スマートフォンを利用する場合、多くの人は、NTTドコモ、au、ソフトバンクといういわゆる3大キャリアと契約して通話やデータ通信を利用しているが、近年、MVNOと呼ばれる新しい形の通信会社が、契約数を伸ばしている。
MVNO(Mobile Virtual Network Operator、仮想移動体通信事業者)とは、通信回線を3大キャリアから借りて通信事業を行う通信会社のことで、巨額な費用が必要な通信回線の設営や管理がなく、その分の費用を利用料金の引き下げに回していることから、3大キャリアより安い利用料金が実現できていることが大きな特徴となっている。
さらに、3大キャリアの通話回線を利用しているため、速度や安定性といった通信回線の品質も、3大キャリアほどではないが実使用には問題ない場合も多く、安い利用料金を考えれば、コストパフォーマンス的に3大キャリアを上回る場合もある。
そのため、MVNOを乗り換えるユーザーも増えていき、現在では、3大キャリアもMVNOを無視できないほどの勢いとなってきたのである。
今回は、MVNOの中から楽天モバイルのデータ通信プランについて記載する。
楽天モバイル_3 / TAKA@P.P.R.S
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楽天モバイルとは
楽天モバイルは、楽天市場など多くのインターネットサービスを手掛ける大手IT企業の楽天傘下のMVNOである。
楽天モバイルは、2014年10月からサービスを開始した新興のMVNOの中では比較的古参となる通信会社で、利用料金は、他のMVNO同様に3大キャリアより安く、また、NTTドコモの回線を利用しているため、通信品質も良いことから、MVNOの中では高いシェアを獲得するなど、人気の高いMVNOとなっている。
また、楽天モバイルは、契約すると毎月楽天が提供するサービスで利用することができる楽天ポイントを貯めることができるほか、貯めた楽天ポイントで楽天モバイルの利用料金を支払うこともできる。
さらに、楽天モバイルユーザーは、楽天が提供するサービスを利用すると、貰える楽天ポイントが通常より多いなど、楽天傘下の楽天モバイルならではのお得なサービスもあり、楽天が提供するサービスを利用する人は、楽天モバイルを利用したほうが色々とお得かもしれない。
楽天モバイルのデータ通信について
MVNOが設定しているプランは、3大キャリアのように音声通話+データ通信プランだけでなく、データ通信専用のプランを設けていることが多い。データ通信専用プランは、通話することができないが、その分利用料金は安く設定されている。
別に通話手段を持っていて、MVNOをデータ専用として割り切って利用する場合は、データ通信専用のプランはお得なプランといえるだろう。
楽天モバイルも他のMVNOのように、音声通話+データ通信プランのほかに、データ通信プランが用意されている。そして、楽天モバイルは、データ通信プランにSMSが使用できる050データSIMプランが用意されている。
この「050」というのは、050データSIMを利用しているユーザーに割り当てられるIP電話の番号のことで、050データSIMは、データ通信を利用したIP電話による音声通話も可能なのである。
IP電話なので、音声通話プランで電話をかけるより安く通話をすることができるなどのメリットがあるが、110、119、0120から始まる番号にかけることができない、音声通話プランのオプションである5分間かけ放題などのサービスを利用することはできない、といったデメリットもある。
このように楽天モバイルには、音声通話プランのほか、データ通信プラン、さらにSMSとIP電話が使用できる050データSIMプランもあるので、自分の使用目的に合ったプランを選択するといいだろう。
データ通信プランの料金について
楽天モバイルのデータ通信プラン(データSIM)は、以下のようになっている。
- ベーシックプラン:525円
- 3.1GBプラン:900円
- 5GBプラン:1,450円
- 10GBプラン:2,260円
- 20GBプラン:4,050円
- 30GBプラン:5,450円
(050データSIMプランは、上記に+120円(30GBは+70円)した金額が月額利用料金となる)
