世界5大ウイスキーと称されるものに、スコットランドの「スコッチ・ウイスキー」、アイルランドの「アイリッシュ・ウイスキー」、アメリカの「アメリカン・ウイスキー」、カナダの「カナディアン・ウイスキー」、そして我らが日本の「ジャパニーズ・ウイスキー」がある。これらは世界的に高い評価を受け、世の左党に愛飲されている。
ジャパニーズ・ウイスキーを代表するシングルモルト・ウイスキーと言えば「山崎」だ。特に熟成年数25年以上の「山崎25年」は、限定生産品ということもあり、過去にボトリングされたものになると数十万円、ものによっては100万円を超えて取引されている。
今回はそんな山崎25年 2002ボトルインの買取相場、査定情報を詳しく紹介する。
Yamazaki Distillery / cotaro70s
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ジャパニーズ・ウイスキーの代表格「山崎」
山崎蒸溜所の傑作ともいえる、その名を冠するウイスキー「山崎」は、世界的にも非常に高い評価を受け、国内はもとより海外にも多くのファンがおり、ジャパニーズ・ウイスキーを代表する銘柄といっても差し支えないだろう。
山崎蒸溜所を創生した人物
そもそも、ウイスキー「山崎」を生み出した山崎蒸溜所は、日本のウイスキー文化の立役者である。山崎蒸溜所を創生したのは、サントリーの創業者である「鳥井信治郎」と、ニッカウヰスキーの祖である「竹鶴政孝」だ。
竹鶴政孝は、日本独自のウイスキーを生み出すべく、当時スコットランドに留学し、その英知を日本にもたらした功労者だ。竹鶴政孝の偉業がなければ、日本のウイスキー文化は今ほど隆盛ではなかったのではないだろうか。山崎蒸溜所の創設、ひいてはジャパニーズ・ウイスキーの開発や浸透には、彼らの並々ならぬ情熱が注がれている。
「山崎」はどんなウイスキーか
日本の銘品ともいえるウイスキー「山崎」は、種類でいうとシングルモルト・ウイスキーになる。ウイスキーは、冒頭にあげたように生産地によってスコッチ・ウイスキー、アイリッシュ・ウイスキーなどと分けられるが、これは大別としてのものだ。
「モルト・ウイスキー」と「グレーン・ウイスキー」
各地域のウイスキーは、さらに製法によって「モルト・ウイスキー」と「グレーン・ウイスキー」に分かれてくる。
- ・モルト・ウイスキー:モルト(大麦麦芽)のみを使って作るもの
- ・グレーン・ウイスキー:トウモロコシや小麦などの穀物とモルトを原料として作っている
ちなみに、モルトとは、ただの大麦ではなく、発芽した大麦のことだ。発芽することでウイスキー製造のキープロセスであるデンプンの糖化を促す酵素が生まれ、スムーズなアルコール発酵につながるというわけだ。
「シングルモルト」
シングルモルトとはどういうことだろうか。シングルは「単一」の意味であり、ここでは蒸留所に対して単一と示している。つまり、シングルモルト・ウイスキーとは「一つの蒸留所でつくられたモルト・ウイスキー」のことを指し、その蒸留所の個性や"クセ"といったものを感じることができる。
千利休が茶室を設けるなど、名水の里である山崎が生み出す物語を存分に堪能できる、ウイスキー「山崎」はそんな名酒であるといえるだろう。
ジャパニーズ・ウイスキーとして初めて金賞を受賞
2003年にはウイスキー「山崎12年」がインターナショナル・スピリッツ・チャレンジ 2003(スピリッツ (Spirits)は蒸留酒のこと、ウイスキーは穀物で作る蒸留酒)でジャパニーズ・ウイスキーとして初めて金賞を獲得し、「山崎」はその地位や風格を確固たるものとしている。
高額で取引される「山崎25年」
ここまでで、山崎蒸溜所やその代表作であるウイスキー「山崎」が、いかに世のウイスキーファンを虜にしているのか、ご理解いただけたのではないかと思う。
そんな価値あるウイスキーは、お値段も相応のものとなっている。参考までに、サントリーが2019年2月現在に公式サイトに掲載している希望小売価格を見てみよう。
品名 | 容量 | 希望小売価格 |
---|---|---|
サントリー シングルモルト・ウイスキー山崎 | 700ml | 4200円 |
サントリー シングルモルト・ウイスキー山崎12年 | 700ml | 8500円 |
サントリー シングルモルト・ウイスキー山崎18年 | 700ml | 25000円 |
サントリー シングルモルト・ウイスキー山崎25年 | 700ml | 125000円 |
ご覧いただければわかる通り、熟成年数が長ければ長いほど価格は高くなってくる。
ウイスキーに表示される熟成年数とは?
