最近の海外での日本酒ブームはスゴい。それを裏付けるものとして1例を挙げると財務省が毎年公表している貿易統計。2018年度の資料には日本から海外に輸出された1年間の清酒は約2万5700klとある。これを額に換算すると約222億円。これまでで最も多い数字だ。各メーカーの高級志向も輸出拡大に拍車をかけている。
一方、酒造メーカーの高級志向によって品評会で賞を受けながら、生産量が少なく入手しにくい酒は幻の酒として珍重されるようになった。買取業界でも人気の日本酒を積極的に買取るようになり、日本酒買取に力を入れる店も増加。半信半疑で持ち込んだ酒が思ってもみなかった高い値で売れてニッコリということもある。
そんな人気の日本酒の中から宮城の銘酒谷風の買取相場を見てみたい。
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宮城の銘酒谷風とは
谷風とは、宮城県石巻市の酒蔵墨廼江(すみのえ)酒造が手がける純米大吟醸酒だ。
銘の由来は宮城出身の希代の大横綱から
宮城の谷風と聞いて、なるほどと思ったのなら相撲通。谷風の銘は江戸時代に活躍した宮城出身の大横綱、谷風梶之助に由来する。谷風は、雷電、小野川と並ぶ江戸時代の強豪力士で、現在につながる大相撲の人気を決定づけた。63連勝という歴代2位の記録を持つことでもしられている。
酒は兵庫県でとれた山田錦などを40%まで磨いた米を使って仕込んだ原酒で原酒らしからぬ優しい香りと爽やかな味わいが特徴。魚介類、特に白身魚の料理との相性がよいという。
谷風は手間と時間をかけてじっくりと醸造されるため、毎年6月と11月の年2回しか販売されない。そうした点もこの酒の希少価値を高めている。
こだわりの酒造り墨廼江酒造
谷風の蔵元、墨廼江酒造が宮城県石巻市で創業したのは江戸時代後期の1845年(弘化2年)。もともと海産物問屋と穀物問屋を営んでいた澤口家が商家から酒蔵を譲り受け酒造りを始めた。石巻は北上川の河口に位置していたことから、当時からよい港があり、日本の水運交通の拠点の1つだった。このため伊達藩の米の積み出し港としても繁栄し、奥州最大の米の集積港として物資を運ぶ千石船が数多く往来していた。
当時、北上川の西側には水の神を司る墨廼江神社があり、一帯は墨廼江町とよばれていたという。酒蔵としては小規模だが、全国各地の優良な酒米を使い、北上川の伏流水である軟水で仕込んだ酒は、穏やかで気品のある香りで、透明感とキレのある味わいと評されている。
2011年の東日本大震災では、北上川を逆流してきた津波によって酒造り中の蔵まで浸水。酒造りに欠かせない絞り機やポンプなどの機械まで全滅し危機に陥った。しかし、さまざまな支援や協力によって同年10月には酒造りを再開することができたという。
酒どころ宮城の歴史と特徴
記録に残る宮城県での最初の酒造りは江戸時代初期。県南部にある現在の亘理町周辺で町酒屋が酒造りを始めた。一方、初代の仙台藩主伊達政宗は食通で酒を好んだことで知られ、大和(奈良)から職人を呼び寄せて酒造蔵を作り、藩の御用酒屋とした。
御用酒屋は20種類以上もの酒を造り、これによって仙台藩では酒の醸造技術が発展。御用酒屋に牽引されるように町酒屋も現れ、互いに切磋琢磨していく中で宮城では酒造りが盛んになっていった。
宮城県酒造組合によると宮城県の酒は淡麗辛口が特徴。厳しい東北の冬によって生まれた低温長期醗酵技術が、酒の味わいを生み出すという。宮城で酒造りをする杜氏のほとんどが南部杜氏。南部杜氏と新潟の越後杜氏、兵庫の丹波杜氏を並び称し、日本の三大杜氏と呼んでいる。
どうしたら谷風を高く売れるのか
年2回の限定発売ということもあるのか、ヤフオクをはじめ主要なオークションサイトに谷風の出品履歴は見つからない。酒買取店サイトをみても買取銘柄のひとつとして名前は挙がっているものの、買取実績はほとんど見当たらない。谷風は現在、高値で取引されているような状況にはない。
そんなわけで、非常に情報が乏しく、実際に業者に問い合わせてみなければ、査定額を推し量ることは難しい。しかし定価が5,400円(税込)で化粧箱入りは5,832円となっていることから考えれば、同じ価格帯の大吟醸酒と同じ2,000円前後が上限とみられる。
