流通量が少ないとも考えられる。また近頃では、彼の注目していた抽象表現などの現代美術の価値が改めて見直されているため、今後も堂本印象の作品は高価買取に繋がる要素が豊富と捉えて良さそうだ。
家族も美術文化界で活躍
堂本印象の兄弟や息子たちの多くも、漆芸や日本画、洋画といった彼と同じ芸術カテゴリで活躍をしていた。例えば長兄の養子となった堂本元次については、日展会員や日中文化交流使節団の一因として長きに渡って活動を行っていた。また甥の堂本尚郎についても、洋画家として紫綬褒章や文化勲章などを受賞しているため、こうした堂本一族の活躍は日本の芸術界に大きな影響をもたらしたと断言できると言えるだろう。
堂本印象の掛け軸作品の買取相場
型破りの創意で制作を続けていた堂本印象の作品は、生誕125年を過ぎた現在でも、多くの買取市場で高価買取が行われている。
新緑
甥の堂本尚朗による鑑定書付きの「新緑」は、インターネットオークション・ヤフオクにて60,000円で落札された額装の絵画作品だ。墨と顔料を使って爽やかな春の情景を描いた「新緑」は、もともと掛け軸として和室などに飾られていたようだ。商品説明の中には、毎日オークションで取引されたことも書かれている。
白椿
国内ハウスで開催されたライブオークションでは、「新町九軒の春宵」に250,000円、「白椿」に550,000円もの落札額がついた実績がある。近代美術や日本画のファンが集まる美術品オークションは、ヤフオクと比べて遥かに高値の付きやすい存在となる。またこうした市場にはそれなりに価値のある作品のみが出品可能なるため、誰もが出品可能なヤフオクとは全く異なる価額が付くのも納得できると言えるだろう。
昭和期の作品
堂本印象で500,000円を超える高額査定が付くのは、そのほとんどが昭和時代の掛け軸となる。例えば、人気テレビ番組・開運なんでも鑑定団に出品された昭和25年〜35年代の掛け軸には、700,000円もの鑑定額が付いている。これに対して俳優・小泉孝太郎の持ち込んだ掛け軸については、大正末期〜昭和初年に文人画的に描かれたという理由で1,500,000円もの高額鑑定額が付いたこともあるようだ。
堂本印象の掛け軸を高価買取に繋げる査定ポイント
ここまで紹介したとおり、掛け軸としてはかなり高値での買取が期待できる堂本印象の作品は、買取店の重視する査定ポイントを心掛けることで、より良い取引に繋げられる存在だ。また査定ポイントの実践は、スムーズな取引や現金化にも関係する注意点となるため、迅速な対応を求める人ほど下記内容を頭に入れておくべきだと言えるだろう。
コンディションが買取額を左右する
額装に入っていない掛け軸は、コンディションの悪化が進みやすい存在だ。紫外線による日焼けや汚れ、湿気による紙のヨレなどの生じた掛け軸は、買取相場より大幅にダウンした査定額しか提示されない形となる。またあまりにも状態の悪すぎる絵画作品は、買取NGになることもあるため、保管場所や取扱いについては注意が必要だと言えるだろう。
近代日本画の買取に積極的な業者の利用がおすすめ
近代美術や抽象絵画といったカテゴリに詳しい専門店に問い合わせをすれば、査定士ともスムーズなコミュニケーションを図ることができる。またその中でも堂本印象の買取に力を入れる業者では、総合美術買取センターのようにサイト内で彼の経歴やプロフィールを掲載しているため、各社のホームページをきちんと確認することも高価買取に欠かせない行動となるだろう。
問い合わせ前に準備すべきこと
スムーズな取引を希望する場合は、依頼主自身にも準備すべきポイントがいくつかある。例えば、画素数の高いデジカメやスマートフォンで掛け軸の写真を撮っておけば、査定士に現物を送る前に仮査定を行うこともできる。また作品情報についても買取の可否判断をする上で欠かせない内容となるため、なるべく自身の知っている情報を詳しく査定士に伝える心掛けが、スムーズで納得の取引に繋がると捉えるようにして欲しい。
出張買取を利用するなら全国無料対応の業者を利用しよう
保管や運搬といった扱いでさまざまな注意点のある掛け軸には、査定士が自宅を訪問してくれる出張買取サービスを使った売却が最もおすすめだ。このサービスは、掛け軸の共箱を自分で持ち運ぶことの難しい女性やお年寄りなどにも多く利用されている。また出張買取を得意とする総合美術買取センターでは出張費無料で全国対応を行っているため、こうした業者に査定依頼を行うことで堂本印象の掛け軸売却にかかるコストも抑えられると言えるだろう。