「小泉智英」とは、日本画を専門とする著名な画家である。農村風景や日本の四季を題材とすることが多く、作品の評価は高い。もし小泉智英の作品を所有していて、売りに出したいと考えているのなら買取専門業者に査定を依頼するとよいだろう。というのは、小泉の作品は人気なので、買取査定額が高くなる可能性があるからだ。
では小泉の作品の買取り相場とは、いくらぐらいなのであろうか。
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日本画画家の小泉智英とは
日本画画家である「小泉 智英(こいずみともひで)」は、1944年に福島県石川町で生まれた。1969年に多摩美術大学大学院を卒業した後は、個展を中心に活動を続けている。
個展開催歴
最初の個展は、1975年に資生堂ギャラリーで開催された。第2回個展は1980年に東京セントラル美術館で、第3回個展は1989年に日本橋や大阪高島屋、名古屋丸栄や郡山市民文化センターで開催している。小泉はこのように、活動歴の節目で個展を開いているのだ。
第4回個展は1994年で、日本橋や京都高島屋、郡山西武など6か所で開かれた。第5回個展は1997年に、第6回個展は2006年にそれぞれ村越画廊で開催されている。美大を卒業後にどこの会派にも属さず、独自の道を歩んできたのが小泉智英なのである。
画家としての小泉智英
小泉は高校を卒業したあと多摩美術大学日本画科に進み、横山操・加山又造に師事することになる。小泉はもともと、横山と加山両者の画家としての生き方に感銘を受け、画家を目指したと言われている。力強い横山の画風と、繊細ではあるが現代的な加山の画風の両方に触れたことは、小泉にとってはとても大きな出来事であったろう。
小泉は中学生の頃から、自由な発想で絵画に取り組んでいた。教室のカーテンに墨で絵を描いたというエピソードは有名である。どこにも属さない小泉は、独特な感性で日本画を描き続けている現役の画家なのだ。
小泉智英作品の特徴
小泉は、日本の四季を巧みに描く日本画画家として知られている。小泉の作品の中で特に人気があるのが、秋や冬を描いた日本画だ。小泉の作品は、平面的なのにとても奥行きがあるのが特徴となっている。
おぼろげな遠景をバックに、紅葉や雪景色をとても印象的に描くのが、小泉智英という画家なのである。また、小泉作品というと木々が真っすぐに立ち並ぶ風景を描いたものが多く、その力強さの中には師である横山の影響を見ることもできる。秋や冬の風景画では、竹林や樹木をモチーフにしたものが人気だ。
小泉が好んで描く風景には、日本の四季以外にもう1つのものがある。小泉の故郷である、福島の風景がそれだ。小泉はとても福島を愛していると言われており、故郷をモチーフにした作品が多い。
福島の農村風景や、山あいを描いた作品にはどこか懐かしさを感じさせるものがある。遠くかすんだような風景の中に、小泉の故郷への思いが切々と伝わってくるのが小泉作品の魅力のひとつだ。
小泉智英の代表的な作品
小泉智英の作品は、多くの美術館が買い上げているほど評価が高い。1976年には「地を這う」が福島県立美術館に、1980年には「佐渡」「妙義」が山重美術館に買い上げられている。1993年には「秋の抄」を伊香保の保科美術館が買い上げた。
この「秋の抄」は、小泉の代表作のひとつである。また、小泉には「秋の抄」以外の代表作も多いので、何点かピックアップして紹介していこう。
秋の抄
この作品は、小泉が伊香保の名所であるもみじ広場を描いたものだ。180×360cmの四曲屏風に展開される、杉木立と色づくもみじが印象的な作品である。前面に立ち並ぶ杉木立の奥に、鮮やかだけれども慎ましいもみじが2本立っている。
夕暮れに向かう秋の美しくも物悲しい情景を、見事に描き切った小泉らしい傑作だ。また、対となる作品として同じく屏風に描かれた「冬の抄」がある。
丹後の雪
この作品は、1994年に郷さくら美術館で開催された「和のこころ」展に出品されたものである。丹後半島、伊根の舟屋の厳しい冬を、暗い森と白い屋根を対比させて描いた力作だ。物静かな冬の風景の中で、寄り添うように立ち並ぶ家屋と数隻の船が印象的である。
星あかり
この作品は2017年に発表されたものである。大きさは50.0×65.2cmで、田植えが終わったばかりの水田の向こうに数件の農家が描かれている。空には満天の星が光り、木立の中の農家から漏れる明かりとの対比が際立つ作品だ。
懐かしい農村の原風景がここには存在している。
竹林四季
この作品は川越市立美術館所蔵のものである。四曲屏風に竹林の四季を描いた作品で、右側に春と夏、左側に秋と冬が表現されている。竹は日本画では昔からよく描かれてきた題材だ。
小泉は竹の四季を、現代的な手法で見事に表現している。
小泉智英作品の買取相場
小泉智英は現役の画家なので、今後も新しい作品を期待できる。画家としての評価が高いが、これからさらに作品の価値が上昇する可能性があるのだ。小泉の作品は画廊や美術商から購入できる。