さて、谷風を高く売るにはどうしたらいいのか。何にでもコツというものがある。買取業者への売却も同じこと。味や風味に影響する保管方法はもちろん見栄えや付属品の有無など細かな点によって、ある程度査定額は変わってくるのだ。谷風の売却を業者に依頼する際、押さえておきたいポイントは次の3点だ。
開封したお酒は売れないことに注意
品質が悪いものは高く売れない。これは中古品でなくても言わずもがな。しっかり品質を保ったうえで査定にだすのが肝心だ。そんなことを言っても素人が瓶に入った酒の品質がわかるはずがない。だから、とりあえずポイントは2つだ。
1つは開封しない。あたり前だが1度開けてしまったら基本的に売れるハズがない。でも気をつけてほしいのは瓶の口の封印だ。通常、酒瓶の口はキャップシールというビニールで覆われていて、それが未開封であるサイン。シールを使わず封印紙が貼られていることもある。こうしたキャップや封印が破れていたりなくなっていたりすると未開封とはみなされない。
もう1つは見た目。ホコリをかぶった酒びんよりもきれいに磨かれた酒瓶のほうが、断然保管状況が良さそうにみえる。化粧箱だって肝心だ。谷風はいかにも高級そうな化粧箱におさめられている。きれいな酒瓶と化粧箱だけで担当者の印象も急上昇するハズだ。もちろん、化粧箱に汚れや破損があると減点対象。たかが箱といわず大切にしたい。
売るのならできるだけ早く
買取業者に売却するとき、確認しておかなければならない点に製造年月がある。どの時点で日本酒の製造年月とするのかといえば、一般的には瓶詰めされた時期。日本酒は一般的に製造年月から半年程度の間であれば、味や風味も変わらないとされる。
なかにはワインのように寝かして熟成させた古酒があり、それはそれで珍重されるのだが自宅でもひょっとしたら熟成するのではないかと考えるのはただの妄想。そもそも普通に保管するにしても、直射日光を避けて冷暗所に置いておくなど正しく扱い方がある。
たとえばウイスキーやコニャック、焼酎といったアルコールの度数が高い蒸留酒であれば長期保存しても基本的に問題はない。一方、日本酒の場合はアルコールの度数が低いうえ、糖度も高いのでそうはいかない。日本酒は一般家庭での保存を前提につくられてはいない酒なのだ。このため買取店側も日本酒については製造年月から半年以内でなければ買取不可と最初から断る業者も多い。
まとめ売りならプラス査定の期待大
酒を売却・査定に持ち込むときはケチケチせず、できるだけ多くの酒をまとめて出したほうがよい。別に銘柄が同じ酒でなくても良いし、違う銘柄の酒であろうが日本酒や洋酒を取り合わせても良い。どこの店でも同じではないが、10本以上持ち込めば査定額の上乗せを掲げる店が多い。
谷風1本だけでは、そう高い買取額がつくことはないと思われるので、できれば10本以上まとめて買取ってもらうと多少は得する可能性がある。
谷風の買取業者情報
谷風は査定に出すと一体いくらの回答が得られるのか気になるとこである。ここでピックアップした買取業者に電話査定を依頼してみた。
大黒屋
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
大黒屋は全国に200以上の実店舗を構え、質屋と買取をおこなっている。オレンジ色の看板が目印だ。長年、質店として数多くの品の査定をおこなってきただけに商品を見る目は確か。あらゆる商品を買い取ると豪語し、スピーディーな査定と即日現金化が強みだ。
長年培ってきた豊富な取引ネットワークがあるので、常に最新の相場情報をもとにした高額査定が期待できる。また、査定をおこなうのは社内で育成した専門査定士のみというのも安心して任せられる。
店頭以外の宅配査定でも最短2日で査定結果が届き、即日厳禁が振り込まれるのも魅力。できるだけ早く商品を現金化したい人には、うってつけの業者だといえる。酒の買取でいえば取り扱っている酒の種類が多く、他店で査定を断られた酒でも査定してもらえる場合がある。商品の査定と買取には次の5つの方法がある。自分の都合に合わせて方法を選べばよい。
- ・メール査定
- ・LINE査定
- ・宅配送付査定・宅配買取
- ・出張査定・出張買取
- ・店頭査定・店頭買取
- 会社名
- 株式会社大黒屋
- 住所
- 本社:東京都千代田区丸の内一丁目6番1号丸の内センタービルディング7F
- 営業時間
- 10:00~18:00
- 定休日
- 年中無休
- 店舗からのコメント
- 買取実績No.1年間買取150万件以上
- 買取価格
