2017年9月13日に行われたApple社の新商品発表会「Apple Special Event」。イベントの目玉だった「iPhone X」の他、噂されていたApple TVの新商品「Apple TV 4K」も同時に発表された。
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4K HDRに対応したApple TV
これまでHDのみ対応だったApple TVが、進化した形の「Apple TV 4K」。4Kだけではなく、4K HDRのコンテンツもサポートしている。スクリーンセーバーやUIも全て4K向けに再制作されている。
これまでに販売され、すでに所有しているHD版コンテンツは無料で4K版にアップデートされるそうだ。
4Kの美しいコンテンツがHD版と同じ料金で
「Apple Special Event」では、4KコンテンツもこれまでのHDと同じ料金で提供するという発表があった。(将来的にどのような価格設定になるのかは不明)
同料金で美しいコンテンツが楽しめるというだけあり、Apple TVユーザーにとっては期待が高まる。
映画以外にスポーツなども
Netflix、Hulu、AbemaTVなどのアプリを使って映画やテレビ番組を楽しめるのはもちろんのこと、ニュースやスポーツもライブストリーミング可能。例えば、MLBやNBAといったスポーツの公式アプリを使って、試合観戦をすることも容易になった。2017年内には、スポーツの生中継も提供すると発表している。
iPad Proに搭載のA10Xプロセッサー搭載
以前から噂されていたように、新型のApple TVでは6コアのA10X Fusionプロセッサーが搭載されている。これは、iPadのハイエンドモデル「iPad Pro」と同じもので、ベンチマークで比較すると、ノートパソコンに搭載されているCPUに引けを取らない数字を叩き出している。
前モデルのApple TVと比較して、2倍の処理速度となっており、ストレスのない快適な動画視聴が可能になったのだ。また、内蔵メモリも3GBのRAMと、かなりパワフルな仕様だといえるだろう。
メニューボタンがタッチパネル式になったSiri Remote
「Apple TV 4K」には、メニューボタンがタッチパネル式になったSiri Remoteが付属してくる。前のモデルから大きな進化はないが、より直感的な操作が可能になるのではないだろうか。
気になる価格・発売日は?
新型の「Apple TV 4K」は、32GB版が179ドル(19800円)、64GB版が199ドル(21800円)の2モデルで展開される。32GBモデルは20000円をきっており、比較的手に取りやすいモデルだといえるだろう。9/15に予約が開始され、販売は9/22からとなる。
【追記】実際に販売されたApple TV 4K
ここからは実際にApple TV 4K発売した後の性能や価格を紹介する。本追記は2017年11月3日に実施している。
発売されたApple TV 4Kの概要
まずは本体のスペックについて紹介する。Apple TV 4Kの同梱物はApple TV 4K本体とSiri Remote、電源コード、Lightning - USBケーブル、マニュアルだ。HDMIケーブルなどは同梱されていないので注意してほしい。見た目的な面で言えば前モデルと大きな変化はない。
本体は98mm×98mm四方の高さが35mm。Siri Remoteは124mm×38mmの厚さが6.3mmだ。重量はそれぞれ425gと45gで価格と容量に関しては発売前に発表されていた内容と変化はない。
電源の他にHDMI 2.0a3での接続および有線LANのポートがある。4Kテレビに接続する場合、4Kのスピードに対応可能なHDMIケーブルが必要となるため注意して欲しい。その他のテレビに繋ぐ場合は従来のケーブルでも問題ない。
Siri Remoteの性能
Siri RemoteはBluetooth 4.0ワイヤレステクノロジーを採用。赤外線を利用したIRトランスミッタで信号を送る。ボタン操作のほかSiriでの音声命令、Touchサーフェイスを使った操作などが可能だ。
バッテリーはリチャージャブルバッテリーを搭載。公式サイトによれば毎日標準的な方法で使用する場合、1回の充電で数か月は持続するということだ。Lightningコネクタを使用してUSB経由でコンピューターから、もしくは別売りの電源アダプタを使って電源から充電できる。
左側一列のボタンはそれぞれ押した感覚が異なるよう作られており、Siriボタンは少しくぼんだ仕様だ。片手でも簡単に操作できるくらいの軽量やサイズ感である。
音声命令の場合は一括でAppleTV内のコンテンツを検索できるため非常に便利だ。名や「ドラマ」「アニメ」といったジャンルカテゴリの検索も可能。認識が若干よくない場合は映画を「ムービー」と言い換えたりすると認識されることがある。
接続・設定方法が簡単なデバイス
接続や設定方法も簡単だ。まず、インターネット環境の設定を実施する。有線でも無線でも利用可能だが、スマートに置きたい場合や置き場所が固定されないほうが良い場合は無線がおすすめだろう。
