国内のものだけでなく海外の民芸品も、ときに高値で買取ってもらえることをご存知だろうか。ご自身のコレクションや遺産の処分を考えている方には、買取に出すという選択肢もあるのだ。そもそも民芸品とはどんな作品を指すのだろうか。
工芸品という言葉もあるが一体両者には明確な違いがあるのだろうか。そういった基本情報を踏まえた上で、民芸品の買取実績や高額買取のコツ、さらにはおすすめの買取業者まで紹介するのがこの記事の目的である。
民芸品の売却を考えている人だけでなく民芸品に興味がある人にとっても有益な情報をお届けできるはずだ。ぜひ参考にしてもらいたい。
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民芸品の誕生
民芸品とは、庶民の日常生活の中で生まれたその地方ならではの手工芸品を意味する。民芸品と名付けられたのは1920年代に入ってからのことだ。思想家であり宗教家であった柳宗悦を中心に民藝運動が始まったのだった。
それまでの工芸界と言えば華やかで美しい観賞用の作品が主流だった中、柳たちは、庶民の職人たちが作る日常生活で使用する道具もそれらに負けない美しさがあると提唱したのだ。当時工業化や近代化が進み、手作りから大量生産へと時代がシフトしていく中で、手仕事の作品が失われていることに警鐘を鳴らしたとも言える。
やがて1960年代から1970年代にかけて民芸ブームが巻き起こる。高度経済成長期の中で地方の文化に再度スポットライトが当たったのだ。人々は懐かしさを感じられる民芸品を買い求めた。
柳宗悦の足跡
民藝という造語を生み出し、民藝運動の父と呼ばれる柳宗悦とはどんな人物であったのだろうか。柳の生涯を簡単に辿ってみよう。1889年に柳は東京麻布で生まれた。
学習院高等科在学中には武者小路実篤や志賀直哉たちと白樺という雑誌の発刊メンバーとして活躍した。1916年以降は朝鮮半島の造形美術の世界に魅了され、1924年にはソウルにて朝鮮民族美術館を解説した。そこに飾られた多くの作品は、それまで美的価値を認めるものがいない、無名の職人が作った日常生活で使用する道具だった。
やがて柳は日本の職人が手掛ける道具にも着目するようになる。そして1925年には民衆の暮らしの中から生まれた美の価値を広めるべく民藝という言葉をつくり出したのだった。次第に柳の思想に共鳴する人が増えていき、1936年には日本民藝館が目黒区に開設された。庶民がつくり出す美の価値を追い求め続けた柳は72歳でその生涯に幕を下ろした。
民芸品と工芸品の違い
民芸品と似たような言葉に工芸品がある。果たして民芸品と工芸品には明確な違いがあるのだろうか。根底的には地方の風土や文化に根付いた日用使いの手工業製品であるという共通点を持つ一方で、厳密には違うとも言える。その違いとは作者のネームバリューにある。
工芸品は、伝統技術・技法・素材を受け継いだ、資格を保有した職人が作るものを指すことが多い。作者の名前がブランドのロゴのように印字・記載されることも珍しくない。
一方民芸品は先述の通り、名もなき職人によって作られる日用品を指す。工芸品は昔から価値の高い作品と受け止められていた一方で、民芸品は柳宗悦らによって初めてその価値が掘り起こされたと言える。
民芸品の買取実績
無名の職人によってつくられている民芸品がどれほどの価値があるのか気になるところではないだろうか。買取業者による買取実績と、ヤフオク!での落札情報の一部をご紹介しよう。
買取業者による買取実績
買取業者である浪漫ドロップの公式サイトにて複数の民芸品の買取実績が掲載されていた。
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
- ・薬缶など茶道具(多点):20,000円
- ・茶器セット:10,000円
- ・アンティーク着物:3,000円
ヤフオク!での落札情報
ヤフオク!でも多数の民芸品が出品・落札されている。
- ・熊の木彫り置物:135,600円
- ・木彫り天狗のお面:120,000円
- ・アイヌ木彫り子刀:59,000円
- ・エクアドルの独楽(多点):10,500円
買取業者によって買取られる場合、品物によっては10,000円以上の値で取引されている。ヤフオク!の場合はさらに金額幅が広く、安いものは数百円、高いものになると100,000円以上で落札されている。民芸品と一口に言ってもジャンルもさまざまなので一概に判断することは難しいが、買取相場の参考情報として取り扱ってほしい。
民芸品を高額買取してもらうコツ
続いて民芸品を高額買取してもらうときのコツを紹介していこう。これを知っていると知らないとでは買取金額が大きく変わってしまうことが起こりうる。せっかくお持ちの民芸品を少しでも高く売れるようにぜひ参考にしてもらいたい。
民芸品をセルフクリーニングする
査定の際に鑑定士が最もよく見るポイントの一つが品物の状態だ。ホコリかぶっていたり、汚れが目立ったり、一部が割れていたり欠けていたりすると大きく評価を落としてしまう。
破損しているものは無理に直す必要はないが、ホコリや汚れは自分できれいにすることができる。拭き掃除をしたり、ハンディタイプのお掃除グッズを使うなどして売りたい民芸品の状態を整えておくようにしよう。
専門買取業者に依頼する
民芸品はブランド品とは違い相場が存在しない。したがってその価値の大きさは鑑定主の経験や知識に委ねられるところがある。
そのため、民芸品の知識が十分でない買取業者と取引しようとすると、安い査定額を提示されるか、最悪の場合値が付かなくなってしまう。そういったこと避けるためには、民芸品や工芸品を専門に扱う専門買取業者に依頼するのが一番だ。
