池田遙邨(いけだ ようそん)は、日本を代表する画家である。多くの作品は、倉敷市立美術館に寄贈されているものの、彼の作品を所有している愛好家も多数いる。池田遙邨は文化勲章も受賞した画家であり、彼の作品の評価は高い。
もし家に眠っている遙邨の作品があるならば、次の鑑賞者に譲る時期が来ている。できるだけ高く評価してもらい、次のオーナーに譲り渡そう。今回は、池田遙邨の来歴や作品の特徴を振り返りながら、作品の価値や買取相場情報をお伝えする。
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池田遙邨 日本画・作品の来歴と特徴
まずは、池田遙邨の来歴や絵画の特徴を振り返っておこう。
池田遙邨 日本画・作品の来歴
日本画に詳しい人ならば、池田遙邨を知らない人はいないだろう。池田遙邨は1985年に岡山で生まれた画家である。生涯において8000点以上の作品を描いたといわれている。小さな頃から絵を描くのが得意だった遙邨は15歳のときに大阪の天彩画塾で洋画を学び始める。19歳になる頃には才能を発揮し、文展にて初入選を果たした。そのときに出展した絵画が「みなとの曇り日」という絵画だ。
この後から、遙邨は日本画に魅了されるようになり、1919年に修行を開始する。「南郷の八月」が入選した後は、日本画壇として有名になった。大正後期になると、悲しげな作品が増えていく。これは、ドフトエフスキーやムンク、ゴヤなどに影響を受けたためといわれている。
人間のはかなさに気づき、それを日本画に映し出していったのだ。その後に描いた「災禍の跡」では、関東大震災の悲惨さを描いた。人間の悲しさやはかなさを強く表現した作品となっている「災禍の跡」は、遙邨の代表作の1つであるが、当時の帝展では落選という結果だった。
洋画から日本画へと大きな転身を図る遙邨だが、その後も作風は変化していく。昭和に入ると、次々と彼の絵画が特選に選ばれていく。その作品群の中には、昭和の風俗とそこに生きる人間を表現したものが多かった。同時に、歌川広重に影響を受け、東海道を歩いて旅をし、「昭和東海道五十三次」という大作を仕上げている。
その後は風景画に傾倒し、ユーモアのある作品を打ち出した。写生的なこだわりはなく、独特の表現力で「幻想の明神礁」や「森の唄」を描きあげた。これらの作品は評価され、1960年には日本芸術院賞を受賞している。
晩年には、山頭火シリーズに情熱を傾けた。俳人・種田山頭火に想いを馳せ、旅の憧れを絵画に描いた。旅と人間を愛した遙邨は、92歳で永眠した。「125歳まで生きなければ」という想いは実現しなかったが、その情熱や想いは作品に描かれているだろう。
池田遙邨 日本画・作品の特徴
池田遙邨の作品が面白いのは、初期から中期、晩年にかけて作風が変化していくことだ。同じ人物が描いた絵とは気づかない人もいるだろう。それくらい作風が少しずつ変化していくのが特徴の画家である。
初期には洋画を描き、その後日本画へと転向する。日本画の中では、風景の中の人物画を描き、その中に人間の内面を映し出した。関東大震災の影響で悲観的だった作風が生きることというテーマに変化したというのも作風の変化の1つといえるだろう。
晩年は旅の絵画に情熱を傾け、日本芸術史でも大きな足跡を残し、与えた歌川広重や種田山頭火の影響を受けているのも特徴といえる。池田遙邨の作品は、風景画あるいは風景の中の人物画が多いが、その中でも際立つのが狐や狸の描写だ。トレードマークともいえるこの動物たちは自然の温かみや恩恵を表現しているともいわれている。
見ている人に安心感を与える遙邨の作品の動物たちは、遙邨の人柄を表しているかのようだ。現在遙邨の絵画の多くは、倉敷市立美術館に収蔵されている。遙邨の本籍地が倉敷であったことから、多くの作品が寄贈されたのだ。
その後、遙邨本人だけでなく遺族からも寄贈を受け、現在でも多くの作品が倉敷市立美術館で展示されている。倉敷市立美術館では絵画だけではなく、日常の些細な出来事を描いた作品も展示されている。「絵日記」といわれるスケッチは絵を描くことの美しさ、楽しさが伝わってくる作品だ。風景の中に幻想性が入り混じる作品は、今でも私たちの心に響く作品となっている。
