人が亡くなると、残された遺族には相続と遺品の整理が待っている。故人が生前に相続財産の状況を明らかにし、家財道具などを片付けておく、すなわち「生前整理」を行っておくと遺族の負担はかなり軽くなる。
「立つ鳥跡を濁さず」を美徳とするなかで、最近では終活の一環として生前整理を積極的に行う人も増えてきたようだ。
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生前整理を行うタイミング
生前整理をすることで遺族の負担が軽くなるというのであれば、前向きに考える人もきっと多いことだろう。しかし、実際には生前整理が道半ば、あるいはまったく手付かずのまま最後を迎えてしまうケースもある。
というのも、人は自分がいつ死ぬかなんてわからないからだ。余命宣告でもされない限り、なかなか生前整理に着手しようと踏ん切りがつかない人も多いのだろうか。
施設へ入所のタイミングに
生前整理が行われるタイミングとしてよくあるのが、施設への入所だ。しかし、施設へ入所するということは、そもそも体が自由に動かない、あるいは体力が落ちているということが多く、生前整理、特に家財道具などの整理はしんどいものがある。
業者のサービスを利用する
そんな状況を反映してか、最近では生前整理を請け負う業者が増えてきた。生前整理は、ほとんどの業者においては、遺品整理と並行したサービスに位置付けられており、実際のサービス内容を見てみても遺品整理と生前整理に大きな違いはない。
料金やプライバシーなどの面で、業者を利用したくないと思う人は、なるべく早い段階で生前整理を行うようにしよう。最近では、生前整理ならぬ「老前整理」という言葉も生まれているほどだ。
生前整理にかかる費用・料金は?
人は長く生きれば生きるだけモノが増え、家が広ければ広いだけモノが多いということは、容易に想像がつくところだ。
歳をとると力や体力、気力の面でどうしても衰えてしまうため、年末の大掃除以上の仕事となる生前整理はハードルが高すぎるという人もいるだろう。このような状況を受けて、自分が旅立つ前に、業者に生前整理を依頼するケースが増えてきているように感じる。
いまや生前整理を行う業者は多く、いろいろと比較して選ぶことになると思う。中でも、やはり費用や料金は気になるところだろう。
まずは見積もりを
生前整理は、部屋の広さや荷物の量、派遣するスタッフの人数や使用する車両の大きさ・台数、作業時間、その他オプションサービスなどをもとに料金が決まり、具体的にいくらかかるのかは見積もりを取ってみないことにはわからない。
また、各業者が提示している基本料金に含まれる内容もそれぞれ異なるので、ホームページなどに掲載されている料金の目安を見るときには、その内訳にも注意する必要がある。基本料金が安くても、実際には何かの名目につけて総額が積みあがっていくこともあるのだ。
主なものとしては、ゴミ処理費、リサイクル費、仕分け費、清掃費・クリーニング費、養生費、供養費、読経費、整理収納費などだ。業者によっては、これらを全てひとまとめにしたパッケージ料金を基本料金として提示しているところもあるが、例えばゴミ処理費や供養碑などはオプションとして設定しているところもある。
見積額を上回らないところがおすすめ
後ほど紹介する業者をはじめ、いくつか気になる業者をピックアップしたら、それぞれ見積もってもらおう。見積額を比較したうえで、一番安い業者を選ぶのが安くあげる王道ではあるが、ここで一点注意が必要だ。
業者によっては、見積もった後、生前整理の当日に何かしらの費用を請求する場合もある。例えば、「実際の状況を見てみると、やはり〇〇が必要ですね~」「思ったより荷物が多いので、もう一台車を用意しますね~」と言ってきて、別途請求するケースなどだ。
そのため、料金は見積額を上回ることがないことを保証している業者に頼むと、より安心だろう。ただ、当日に依頼者がオプションサービスに該当するようなサービスを求めれば、追加請求されて当然と思っておこう。
不用品の買取サービスを賢く利用する
生前整理の費用や料金が気になるようなら、不用品を買い取ってもらうのが得策だ。料金が相殺されて負担が減ったり、場合によっては買取額の方が上回ったりすることもある。
さまざまな買取サービス
一般的に、不用品を売るにはいくつか方法がある。ちまたの買取業者に持っていくなり、配送するなり、出張してもらうなりして売却する方法、そして自分でフリマアプリやネットオークションなどを活用して売る方法がオーソドックスだろう。
しかし、生前整理においては、少し状況が異なる。というのも、整理した後でないと売却するモノ自体が見つからない、あるいは売却できるような状態にないことが多いのだ。売れずに残ってしまえば、せっかく整理してもらっているのにわざわざゴミを残すようなものだ。
買取をあわせて行う業者がおススメ
そんな歯がゆさを解消するかのごとく、最近では生前整理とあわせて買取サービスも行っている業者が増えてきているようだ。生前整理と買取が一本化されることで、無駄なく片づけることができると評判だ。当然ながら、捨てるのならば買い取ってもらった方がはるかによい。
生前整理でいくらかかるのか金銭的な負担が気になるようならば、見積額の他にも、買取に対応しているのか、対応しているのなら何をどれぐらいの値段で買い取ってもらえそうか、聞いてみるとよいだろう。
