フィルムカメラに愛着を持っている人は、製造が中止された以降も独特のフォルムや写真の写り具合が好きだという理由から数多く存在している。しかし、フィルムカメラを写真に現像できる店舗が少ないのも事実だ。そのため、フィルムカメラの現像も自分でしたいという人も増えてきており、昔の引き伸ばし機や暗室用品の需要も高い。
その中で、現像に使っていた暗室機材や暗室用品が不要となり、売りたい人も少なくない。この記事では、使わなくなった暗室機材や暗室用品の中古買取相場や買取可能の店舗について詳しく解説していく。
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暗室機材・暗室用品とは
フィルムカメラの現像に必要な機材や必要用品の特徴をみていこう。
暗室機材
暗室機材とは、フィルムカメラで撮ったネガフィルムに特殊な光を当てて、専用の紙に写す引き伸ばし機などを指す。引き伸ばし機を使用することで、1枚のネガフィルムから機械の精度が許す限り、大きな紙に写真として残すことが可能だ。
時代の進歩とともに、高性能のカメラにはシャッターを押した段階で引き伸ばし機がおこなう処理を自動でするため、近年のモデルでは必要のないカメラがほとんど。ただし、フィルムカメラを現像したい人が引き伸ばし機を購入する需要もあるため、買取でも状態やモデルによっては高値で取引されるものもある。
暗室用品
暗室用品とは、部屋を暗くするカーテンや赤色のランプなどを指す。引き伸ばし機を使って専用の紙に特殊な光をためるのだが、真っ暗な状態でなければ綺麗な写真にならない。また、真っ暗だと作業自体ができないため、作業に支障が出にくい赤色のランプを使用する。
他にも、紙に転写した光を写真に替える現像液や停止液などの液体やトングなども暗室用品として販売されている。一口に写真を現像するにも、作業場の確保と多くの物を使うため、暗室用品はフィルムカメラの現像に使うもの全般と捉えても良いだろう。
暗室機材・暗室用品の中古買取相場
暗室機材や暗室用品について、買取業者やオークション・フリマアプリなど取引が可能な店舗やサイトから買取相場を探っていこう。
買取業者
カメラ専門の買取業者やリサイクルショップなどで暗室機材や用品を取り扱っていることはあるが、具体的な買取金額を掲載している店舗は確認できなかった。やはり、引き伸ばし機を始めとする暗室機材は、使えることが前提で査定額がつくため、買取相場が出回っていないようだ。
オークション
大手オークションサイトであるヤフオクでは、暗室関連の商品が2019年7月時点で587件確認できた。ちなみに、落札額の平均は7,534円で、最高額は452,000円の藤本写真工業が製造した引き伸ばし機だった。
その他の暗室機材や暗室用品の相場は以下の通りだ。
- ・ファインルーペ:500~6,333円
- ・カラーアナライザー:980円
- ・現像タンク:5,250~6,980円
- ・フェローワイパー:850円
- ・引き伸ばし機:6,000~16,496円
- ・ネガキャリア:5,000~16,500円
- ・引伸タイマー:4,100~5,500円
- ・フィルムローダー:3,000円
- ・ゼンマイ式暗室時計:2,100円
- ・ダークバック:2,496円
- ・印画紙:4,600円
※2019年7月時点のデータ
ヤフオクでは、その他数多くの暗室機材や用品が取引されており、落札されている商品も多く見受けられたので、価格設定によっては売ることも可能だ。
フリマアプリ
フリマアプリのメルカリでは、暗室用品の出品数が132件以上確認できた(2019年7月の調査)。実際にどのような暗室用品が売られているのかを以下にまとめたので参考にしてほしい。
- ・ネガキャリア:5,000円
- ・印画紙:10,000円
- ・VGフィルター:2,500~11,111円
- ・セーフライト:4,000円
- ・フィルム洗浄機:9,000円
- ・ロールフィルムタンク:3,450円
- ・現像バット5枚セット:3,300円
- ・コンデンサーレンズ:5,500円
- ・トングセット(2本):1,200円
- ・引き伸ばし機(ラッキー):20,398円
- ・引伸タイマー:3,600円
※2019年7月時点のデータ
