山崎蒸溜所ウイスキーショップ W.は、2010年9月8日から2016年3月31日まで営業したサントリー直営の専門店「ウイスキーショップ W.」を記念したウイスキーである。開店記念や1周年記念などにあわせて全5種を限定販売されており、いずれも山崎蒸溜所にあるさまざまな原酒から厳選しているため、それぞれに特徴ある味わいや香りを楽しめた。
ここではウイスキーショップ W.から生まれた山崎蒸溜所ウイスキーの特徴と魅力、買取相場や動向、高く買い取るためのポイントを紹介したいと思う。
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ウイスキーショップ W.の特徴と魅力
ウイスキーショップ W.は、大阪市北区堂島浜のサントリービル1階で設置されていた。営業期間は約5年と短いが、敷居の高かったウイスキーを身近にするという重要なミッションを達成している。サントリーの山崎蒸溜所や白洲蒸溜所を始めとして国内外のブランドウイスキー100種類を取りそろえ、専門スタッフがウイスキーの選び方や飲み方、たのしみ方を提案する工夫が人気を集めた。
営業期間中には、ウイスキーとは縁のなかった女性も多く訪れ、ウイスキーのテイスティングを経験したり、ウイスキーの説明を受けながら味わうことができたため、帰宅時間になると華やかなロケーションだった。W.には「Woman」の意味も込められていたのだが、その目的は見事に果たしたといえるだろう。
ウイスキーショップ W.の種類
山崎蒸溜所ウイスキーショップ W.には、2010年の開店記念、2011年の1周年記念、2012年の2周年記念、2013年の3周年記念、2014年の4周年記念の全5種類が限定発売された。
これらはウイスキーショップ W.に訪れたり、直営ネットショップのeリカーでしか購入できず、数量限定であったことや即日完売するほど人気を集めたため、希少性を持つ。いずれも山崎蒸溜所が誇る上質なウイスキーなので品質は折り紙付きである。
開店記念
開店記念に発表されたのが、シングルカスク山崎蒸溜所 1997年である。2010年の開店記念にボトリングされた限定ウイスキーは、1997年に蒸留された原酒をシェリー樽で12年熟成させた。
シングルカスクの名の通り、一切のブレンドやアルコール度調整のための加水をしていないため、61度と高くなっており、シェリー樽由来のスモーキーな香りとベリーを思わせる酸味や甘み、しっとりとした口当たりを楽しめるウイスキーであった。シングルカスクを示すクリムゾンレッドの色合いも目を楽しませてくれる魅力的なウイスキーである。
1周年記念
ウイスキーショップ W.1周年を記念して誕生したシングルカスクには、1998年に蒸留された原酒をシュリー樽で12年熟成したものをボトリングされた。その風味はレーズンやいちごジャムを追わせるような甘さと酸味の香りが濃厚で、甘酸っぱさの中にしっかりとした味わいをもち、気品ある心地よい余韻を楽しめた。
加水していないためアルコール度数60度と高くなっており、ロック、水割、お湯割りなどさまざまなたのしみ方ができたウイスキーであった。
2周年記念
2周年を記念して発売されたシングルカスクウイスキー山崎蒸溜所 1999年は、パンチョン樽からボトリングすることで、オープン記念や1周年記念と2年続いたシェリー樽のシングルカスクから変化をつけた。比較的サイズの大きいパンチョン樽ならではのゆっくり熟成が特徴となっており、琥珀色を主体とした色合いによってもはっきりと現れている。
こちらも加水していないためアルコール度数57度と高め、香りにはバニラのような甘い香りに青りんごのようなさわやかさが感じられ、残り香はオーク材特有のウッディさをもつ。味わいとしては干しぶどうのような甘さと酸味がして、後味にアルコールによるピリピリとした辛みを楽しめるため、通向けのウイスキーであったと言えるだろう。
3周年記念
3周年記念は、シェリー樽からボトリングしたシングルカスクである。2000年に蒸留した原酒を12年熟成しており、オープン記念や1周年記念シングルカスクと同様にクリムゾンレッドの色合いをしている。
味わいはシェリー樽独特のエグミが少なく、ドライフルーツのような軽やかな甘さと酸味、カカオのような苦味が口の中に広がり、樽特有のウッディな熟香りが立ち昇る。ビギナーからベテラン愛好者までが楽しめるくせの少ない味わいと香りが特徴であった。
4周年記念