生前整理で買い取ってもらえるモノ
生前整理を安く済ませるためには、売れるものは売ってしまうのがよいだろう。以下では、生前整理で売れそうなものを取り上げてみる。なお、高値で買い取ってくれるからといって、日常生活で必要なモノまで売ってしまわないよう気をつけよう。
家電
多くの業者では、家電の買取を行っている。しかし、たいていは製造からあまり時間が経っていないものが買取対象となる。いくら正常に稼働しても、年季が入ったものは買い取れないとなることがあるので注意しよう。
また、家電の場合ほとんどが自分で処分するだけでもお金がかかる。通常なら自治体が定める粗大ごみの処分料金(ゴミ処理券)が必要になるし、家電リサイクル法対象4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機)にいたっては高額なリサイクル料金がかかる。
そのため、もし年季が入っていても無料で引き取ってくれるとの提案があったら、無料でも引き取ってもらうとよいだろう(そもそも生前整理の料金に含まれているのなら関係ないが)。
家具
家具は大型であることが多いため、やはり自分で処分するにはお金がかかる。売却するか、引き取ってもらえるのに越したことはない。家電の場合はどれだけ新しいかが買取可否の基準であったが、家具の場合はそもそも価値があるかどうかが基準となる傾向にある。
たとえば、高級ブランドの家具やデザイナーズ家具などは買い取ってもらいやすいことになる。一方で、残念ながらIKEAやニトリなどに代表されるいわゆるファスト家具となると、なかなか買い取ってくれないことが多い。
骨とう品
芸術的価値、史的価値がある骨とう品が高値で買い取られることは、今や珍しいことではない。テレビ東京の人気ご長寿番組「開運!なんでも鑑定団」を見てても思うことだが、お宝が眠っている家は実に多い。
骨とう品の買取というと、なんでも鑑定団でもお馴染み「鑑定士」が出てくるイメージがあると思う。すなわち、骨とう品のようなお宝(かもしれないモノ)は、専門のところで査定してもらいたい、素人査定に出したくないと思う人が少なくない。そのため最近では骨とう品専門の「プロ鑑定士」が対応する整理業者までいるのだ。買取にいかに力を入れているのかが伺える。
骨とう品は、とかく大金に換わりやすいモノだ。価値がある以上、骨とう品の形のまま相続させるのもありえるだろうが、場合によっては生前整理の料金負担を大きく減らせることができるかもしれないということは、覚えておいてもよいだろう。
書籍
本は値段の割に物持ちがよいといわれている。ひょっとしたら自分が死ぬまで家に残っているかもしれない。特に読書家の家には、とんでもない数の本が眠っていることがある。
ブックオフやツタヤなどの大手が本の買取を行っているからか、本が売れるという知識はわりと浸透しているように思える。これは生前整理においても同じで、整理業者の中には、大量に「出土」する本をまとめて買い取ってくれるところもある。
そして本は繰り返し読むことができる。しかし、それが裏目に出ていつまでたっても部屋が片づかない原因にもなっている。生前整理を行うにあたっては、もったいないと思わず割り切って処分することが肝心だ。買い取ってもらえるならば、踏ん切りもつきやすいだろう。
生前整理を行う安い業者は?
生前整理は、先にも触れているとおり基本的にケースバイケースで料金が決まる。そのため「この業者が安い!」「業界最安値の業者は〇〇!」と評価するのは難しい。
しかし、それでも基本的な料金体系やその内訳、追加オプションの料金などをクリアに提示している業者に限り、料金の目安を比べることはできると思うので、下記に総合的に見て割安と感じる業者を紹介しておこう。
プログレス
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
まずはプログレスだ。プログレスは、遺品整理の大手であり、並行して生前整理のサービスを行っている。この業界としては規模が大きく、日本全国に対応している。
また365日年中無休・即日対応というのも大手ならではだ。朝日新聞、神奈川新聞、AERA、フジテレビ「みんなのニュース」など、メディアにも多々取り上げられており信頼性も高い。プログレスでは、提示された見積額を超えないことを保証している。追加費用がないという安心感も、業者選びの大きな基準ではないだろうか。
プログレスの生前整理料金目安
- ・1K(1人×1~2時間)=35,000円~
- ・1DK(2人×2~3時間)=60,000円~
- ・1LDK(3人×2~3時間)=80,000円~
- ・2DK(3人×2~4時間)=120,000円~
- ・2LDK(4人×3~5時間)=140,000円~
- ・3DK(5人×4~6時間)=160,000円~
- ・3LDK(5人×4~6時間)=180,000円~
- ・4DK(6人×5~7時間)=200,000円~
- ・4LDK(6人×5~7時間)=220,000円~
プログレスの買取サービス
