2017年秋、iPhoneの新型モデルとして発表されたのはiPhone 8とiPhone 8+、そしてiPhone Ⅹだった。2016年秋に発売されたiPhone 7の後継機種としてiPhone 8と8+が発売となったのは当然として、同時期に全く新しい概念のiPhone、iPhone Ⅹが発売されたのである。
となると、今年の2018年秋に発売が予想される新型iPhoneはどうなるのか。これまでのiPhoneの正常進化版のiPhone 9(仮)なのか、それとも次の進化はⅩの次、iPhone 11(?)となるのか、それともその両方なのか。これまで報道されてきた様々な噂や情報をまとめた。
iPhone / Ines Njers
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新型iPhoneの発売は例年どおり9月か
昨年発売されたiPhone 8と8+は9月に、iPhone Ⅹは11月に発売されている。iPhone Ⅹは発売がやや遅くなったものの、iPhoneの新製品は、このところ毎年9月上旬に発表され、同下旬に発売されるのが通例となっている。海外や国内の情報でもほぼそのスケジュールに沿って発表されるというのが規定路線となっており、恐らくはiPhoneの2018 年の新型機種は、今年の2018年9月に発表・発売されることになると思われる。ただしiPhone SE2(仮)は早ければ6月にも
最新機能が盛り込まれた「新型iPhone」は、前述のとおり9月の発売が予想されるが、さらにその前には、現状もっとも安価に購入できるiPhoneとしてカタログにラインアップされるiPhone SEの後継機、iPhone SE2(仮)が今年春には発表されると言われていた。
ただし、当初予定とされていた3月(2016年に同モデルが発表されたのも3月だった)の発表はなかったため、6月初旬に行われるAppleの開発者向けイベント「WWDC」で発表されるのではないかとも噂されている。
新型iPhone SEは現行モデル継承か?
iPhone SEの後継機、iPhone SE2がどんな機種になるかは、5月20日現在で2つの説が流れている。
1つは、CPUが現行A9チップからiPhone 7に使われているA10チップにバージョンアップされ、Apple PayにFeliCa機能(おさいふケータイ機能)が追加されるものの、デザインやその他の機能はあまり変わらず、買いやすいリーズナブルな価格が継承されて発売されるというものだ。
そしてもう1つが、iPhone 8と同様のガラス製のボディに、ワイヤレス充電が可能に。またFace IDが採用されてホームボタンはナシとなり、ディスプレイもベゼルレスのフルスクリーンディスプレイとなるというものだ。
iPhoneの最新モデルの機能の傾向を考えると、次期iPhone SEも後者の機能追加型の進化を遂げても不思議ではない。
とはいえ「SE」とは「Special Edition」の略であり、iPhone SEは通常のモデル群とは別枠の存在だ。
価格を抑えたiPhoneのスペシャルエディションという意味合いを考えると、かなり価格がアップしてしまいそうな機能追加タイプの次期モデルは、これまでの「SE」の枠を超えているとも考えられる。6月初旬の「WWDC」で何らかの情報が発表されることを期待したい。
iPhone Ⅹの新型機は画面サイズがやや大きくなった「iPhone Ⅹ Plus」か?
2018年、Appleは3つのiPhoneの新製品を発表すると、この5月に入ってから海外のアナリストが発表している。これは前述のiPhone SEの後継モデルとは別に、3つの新製品が発表されるという予測だ。
そのうち2つはiPhone Ⅹの後継モデルとされる2機種。そしてもう1つが、iPhone 8の後継モデルとして液晶画面の新製品が出るのではないかという予測だ。ここでは先にiPhone Ⅹの後継モデルと目される機種のスペックを追っていこう。
後継機というより画面が大きくなった派生機種
報道されている海外アナリストの予想によると、iPhone Ⅹの後継機は6.5インチの有機ELディスプレイを擁する大型機になるとしている。
モデル名は仮に「iPhone Ⅹ Plus」。つまり、iPhone 7 PlusやiPhone 8 Plusと同様の、大きな画面のiPhone Ⅹということになる。この場合、後継機というより兄弟機、派生機種と表現したほうが正しいかもしれない。
ちなみに、現行のiPhone Ⅹのディスプレイサイズは5.8インチ。この大きさはiPhone 8 Plus の5.5インチよりも大きい画面サイズだ(それでいて高さや横幅はiPhone Ⅹのほうが小さい)。
iPhone Ⅹ Plus(仮)は、さらに大きい6.5インチになるという。Androidでは、SAMSUNGのGalaxy note 8が6.3インチ、あるいは最新のGalaxy S9+が6.2インチという画面サイズだが、iPhone Ⅹの次期モデルは有機ELディスプレイを備えるこれらライバル機種よりも大きくなるという。
iPhone 8 Plusと同等レベルのボディで6.5インチの画面サイズ
デザインとしては、有機ELディスプレイがベゼルレスのフルスクリーン仕様となっているところはiPhone Ⅹと同様。もちろん、認証はFace IDなのでホームボタンはなく、フロントにはTrueDepthカメラが搭載されている。ディスプレイは有機ELのHDR対応。
Super Retina HDディスプレイで変わらない。有機ELの格段に美しい映像が、6.5インチという迫力で迫ってくる様を想像すると、ゲームや配信映像等の楽しみ方が、また一段と増していくことは間違いない。
それでいて、ボディのサイズ感はiPhone 8 Plusと同等レベルになるという。加えてiPhone Ⅹシリーズにカラーバリエーションモデルが追加され、またデュアルSIM対応となるとも言われている。その他の部分は、ストレージサイズも含めiPhone Ⅹと同様の仕様となるとされている。
もしかしたらiPhone ? Plusかもしれない?