AppleTV本体を電源とつなぎ、さらに4KテレビとHDMIケーブルで接続する。Siri Removeで電源を入れると設定画面が表示されるため、あとは指示に従って操作を実行すれば完了だ。手持ちのiPhoneやiPadはこの時点で連携させておくのが良い。認証コードを利用すれば簡単に接続設定をすることも可能だ。なおiPhoneやiPadといったデバイスをリモコンとして仕様することも可能で、接続設定後はbluetoothで接続する。
1台で何役もこなす充実したコンテンツラインナップ
AppStoreのゲームやアプリケーションも
Apple TV 4Kとして映画やテレビ番組を視聴して楽しめることはもちろんApple TV用のAppStoreより配信されている対応ゲームやアプリケーションも楽しむことができる。
Apple TV 4K専用のコントローラー「SteelSeries Nimbusワイヤレスゲームコントローラ」やヘッドフォンなどのアクセサリも接続可能。HDR(ハイダイナミックレンジ)による美しく壮大な画面とともに、よりリアルなゲーム体験を可能にするだろう。
現在はthatgamecompanyが提供するロマンチックアドベンチャーゲーム「sky」をプレイすることができる。その他のコンテンツについても随時配信がされていくことが予想される。
撮影した動画や写真、保存した音楽も見ることができる
iCloudフォトライブラリや共有アルバムにある写真やビデオを画面上に映し出すことも可能だ。またApple Musicをテレビとスピーカーで楽しむこともできる。AirPlayを利用して、手持ちのiPhoneやiPadといったデバイスからデータを共有して画面上に映し出すといった使い方も可能だ。
さらに映し出すだけでなく、写真データの中から自動的にベストショットを選定してコレクション化する機能やiPhone上で作成したLive Photosのループやバウンドもできる。AirPlayを使ったその他の使い方としては、Macで作成したプレゼンテーションやWebサイトの共有といったこともできるだろう。
AppleTVで自宅をスマートホームに
Apple TV 4Kではコンテンツ視聴の他にもホームアプリケーションに対応している。Homekit対応のアクセサリをApple TV上から操作することが可能なのだ。これにより、映画を視聴しながら電気を消したり、エアコンを調節することもできるようになる。
またSiriでの操作にも対応しているため「電気を消して」「鍵を閉めて」といった呼びかけをすれば、手を動かすことなく快適なスマートホーム化が実現できるだろう。Homekit対応デバイスは照明やスイッチ、コンセント、窓、換気扇、エアコン、加湿器など50種類以上におよぶ。Homekitの設定コードをスキャンすることで簡単に設定も可能だ。
Apple TV 4Kの性能的なデメリット
画質のクオリティも素晴らしく、コンテンツも以前購入したものからスポーツ、ライブといったライブストリーミングで配信しているものまで充実しているApple TV 4K。しかし、実際にApple TV 4Kでも性能面で注意してほしい点がある。ここからはApple TV 4Kを楽しむために気をつけておいてほしいことも紹介する。
安定したインターネット環境が必要
1つ目の気をつけて欲しい点としてはWifiの接続環境があげられる。これは4KのHDRコンテンツは音声やグラフィックの質が非常に高いため、それに比例して容量が大きくなってしまうことが原因だ。公式でも4Kコンテンツのストリーミングをするときはダウンロード速度を最低25Mbpsにすることをすすめている。
接続環境が良くない場合や有線LANを繋げない場合などには視聴している映画やライブコンテンツが途切れたり、動きが遅くなってしまう可能性がある。ストリーミングをダウングレードすることも対応としては可能だがせっかくの4K HDRを楽しみたい人にはおすすめできない。安定したインターネットへの接続環境を確保するために<>em有線LANなどを使って対応したほうが賢明だろう。
Apple製品以外を普段使いしている人は楽しみが減る可能性も
Apple TV 4Kに限らず前世代までのモデルにも言えることだが、スマートフォンをiPhone以外のAndoridなどを使用している場合やパソコンをWindowsで普段使いしているといった場合には楽しみが減ってしまうかもしれない。
Apple TV 4Kの強みとしてはAir Playや一度同じApple IDで購入したコンテンツは他デバイスで購入したものであっても楽しめる点がある。普段Appleを使用していないユーザーにとっては、IDで買い物したコンテンツがあるわけでもなくペアリングも利用できないのでApple TVだけでなく別端末との相性も考えてほしい。Apple Watchでの連携操作も可能なため、こちらを改めて揃えるというのもひとつの手だろう。
まとめ
「Apple Special Event」では、「スパイダーマンホームカミング」の美しい映像や、Apple TV・iPad・iPhone限定のゲーム「SKY」のデモンストレーションで、「Apple TV 4K」の可能性を世界中に大きく示した。
映画鑑賞だけでなく、スポーツやゲームまで容易になった新型の「Apple TV 4K」。美しいグラフィックと手に取りやすい価格設定により、今まで以上に注目が集まる端末となるだろう。また視聴用デバイスとしての機能以外にも様々な楽しみ方があるため、試してみてほしい。