付属品を一緒に買取に出す
民芸品の場合最初から品物が剥き出しで売られている場合も多いが、もし外箱などの付属品がある場合にはそれを一緒に買取に出すことをおすすめしたい。それも高額買取の一つの条件となる。本来付属品がある作品にもかかわらず買取に出せない場合は、反対に査定額が大幅に低くなってしまう恐れがあるため注意しよう。
複数の買取業者で査定額を入手する
先述の通り民芸品には相場が存在しないため、鑑定士によって付ける値段がバラバラだ。したがって1店舗目の買取業者で提示された金額が最も高額であるという保証はない。そのため複数の買取業者に査定依頼をすることが重要だ。
また買取業者によって買取を強化している民芸品のカテゴリーが違ったりもする。もしお持ちの民芸品が買取強化カテゴリーに属していたら、それだけでより高額買取してもらえるチャンスが高まるのだ。
そんなチャンスを逃さないようネットでも情報収集しつつ、1つの店舗に決め打ちすることなく慎重に買取業者を比較・検討してほしい。一番好条件を引き出せた買取業者に買取をお願いするようにしよう。
民芸品海外民芸品のおすすめ買取業者
最後に民芸品海外民芸品を売る際におすすめしたい買取業者を紹介しよう。
呂藝
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
最初に紹介したいのが呂藝だ。東京杉並区に店を構える。荻窪駅から徒歩2分の好立地が特徴だ。
呂藝は民芸品・工芸品・骨董品などを専門に取り扱っている。創業からすでに35年以上が経っており、長きにわたって査定・買取をおこなっているため信頼できる。豊富な販売ルートも持ち合わせているために高額買取が可能なのだ。
特に強みとしているのが古布や染織品についての知識だ。民芸品に造詣の深いスタッフが鑑定をおこなってくれるため、本来の価値を正しく評価してくれることが期待できる。呂藝の買取方法は、出張買取・店頭買取・宅配買取の3つだ。
出張買取も全国無料でおこなっている。まずは査定をお願いしたい場合にはLINE査定にも対応している。呂藝のLINEアカウントと友達登録したあと、スマートフォンなどで撮影した品物の写真を送信するだけで簡易的な査定をしてもらうことができる。その際はサイズや入手経路など品物に関する情報をできるだけ詳しく伝えるようにしよう。
水無月
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
続いて紹介したいのが水無月だ。こちらも20年以上続く歴史ある買取業者だ。海外のものを含む民芸品を中心に、こけしや郷土玩具などの買取をおこなっている。
水無月の買取方法は、出張買取、宅配便・郵送、店舗持込の3つだ。査定歴の長い専門スタッフが丁寧に査定をおこなう。ご自身のコレクションを売却したいときだけでなく遺品の整理を希望する際も水無月は相談に乗ってくれる。
やましょう
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
やましょうは美術工芸品、陶磁器・陶芸品を専門に取り扱う買取業者だ。出張買取・宅配買取・店頭買取の3つの買取方法がある。その他メールで問い合わせをすることもできるし、LINE査定もおこなっている。
また、やましょうのホームページにはコラム記事も存在する。そこでは買取実績が紹介されているほか、遺品整理をするタイミングなど、利用者のためになる情報が掲載されている。実際に買取に出す前に読んでみると参考になる情報も多いから、一度やましょうのホームページも訪れてみてはいかがだろうか。
実店舗は東京都練馬区の大泉学園店と、埼玉県狭山市の狭山店の2店舗だ。大泉学園店は買取専門店だが、佐山店は販売までおこなっている。
エコランド
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
エコランドも民芸品海外民芸品の売却におすすめしたい買取業者だ。エコランドは買取業者の中でも特に取り扱いアイテムが一際多いことで知られている。一般的に取り扱われることの多い、高級ブランド品やカメラだけでなく、業務用機械、園芸用機器、釣り具用品などまで買取対象だ。
エコランドは宅配買取のみ取り扱っている。エコランドが利用者に喜ばれる特徴の一つが買取依頼を24時間対応している点だ。
どうしても急ぐという利用者のために、携帯電話にていつでも買取依頼を受け付けている。緊急性の高い買取依頼が必要な場合は特にエコランドは重宝することだろう。
まとめ
民芸品と名付けられるまで、無名の職人によって作られる日用品の美術品としての価値はゼロに等しかった。そんな日用品を民芸品と名付け、価値を見出した柳宗悦の功績は大きい。高度経済成長期の1960年代から1970年代にかけて民芸ブームが巻き起こった。
機械による大量生産に反動するかのように職人手作りの民芸品にスポットライトが当たったのだ。歴史は繰り返すとも言われる。今後ますます技術が発展していく中で、再び民芸品に注目が向けられる日が来るかもしれない。 しかしそのときまで買取依頼を待つ必要はない。必要とされるものはいつの時代にも需要はあるものだ。ご紹介した通り、中には数万円~10数万円で取引される民芸品も存在する。
昔のものだから売れないのではない。むしろ昔のものだからこそ価値があったりする。処分をお考えの民芸品海外民芸品をお持ちの場合は、まずはぜひ査定依頼をおこなってみてほしい。