高価買取査定のポイント
池田遙邨の作品をできるだけ高く買い取ってほしいものの、どのような観点から査定がおこなわれるのかわからない人も多いだろう。そこで、日本画・作品の高価買取査定のポイントを見ておこう。
人気作家であるか
絵画の場合、人気作家の作品であればやはり値は上がる傾向にある。これとは逆に、人気のない作家の作品は基本的には価値が下がってしまう。次の買い手がつくかどうかも大事な査定ポイントであるということだ。人気作家の場合は名前で売れていくが、そうでない場合はよほど有名な作品か、好まれるモチーフを描いた作品でない限り、良い価格はつかないことが多い。
知名度は高いか
作家や作品の知名度も重要だ。人気作家である=知名度は高いということになるが、中には、作家自身はそれほど知名度は高くないものの、作品の人気が高い場合もある。人気、知名度どちらも重要な査定ポイントとなる。
歴史的な価値は高いか
歴史的価値の高い作品も高い値がつきやすい。ご存知の通り、歴史的価値の高い作品に関しては、美術館などの施設に買い取られていくのが一般的だ。しかし、絵画のコレクターも歴史的価値の高い作品を買い取ることがある。
その場合、買取価格は高くなるといえるだろう。池田遙邨ほど有名な画家であれば、コレクションとして集めている人も一定数いると考えられる。
絵画の状態
絵画の状態は、日本画・洋画に関わらず大切だ。汚れやシミがあれば大きな減点ポイントとなってしまう。逆に、大きなキズもなく、汚れも手入れして取れる程度のものであれば、作品の価値にはほとんど響かないだろう。
額にキズがある場合は価値が下がるのかとう質問が出ることもあるが、額自体に美術的価値がない限り、額のキズは査定には影響しない。気になる方も多いかもしれないので、念のために補足しておく。
このように、日本画・作品の査定にはいくつかのポイントがある。有名作品かどうか、人気のある作品などはインターネットでもチェックできるので事前に見ておくと良いだろう。また、絵画のホコリなどは自分で簡単に拭き取っておこう。
査定前に確認しておくポイント
絵画の場合査定に出す前に、当該絵画の概要をチェックしておくと査定がスムーズになる。査定前に以下を確認しておこう。
作品名、作家名、絵画のタイトル
絵画には名前がつけられているのが一般的であるため作家名や作品名、タイトルなどは事前に確認しておきたい。これがわかるだけで、鑑定士もおおよその価格の判定がつく。
確認方法は、絵画の裏を確認することだ。額縁の裏のシールに絵画のタイトルや作家名などが書かれていることが多い。判子が押されているケースもあるので、わかる範囲でチェックしておこう。
サイズ
次に絵画の大きさだ。絵画の号数あるいは、縦×横のサイズがわかれば良い。査定前にわかる場合はこれらを知らせてほしいと事前に指摘されることが多いので、自分で測ってメモしておこう。
作品の種類や技法
絵画にはさまざまな種類と技法がある。日本画や洋画だけでなく油絵や版画、水彩画、リトグラフなどの種類も理解しておこう。
祖父母や両親が所有しているようなケースでは、自身が購入したわけではないため、絵画に詳しくないと種類まではわからないことが多いだろう。わかる範囲で良いので、調べておくのが大切だ。池田遙邨の作品の場合は日本画であることがわかれば十分だろう。
保存状態
査定のポイントでも伝えたが、保存状態がどのようなものであるかも重要だ。大きな汚れやキズ、破れがある場合はその点も事前に報告しておいたほうが、より正確な査定が聞けるだろう。最近ではLINE査定などを実施している業者もあるため、その際に正確な価格が聞きたい場合は、キズについても報告しよう。
付属品の有無
絵画に付属品があればそれも一緒に査定に出そう。鑑定書や保証書などが付属しているケースがあり、これは査定に役立つ。レプリカか本物かを見分ける指標にもなるので、提示することは大切だ。
複数の業者を見つけておく