ウイスキーに表示される熟成年数は、その年数だけ熟成させたわけではなく、混和(ヴァッティング)した原酒の中でもっとも年数が短いものを表すきまりとなっている。例えば、30年熟成した原酒の中に少しでも10年熟成した原酒が含まれれば、表記上は「10年」となる。
つまり、「山崎25年」は、少なくとも熟成25年以上の原酒をヴァッティングして作ったものとなる。さらに、「山崎25年」にいたっては限定生産品のため、モノによっては非常に高額で取引されており、数十万円、場合によっては100万円を超えることもある。
高い価値があるため高額で売却できる可能性が高い
「山崎25年」の中でも、2002年にボトリングされたピュアモルト・ウイスキーは、非常に高い価値がある。手に入れるのも大変だが、もしすでに持っているというのなら、非常に高額で売却できる可能性が高い。
酒類買取専門業者の買取相場
酒類買取専門業者では、およそ60~80万円を提示するところが多いような印象だ。もちろんその状態によって実際の買取値は変わってくる。
ウイスキーの価値というのは時代によっても変動があるので、酒類の買取を専門におこなっている業者に査定を依頼するのがよいだろう。このとき、ひとつの業者だけでは査定額の妥当性がわからないので、できれば複数の業者に依頼するのが無難だ。
ネットオークションでの落札相場
過去のネットオークションの情報を見てみると、145万円で落札されており、高額にもかかわらずかなり多くの入札があったようだ。もちろん超美品というのが大前提であったようだ。
査定に出すにあたって気をつけたいこと
2002年ボトリングの「山崎25年」ピュアモルト・ウイスキーが非常に高額で取引されているのは、前述のとおりだ。だが、残念なことに、せっかく価値あるウイスキーであっても、「高く売れる条件」を満たすことなく売却してしまう人が少なくないのも事実だろう。
少し気を付けるだけで、数十万円と査定額が変わる世界なので、ここでは査定を出すにあたって留意したい点を挙げてみよう。
付属の箱
「山崎25年」には、専用の化粧箱がついてくる。ウイスキーにとって、付属の箱があるかないかは、買取額を大きく左右し、場合によっては買取可否に直結する。もちろん、良好な状態の箱があるのが望ましい。
とある業者に実際に問い合わせてみると、箱がないだけで20%減額とのことであった。
ラベル
ラベルは、ウイスキーの価値を決定づける「鑑定書」のようなものだと思っておこう。宝石を売るときに鑑定書がないと話にならないように、ウイスキーでも鑑定書といえるラベルが重要視される。
「山崎25年」に限ったことではなく、ラベルにはウイスキーの製造情報が事細かく載っており、またウイスキーのキャラクターを印象づける意匠にも価値があるのだ。
ラベルから読み取れる情報としては、銘柄名、アルコール度数、容量の他、熟成年数、蒸留所が創業した年、熟成樽の種類、酒類品目(製造地、ウイスキーの種類)などがある。
汚れ
当然ながら、汚れている場合には、あらかじめよくふき取っておくようにしよう。業者が拭き取ればいいじゃないかと思われるかもしれないが、汚れた状態というのは心象が悪い。
また、ビンや箱が汚れているのは、保存状態が悪かったと言っているようなものである。クロスで簡単に汚れが落ちるのなら、さっとひと手間かけておこう。それだけでも数万円の差になるかもしれないのが、レア・ウイスキーというのものだ。
汚れをふき取るときには、くれぐれもラベルが剥がれたり、破れたりしないように注意してほしい。濡れたクロスで力強くふけば、ラベルは簡単に破れてしまう。
その他高く売るコツ
上述のポイントの他にも、高く売るコツというのがある。
買取業者の査定を受けるときは、なるべく複数の業者に依頼することだ。単純に買取値を比較できるだけでなく、査定交渉の材料になる。
もし、他にも売れるようなウイスキーあるいはお酒があれば、一緒に査定に出してみるとよいだろう。1本売るよりも2本、2本売るよりも3本売る方が、買い手としてもありがたい話なので、色をつけてくれるかもしれない。
とりわけ、2002年ボトリングのピュアモルトをはじめとした「山崎25年」のような希少性の高いウイスキーは、業者ものどから手が出るほど欲しいアイテムだ。これを仕入れたというだけで、話題性を得られ、集客できるほどなのだ。そのため、一方的な言い値で即断せずに、少しは値交渉をしてみるのもよいだろう。
空きビンでも売れるかもしれない
驚くことに、2002年ボトルインの「山崎25年」ピュアモルト・ウイスキーぐらいの貴重なものになると、空きビンでも買い取ってくれる場合がある。この場合でも同様に、箱あり、ラベルの状態が良好といった条件がそろっている方が高く売れる。飲んでしまったからといって、早々に空きビン回収に出さないように気をつけよう。
まとめ
ジャパニーズ・ウイスキーの代表格「山崎」は、世界的にも評価が高い。その中でも「山崎25年」は、限定生産品ということもあってスーパープレミアムウイスキーと呼ばれるほどだ。さらにその中でも2002年にボトリングされた「山崎25年」ピュアモルト・ウイスキーは非常に高額で取引されている。
売却するにあたっては、箱などの付属品とともに、ウイスキーをきれいな状態にして、価値を適正に評価してくれる酒類専門買取業者に持ち込むとよいだろう。また、他にも売れそうなものがあれば、一緒に査定に出してみるのも高額査定につながるかもしれない。