4周年記念のシングルカスクのボトルは、ダウンサイジングしている。今までの記念シングルカスク山崎が700mlボトルであったが、4周年記念シングルカスク山崎は、190mlサイズボトルに変更、それにもかかわらず発売早々長蛇の列ができ即日完売したというほど高い人気と注目を集めた。
2003年に蒸留された原酒をシェリー樽よりも小さなボタルコタ樽で熟成、その香りはレーズンやベリー、熟したメロンのような甘さや酸味が感じられ、味わいは甘さのなかにほろ苦さがあった。後味にはほのかな甘さやほろ苦さが続き、余韻も心地よいと評価されている。アルコール度数55%と高めだが、熟成の早いボタルコルタ樽で使用した唯一のウイスキーショップ W.記念ウイスキーという特徴を持つ。
ウイスキーショップ W.の買取相場
では実際に山崎蒸溜所ウイスキーショップ W.はいくらで買取してもらえるのだろう。以下に買取相場をまとめたので、参考にしてほしい。
全体的な買取相場は、定価の10~20倍以上
山崎蒸溜所ウイスキーショップ W.記念ウイスキーの全体的な相場は、100,000~220,000円前後となっている。最も高いのは、オープン記念の山崎シングルカスク 1997の220,000円、次に3周年記念のシングルカスク山崎2000の200,000円前後、1周年記念のシングルカスク山崎1998が180,000円前後、2周年記念のシングルカスク山崎1999が100,000円前後となっている。
最も低いのはボトルサイズが小さい4周年記念シングルカスク山崎2003であり、35,000円前後となっている。
オープン記念から3周年記念シングルカスク山崎まではボトルサイズ700mlでいずれも定価10,000円であった。また4周年記念シングルカスク山崎2003は190mlボトルで定価3,100円ほどであったため、いずれも定価の10~20倍以上に達している。
買取業者の買取参考額
数ある買取業者のなかでも積極的な姿勢なのが、大黒屋である。それぞれの山崎蒸溜所ウイスキーショップ W.に対して定価の10~22倍の買取上限額を提示しており、条件がそろっていれば極めて高く買取できることになる。
また酒買取のグレードワールドは定価の7~17倍の買取額を提示している。こちらも山崎ウイスキーの買取強化ブランドに加えており、山崎蒸溜所ウイスキーショップ W.が手元にある場合は、チェックしておいてほしい業者である。
買取コムは山崎蒸溜所ウイスキーショップ W.4周年記念シングルカスクを35,000円で買取している。こちらも定価の10倍となっており、いずれも定価を超える買取相場を期待できる。
今後の買取相場の動向
山崎蒸溜所ウイスキーショップ W.は、希少品かつカスクストレングスという魅力を備えているため、今後も値上がりする可能性の高いウイスキーであると言える。ウイスキーブームが落ちついても希少性は変わらないし、樽出し原酒という特性からアルコール度数も高く、保存状態が良ければ、ボトリングされた当時の風味を味わうことができるからだ。
また買取相場に影響を与えるヤフオクやメルカリなどの出品サイトをみると56,000~300,000円前後で取引されている。これらも考慮すると現在の買取相場が上振れする可能性が高いと指摘できる。
高く買取してもらうテクニック
山崎蒸溜所ウイスキーショップ W.が手元にあって買取を検討しているなら可能な限り高くする努力をしておきたいものだ。全5種ある山崎蒸溜所カスクウイスキーは、いずれも定価の10倍を超える買取を期待できるのだが、いくつかのテクニックを駆使すれば、さらに高くできる可能性もあるのだ。
買取業者がどうしても欲しいと念願するほどの山崎蒸溜所ウイスキーショップ W.だからこそ、念には念を入れ、納得の買取につなげよう。ここでは手元にある山崎蒸溜所ウイスキーショップ W.の価値を最大にするためのテクニックを紹介していきたい。
付属品をそろえて買取に出す
山崎蒸溜所ウイスキーショップ W.には、ボトル本体と化粧箱、冊子がついていた。これらが全てそろっていると減額査定されずに高く買取できる可能性を高められる。
山崎蒸溜所ウイスキーショップ W.は希少性が高いので、化粧箱や冊子がない場合でも定価をかなり上回る形で買取できると思われるが、数千~数万円の減額は覚悟しなければならないだろう。ボトル・化粧箱・冊子がそろえて買取するのは、基本テクニックなので覚えておいてほしい。
開封してしまうと価値を損なう