査定に出す前に複数の買取業者を見つけておこう。1つの業者だけでは本当の相場がわからないことも多い。事前にいくつかの買取業者を見つけておき、同時期に査定に出して一番高い値をつけてくれた買取業者を選ぶのが賢い方法だ。
買取相場とおすすめの買取業者
最後に、池田遙邨の日本画・作品の買取相場とおすすめの買取業者をご紹介する。
池田遙邨の作品の買取相場と買取業者選別の方法
全ての作品を合わせての相場となるが、現時点では20,000円~60,000円程度(2019年5月24日調査時点)であった。価格も上昇中の作家であるため、市場の流れを汲んでくれる買取業者に買い取ってもらうほうが良いだろう。
どのような買取業者を選べば良いかについては、やはり絵画の買取を専門、または中心におこなっている業者といえる。絵画は多種多様であるため絵画を専門としている鑑定士でないと、適切な判断ができないことも多い。
先に紹介した日本画、洋画の種類や油絵、水彩画などの技法などチェックすべきポイントはたくさんある。たとえ鑑定士であってもそれぞれ強い専門分野があり分野外の判定は時間がかかることも多く、詳しい専門家に別途判断してもらうこともある。そのため、絵画は中古業者の中でも特に査定が難しい品といえる。
素人やアルバイトの鑑定士では判定できないことも多いため、プロの鑑定士がいる買取業者を選びたい。絵画専門の買取業者を選べば、専門の鑑定士が査定をしてくれるだろう。
おすすめの買取業者
先にお伝えした通り、査定に出すなら複数の業者に査定に出してほしい。絵画専門の業者であったとしても日本画に強い買取業者、洋画の販売ルートが多い買取業者など買取業者によって力を入れている種類は異なるからだ。複数の業者に査定に出す場合は、以下の業者を検討してみてほしい。
アート買取協会
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
まずご紹介したいのがアート買取協会だ。15年以上の実績があり、美術品に特化した買取専門業者として年間3万点以上もの作品を取り扱っている。美術品を専門としているため、絵画に対する知識も豊富なスタッフがそろっており、幅広い販売ルートもある。他の業者の査定に納得できない人がこちらの業者に再査定するケースも増えているようだ。
絵画専門の鑑定士がいるため、安心して査定に出せるだろう。絵画は税務問題が絡むケースもあるが、買取の際に一緒に相談できるので問題ないだろう。査定は無料で全国に店舗があり、出張買取や宅配買取もおこなっている。ちなみに送料も無料とのことなので、一度査定に出してみても良いのではないだろうか。
総合美術買取センター
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
もう1つご紹介したいのが、総合美術買取センターだ。あらゆる美術作品の買取を実施している業者であり、20年以上の実績がある。絵画だけでなく、中国美術、骨董品、などの買取もおこなっているため、他に美術品を所有している場合は一緒に査定に出すのも良いだろう。
こちらの業者では、作品名などの細かい事情がわからない場合でも、専門家が対応してくれる。美術品のジャンルごとに専門家が在籍しており、確かな目で査定をしてくれるので安心だ。市場の動向も把握して、適正な査定額を提示してくれる。
買取方法は無料査定フォームや電話による申し込み、店頭買取、宅配買取、出張買取、ライン査定まで実施している。査定料や送料はかからないため、一度査定に出してみてほしい。
まとめ
池田遙邨の日本画・作品の価値、買取相場についてお伝えした。日本画の画家としては有名であり人気も高いため、作品によっては高値がつくこともあるだろう。ぜひ一度査定に出してみてほしい。
複数の業者に査定に出す場合、手続きをそれぞれ進めていかなければいけないのは手間と時間がかかる。これをできるだけ省略したいなら、一括査定のシステムを利用してみるべきだ。一度の作業で複数の業者に査定を申し込めるため大変便利である。適正価格で買い取ってもらうためにも、できるだけ多くの買取業者に査定に出そう。