左が、1カ月で利用できるデータ通信量、右が月額の利用料金となっている(金額は税別)。
ベーシックプランは、1カ月で利用できるデータ通信量が無制限であるが、データ通信速度が、最大200Kbpsに抑制されているプランである。
楽天モバイルの通信速度は、公称で最大で500Mbpsであるので、200Kbpsというと最大速度の約1/2500というかなりの低速となるが、データ通信量の制限がないのは魅力的であるといえるかもしれない。
200Kbpsという速度では、動画の視聴やデータ量の多いウェブサイトの閲覧、アプリなどの大容量のコンテンツのダウンロードなどには不向きであるが、ツイッターやLINEといったSNSの利用や、チャットの利用、メールの送受信、テキストベースのデータ容量の少ないウェブサイトの閲覧程度であれば、200Kbpsでもそれほど困らないと考えられる。
そのため、ベーシックプランは、SNS利用をメインにした人向けのプランと言えるだろう。
楽天モバイルのデータ通信プランの月額利用料金であるが、他のMVNOの月額利用料金と比べると、最安値と言うわけではないが、比較的安い方といえるだろう。
特に、3.1GBプランは、他のMVNOのほとんどが3GBプランなのに対し、楽天は、同じような月額利用料金で0.1GB分だけ利用できるデータ通信量が多く、その分お得といえるかもしれない。
利用するデータ通信量が、契約したデータ通信量を超えた場合は、通信速度が、最大で200Kbpsに制限される。この通信制限は、翌月の1日まで継続されるが、容量追加パックを購入しデータ通信容量の上限を増やすことで、速度制限を解除することもできる
容量追加パックの料金は以下のようになっている。
- 300円/100MB
- 550円/500MB
- 980円/1GB
上記の金額であるが、100MB当たりの料金を考えると、980円/1GBが一番安く、980円/1GBを購入した方がいいかもしれない。
また、他のMVNOでは、1カ月のデータ通信量のほかに、3日間で決められたデータ通信量を超えた場合に速度制限がかかる場合があるが、楽天モバイルは、3日間の通信容量制限がないため、契約したデータ通信量を超えない限り、1日でいくら利用しても速度制限がかかることはない。
楽天モバイルの通信速度について
楽天モバイルの通信速度についてだが、MVNOの通信速度を比較するサイトなどを確認する限り、速度が速いほうとはいえないようだ。
特に、平日昼などは、かなり通信速度が遅くなり、平日昼間には快適に使用できるとは言い難い速度になる場合が多い。
ただし、平日昼間の通信速度が遅くなるのは、3大キャリアの回線を利用しているMVNOのほとんどが同じような傾向となるので、楽天モバイルだけの現象ではない。
平日昼間は、通信量が多くなるため、3大キャリアの回線を利用しているMVNOに回す回線容量が少なくなるため、MVNOの通信速度が低下してしまうのである。
このため、楽天モバイルなどMVNOを利用している場合は、平日昼間にデータ通信量を多く利用する動画の閲覧やコンテンツのダウンロードは、避けた方がいいかもしれない。
また、通信速度は、測定する地点や利用する端末など様々な条件に左右されるため、測定データが遅くても、場合によっては、通信速度はそこまで遅くない事もある。
そのため、MVNOとの契約を検討している場合は、利用を予定している場所での通信速度について、そのMVNOの利用者などがいれば、利用者に聞いたり、端末を借りて通信テストをしたりするなどして、よく確認したほうがいいだろう。
楽天モバイルとデータ通信プランの料金などについて記載したが、楽天モバイルは、料金は他のMVNOに比べると安い方で、低速だがデータ通信量無制限のベーシックプランから、大容量の30GBプランまで、利用者に合わせて様々なプランが用意されている。
楽天モバイルの通信速度については、他のMVNOに比べて断トツに速い、というわけではなく、状況によっては期待したほど速くない場合もあるが、通信速度は、様々な要因で決まるため、通信の安定性などの通信の品質などを重視したほうがいいかもしれない。
楽天モバイルは、総合的に考えると、コストパフォーマンスが高いお勧めのMVNOといえるだろう。
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