山崎蒸溜所ウイスキーショップ W.が未開封であれば、査定額は高くなるが、開封してしまうと中古品扱いとなる。ここで注意してほしいのは、開封とは瓶口周りを封印しているパラフィルムを剥がしたり、フタを開封することである。
仮に一滴も飲んでいなかったとしてもパラフィルムを剥がしてしまったり、フタを開封していれば確実に中古品扱いされ、定価と同等かそれ以下に査定されてしまうだろう。山崎蒸溜所ウイスキーショップ W.を買取する場合は、開封しないように注意したい。
保管は適切にする
買取の際は、山崎蒸溜所ウイスキーショップ W.を適切に保管していたことをアピールしたい。アルコール度数が55度以上と高いが、湿度や温度、振動などによって風味に変化する可能性があるため、保管状態は極めて重要なのだ。保管場所としては床下収納、押し入れの奥、クローゼットなどが適しており、紫外線にさらされず、1年を通して10~15度であること、頻繁に振動にさらされない場所に保管したい。
冷蔵庫のような場所はウイスキーにとっては冷たすぎるので向いていない。また振動が旨みのもとである水素結合を壊してしまうので避けてほしい。温度や質が気になるなら大小のダンボール箱を使ってマトリョーシカのように重ねて保管したり、新聞紙で化粧箱ごとくるんだり、ちぎってクシャクシャにして詰めておくと温度や湿度を安定させやすくなる。
買取では、担当者が保管状態を尋ねてくるのでさりげなくアピールしておきたい。
余ったお酒と一緒に買取する
山崎蒸溜所ウイスキーショップ W.以外にも保管している酒類はないだろうか。日本酒やワイン、ブランデーや焼酎など何でも良いので、買取する際は山崎蒸溜所ウイスキーショップ W.と一緒に持ち込みたい。業者の見積もり意欲が高まり、査定額もアップしやすくなるのだ。
これは理想ではあるが、山崎蒸溜所ウイスキーショップ W.の全5種や同時販売された白洲蒸溜所ウイスキーを合わせるとさらに高く買取できるだろう。山崎蒸溜所ウイスキーショップ W.のオリジナルウイスキーやNo.シリーズがあれば、まとめて買取に出してほしい。
掃除をしてから査定に出そう
山崎蒸溜所ウイスキーショップ W.の化粧箱に付いている汚れやホコリを取るのを忘れないでほしい。長く保管しているとどうしてもホコリや汚れてしまうが、できる範囲でキレイにしておけば、鑑定者の心証も良くなるのだ。きれいにできるのに何もせず持ち込むと鑑定者は保管状態が悪いと感じたり、所収者が粗末に扱っていると思うかもしれない。
山崎蒸溜所ウイスキーショップ W.をキレイにすることは大切にしていたというアピールにもなる。化粧箱にへこみや日焼けしている場合は、何もしなくて良い。素人では修復できないし、無理やり直そうとすると状態が悪化してしまうからだ。
買取業者を競わせる
1社だけの見積もりだと適正に価値を判断してもらえない場合があるので、必ず2社以上の買取業者に見積もりしてもらおう。2社であれば見積もりを比較できるので納得して手放せるはずだ。先ほども触れたように買取業者ごとに数万円の差額があることも比較検討してほしい理由である。
1社よりも2社がよく、理想としては5社前後に査定を依頼してほしい。面倒だと感じる場合は無料査定サイトやLINE査定をおすすめする。無料査定サイトでは、必要事項を1度入力するだけで4社前後の買取業者から見積もりをもらえる。
また山崎蒸溜所ウイスキーショップ W.を撮影して送信するLINE査定も複数社から見積もりをもらえて便利だ。いずれも無料査定となっており、早ければ即日、遅くても翌日には見積もりしてもらえるのでスピーディーである。
まとめ
サントリー直営の専門店「ウイスキーショップ W.」の記念品として販売され、その希少性の高さから高額で取引されている山崎蒸溜所ウイスキーショップ W.。その特徴と魅力、買取相場や動向、高く買い取るためのポイントをご紹介した。
買取相場は全体で100,000~220,000円前後となっているようだ。中には積極的な買取をおこなっている買取業者もあり、高額で買取してもらえる可能性があるのでチェックしてみてほしい。またヤフオクやメルカリでは56,000~300,000円前後で取引されているようだ。
買取に出す際は、以下の点に注意すると査定額に差が出るだろう。
- ・付属品をそろえる
- ・新品・未開封で売る
- ・適切に保管する
- ・他のお酒と一緒に売る
- ・きれいに掃除する
- ・複数社に見積もりを出してもらい比較・交渉する
ぜひこれらをうまく活用して、満足のいく値段での取引を実現させてほしい。