上記の商品は、あくまでも一部だがメルカリでは1,000円前後から20,000円前後で取引されているものが目立っていた。中には、引き伸ばし機を含む数点セットを80,000~243,000円で販売しているケースもある。暗室機材や用品の状態は、個人の意見なので信ぴょう性は薄いが、個人間で値段などの交渉がしやすいことはフリマアプリの強みといえる。
ジモティー
ジモティーは、住んでいる地域が近い人同士で売買をおこなう掲示版のようなアプリ。車や徒歩で物品を受け渡せる人同士で売買をおこなうため、送料を安く済ますことも可能だ。
ジモティーに出品する人は、断捨離目的で利用する人も多いため状態はまちまちだが、他のサイトよりも格安で売られている傾向がある。ちなみに、2019年7月時点でジモティーに出品している暗室機材や用品は34件確認できた。中には、暗室機材一式が必要なくなったので0円で引き渡したいという人も数名ほど見受けられた。
2019年7月時点では、以下の暗室機材や用品が販売されている。
- ・現像用バット:800~1,500円
- ・印画紙(2枚2組):100円
- ・富士酢酸:500円
- ・引き伸ばしタイマー:5,000円
- ・現像タンク:2,000~3,000円
- ・引き伸ばし機セット:15,000~70,000円
- ・引き伸ばし機:3,000~70,000円 ※2019年7月時点のデータ
ただし、ジモティーの価格は、他のフリマアプリとは異なり、送料込みでないケースが多い。また、機材など大きな荷物になると対応地域がかなり絞られるため、購入したい人と売りたい人がマッチしにくいデメリットもある。
暗室機材・暗室用品の中古買取が可能な業者
暗室機材や用品はカメラ専門の買取業者でもすべての店舗が取り扱っているわけではない。そこで、暗室機材や用品を取り扱っている買取業者を4社発見したので特徴を解説していこう。
エコランド
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
エコランドは、鹿児島県に本社を置く業務用機械や測定器、清掃機器など多くの種類を取り扱っている買取業者だ。対応地域は、全国に対応しているため、他社で暗室機材の買取を断られた際に便利である。
エコランドで取り扱っている主な暗室機材は以下の通りだ。
- ・Beselar:45MXTと23CIII-XL
- ・LEICA:FOCOMART
- ・LPL:7450~L3231-20
- ・LUCKY:450M-C、QE45 colorなど
- ・富士フィルム:ネガキャリア F67~FG69、2BG、FUJI ENLARGER F670MF
- ・エツミ:E-7065~E-7042
- ・キング:ダークカーテンDL、セーフティバック L
※2019年7月時点のデータ
実際に、エコランドでは暗室機材を買い取った実績もあることから、高額買取の有無はわからないが売ることは可能のようだ。上記の記載した以外の暗室機材や用品のメーカーも取り扱っている可能性があるため、気になる人は連絡してみると良いだろう。
スリースター商会
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
スリースター商会は、東京都に店舗を構えるカメラ製品全般を取り扱っている買取業者だ。店頭販売はおこなっていないが、暗室機材の買取は店舗持ち込みか通信買取を利用できる。そんなスリースター商会では、引き伸ばし機の強化買取をおこなっており、とくにベセラー・ダースト・LPL・FUJIのメーカーが高額買取に期待できそうだ。
実際に、スリースター商会で買取実績のある引き伸ばし機やネガキャリアは以下の通りだ。
- ・Beselar:引き伸ばし機45MXT
- ・LEICA:引き伸ばし機FOCOMART
- ・LPL:引き伸ばし機7450
- ・LUCKY:引き伸ばし機450M-C
- ・NIKON:引き伸ばしレンズEL-NIKKOR
- ・FUJIFILM:引き伸ばしレンズFUJINON-EX
- ・RODENSTOCK:引き伸ばしレンズCOMPONON-S
- ・RODENSTOCK:引き伸ばしレンズRODAGON
- ・LUCKY:ネガキャリア
- ・LPL:ネガキャリア
※2019年7月時点のデータ
続いて、暗室用品の買取実績は以下を参考にしてほしい。
- ・MASUKO:タンクリール
- ・LPL:CP32
- ・ILFORD:フィルター
- ・GRALAB:暗室タイマー