ここまで述べてきたように、今年になって報道された海外アナリストの発言や国内ニュースでの報道をまとめると、2018年秋に発売されるiPhone Ⅹ仕様の大型ディスプレイモデルは、後継機というより派生モデルというイメージが強い。
しかし、それ以外にも、後述するもう1つのiPhone Ⅹの後継機種とともに、このモデルがiPhone ? Plusではないかとする説がある。
ただそうなるためには、iPhone Ⅹからの明確な進化ポイントが必要だ。現段階ではそのような情報は見られないものの、iPhone Ⅹが思ったほど売れていないことを理由に、新たなデザインのモデルが出るという分析もある。
秋にはOSのメジャーアップデートであるiOS12が発表されることも、何らかの関連性があるかもしれない。今後の続報が待たれるところだ。
iPhone Ⅹと同等サイズのニューモデルがiPhone ?か?
前述のiPhone Ⅹ Plusと同時に、現行iPhone Ⅹと同じ5.8インチの画面サイズの、新しいiPhoneが発表されるとの予測がある。
こちらのモデルに関してはiPhone Ⅹ Plusほどの情報が流れておらず、むしろ錯綜している部分が大きい。ただ海外アナリストの予想によれば、この5.8インチのモデルもiPhone Ⅹ Plusと同様に、ハイエンドモデルとして発表されるという。
iPhone Xと同様に、有機ELのフルスクリーンディスプレイと顔認証機能Face IDを搭載するというその機種についての情報は、いまのところあまり出てきていない。しかし、同じ5.8インチの画面サイズの製品が後継モデルとして発表されるのであれば、それこそがiPhone ?である可能性はある。
前述のiPhone Ⅹ Plusとの関連性はどうなるのか、やはり不人気のiPhone Ⅹは早々に諦めて一気にiPhone ?と? Plusというラインナップを発表するのか、iOSアップデートに合わせる形でiPhone ?が発表されるのか……。
そもそもⅩの次が?であるかどうかもわからないのだが、今後の続報が気になるところだ。
iPhone 8の後継機種は「9」ではなくiPhone 8sか?
