白物家電で大きなシェアを得ている日立は、冷蔵庫においても大きなシェアを得ているメーカーの1つで、パナソニック、三菱電機とならび、「冷蔵庫の御三家」と呼ばれるほどである。
現在の日立の冷蔵庫の主要製品として、「真空チルド」が挙げられる。シリーズ名ともなっている真空チルドとは、チルド室を約0.8気圧の真空に近い状態にしてチルド室内を低酸素状態にする機能のことで、食物の酸化を抑制し、鮮度を保つことができるほか、栄養素の劣化も抑制し、栄養素も通常より長く保持することができる。
また、この「真空チルド」は、消費電力を抑える省エネにも優れていて、平成27年度「省エネ大賞」の製品・ビジネスモデル部門において「省エネルギーセンター会長賞」を受賞した。
Hitachi / Janitors
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日立製作所とは
日立製作所は前身の久原鉱業所から、1920年に独立して誕生した総合電機メーカーである。久原鉱業所とは、久原房之助が茨城県日立市にあった赤沢銅山を買収し、鉱山名称をを日立鉱山と変えて銅を採掘していた鉱業所で、日露戦争後の経済成長期によって大きく成長した会社だ。この久原工業所に久原から説得されて入社した小平浪平という人物なのだが、彼はのちに国産技術を高めることを目標に独立し日立製作所を設立する。
小平浪平と日立鉱山
小平は電気工学を学んだ後、広島水力電気、東京電燈と電気畑を歩いてきた人だった。そんな小平が久原工業所で携わったのは鉱山の土木建築工事と機械・電気設備の設計であった。当時の動力は蒸気機関車が主力だったのだが、先述したとおり電気畑の小平は、これを電気の力で動かせないかと取り組み始めた。
これに賛同して久原工業所へ入社し小平を支えたのは、同大卒の優秀なエンジニアたちだった。こうして小平とエンジニアたちが完成させた水力発電所によって、日立鉱山は送風・用水・輸送・電灯・精錬に至るまで電力の活用が進んでいくこととなる。産銅量の飛躍的な向上はもとより、銅山機械に使用されていた外国製のモーターを研究して国産初の5馬力モーターを開発した。このモーターの開発に自信を得て、小平は久原工業所から独立して日立製作所を創設するに至ったのである。
日本最大の総合電機メーカー
その後、時代の変遷とともに日立製作所は電気機関車・扇風機・冷蔵庫・エレベーターなどさまざまな電気機器を製造し、現在では日本最大の総合電機メーカーとなっている。業界一の電機メーカーなのはもちろん、企業規模としてはトヨタ自動車に次ぐ従業員が勤務している巨大企業である。現在のキャッチコピーは『Inspire the Next』で、「この木なんの木~」のBGMと共に、日立グループ名が映画のエンドロールさながらに流れていくCMは誰もが見たことがあるはずだ。
日立グループがつくっているモノ
現在、日立がつくっているモノは以下のとおりであり、電気に関するものならほぼ網羅しているといってもよい。なお、ここで列挙するモノは日立グループが製造している製品やシステムの一部である。
- ○ 情報・通信:ハイエンド向けストレージシステム、指静脈認証システム、現金自動取引装置(ATM)
- ○ 社会・産業:エレベーター、原子力発電システム、風力・太陽光発電システム
- ○ 電子装置:超音波診断装置(Noblus)、防災行政無線システム、半導体
- ○ 建設機械:ハイブリッドショベルカー、ダンプトラック、建設機械を遠隔管理できるConSite
- ○ 高機能材料:ネオジム系焼結磁石、ICチップと回路基板あるいはICチップ同士を接合するフィルム
- ○ オートモティブシステム:自動車前方の外界情報を認識するステレオカメラ、リチウムイオン電池、カーナビ
- ○ 生活・エコ:冷蔵庫や洗濯機の生活家電、住宅用太陽光発電システム、業務用電化製品
- ○ その他:物流センター、重量品・プラント輸送サービス
- ○ 金融:再生可能エネルギー事業、財務師リスク低減ソリューション
冷蔵庫の人気機種
小型の真空ポンプで約0.8気圧の真空環境を作り出し、食物の鮮度と栄養素を保持する「真空チルド」、プラチナ触媒により野菜室の炭酸ガス濃度を高め、野菜の呼吸を抑える事で野菜を“スリープ”状態とし、野菜の鮮度を保持する「新鮮スリープ室」、マルチバルブ制御、真空断熱材、フロストリサイクル冷却などにより省エネを実現した「真空チルド R-G5200F」。
日立の冷蔵庫の売却について
日立の冷蔵庫は、真空チルドという独自技術と省エネ性能の良さで、中古でも人気が高い冷蔵庫となっている。特に日立が得意とする大型冷蔵庫は、高額で買取される可能性が高いので、そういう意味でも高額買取が期待できるメーカーであるといえる。
買取可能なのは5年以内と言われている
ただし、生活家電については、買取可能なのは5年と言われている。買取してもメンテナンスや清掃など中古家電として販売するまでに費用がかかるが、5年以上経過すると高額では売れないため販売価格を安くせざるを得ず、輸送費なども考慮すると赤字となってしまうためである。
冷蔵庫を売るなら早めが良い
また、毎年新型が発表される生活家電では、5年も経過すると、技術的に陳腐となり、家電としての魅力がなくなるということもある。それは、日立の冷蔵庫といえど例外ではないことから、売却を検討している場合は、なるべく早く売却したほうがいいだろう。
日立の冷蔵庫の査定基準について
冷蔵庫の査定基準は、その冷蔵庫が製造された年式、その冷蔵庫の型番、冷蔵庫の需要、冷蔵庫の状態、などがある。
新しいモデルほど高値で買い取られる
冷蔵庫の年式は、当然新しければ新しいほど高額となる。そこから年式が古くなるに連れ、買取価格は下がっていき、前述のように5年を経過すると売却は困難となる。
グレードよりも需要が大事
冷蔵庫の型番は、冷蔵庫のサイズやグレードを表し、大型であるほど、グレードが高い型番ほど高額買取となる。ただ、この辺りは、冷蔵庫の需要にも関連するため、需要が低ければ、たとえ大型でグレードが高くても高額とならない可能性がある。
冷蔵庫の需要は、その冷蔵庫の人気の高低に左右される。冷蔵庫の御三家の一つである日立の冷蔵庫は、市場での人気は比較的高いといえるので、買取額が極端に安くなることはないと思われる。
綺麗な状態で売ると高額買取される可能性が高い
冷蔵庫の状態については、冷蔵庫が正常に動作するか、冷蔵庫の外観、内部の汚れなどの状況による。であるので、査定を上げるためにも、丁寧に隅々まで清掃したほうがいいだろう。また、冷蔵庫の場合、買取業者まで送付する過程でキズが付く可能性があるため、送付の際は、十分に気をつけよう。
また、付属品の有無も査定に影響を与えるので、付属品はなるべく揃えるようにしたい。
参考買取価格
買取専門店アシストにおいて、2013年製R-S42CMが15,000円で、2014年製R-S300DMVLが18,000円で、2013年製R-M6200Dが70,000円で、2014年製R-F480Dが34,000円で買取された実績がある。