海外では当たり前に販売されているプリペイドSIMカード。これは、日本はまだまだ未発達のシステムだ。これがないために、海外から日本へとやってきた短期滞在者は様々な制限があり金額も比較的高価なサービスを利用するしかない。しかも、これは海外からの人々に限った問題ではないのだ。
例えば日本人が海外旅行をする時だって同じことが起こる。現在は各携帯会社で海外旅行者に向けたサービスを提供しているが、一日当たりに支払わなければならない料金は普段パケホに加入している者からすればかなりの額だ。旅行が一週間以上のものになれば、その金額の準備も必要となってしまう。これが日本の現状だ。なぜ日本にはプリペイドSIMが販売されていないのか。それについて考察してみたい。
OMG docomo microSIM card :D / kalleboo
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海外でプリペイドSIMカードが普及する理由
Singtel SIM / 22n
例えば、イギリスでは携帯電話の盗難が多く、不正な高額請求がされてしまうケースに備えてプリペイドSIMカードが普及しているようだ。海外旅行中にiPhoneの盗難に気をつけないといけないような話をよく聞くだろう。日本ではあまり携帯電話、iPhoneの盗難など激しくないことからこの意味でのニーズは少ないかもしれない。
また、不正入国者をはじめ、何らかの理由でクレジットカードを持てないような層が現金で買って使えるということで普及している側面もある。更に追い打ちをかけるのは、事後的な要因であるが、海外の場合、スーパーや駅など至る所でプリペイドSIMカードを買うことができるし、サービスも豊富だ。自動販売機すらある。
犯罪防止の目的か
日本では、プリペイド携帯がオレオレ詐欺に悪用されているという批判もあった。2005年の携帯電話不正利用防止法成立を端緒とし、その携帯市場は縮小し続けていた。確かに、SIMカードが買えるだけで電話番号が手に入れば、色々なことに悪用もできるし、足がつかない。そのような問題への対処として、犯罪防止の意味もあるとされている。
国際標準と離れたガラパゴス化の流れか
gift from japan / woodleywonderworks
確かに日本は海外の標準規格とは異なる独自の規格で携帯通信サービスを提供してきた。しかし、3GやCDMAと海外の標準と繋がるような通信ネットワークの基盤は既に構築されている。技術面でも先進国に引けをとらない日本が、このままSIMカードの販売、またはそれに代わるようなサービスを導入しないのは、海外との競争の面からみても、遅れを取ってしまう要因にもなりかねない。
一応、販売されてはいるプリペイド携帯
現在、Softbank社が1機種のみプリペイド携帯を販売しているが、メジャーとはいいがたい。旅慣れた人ならば、海外でプリペイドSIMを購入し現地で使える電話番号を取得、現地にいる人との連絡を円滑にするという手段を取っている人がいるかもしれない。しかし、現在では来日者、日本からの渡航者含め、一般の旅行客に対して開かれている門はあまりにも狭い。関西空港にプリペイドSIMカードの自動販売機が設置されるなどといったこともあるが、広く普及しているというわけでは無い。
ネットでもプリペイドSIMを買う方法がある
秋葉原など一部地域では販売されているようだが、なかなか行って買うのも面倒だ。そこで、プリペイドSIMカードがが買えるエクスモバイルを紹介しておきたい。ソフトバンクプリペイドSIMカードについては、ソフトバンク同士なら1時~21時まで通話料無料といった嬉しいメリットもある。また、他社では販売されていないドコモのSIMカードも販売しているし、イーモバイルの容量無制限SIMカードも販売しているのでチェックしておきたい。
実はプリペイドSIMカードの未来は明るい?
The Future Is Here / Alisa Perne - sweetandsinfulstyles.blogspot.co.uk
総務省の仕掛ける、格安SIM普及やSIMフリー化などといった携帯産業の動きの中で、プリペイドSIMが再び普及してくる可能性も無くはない。プリペイドSIM専門のMVNOなど出てきても面白い。販売チャネルがカギを握りそうなので、既存店舗を構えるような会社や、思わぬインフラを持つ会社は面白いサービス展開ができるだろう。SIMロックという概念が無くなり、SIMカード単体での多様なサービスが生まれ、ユーザーの選択肢が増える可能性は大いにある。
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