前述した海外アナリストの予測によるiPhoneの新しい製品の情報がもう1つ。それは、有機ELではなく液晶のフルスクリーンディスプレイを備えるという新機種だ。やはりフロント側にTrueDepthカメラを搭載するFace ID仕様となるようで、これまでにない組み合わせとなっているところから考えると、明らかな新製品である。
画面サイズ6.1インチの液晶画面でFace ID仕様のニューモデル
アナリストによると、液晶画面のサイズは6.1インチ(6.0インチという説も)。ブルー、イエロー、ピンクを含む複数のカラーバリエーションモデルを持ち、ミッドレンジの価格帯を担うモデルとなるという。
モデル名は「iPhone 8s」 。かつてiPhone 5sというモデルがあり、そこから派生したカラーバリエーション豊富なスタンダードモデルといえばiPhone 5cで、iPhone 8sの印象も後者に近いものがある。
このフルスクリーン液晶画面のFace ID仕様の新機種は、ミッドレンジの価格帯を担うスタンダードモデルということで、廉価版のiPhoneであるiPhone SEの後継機種の1つとして見られたり、iPhone Ⅹシリーズのスタンダードモデルということで、「iPhone Ⅹc」として紹介されているケースもあるなど、情報が錯綜している。
一方で、そのいずれのケースの可能性もゼロではないと思われる説得力があることも確かだ。
なぜiPhone 8sなのかは不明
ミドルレンジの価格帯ということであれば、日本円では6~7万円前後。決して安い価格とは言えないが、次期モデルは12万円オーバーではないかと言われるトップエンドのモデルに比べれば、「ミドル」という位置づけが的確だ。
ただ、なぜそれが「8s」なのかは不明。フルスクリーンのデザインから考えると、iPhone Ⅹの有機ELディスプレイを、液晶ディスプレイにしたスタンダードバージョンという意味での「Ⅹc」のほうが自然に思えるが、果たしてどうなるだろうか。
なお、iPhone 8sのスペックは特に記述はないが、これまでの他のアナリストも含めた予測記事を総合すると、CPUにはiPhone ⅩやiPhone 8に使用されているA11 Bionicチップを搭載。ボディはガラスではなく、iPhone 7同様のアルミ製とする説と、ポリカーボネイト説の両方が見られる。
つまり、ワイヤレス充電の機能を搭載しないなら前者、搭載するなら後者ということになるだろう。カメラ機能への言及はないが、コストを極力下げるのであれば、背面レンズは従来同様の解像度1200MPのレンズを使用か。
フロントカメラはもちろんFace IDのためのTrueDepthカメラが搭載されることになる。
また、このiPhone 8sは、性能的に前述したiPhone SEの後継機種とされる予測モデルと重なる部分があることも注目しておきたい。
機能付加されたバージョンであれば、現状のiPhone SEとは別のカテゴリーで販売されてもおかしくないため、SEの後継モデルの発表が6月になかった場合、iPhone SE2の発表自体がなくなる可能性も高まる。実際にそうした予測も出ており、現時点では様々な考え方ができる。
ならばiPhone 9の出現はあるのか?
iPhone 8sと予測されたモデルは、iPhone 8の後継機種、iPhone 9として発売されたとしても、特におかしい部分はない。Face ID 仕様のフルスクリーンのモデルで、iPhone Ⅹ以降が有機ELディスプレイ、iPhone 9が液晶ディスプレイということになるのであれば、製品としての差別化も明確になると思われる。
またそうなると、iPhone SE2の仕様によっては、今年発表されるニューモデルはすべてFace IDとなる可能性も出てくる。Touch IDはiPhone 8までという明確な仕切りが作られるかもしれない。
まとめ
では、ここまでの説明をもう一度まとめておこう。今年秋に発表されるiPhoneのニューモデルは、以下の3機種か4機種と予測される。
iPhone SEの後継機種
現状維持のTouch ID仕様か進化したFace ID仕様か、どちらか2つの可能性。6月に発表があるなら前者か。
iPhone Ⅹ後継機種としてのiPhone Ⅹ Plus
iPhone Ⅹの大型ディスプレイモデル。後継機というよりは派生機種。ただし、場合によってはこれがiPhone ? Plusとなる可能性もある。
iPhone Ⅹと同画面サイズ(5.8インチ)のニューモデル
これが真のiPhone Ⅹの後継機種としてiPhone ?として発表されるかも?
iPhone 8の後継機種としてのiPhone 8s
液晶画面によるFace ID仕様のフルスクリーンという初の組み合わせ。iPhone 8でありながらホームボタンのあるTouch IDではなくなるため、iPhone 9として発売される可能性も捨てきれない。
あるいはiPhone Ⅹの廉価版=iPhone Ⅹcという可能性もある。また、カラーバリエーション豊富なミッドレンジの価格帯を担うモデルとなるため、これがiPhone SEの後継機種という見方もできる。
こうしてみると、今年発表されるニューモデルはiPhone 9なのか、あるいはiPhone ?なのかという問いに明確な回答が得られているわけではないことがわかる。予想されるネーミングも、現状モデルの派生機種の形となっているモデルのほうが多い。
そうなると、カギを握るのは情報がもっとも少ないiPhone Ⅹと画面サイズが同様のニューモデルだろうか。一部から期待の大きかったトリプルカメラの搭載は2019年に見送られたとの情報も流れているが、同じ画面サイズでニューモデルが出るのであれば、それがiPhone Ⅹの後継機種である可能性はとても高いと思われる。
ではそれがiPhone Ⅹの後継機種としたら、どんな新機能が加わるのか。今後出てくるであろう新しい情報に注目していきたい。