明治から昭和を駆け抜けた洋画家・岡田三郎助(おかだ さぶろうすけ)。女性像を描くことを得意とした日本の美の巨匠だ。日本的な感覚を持ちながらもあえて洋画のスタイルを追求し、自分自身のスタイルを確立した。
創作活動のみならず美術界の重鎮となるべくさまざまな団体の立ち上げに携わり、日本の洋画文化に大きく貢献した人物としても知られている。70年の彼の生涯に描き続けられた絵画にはどれほどの価値があるのだろうか。
もし手元に岡田三郎助の絵画を持っているのであれば、その価値を確認してみてほしい。買取についても紹介するので、売却を検討するのであれば参考にしてもらいたい。
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岡田三郎助とは
日本人らしい繊細さを持った美人画を多く完成させていた岡田三郎助とはどのような人物なのだろう。彼のルーツを紐解くことで、その偉大さや魅力に触れることができるかもしれない。
誕生から画家を目指すまで
岡田三郎助は明治2年1月22日に佐賀県の鼻尖佐賀藩の名家、石尾家にて誕生した。三郎助が4歳になるころ佐賀県を離れ上京し、その後外交官であり日本の洋画家である百武兼行の作品と出会い、洋画家への道を志すことになった。
洋画家への道を歩みだす三郎助
18歳の頃、岡田家に養子として迎えられ、洋画家である曽山幸彦が若手を育成する画塾に入門し、西洋画を学ぶことになる。師である曽山が亡くなった明治25年以降は、同画塾で指導をしていた堀江正章から引き続き洋画を学んでいく。
才能開花から世界へはばたく
岡田三郎助は、フランス留学から帰国して間もない洋画家、黒田清輝と久米桂一郎の二人が指導をおこなう天真道場へ入門。そこで岡田三郎助の才能が開花した。洋画家としての躍進を続ける三郎助は、師事を受けていた黒田清輝を中心とし、久米や藤島武二などとともに、白馬会なる日本人による日本の洋画家団体を設立した。
画家としてさらに才能を磨くため、岡田三郎助はフランス留学を果たす。そこで出会ったのは、フランスの画家として名をはせたラファエル・コラン。彼に師事し、三郎助はますます才能を開花させていく。
功績が認められ文化勲章を受章する
明治35年に帰国後、東京美術学校の教授として迎え入れられる。その後は白馬会で共に過ごした藤島武二と共に本郷絵画研究所を設立。
昭和12年には、これまでの日本における洋画の普及に貢献した立役者として、第1回文化勲章を受賞した。岡田三郎助は日本の洋画界にはなくてはならない存在となっていく。
穏やかで見目麗しい紳士
雄々しい、勇ましい、そのような言葉がうってつけな画風が主流の中、ひとり繊細なタッチで日本の女性たちを洋画のテクニックを駆使して表現した作品を描き続けた岡田三郎助。描いた女性像の絵画はどれも高評価を受けることとなった。
その美しい絵ににつかわしい、美しい見た目に穏やかで柔らかい物腰。一本の筋を通したいと強く願う頑固な部分を持ちながらも、たおやかでしなやかな性格、それはまさに紳士と評するにふさわしい。その温和な性格で友人知人、門弟からも慕われていた。
岡田三郎助の作風と特徴
岡田三郎助の人となりやルーツが分かったところで、いよいよ彼の作品について触れていこう。日本の洋画界に大きく貢献し、足跡を残した洋画家、岡田三郎助の作風と特徴とはどのようなものだろうか。
日本女性を美しく洋画に
1907年に東京勧業博覧会へ出展した「婦人像(某婦人の肖像)」が、みごと1等賞を獲得したことをきっかけに、婦人像の美しさを描き続ける作家として知名度を高めた岡田三郎助。日本画には出せない洋画の技法を駆使することで、これまでに見たことがないような女性像を描き高い評価を受ける。
油絵でありながら繊細なタッチ
油絵で描かれる日本女性はまさに西洋画。しかし、日本女性のしなやかさやたおやかさは、日本の風情を惜しみなく演出している。その絵は和洋折衷とでもいうべきだろうか。
