一昔前は中古品を扱う店というと、古物商や質屋といった少し入りづらいようなところばかりだったが、最近はリサイクルショップがすっかり一般的になり、子どもでも気軽に中古品の買い物を楽しむことができるようになった。しかし売ってもらうのはともかく、買い取りしてもらうとなるとまた話は別。保護者の持ち物や盗品の換金といった可能性も考えられるため、たとえ町のカジュアルなリサイクルショップといえども、未成年者からの買い取りには厳しい規制が設けられている。店によって取扱いは少しずつ異なるので、大手リサイクルショップの対応を押さえておくと良いだろう。
the boy / egarc2
CONTENTS
このコラムには、合法的な広告・宣伝が含まれている可能性があります。また、当社のサービスである「ヒカカク!」と「magi」の紹介も含まれています。
未成年者からの買い取りは、原則行われていない
結論から言うと、どんなリサイクルショップも未成年(店によっては18歳未満)からの買い取りは行っていない。「古物営業法」という法律や、各自治体の「青少年保護育成条例」によって規制されているからである。
※2022年4月より18歳に引き下げられ、17歳以下の人が買取対象外となっているが、18歳、19歳の人は買取依頼できるようになっている場合がある。2022年7月時点では大黒屋、コメ兵では20歳未満人からの買取が不可となっている。2022年4月1日の時点で,18歳以上20歳未満の方(2002年4月2日生まれから2004年4月1日生まれまでの方)は、その日に成年に達することになる。2004年4月2日生まれ以降の方は、18歳の誕生日に成年に達することになる。
未成年相手の買い取りは、どのように規制されている?
法律や条例の具体的な内容の例は、「もし保護者の同意なしに未成年から物品を買い取りした場合、その後保護者から取引解除を求められた際には、取引自体が白紙に戻ってしまう」というようなもの。つまり店側が、取引が無効になるリスクを抱えることになるわけだ。さらに言うと取引が解除になった際に、たとえばすでに第三者に売ってしまったなどの理由で「店側の手元に買い取った物がない」という事態になったら、さらなるトラブルのもとにもなる。
また、条例によっては「未成年からの買い取りは禁止」とはっきり罰則とともに記している自治体もある。このように、いずれにしても店側にとっての利益は何もなく、リスクしか生じない上に法律や条例に抵触するため、未成年相手の買い取り取引には応じないのだ。
では、未成年者が物品を売りたい場合はどうしたらいいのか?
そうすると、未成年者は自分の持ち物を買い取ってもらうことはできないのだろうか。もちろんそんなことはない。きちんと本人に売る意思があれば可能である。ただし、そこに「保護者の同意」というものが必要になる。
方法としては、基本的には保護者に同伴してもらい、保護者の名義で買い取りを行うことになる。リサイクルショップでの買い取りの際、店側は「古物台帳」というものに記録を取らなければいけないが、ここに記す名前は保護者のものでなければならないということだ。
または、保護者にあらかじめ同意書や承認書を記入してもらい、それを持参することで来店者が未成年でも買い取りをしてもらえる場合がある。どちらの場合でも保護者の許可は必ず必要となるので、多少の手間と面倒はあるだろう。ましてや保護者に内緒で買い取りをしてもらうということは、不可能に近いということだ。
大手リサイクルショップの、未成年者からの買い取り対応
大手リサイクルショップの対応は以下の通り。ここでのポイントは「18歳未満」と「未成年(20歳未満)」で対応が変わる場合があるということ。店によって違うため、しっかり確認しておきたい。
※2022年4月より18歳に引き下げられ、17歳以下の人が買取対象外となっているが、18歳、19歳の人は買取依頼できるようになっている場合がある。2022年4月1日の時点で,18歳以上20歳未満の方(2002年4月2日生まれから2004年4月1日生まれまでの方)は、その日に成年に達することになる。2004年4月2日生まれ以降の方は、18歳の誕生日に成年に達することになる。よって、以下の年齢の分かれ目が変わっている場合があるので注意してほしい。
18歳未満からは買い取らない(保護者と同伴した場合は保護者名義で買い取る)
ブックオフ系(ハードオフやオフハウスなど、系列会社全て)や、ゲオ、セカンドストリートなど。全国展開されていてもっとも知名度が高いであろう3社はすべて、18歳未満の客には保護者の同伴を求める。ブックオフ系の出張買取も、同様の対応となる。出張買取とは、店側の販売員が直接自宅など店以外の場所に来てくれて、買い取り査定を行ってくれること。話がまとまって買い取り取引が成立すれば物品を運んでいってもらえるため、来店する必要がないというもの。つまり出張して来てくれた場所に保護者がいなければ、買い取りには応じてもらえないことになる。
未成年(20歳未満)からは買い取らない(保護者と同伴した場合は保護者名義で買い取る)
トレジャーファクトリーや、買い取り工房など。トレジャーファクトリーは買い取り品目が豊富なことでよく知られているため、利用頻度は高くなりそうだが、こちらは「未成年からの買い取りはしない」なので、ブックオフ系やゲオ、セカンドストリートなどと違って18歳や19歳も、保護者の同伴なしでは買い取りしてもらうことは不可能。
大手ネットリサイクルショップの、未成年者からの買い取り対応
次に、ネットを通して買い取りをしてもらうことが可能なショップの対応について。直接の来店ができないので、保護者同伴という方法が使えない。そのため、保護者の署名や捺印のそろった同意書や承諾書といったものの出番となる。また、未成年者は利用自体できないというショップも多くある。
18歳未満は利用自体できない
買取王子、eあきんどなど。この場合は、保護者に頼んで手続きをしてもらうことになる。また、「18歳未満」なので18歳以上は利用できるが、酒類の買い取りに限っては20歳未満、つまり18歳と19歳は不可能ということになる。
未成年(20歳未満)は利用できない
Vabooなど。この場合も保護者に頼んで手続きをしてもらおう。
18歳未満は保護者の同意書が必要
メディア買取ネットなど。サイト上に用意されている同意書をダウンロードして印刷し、保護者の署名をもらう必要がある。また、後日保護者に直接確認の連絡が入る場合もある。
未成年(20歳未満)は保護者の同意書が必須
バリューブックス、ブックサプライなど。同意書をダウンロード、印刷、署名…という作業自体が面倒なので、いっそのこと保護者に手続き自体を頼んでしまう方が手っ取り早いという場合もあるかもしれない。
まとめ
結局未成年者(場合によっては18歳未満)がリサイクルショップで買い取りをしてもらいたい場合は、手続きの形はどうあれ、ほぼ100%保護者の許可と同意が必要ということになる。そこにどんな事情があろうと、法律や条例で定められている限り例外は認めてもらえないと考えておくべきだろう。多少の面倒や手間はあるが、正規の手続きを踏んで買い取ってもらうことになる。
その場合、「18歳未満」「未成年(20歳未満)」で対応が異なる店もある。ただでさえ面倒の多い手続きになるので、きちんとした準備をしておかないとさらに二度手間や行き違いになることもある。買い取りをお願いしたいショップ調査は入念に行い、確実な用意をしておくようにしよう。