今、ジャパニーズウイスキーが世界で熱くなっている。ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)などの世界的な品評会で、国産ウイスキーが金賞や最高賞を受賞し続けたことで、世界的に需要が高まったのだ。
代表的な国内メーカーの1つにニッカウヰスキーがある。ブラックニッカや竹鶴などで有名だが、ニッカがつくっている銘柄はそれだけではない。宮城峡は、飲みやすさが特徴的なウイスキーで、過去には限定品も発売されたことがある。今回は、その限定品の1つである宮城峡シェリーカスクの買取相場を紹介する。
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お酒は買取専門店に持って行ってもいい?
ウイスキーを買取専門店に持って行く前に次の疑問を抱く人もいるかもしれない。お酒を売るのには許可がいるのではなかったか、と。確かに日本の法律では、メーカーであれ飲食店であれ個人であれ、お酒を販売するには酒販免許が必要になる。買取業者に酒類を買い取ってもらうときは、依頼者はお酒の販売者という立場になる。
では、お酒を買取専門店に持って行く前に酒販免許が必要なのかと言われればそうではない。お酒の販売を管轄している国税庁はそこまでガチガチなルールを定めていない。酒類を販売しても、それが業務として見なされなければ酒販免許なしで問題ない。業務と見なされるかどうかの判断は継続性があるかどうかだ。
たとえば、亡くなった父が集めていた大量のウイスキーのコレクションを買取業者に持って行く、というのは販売が1回限りの行為なので、売る品物が多くてもこれは業務と見なされない。しかし、1年を通じて毎月1回ウイスキーを買取業者に持って行くのは、継続性があるので酒税法にひっかかる可能性が高い。
年に何回以上お酒を売ったらダメ、という基準は存在しないので曖昧なところもあるが、国税庁の目に留まった時点でアウトである。買取業者によっては、酒販免許を持っていなければ、継続的なお酒の買取は禁止している店もある。ネットオークションのような販売形態でも、何度も出品を繰り返せば業務と判断され、酒販免許が必要になる。
そういうわけで、売ってしまいたいお酒が大量にある場合は、まとめて買取業者に査定を依頼したほうがいい。品物をまとめて持って行くことで査定価格をアップしてくれる業者もあるし、そうでない業者でも価格交渉の余地が生まれてくる。
宮城峡シェリーカスクについて
買取業者を利用するときは、売ろうとする商品がどれほどの価値があるのか把握しておくのが重要だ。ウイスキーは業者によって買取価格にばらつきが出やすい品物なので、提示された価格に満足して売るには商品についての知識を持っておく必要がある。宮城峡シェリーカスクの相場を紹介する前に、まずは同商品がどのようなものであるか説明しよう。
宮城峡の特徴
宮城峡のウイスキーとは、仙台市にある宮城峡蒸留所でつくられたモルト原酒を使用したウイスキーだ。宮城峡蒸留所は広瀬川と新川が合流する緑豊かな土地に建てられており、よいウイスキー造りに欠かせない上質な水が確保できる場所だ。
宮城峡蒸留所でつくられるウイスキーは、軽やかな味わいが特徴である。元来モルトウイスキーは、独特の風味が強く好き嫌いがわかれる酒である。日本で発売されている多くのウイスキーは、モルトウイスキーにグレーンウイスキーをブレンドして飲みやすくしている。
しかし、宮城峡はモルトウイスキーでありながら、口当たりが軽く、フルーティな風味がして飲みやすい。これは、蒸留方法を工夫することでモルト原酒からクセを取り除いたのだ。
ニッカウヰスキーは、宮城峡蒸留所を建てる前は、北海道の余市に蒸留所を持っていた。そこのウイスキーは、ピートの力強い香りがついた重厚なモルトが特徴だった。宮城峡は、それまでのニッカのウイスキーとは違った個性になるようにつくられたのだ。
宮城峡シェリーカスクの魅力
宮城峡シェリーカスクは、2015年9月1日に、余市ヘビリーピーテッドとともに限定発売されたウイスキーだ。3000本が出荷され、オープン価格で販売された。その後、宮城峡シェリーカスクは追加販売されていないので、世の中に出回っているのはその3000本しかない非常に貴重な銘柄になる。
宮城峡シェリーカスクは、シェリー酒の熟成に使用したスパニッシュオークでウイスキーを寝かせている。そうすることで、より甘くまろやかな宮城峡ができあがるのだ。公式の宣伝では、味と香りについて「深みのあるリッチなシェリー樽の香りとレーズンのような甘い香り、麦芽の香ばしさとふくらみのある味わいが特長」と表現している。
査定情報と落札情報
宮城峡シェリーカスクの査定額を調べたところ、業者によって大きな差があることがわかった。また、買取業者の査定情報と一緒にヤフオクでの落札価格も載せておく。
買取業者が提示している査定額
酒類の取り扱いが得意な業者の間では、宮城峡シェリーカスクは30,000円前後の価格で取引されている。なかには、60,000円近い価格で買取をおこなっている業者もあった。しかし、一方で宮城峡シェリーカスクの査定額が1,000円未満という買取専門店も数多くあるのだ。
これほどの差が出るのは不思議だと思う人もいるだろう。その答えは、業務形態と販路にある。酒類の取り扱いが得意な業者は、日々、お酒の市場のリサーチをしている。お酒の市場ではいまどんな銘柄の需要があるのか、取引相場はいくらか、こうして調べた内容を買取価格に反映させているのだ。
また、ウイスキーの販路が充実している業者は高い査定額をつけてくれる。買取業者は買い取った商品を販売して利益を上げないと経営が成り立たない。買い取った商品をスムーズに売れなければ、在庫費となってのしかかる。そのため、酒類の販路を持っていない業者は、在庫不良になることを見越して損失が出ないように買取価格を低くするのだ。
