リアルファーの価値を知るうえで1つの参考になるのが毛皮の種類だ。コートやショールなどに用いられる毛皮には、ミンクやフォックス、セーブルなどのさまざまな種類がある。買取店の査定の相場は、このような毛皮の種類によってだいたい決まってくることが多い。
品物の状態やアイテムのカテゴリーが同じときは、毛皮の種類が買取価格を左右するポイントになるだろう。今回は、毛皮の買取相場や価値を動物の種類別に紹介していく。
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セーブルの価値と買取相場
イタチ科に分類されているセーブル(クロテン)には、ロシアンセーブルやカナディアンセーブルなどの複数の種類がある。日本の北海道に生息しているエゾクロテンも、このようなセーブルの仲間だ。
セーブルの価値
セーブルは、毛皮でもとりわけ価値が高い。買取店でもセーブルの毛皮には高額な価格をつけている。美しい黒褐色のセーブルの毛皮は、滑らかな質感とツヤを持つのが特徴で、王侯貴族たちにも古くから愛されてきた歴史がある。セーブルでも最高級品と称されるのが、ロシアンセーブルだ。
セーブルの買取価格
セーブルのロングコートの場合、10万円以上の価格がつくケースが少なくない。ロシアンセーブルのような希少性が高い毛皮であれば、買取価格は20万円~40万円前後まで上がることもある。フェンディ(FENDI)などの有名ブランドの製品は、ブランドの価値も加わるため査定価格が一般的に上がりやすい。
SOBOLのタグが付いた毛皮は高価買取の対象
SOBOLのタグが付いているロシアンセーブルの毛皮は、とりわけ高く評価される傾向がある。品質を保証するSOBOLのタグがあるかどうかは、買取店でもチェックポイントにしていることが多い。
実際にある買取店では、SOBOLのタグが付いたロシアンセーブルのコートに軒並み10万円~20万円台の価格を付けている。ヤフオクでも、SOBOLのタグが付いているセーブルは落札価格が高い。買取に出すときには、このような品質表示のタグが取れていないかどうかをしっかりと確認しておこう。
使用されている毛皮の分量で価格が変わる
セーブルのように毛皮そのものの価値が高い場合、どのくらいの分量が使われているかも価格をわけるポイントになってくる。使用されている毛皮の量が多いロングコートやブルゾンなどは、それだけ買取価格も高くなるのが一般的だ。毛皮製品の買取では毛皮の質と量が重要視される。こういった傾向がとくに顕著に現れるのが、セーブルの特徴と言えるだろう。
ミンクの価値と買取相場
セーブルと並んで人気があるのが、同じイタチ科のミンクの毛皮だ。ミンクの場合は、カラーの種類や加工方法によってそれぞれの毛皮に個性が見られるのが特徴になっている。シックなブラックからエレガントなブラウン、スタイリッシュなシルバーまでさまざまなカラーが出回っており、商品のバリエーションは幅広い。
ミンクの価値
艶やかな質感と手触りの良さが楽しめるミンクは、毛皮でもセーブルと同様に価値が高い。ミンクの毛皮には適度な保温効果があるため、寒い季節の防寒具としても活躍してくれるのが人気の一因だ。
また、この毛皮は耐久性にも優れており経年劣化によるダメージが比較的少ないと言われている。ミンクは毛色が豊富で、上品な雰囲気のブルーアイリスや神秘的なブラックグラマなどはとくに人気がある。
ミンクの買取価格
ミンクのロングコートの買取価格は、3万円~6万円前後の場合が多い。あるお店では、サファイアミンクのロングコートを3万円で買取している。ちなみに、こちらのお店のブラックグラマのコートの買取価格は4万円となっており、毛皮の種類で買取価格が1万円前後異なる。
買取価格について知りたいときは、所有しているミンクの種類を調べておこう。同じ種類でも買取店によって評価が変わるケースがあるため、査定額の比較をしっかりとしておくことが大切だ。
サガミンクは高価買取されやすい
ミンクの商品登録のブランドが、サガミンク(SAGA MINK)である。このブランドに分類されている毛皮は、最高給のグレードが保証されているため、高価買取されることが多い。
サガミンクでも、とくにグレードが高いのがSAGA LUMI ROYALやSAGA ROYALだ。このようなミンクを持っているときは、どこの買取店に相談しても高い価格がつくと予想される。価値が高い毛皮は、買取店の評判などもチェックしてから売るのがベストだろう。流通ルートが整っている買取店なら正当に価値を評価してくれる可能性が高い。
チンチラの価値と買取相場
高価買取されやすい毛皮には、チンチラも挙げられる。チンチラはコートやショール、マフラーなどに幅広く使われているポピュラーな毛皮の1つだ。ソフトなグレーカラーのチンチラは、和装から洋装まで合わせられる毛皮として人気がある。
チンチラの価値
チンチラは、美しい色合いや繊細な肌触りが特徴である。幻の毛皮と称されるだけあって、希少性が高く手に入りにくい。そのため、中古品の買取でもセーブルやミンクと同様に査定額が高額になることが多く、大手の買取店でも高価買取の対象の1つになっている。
チンチラの買取価格
