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小林古径(こばやしこけい)とは
小林古径(こばやしこけい、本名:小林茂)は、新潟県出身の日本画家である。1883年(明治16年)に生まれた小林古径は、1899年(明治32年)に上京、梶田半古に師事して日本画を学んだ。そのころは、若手画家を中心に、伝統的な日本画と新しい技法である西洋画の融合などが盛んにおこなわれた時代で、小林古径も同時代の日本画家である速水御舟らと共に新しい日本画の道を試行錯誤していた。
1923年(大正12年)に大英博物館において中国画の「女史箴図巻」(じょししんずかん)との出会いが、その後の小林古径の画風に大きな影響を与え、中国画などの伝統的な技法に近代的な技法を組み合わせることで新しい画風を確立し、高く評価された。
『水墨画と楽しみま書』2011.06.04 / TomenoNaoki
小林古径の絵画の価値は
大正から昭和に活躍し、文化勲章受章も受賞するなど日本画を代表する画家の1人である小林古径の作品は、人気が高く高額で取引されることもある。
日本画は、状態などにもよるが数十万円から数百万円で取引されることが多い。
小林古径の作品としては、ほかに木版画や銅版画などの版画が流通しているが、これらの作品は、状態や発行枚数にもよるが、数万円から数十万円で取引されているようだ。
小林古径の作品の価値を決めるポイントについて
前述のように人気が高く高額で取引されることもある小林古径の作品であるが、作品の価値を決めるポイントは色々あり、たとえ高額での取引が期待できる小林古径の作品であっても、その他のポイントにマイナス要因がある場合は、期待したような価格で取引されないこともある。
ここに小林古径の作品の価値を決めるポイントについて簡単に記載していく。
技法は日本画のほうが価値は高くなる
小林古径の作品としては、日本画、木版画、銅版画などがあるが、作品の価値としては、日本画の価値が高くなる。
これは、小林古径に限らず多くの作家にいえることで、一点しかない日本画に対し、版画は複数制作される事など、様々な理由が考えられる。
所有している小林古径の作品は、どのような技法のものか確認しておけば、取引の際に、どの程度の取引価格となるか、ある程度の目安はつくだろう。
人気の高い作品の価値は高くなる傾向にある
同じ作家が手掛けた作品でも、その作家の代表的な作品やその作家の画風の特徴がよく表れている作品は人気が高く、その分作品としても価値も高くなる傾向にある。
小林古径の作品としては、後期の独自の画風を確立してからの花鳥図や静物画などの人気が高く、高額での取引も期待できるようだ。
小林古径の署名や落款がある作品は高額となる傾向がある
作中に小林古径の署名や落款がある作品は需要が高く、高額で取引される傾向にある。署名や落款がなくても、鑑定書などで小林古径の作品であると証明されていれば、署名や落款がなくても問題はないが、署名や落款は、作品の完成後に追加されるものであり、署名や落款があることではじめて作品は完成する、という考え方もできるのである。
そのため、絵画を収集する収集家などは、署名や落款がある作品のほうを好む傾向にあり、そのため、署名や落款がある作品の需要が高くなり、ない作品よりも高額で取引される傾向になるのである。
所有している小林古径の作品の署名や落款の有無について確認したほうがいいだろう。
共箱、共シールがある作品は価値が高くなる
前述のように署名や落款は作中にかかれるものだが、他の部分にも署名や落款がある場合がある。
日本画を保管する時は桐箱に入れる場合が多いが、この桐箱に署名や落款などが記載されている場合がある。このような桐箱は、共箱(ともばこ)と呼ばれるものであり、この共箱と作品が一緒にあると、作品の価値が高くなる場合が多い。共箱は、その作品のために用意されたものとなるので、共箱があることで、作者がその作品を手掛けた証拠となる場合があるためである。
ほかに、作品の裏に貼られている紙片に作者の署名や落款がある場合がある。この紙片は共シール(ともしーる)と呼ばれるもので、共箱のようにこれが貼ってあることで、作品の価値が上がる場合が多い。理由は、共箱と同じで、作者がこの作品を手掛けた、という証拠となる場合があるためである。
所有している小林古径の作品の共箱や共シールの有無について事前に確認をしておいたほうがいいだろう。
状態の良し悪しが作品の価値に大きく影響する
人気が高く高額で取引される場合もある小林古径の作品であるが、状態が悪い場合は、作品の価値が下がることから、取引の価格も下がる場合が多く、さらにあまりに状態が悪い場合は、取引を断られる場合も有り得る。
状態が悪い例としては、多湿の環境で結露が作品に付着するなどで発生するシミやカビ、日光が当たることで色あせが生じた状態の日焼け、絵具のひび割れ、作品の破れ、欠損などがる。状態が悪い場合のほとんどは、作品を保管する環境が絵画に適していない事で発生した可能性が高い。
作品の状態を悪化させて作品の価値を下げないためにも、作品を保管する環境には十分に注意し、取り扱いについても細心の注意を払ったほうがいいだろう。
鑑定証はとても重要
高名な作家や高額で取引される作家の場合、その作家が手掛けた作品と偽って、赤の他人が手掛けた作品、いわゆる贋作が流通する場合がある。これは、価値の無い作品を高名な作家の作品と偽ることで代金をだまし取るもので、もし、贋作をその作家の作品として取引した場合、その取引に費やした費用はそのまま損となってしまうだろう。
それを防ぐために、取引の際には、鑑定証が必要となる場合がある。鑑定証は、所定の鑑定機関が、その作家が手掛けた作品と証明する書類であり、前述のような贋作を取引しないためにも、取引の際にはとても重要となる場合が多い。
所有している小林古径の作品の鑑定書の有無について事前に確認をしたほうがいいだろう。買取業者の中には、鑑定証の取得代行などについて相談を受け付けているところもあるので、必要に応じて相談してみるのもいいだろう。
小林古径の作品の売却について
小林古径の作品の売却については、買取業者に売却する、オークションに出品するなど様々な方法があるが、高額で取引される貴重な作品も多いので、できるだけ専門家の手にゆだねた方がいいだろう。買取業者の場合は、小林古径の作品のような日本画の取り扱いが豊富な業者、オークションについては、アートオークションのような専門家が対応するものがいいだろう。
専門家が対応することでそれなりの手数料がかかるなど、デメリットもある。しかし、美術品の取引には、手続きやトラブルの対処などで、美術品の取引についての経験や美術品についての知識が必要な場合もあり、美術品に詳しくない素人が対応するのはハードルが高いのである。