- 谷風墨廼江純米大吟醸1800ml:1,800円(税抜)
リンクサス
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
リンクサスは横浜にある酒専門の買取店。実店舗は1店だけだが、メールやLINE、電話で問い合わせれば、全国どこからでも査定を依頼できる。しかも送料は店側が負担してくれるので安心だ。(離島・沖縄県をのぞく)
店のモットーは次の3つ。
- ・業界最高価格保証
- ・お客様負担”ゼロ”
- ・入金スピード
業界最高保証とは、他店でとった見積もり金額がリンクサスの査定金額より高かった場合、何度でも査定額の見直しをしてもらえるサービス。酒のプロフェッショナルが丁寧に査定をしているという自信の表れだ。
また、査定料はもちろん、宅配送料や出張買取の費用、振り込み手数料はすべて原則無料。酒を売るのは初めてという人も安心して査定を依頼できる。査定額に納得して、買取に同意すれば即日入金されるのもうれしいサービス。一刻も早く現金化したい人たちに喜ばれている。
- ・オンライン査定(ホームぺージの問い合わせフォームから申込)
- ・LINE査定
- ・電話申し込み・電話査定
- ・宅配送付査定・宅配買取
- ・出張査定・出張買取
- ・店頭査定・店頭買取
- 会社名
- LINXAS株式会社
- 住所
- 〒221-0822横浜市神奈川区西神奈川1-6-1サクラピアビル4F
- 営業時間
- 11:00~19:00
- 定休日
- 年中無休
- 店舗からのコメント
- 酒買取、高額査定・安心・スピードならお任せ!
- 買取価格
- 要相談※上限1,500円(税抜)で状態による
SPANA
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
SPANAはリンクサスと同様、実店舗1店のみの酒専門買取店。店舗は東京・新宿にある。店舗を1店に絞り、売買はインターネットを中心におこなっているので、その分店舗や人員のコストを抑えられる。このためコスト削減分を買取価格に反映させやすい。
また、酒に関する知識が乏しい一般的なリサイクルショップでは、買い取ってもらえる酒が限られたり付属品のついていない酒は査定を断られたりすることもある。しかし、酒買取専門店なら、そうした点は心配ない。酒や飲食業界の実情に詳しいスタッフが豊富な経験と確かな情報に基づき、どのような商品でも適正に査定してくれる。
このほか、宅配を使った買取では宅配キットというものを用意してくれる。宅配キットには、返送用ダンボールの中にエアシートなどの梱包材や申込書、運送業者の着払伝票な必要なものがすべて入っているので、説明書に従って商品を詰めるだけで良い。初めて買取を依頼する人も安心して送れる。
キットを使わず、配送業者からダンボールなどの梱包材を購入した場合でも、買取額に梱包材の費用を上乗せしてくれるのはうれしい心遣いだ。
- ・オンライン査定※スマホ可(ホームぺージの問い合わせフォームから申込)
- ・LINE査定
- ・電話申し込み
- ・FAX申し込み
- ・宅配送付査定・宅配買取
- ・出張査定・出張買取
- ・店頭査定・店頭買取
- 会社名
- 株式会社SPANA
- 住所
- 〒160-0023東京都新宿区西新宿7-1-7新宿ダイカンプラザA館423号室
- 営業時間
- 平日10:00〜20:00
土祝祭10:00〜15:00 - 定休日
- 日曜定休
年末年始・GW・夏季休業あり - 店舗からのコメント
- 酒買取専門のSPANA(スパナ)はワイン、ブランデー、シャンパン、ウイスキー、焼酎、日本酒など無料で査定いたします。
宅配買取や出張買取を始め、東京都新宿で店頭買取もいたしております。 - 買取価格
- 墨廼江 谷風純米大吟醸1800ml:1,700円上限(税抜)
まとめ
谷風は宮城の銘酒として広く名が知られているので状態に問題さえなければ、買取ってもらえるハズ。しかし、人気が殺到して価格が高騰するといった状況ではないのが少し惜しい。また、6月と11月の限定販売ということもあり、時期を逃せば入手しにくいが販売時期がくれば入手できるという点が評価としてはいささか微妙なところだ。
いずれにせよ日本酒自体の味の評価は高いので売却を考えているのなら早めに動くのが1番。できれば10本以上、数をまとめて店への連絡を急ぐ方がいいだろう。