油絵特有な大胆で雄々しいタッチではなく、繊細さがにじみ出るタッチこそが岡田三郎助の作風だ。日本女性が持つ優美さ、そしてたおやかさ。そのような日本女性の伝統的な装飾美が、洋画の技法とみごとにマッチングしているところが、岡田三郎助の作品最大の特徴だ。
岡田三郎助の作品の価値は
時代の寵児とも謳われる岡田三郎助の作品は、同じ明治から昭和にかけて活躍した洋画家の中でもかなり人気が高いと言われている。やはりその独特で無二の存在となりうる彼の表現法や画力が人気を後押ししているのだろう。
作品に使われた技法や図柄、絵画の状態などによっては数十万円の値がつくのは普通で、高額になると1千万円近い高額取引が行われる。代表作などになると数千万円はくだらない価格での取引となる。それだけの価値を岡田三郎助の作品は持っているのだ。
岡田三郎助の査定に関する情報
絵画はどのように保管、保存されていたかどうかで査定の結果を大きく左右する。それに加えて、岡田三郎助の作品を査定する際に注目したいのは、その絵が人気作品かどうかという点である。
せっかくの人気作品であっても、保存状態が最悪であれば高額買取どころか、買取すら怪しくなる可能性もある。資産価値が高くなる可能性がある岡田三郎助の作品は、できる限り大切に保管することを推奨する。
岡田三郎助の作品の査定ポイントとなる人気作品かどうかについてだが、岡田三郎助は女性を描いた作品が有名であることから、女性画かどうかでまず査定の判断が分かれる。というのも、岡田三郎助は風景画などを描いていたことでも有名で、風景画を査定に出す場合もあるからだ。
どちらかとなると女性画のほうが高額査定の可能性が出てくる。もし売却しようと考えているのであれば、その作品が描かれた背景や評価に合わせ、女性を描いた作品であるかどうかもポイントとしておくといいだろう。
岡田三郎助の買取相場
岡田三郎助の作品の価値の項目でも触れたが、岡田三郎助の作品は内容によってかなり査定額に変動があるが、買取相場はおおよそ2万円~60万円程度が買取相場となっている。人気作品ともなると1千万円近い値がつくものもある。
参考までに、岡田三郎助の代表作となる作品を紹介しておこう。
- ・ヨネ桃の林
- ・あやめの衣
- ・婦人半身像
- ・某夫人の肖像
- ・水浴の前
女性を描いた作品のものが買取相場は高くなるのだが、デッサンなどでも10万円前後での取引となることがある。パステル画なども同様なので、女性を描いた作品や油絵でなくても査定してみてもらう価値はあるだろう。
岡田三郎助の絵画を高く売る方法
岡田三郎助の絵画を高く売るためにはどのような方法があるのか。今回は中古の買取業者に買取依頼する方法と、オークションへの出品から落札してもらい売却する方法の二つについて紹介しよう。それぞれのメリット・デメリットをよく見極めてもらいたい。
真作か?贋作か?に注意
買取方法の紹介に入る前に、高く売る方法として最も重要な話をしておこう。それは、手元にある岡田三郎助の絵画が真作か贋作かという問題だ。
知名度の高い作家の作品は得てして贋作が多いのも致し方ない。だが、売却するのであればそうは言ってもいられない。岡田三郎助の作品だけに限らず、その絵が真作かどうかという点にはくれぐれも注意したい。
どこから入手したのか覚えがない、信頼できる筋からではない入手ルートなどの場合は、真作ではない可能性も出てくる。この点は絵画では注意すべきポイントとして押さえておこう。
隠された名作に出会える可能性
だが、入手ルートがはっきりとしない、怪しいかもしれないという場合でも、それが功を奏するケースもある。それが埋もれてしまっている名作の発見だ。
過去の人気作家の作品には往々にしてあることなのだが、未発表の物や、行方知れずになっている作品はそれなりの数存在する。もしかしたら手元にある絵画もそうかもしれない。