また、買取強化の対象としている買取専門業者も多い。ただし、小泉作品の買取査定額を公開している買取業者はほとんどなく、買取額は応相談となっている。ある買い取り専門業者は、小泉作品の買取相場を5,000円から100,000円としているので売る場合の参考にするとよいだろう。
ヤフオクでは、次のような落札実績がある。
照葉
この作品は個展で発表されたもので、4号なので2,400,000円という価格設定となっている。ヤフオクでは開始価格が45,800円で、2件の入札があり落札価格は180,000円だ。また、ヤフオクで出品されている小泉作品には次のようなものがある。
行く秋
竹林の中に咲くもみじが鮮やかな作品である。大きさは30.5×40.0cmの6号サイズだ。額が付属しており、状態は良好である。
この作品は500,000円で出品されているが、入札はない。先ほどの「照葉」は4号なので、こちらの作品のほうがサイズ的には大きい。相場としては、500,000円は割高感がある。
山の辺・花残月・朝霞・時雨去る・竹林抄・有月・冬の音・爽秋
この8点は額装用画集の中から出品されたもので、開始価格は23,000~30,000円だ。すべて竹林や農村の風景を描いた作品である。小泉作品の個別の査定額を知るには、実際に買取専門業者か古美術商に問い合わせるしか方法が無い。
その際に買取査定額を交渉するなら、実際の販売価格を提示するのが効果的である。実際に古美術相が販売している小泉作品の販売価格は次のようになっているので、参考にするとよいだろう。
こぶし咲く頃
この作品のサイズは、32.0×41.0cmの6号である。発表価格は号600,000円なので3,600,000円となるが、美術商はこの作品を650,000円で販売している。
秋時雨
この作品のサイズも、先ほどの「こぶし咲く頃」と同じで6号である。発表価格も同じ号600,000円だが、こちらの作品は850,000円で販売された。
小泉智英作品を高く売るためのテクニック
小泉智英の作品は人気があるので、買い取り専門業者や古美術商に買取ってもらえる可能性は高い。日本画は芸術品なので、買取査定に出す場合には次のようなテクニックを活用し、少しでも高く売るよう努めるのが賢明だ。
額や鑑定書などの付属品を忘れずにつける
絵画には額がつきものである。額も作品の1部であると考えている人は多く、額の有無は販売価格に大きな影響を及ぼすのだ。そのため、額の無い小泉作品は買取り査定額を減額されてしまう可能性が高くなる。
小泉作品を購入した際につけられていた額があるのなら、そのまま一緒に査定に出すのが鉄則だ。また、芸術作品には贋作が出回ることがある。特に人気の高い作品は、真贋がはっきりとしないと買取ってもらえないことが多い。
真贋を見極める方法はいくつかあるが、鑑定書があれば贋作ではない可能性が高くなる。小泉作品の購入時に鑑定書が付属していたのなら、鑑定に出す時には忘れずにつけるようにしよう。
額や本体を大切に保存して査定時にはきれいにして出す
日本画は芸術品なので、取り扱いは最善を期す必要がある。うっかり傷をつけたり汚したりしないよう、保管には十分留意するのが大事だ。額も同様なので、飾っておく時は特に他の物をぶつけないよう気をつけよう。
査定に出す前には、額のほこりや汚れをできるだけ落とさなければならない。ただし、強くこすり過ぎるとかえって傷がつくことがある。慎重にほこりや汚れを落とし、もし汚れを除去するのが難しい場合は無理をしないのが賢明だ。
作品本体はさらに傷がつきやすいので、決して触らないよう注意しよう。
まとめて売る
小泉作品を査定に出すなら、単品ではなく複数まとめて出すとよいだろう。というのは、単品ごとに査定に出すよりも複数抱き合わせのほうが、トータルでの査定額が高くなる傾向があるからだ。買い取り専門業者は、買取ったものをまた販売することで利益を得ている。
そのため、少しでも多くの品を買取りたいものなのだ。抱き合わせの品は芸術品だけとは限らない。不要になったブランド品や着物、時計やカメラなどがあるのなら、小泉作品とともに査定に出すようにしよう。
ネットオークションやフリマアプリを活用する
買い取り専門業者はプロなので、商品を見極める知識や情報をしっかりと持っている可能性が高いが、日本画の鑑定はとても難しいものである。芸術品に強い専門業者ならばまだしも、なかにはさほど芸術品の鑑定に強くない専門業者もあるのだ。そういった専門業者にあたった場合、買取査定額が思ったよりも低くなることがある。
専門業者の鑑定額に不満が生じたならば、ネットオークションやフリマアプリを試してみるのもよいだろう。というのは、時と場合によってはヤフオクやメルカリに出品したほうが、高く売れることがあるからだ。ヤフオクやメルカリの使用方法に目を通し、覚えておくことはとても大事だ。
まとめ
日本画はとても趣きのあるものなので、観賞用に所持している人々も多い。小泉智英の作品には、どこか旅愁を感じさせるものがある。芸術愛好家と美術館の両方の評価が高く、買取専門業者も積極的に買取を行っている。
もしも小泉智英の作品を売りに出すのなら、今回紹介した高く売るためのテクニックを活用しよう。小泉智英の作品は人気があるので、価格交渉を有利に進められることだろう。