※2019年7月時点のデータ
他にも、印画紙など消費品の買取もおこなっているため、まとめて暗室機材を売りたい人におすすめだ。
えびす屋本舗
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
えびす屋本舗は、中古のカメラや暗室機材などカメラに関する製品を専門に取り扱っている買取業者だ。店舗は東京都だが、遠方の人でも宅配買取を利用することで暗室機材や用品を売ることができる。
また、えびす屋本舗では東京都中心にはなるが出張買取も実施しているため、対応エリアに含まれている人は重宝できるだろう。さらに、メールで詳細や写真を送ることで事前に無料で査定をおこなってもらうことも可能だ。
えびす屋本舗で主に取り扱っている暗室機材や用品の一覧は以下の通りだ。
- ・イーゼルマスク
- ・現像機
- ・現像タンク
- ・ネガキャリア
- ・引伸し機
※2019年7月時点のデータ
カメラ専門の買取業者でも暗室機材や用品を取り扱っている店舗は多くないため、専門知識を持った業者に買取できることは大きなメリットだ。さらに、えびす屋本舗では、レンズや本体にカビや傷などがあった場合でも買取が可能なので、買取先に困っている人におすすめ。
カメラ高く売れるドットコム
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
カメラ高く売れるドットコムは、株式会社マーケットエンタープライズが運営しているカメラ専門の買取業者だ。カメラ製品の買取実績は100万件を超えるほどなので、査定額に対しての信頼度は高い。
カメラ高く売れるドットコムの店舗は、各10地域に点在しており店舗買取だけでなく宅配買取や出張買取をおこなっているため、地域に問わず買取を利用することが可能だ。暗室機材や用品の具体的な対応メーカーや金額は、公式サイトには掲載されていなかったため、買取を希望する人は電話かWEBから無料査定を受けると良いだろう。
暗室機材・暗室用品を高く売る方法
暗室機材や用品を少しでも高く売るためのコツを3つ解説していく。
正常に動くか確認
暗室機材である引き伸ばし機やタイマーなどは、フィルムカメラの現像をしたい人にとっては需要が高いため、正常に動くと高額査定につながりやすい。逆に、いくら綺麗な機材だったとしても実際に使えなければ価値は大きく下がってしまう。というのも、カメラ本体であれば動かないモデルでもインテリアとして飾りたい人に需要があるため、動作の有無に問わず高額査定となるモデルも存在するのだ。
しかし、引き伸ばし機などは現像に使用する目的で購入する人がほとんどなので、不具合があるものだと減額査定の対象となってしまう。そのため、暗室機材や用品を使用する際は、慎重に扱うことに注意しよう。
買った商品の保管状況
暗室機材や用品は品目が多いため、製品の特性を理解して適切な保管方法を保つ必要がある。例えば、引き伸ばし機だとカビや傷などのダメージを受けやすいため、できるだけ湿気が少なくカバーや箱に入れて保管するのがベストだ。
他にも、液体を入れたトレーやトングなどは綺麗に洗って乾燥させる必要があるし、印画紙は箱にしっかりとしまっておかなければ劣化の原因となってしまう。上記は一例だが、美品であればあるほど査定額アップに期待できるため、できるだけ購入したときの状態を保つように保管方法を工夫するようにしておこう。
機材や用品の量
買取業者の中には、暗室機材1点よりも数点まとめての買取で査定を上げてくれる業者もある。そのため、現像で使用した機材や用品は、すべて同じ店舗に売った方がトータルの査定額が伸びるケースが多い。
暗室機材を1点ずつ店舗変えて売る方法もあるが、手間もかかるし査定額が伸びにくいデメリットもある。
まとめて売れば手間もかからず査定額アップにつながるため、使用済みの暗室機材や用品は1店舗に依頼するようにしよう。
まとめ
カメラを専門に取り扱っている業者の中でも暗室機材や暗室用品を取り扱っている買取業者は限られてくる。買取業者に困った際は、上記で紹介した4店舗を目安に依頼してみよう。
もし、状態も悪く買取業者では、暗室機材や暗室用品の取り扱いが不可だった場合は、ジモティー・メルカリ・ヤフオクを利用してお金に換えてみるのもおすすめだ。いずれにしても、暗室機材や暗室用品の買取で損をしないためにも中古買取の相場を理解した上で取引をおこなってほしい。