売却だけを目的とせず、持っている岡田三郎助の作品が正真正銘の真作かどうかを判断してもらうために査定をしてもらうのもいいだろう。その作品の真贋を知るには、東京美術倶楽部鑑定委員会などの、しかるべきところで鑑定を依頼するのもいいだろう。
中古買取業者に売る
先ほども触れたように、知名度の高い作家の作品や人気のある絵画は得てして真贋が不明なものが多い。売却する前に東京美術倶楽部鑑定委員会などの、しかるべきところで鑑定を依頼するのであれば別だが、そのような余裕がない場合や手間をかけたくない場合は、最初から専門の買取業者に依頼するのがベストだ。
しかし、中古買取業者でもプロの鑑定士のレベルはさまざまだ。真贋を見極めるにはそれ相応の知識量と、経験実績がものをいう。そのためには、複数の買取業者に依頼をするのが賢明だ。
同じ中古買取業者としても、質屋などもできれば避けるようにしたい。餅は餅屋という言葉があるように、やはり絵画専門の知識を有する鑑定士がいるのといないのでは、結果が歴然とする。
複数の業者を比較検討する大切さ
オンラインでの買取査定をおこなう中古買取業者もかなり増えている。LINEや電話、公式サイトから依頼ができるので、手間や時間もかからない。原則査定だけであれば無料というケースも多いので、気軽に複数の買取業者に遠慮なく依頼するといいだろう。
もちろん、買取業者側もこちらが複数の買取業者に依頼し、駆け引きをしていることは分かっている。遠回しに聞いてくるような業者もいるので、そのときは足元をみられないようはっきりとその旨を告げるといいだろう。
こちらが知識がないのをいいことに価格を引き下げる輩もいるのも事実だ。せっかくの岡田三郎助の絵画が、知識がないために適正価格よりはるかに安く買いたたかれてしまっては目も当てられない。
売却をするのであれば、とにかく焦らないことだ。提示された額が想像額より高くてもそれは同様で、必ず複数社の結果を吟味してから、どこで買取するかを決めることが有効な手段だ。
オークションにかける
高価な絵画がオークションに掛けられ、高額で売買されているニュースを見たことはないだろうか。そう、美術品といえばオークションでの売買も主流ではある。むしろ、オークションにかけたことで驚くような高額がつくこともあるので、1円でも高く売却したいと考えている人にはオススメかもしれない。
オークションに掛ける場合、中古買取業者と違う点は、自分で希望する落札価格を提示することも可能ということだ。希望の価格を提示してオークションにかけられれば、査定金額は予想より安く見積もられショックを受けることもないだろう。
自分で持っている岡田三郎助の絵画の価格や価値がどれほどの物かを調べ、そこから希望落札価格を算出、そこからオークションサイトや実際に行われているオークション会場に出品することとなる。手軽さだけで言えばオンライン上のオークションサイトがオススメだ。
あまり高額ではない物であれば、ヤフオクやメルカリなどを利用するのも悪くはないだろう。だが手軽にできるということは、その分リスクも発生しやすいということを忘れてはならない。
毎日オークションがおすすめ
そこでおすすめしたいのは、日本の主要オークションサイトとも呼び声の高い毎日オークションへの出品だ。就職・転職・進学情報の提供、人材派遣や人材紹介などの業務をメインとする株式会社マイナビが母体となっている。
オンラインで出品から落札、決済まで済ませることも可能だが、実際に会場に足を運ぶこともできるので、オークションの熱気を体験してみるのもいい経験になるだろう。あの独特の熱気と高揚感はその場にいたものにしか経験できないからだ。
毎日オークションの出品から落札までの流れ
まずは公式サイトで出品査定をおこなう。品物の品質や真贋などに問題がなければ、おおよその予想落札価格が決定し連絡が入る。落札価格に合意すればあとは指定の方法で品物を発送する。残念ながら発送の際に発生する費用は全て出品者負担となる。