こうした事情が絡んでくるため、買取専門店を利用する際は、一番最初に目に留まった業者を利用するのではなく、複数の業者に査定を依頼して査定額を比較することが大切なのだ。別々の店に査定を依頼するのは面倒と思うかもしれないが、現在ではLINE査定やWeb査定といった家にいながら査定を依頼できるサービスを取り入れている業者も多い。簡単に仮査定を申請できるので、業者の査定額を比べるのは容易だ。
ヤフオクでの落札価格
ヤフオクで出品された宮城峡シェリーカスクを見ると、40,000円~50,000円台での落札価格が目立った。最高落札価格は65,000円だ。最高落札額を見ると、買取専門店に持ち込むよりもお得と思うかもしれないが、ヤフオクでは開始時の価格が高いと最後まで入札がつかないこともある。
価格のほかに、写真で商品の状態を詳しく示さないと入札者はなかなか現れない。ボトル全体が写っている写真では、商品の詳細が把握しにくいのだ。
本当に宮城峡シェリーカスクであることを示すために、ラベルを拡大した写真を撮影する。そして、未開封であることを証明するために、キャップ部分の拡大写真を撮影する。ボトル全体の写真と併せて、これら2つの写真がないとなかなか買い手がつかないことがある。
あとは、開始時の価格と即決価格を同じにするという手段もある。そうすれば一人が入札した時点で落札が決定する。早い者勝ち状態になるので、先取りされまいと多少金額が高くても入札する人が出てくる可能性が高い。
おすすめの買取業者
先述の通り、ヤフオクに出品したほうが高く売れる可能性があるが買い手とのやり取りが面倒、万が一のトラブルが怖いという理由で買取業者を利用したいという人もいるだろう。そこで、買取業者選びの参考になるように、宮城峡シェリーカスクを売るのにおすすめの業者を紹介する。
ネオプライス
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
ネオプライスは、大阪府寝屋川市に店舗を構えているお酒専門の買取業者である。ネオプライスでは、宮城峡シェリーカスクを58,000円前後で購入するとしている。これは買取専門店のなかではかなり高い金額だ。
ネオプライスではボトルの汚れがひどくても、ラベルがボロボロでも喜んで買い取ると謳っているが、ボトルのコンディションが悪ければ査定額は下がる。気をつけて保管しているつもりでも、無意識にやったことでラベルがダメージを受けることもある。
たとえば加湿器だ。戸のない棚にボトルを置いて、同じ部屋で加湿器を炊くと湿度が高くなりすぎでラベルがシワシワになることがあるのだ。ボトルの保管は、扉のついた棚に保存するほうがいい。
ネオプライスは大阪にしか店舗がないが、宅配買取をおこなっているので全国から商品を送ることができる。ボトルは割れ物なので、宅配買取を利用する際は、緩衝材をしっかり詰めないと破損の恐れが出てくるので注意しよう。
お酒買取専門店DEゴザル
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
お酒買取専門店DEゴザルでは、宮城峡や余市の限定ボトルの高価買取をおこなっている。宮城峡シェリーカスクのようなプレミアウイスキーは、買取後の扱いがネックだ。価格が高いので、リーズナブルな価格の飲食店では買い手がつかず、高級な飲食店か、個人のウイスキー愛好家ぐらいにしか販売できないからだ。
だが、お酒買取専門店DEゴザルは買い取ったお酒の販売事業もしている。つまり、個人消費者向けの自前の販路を持っているので、購入後の扱いが難しいウイスキーでも高額で買い取ってくれるのだ。
歳月の経過で価格が上がるとは限らない
宮城峡シェリーカスクは2015年9月に販売された商品で、2019年3月時点ではまだ発売から3年半しか経っていない。多くの本数が消費されたことが予想されているとは言え、2000年代に発売された限定品のウイスキーに比べたらまだまだ数が残っている。今売るのを我慢してもう少し取っておけば、希少価値が上がり買取価格もアップするだろうと思っている人もいるだろう。
しかし、宮城峡シェリーカスクが今後も上がり続けるかどうかはわからないのだ。そもそも、現在の買取業界での国産ウイスキーの価格高騰には、海外でのジャパニーズウイスキーブームが背景にある。特に需要が高い国が中国だ。中国人観光客が日本の製品を爆買いして帰る、というニュースは記憶に新しいが、ウイスキーでも同じことが起きているのだ。
中国のジャパニーズウイスキーブームが去れば、需要が落ち込み、買取業者の査定価格も落ち着いてくる。ブームはこれからも続いていくかもしれないし、3年以内に収束する可能性だってある。ブームというのは先行きが不透明なことが多く、所持しているウイスキーを今売ったほうがいいとか、もう少し取っていたほうがいいとかは断言できないのだ。
まとめ
宮城峡シェリーカスクは限定発売だったために希少性が高く、モルトウイスキーながら飲みやすく味わい深いウイスキーである。ジャパニーズウイスキーの人気を背景として、価格が高騰しているため、もし手元に飲む予定のない宮城峡シェリーカスクがあるならば、買取査定に出してみるといい。その際には、複数の業者に査定を依頼することをおすすめする。
今現在価値が高まっているからといって、いつまでも高騰が続くとは限らない。また、中身やパッケージが劣化しないよう、ウイスキーを保存する環境にも気を配る必要がある。売りどきを逃さずなるべく高く買い取ってもらえるよう、この記事を参考にしてほしい。