少し丈が短いショートコートでも、チンチラの場合は6万円~10万円前後の価格で買取されることがある。毛皮の分量が多いロングコートについては、15万円前後で買取しているお店も見られる。状態などにとくに問題がなければ、かなりの高額査定が期待できるだろう。
また、チンチラの場合は大判のストールやショールにも3万円~6万円前後の金額が付いている。毛皮製品でもファッション小物は買取価格が下がることが多いが、チンチラの場合はおおむね評価が高い。
毛皮の状態が価格を分ける可能性がある
チンチラを売るときに少し注意をしたいのが、毛皮のダメージだ。チンチラの毛皮には刺し毛と呼ばれる毛がなく、柔らかい綿毛だけなのが特徴になっている。そのため摩擦などの影響を受けやすく、使い方によってはダメージが目立つケースがでてくる。
買取店の査定でも、チンチラの場合は品物の状態が少し厳しくチェックされる可能性がある。このような毛皮は、できるだけ早く査定に出したほうが高く買い取ってもらえるかもしれない。保管中に万が一ダメージが生じてしまうと、大幅な減額をされるケースもあるため注意が必要だ。
フォックスの価値と買取相場
キツネの襟巻などで知られるフォックスは、日本人にとってもなじみがある毛皮の1つかもしれない。フォックスの毛皮は、カラーバリエーションが豊富なのが大きな特徴に挙げられる。
グレーのブルーフォックスや柔らかいベージュのゴールデンフォックスなどは、毛皮の定番として人気が高い。ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)やフォクシー(FOXEY)などの有名ブランドのラインアップにも、フォックスをあしらったアイテムがたびたび登場している。
フォックスの価値
フォックスの価値は、種類によって変わる傾向がある。買取に出すと高価買取されることが多いのが、サガフォックス(SAGA FOX)などの専門団体のお墨付きを得ている毛皮だ。また、希少性が高い毛色の毛皮も一般的に価値が高くなる。
フォックスの買取価格
多くの買取店では、フォックスのコートに2万円~5万円前後の金額を付けている。ハーフコートの場合は、だいたい1万5千円前後が相場と言える。ゴージャスな雰囲気のロングコートは、3万5千円~5万円ほどで買取されるケースも多い。ショールやストールなどのファッション小物の場合は買取価格が下がり、1万円以下になることもある。
市場に出回る数が多い品は価格が下がりやすい
フォックスの毛皮は5万円前後の価格で高価買取される品がある一方、1万円に満たない金額が付く品もある。このような差が生じる一因になっているのが、市場に出回る数の違いだ。
フォックスの毛皮製品は以前から人気があるため、所持している人の数が多い。似たようなデザインの量販品は、買取店でも知らず知らずのうちに在庫が増えていることがある。市場に出回る数が多く希少性が低い品は、品質が良くても査定額が下がるケースが少なくない。こういった品を高く売るには、ほかの品物とまとめ売りをするなどの工夫が必要になる。
ラビットの価値と買取相場
ウサギの毛皮を使ったラビットファーは、比較的手に入りやすい毛皮と言える。ラビットファーはコートはもちろんのこと、ストールや手袋、バッグなどにも用いられることが多く若い女性からもニーズが高い。襟元や袖口のトリミングに使われるなど、デザインの1つにラビットファーを取り入れているアイテムも多く見られる。
ラビットの価値
ラビットのアイテムは数が多いこともありほかの毛皮と比べると買取価格は安くなる。ただ、有名ブランドのアイテムには一部例外もある。海外のラグジュアリーブランドの製品などは、査定価格もおおむね高い。
ラビットの買取価格
お店でラビットのコートなどを売る場合、買取価格はだいたい5千円~1万円前後と考えられる。ブランド品だったり、インポートの洒落たデザインだったりすれば、査定価格はもっと上がるかもしれない。
また、購入したばかりの新品を売るときも高額査定が期待できる。毛皮の買取でも使用感がある品より新品のほうが査定価格が上がる。購入したときの箱や外袋などがそろっていれば、減額されるリスクも少なくなるだろう。
保管方法に注意をするのが高く売るコツ
ラビットファーのアイテムをできるだけ高く売るには、品物のダメージを極力減らす必要がある。毛皮はカビや毛落ちなどがあると価値が下がってしまう。ミンクやセーブルなどの高額な金額が付く毛皮でも、この手のトラブルは減額の対象だ。
ラビットファーの場合はもともとの相場が安いため、減額をされてしまうと利益が出ない可能性があるのが難点である。また、毛皮は香水やたばこのニオイ移りも減額の対象になる。着用中はもちろん、売る予定があるときは保管場所の環境にも注意を払おう。
まとめ
セーブルやミンク、チンチラ、フォックス、ラビットの毛皮の特徴や買取相場についてご紹介した。毛皮にはそれぞれの特徴があり、お手入れの方法も異なってくる。価値ある毛皮の製品を売るつもりの場合は、しっかりと良い状態を保てるように日頃のケアをしておくと後々の高額査定につながるだろう。
手放すときは、必ず複数の買取業者に査定を依頼するようにしてほしい。1社だけでは高価なリアルファーの価値がわからない査定士に見られてしまう可能性もある。そうならないためにも、何社かに相談してより良い取引ができるところと相談していこう。