商品到着後、実物検査とオークションの際に発行されるカタログの原稿が作成され、問題がなければオークションに出品、落札されるのを待つ。落札された場合は以下の売却手数料が発生する。
- ・70,000円未満の場合:10,800円
- ・70,000円以上500,000円未満の場合:16.2%
- ・500,000円以上の場合:10.8%
支払われる売却価格は上記の手数料が差し引かれ、オークション開催日の20日後には、出品者の指定銀行口座へと振り込まれる。不落札となった場合は、翌週1週間はアフターセル期間として引き続きオークションは継続される。だがそれでも売却できなかった場合は返却となる。
手数料や手間が少しかかるが、その辺りがクリアできるのであれば面白い経験ができると同時に、予想以上の高額落札も期待できるので挑戦してみてもいいだろう。
岡田三郎助絵画を売るおすすめ業者
オークションでの落札買取も気になるが、やはり手堅く美術品専門の買取業者に買取を依頼したいという人もいるだろう。美術品専門の買取業者はかなりの数があるので、その中から3つを紹介する。売却を検討している方は、複数の業者に査定依頼をすることを強くおすすめしたいので、この3つもぜひ候補の中に入れておくといいだろう。
美術品・絵画買取センター
買取価格
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手数料
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ポリシー
ウイルス
対策
30年の買取実績は信頼の証といえる、美術品・絵画買取センター。その知名度の高さはこれまでの実績に裏打ちされている。美術品や絵画、ジャンルごとに経験豊富な鑑定士をそろえ、相場を熟知した上での高額査定を可能としている。
急ぎのユーザーに対しては、遅くても24時間以内に査定額の連絡を入れることを徹底。各ジャンルのプロの鑑定士が査定をおこなうので安心だ。買取方法は宅配・出張・店頭と柔軟に選択できる点など、顧客優先のお客様思考が魅力だ。
総合美術買取センター
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対策
各種マーケットの相場を常に把握・理解し、顧客と真摯に向き合う買取査定をおこなう総合美術買取センター。電話やメール・LINE、出張訪問など、近くに店舗がなくても気軽に査定を依頼でき、買取方法にも相談に乗ってくれる。日本全国が対応エリアと銘打っているので、まずは気軽に相談してみよう。
20年に渡る営業実績を武器に、それぞれの分野のプロの鑑定士が高額買取を実現。査定額が納得いかない場合はもちろん、買取・契約後も8日以内に連絡すれば無条件でキャンセルできるクーリングオフ制度も導入している。
八光堂
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対策
骨董品買取に40年の実績を誇る老舗中古買取業者となる八光堂。店主を始め専門知識を持つプロ鑑定士たちが、日々切磋琢磨しながら目利きに対するスキルアップに励んでいる。メディアでも多数紹介されているので安心感もある。
買取に対する相談や見積もり、鑑定士の出張費用や鑑定料、全ての手数料は0円だ。買取を希望する商品次第では1点からでも出張買取に来てくれるケースもある。もちろん、キャンセルになった場合でも出張費や鑑定料は発生しないので有難い。
出張買取の場合のみだが、八光堂もクーリングオフ制度を導入している。LINE査定、メール査定、店頭査定など、ユーザーが利用しやすいスタイルを選択しやすい点でもおすすめだ。
まとめ
明治から昭和を駆け抜けた有名洋画家、岡田三郎助についてや、その作品・画風、価値、買取に対しての情報を紹介した。作品や保存状態によってはかなりの高額買取も期待できる作家であることがお分かりいただけただろうか。あとは自分に合った方法で買取を選び、1円でも高額で買い取ってもらえるよう努めてほしい。