プログレスはリサイクルにも力を入れており、積極的に買取も行っている。一般的な家具や家電に加えて、農具や工具などの作業具、自動車やバイクなどの車両、楽器、パソコン、骨とう品、アンティーク品まで幅広く対応している。プログレスでは、独自の再販ルートの開拓を行っているようで、通常では敬遠されるような家電リサイクル法対象4品目(エアコン、テレビ、洗濯機、冷蔵庫)などの買取にも積極的なようだ。
骨とう品の査定は、その道のプロ鑑定士が行ってくれることからも買取に対する力の入れ具合がわかる。古道具や掛け軸、巻物、焼き物などのいかにもなモノに加えて、看板、火鉢、古皿、玩具、古銭、置物、着物、茶道具、カメラ、刀剣、地図、布団、人形、軍服なども価値を加味して査定してくれる。
プロアシスト東日本
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
プロアシスト東日本は、遺品整理や特殊清掃を主力サービスとする業者だが、こちらでも生前整理に対応してもらえる。プログレスとは異なり対応エリアが関東に限られてしまうが、日本テレビ「世界一受けたい授業」でも取り上げられたことがある、信頼性の高い業者だ。プロアシスト東日本は、「人」重視型の業者なのか、公式ホームページにスタッフ一人ひとりの紹介が掲載されており、どこか安心感を与えてくれる。
また、プロアシスト東日本の遺品整理基本料金には1.簡易清掃費、2.養生作業費、3.仕分け・梱包費、4.搬出作業費、5.運搬車両費、6.廃棄物処理費、7.現場出張費が含まれており、おそらく生前整理の基本料金も同様と思われる。見積もりは無料なので、対象地域の方はお願いしてみてはいかがだろうか。
プロアシスト東日本の生前整理料金目安
- ・ワンルーム(1人)=35,000円~
- ・1K(1人)=40,000円~
- ・1DK(2人)=60,000円~
- ・1LDK(3人)=100,000円~
- ・2DK(3人)=120,000円~
- ・2LDK(4人)=150,000円~
- ・3DK(5人)=180,000円~
- ・3LDK(5人)=200,000円~
- ・4LDK(6人)=250,000円~
プロアシスト東日本の買取サービス
プロアシスト東日本では、リサイクル可能なモノや美術品、正常に稼働する家電などが買取対象になるようだ。残念ながら、何がいくらぐらいで買い取れるかという目安は公開されていないので、問い合わせ時に相談してみるとよいだろう。
ワンズライフ
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
遺品整理業者として評価が高いワンズライフも生前整理をおこなっている。週刊現代や日本経済新聞の誌面のほかに、テレビ東京「ガイアの夜明け」、フジテレビ「みんなのニュース」などのテレビ番組でも取り上げられるワンズライフは、対応エリアは関東のみとなるが、そのサービスの品質を徹底して磨いているように見受けられる。
わかりやすい特徴として、「ワンズライフ厳守五か条」という指針があることは注目に値する。これに基づいた丁寧で利用者の目線に立ったサービス活動が見て取れる。また、女性スタッフの活用に力を入れているのも、女性利用者にはとても魅力的なポイントだ。
なお、基本料金には見積もり、養生作業、廃棄物の処理作業、貴重品と搬出品の仕分け、積み込み、現状回復、室内・水回りの清掃、リサイクルが含まれるとのことだ。
ワンズライフの生前整理料金目安
- ・1K(1人)=35,000円~
- ・1DK(2人)=60,000円~
- ・1LDK(3人)=80,000円~
- ・2DK(3人)=120,000円~
- ・2LDK(4人)=150,000円~
- ・3DK(5人)=180,000円~
- ・3LDK(5人)=200,000円~
- ・4DK(6人)=230,000円~
- ・4LDK(6人)=260,000円~
ワンズライフの買取サービス
ワンズライフでは、ブランドバッグや家具、貴金属、宝飾品、年式の新しい家電、美術品、骨とう品など、幅広く買取を行っている。
ワンズライフの公式ホームページには買取額の一例が載っており、テレビは4,000円~、腕時計は7,000円~、貴金属は10,000円~、カメラは25,000円~、自動車は800,000円からとあるが、あくまで元々価値があるもの(高級品やブランド品)に限ると思ったほうがよいだろう。骨とう品から車両まで買い取れるというのは、なかなか他所ではできないかもしれない。
まとめ
生前整理にかかる費用や料金は、部屋の広さや場所、荷物の量などによって大きく変わるため、結局は見積もりをとらないとわからないところがある。
しかし、上記業者のように割と詳しく料金詳細とあわせて目安を提示している場合には、きっと参考になると思う。ホームページ上でその目安には何が含まれているのか、何が含まれていないのかをそれぞれ確認するようにしよう。
また、買取サービスを活用すると生前整理の金銭的な負担を軽くしたり、場合によっては料金以上の金額で買い取ってもらえたりすることがあるので、積極的に考えてみてはいかがだろうか。整理業者に買取もあわせて依頼することで、整理と売却を一本化でき、手間が圧倒的に省けることになる。
生前整理は、自分でやると実に果てしない作業だ。しかし、業者の人的資源を活用することで、あっという間に終えることができるので料金を支払うだけの収穫は感じられると思う。