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藤牧義夫 版画・作品の買取相場・価値まとめ

読了目安:9分
更新日:2019/08/28
公開日:2019/07/29
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24歳の若さで失踪した戦前の版画家・藤牧義夫。そのドラマチックな生い立ちもあり、藤牧の作品は市場でも高く取引されている。手元に藤牧の作品がある人は、その買取価格がいくらになるかを知りたいだろう。

この記事では、古書店による藤牧作品の販売価格や、より高値で売るためのポイントなどを解説する。藤牧の版画・作品の売却を考えている人に、ぜひ参考にしてもらいたい。

藤牧義夫 版画・作品の買取相場・価値まとめ

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今野杏南さん

藤牧義夫とは

藤牧義夫は20代前半の若さで戦前に活躍し、24歳で失踪したことで知られる版画家である。1911年に群馬県で生まれ、1931年の第9回春陽会展に「ガード下のスパーク」を出展してデビューを飾る。その後、第14回帝展で「給油所」が入選するなど、将来を期待される活躍を見せた。

ドイツ表現主義を取り入れながら独自の版画様式を生み出しており、若くして失踪したことを多数の評論家や美術愛好家に惜しまれている。代表作は全長60mに及ぶ大作「隅田川絵巻」である。

藤牧義夫の版画の作風を解説

藤牧作品を適正な価格で売るためには、その作品の特徴を知ることが欠かせない。美術愛好家でない一般人でも感じられる藤牧作品の面白さのひとつにモチーフから時代性を感じられる点がある。ここではそのような着眼点から、藤牧の作品の中でも特徴的なものを紹介していく。

昭和8年賀状

これは、藤牧義夫が参加していた「新版画集団」が発行した年賀状集に収録された作品だ。市販されるものだったかは定かではないが、興味深いのはモチーフである。左上のT字の物体は、おそらく米軍のプロペラ戦闘機P-12だ。

この絵が描かれた前年、日本の航空母艦がこのP-12を撃墜したことが大きな話題となった。戦闘機の周辺に見える鉄塔のようなものは、航空母艦の設備であろう。背景で太陽が水平なラインに沈んでいる姿は、日本の地形を考えると海以外はない。

海と鉄塔と戦闘機の組み合わせだとしたら、この年代ではP-12の撃墜と考えるのが妥当だろう。年賀状集でもこうしたモチーフが採用されたという時代の空気が感じられる。

給油所

他の藤牧作品と比較して、現代人に好まれそうは絵柄と配色である。タイトル通り給油所を描いたものだが「SERVICE STATION」という英語の看板が真ん中に大きく描かれている。建物や車のデザインも欧米風だ。

描かれた1933年という時代を考えると、日本国内の風景ではないだろう。海外の映画や雑誌などを参考にしたと思われるが、制作の背景を想像してみるのも面白い。全体的にポップな雰囲気であるため、インテリア性も高いと言えるだろう。

給油所(第14回帝展出展作品)

先ほどと同じ給油所というタイトルだが、これは帝展に出展された別の作品である。しかし、雰囲気は非常によく似ており、こちらもカラフルでポップなものだ。先の作品は全体の色合いが暖色だが、こちらは寒色である。

わかりやすい違いは看板の文字で、こちらは日本語が書かれている。おそらく「ニホン」「ガソリン」という文字だ。英語も少し書かれているが、単語までは読み取れない。

「NIPPONCO」と書かれているようにも見える。愛好家の解説によれば、背景の濃い青色は夜明け前の空を描いたものということだ。

新議事堂の裏景

国会議事堂が現在の形になった時期(1933年)に制作された作品である。奥のほうに議事堂が見えるが、前面にはうっそうと緑が茂っている。当時ののどかな雰囲気を感じられる作品だ。

鐡の橋(鉄の橋)

タイトル通り鉄橋を描いた作品だが、鉄橋が当たり前でない時代であったことを実感できる。オートバイらしき乗り物にまたがった人物が、橋を渡ろうとしている。日本のオートバイはこの作品が描かれた1933年から量産が始まっていたため、オートバイである可能性は高い。

量産が開始されたとはいえ、6年後の1939年の時点でようやく月間150台という生産量であった。33年時点で庶民がオートバイを目にする機会は少なかっただろう。それを念頭においてこの作品を眺めると、オートバイを運転している人物の気持ちや、藤牧の気持ちも想像できて面白い。

銀行について

他の具象画と違い、これは抽象画に近いものである。藤牧が伝えたかったメッセージは想像するしかないが、色彩や線の印象からすると、銀行に対して批判的に見える。制作は1933年だが、この年はアメリカで預金封鎖が起きた年だ。

敵国の失策を当時の日本人は喜んだと考えられるが、その一方で自分たちの預金についても不安になったのではないだろうか。絵の中には金網のようなものが見え、その向こうに押し寄せる群衆のような人だかりが描かれている。もしそのようなモチーフであれば具象画とも言える。

他の作品と合わせて見ても、当時が激動の時代であったことを痛感する。

しねま

これは1932年の作品で『新版画』の7号に発表された。愛好家によればタイトルは「しねま」とのことだが、絵の中の文字を見ると「SINEMA NO MATI」と書かれている。これがタイトルだとしたら「しねまのまち」というタイトルになるかもしれない。どちらにしても映画館がモチーフであり、画面右にはモダンガールの背中が描かれている。

「SINEMA NO MATI」というアルファベットをあえて入れているところを見ても、おそらく海外から入ってきた映画文化を、藤牧も喜んで受け入れていたのだろう。

サイレン(仮題)

正式なタイトルは不明で、1929年に制作されたと思われる。消防署のサイレン塔を描いたものだが、サイレンの音が線で描かれている点が興味深い。当時は漫画がほとんど普及していなかったが、版画家が後の漫画家のような手法を使うこともあったとわかる。

1932年の作品で『新版画』の記念すべき第1号に発表した作品である。藤牧義夫の自画像と思われる絵で、口にくわえている棒はおそらく歯ブラシだろう。一見するとキセルに見えるが「朝」というタイトルで自分の姿が大写しになっていることを考えると、歯ブラシをくわえて鏡に向かっている姿と見るべきだろう。

「当時歯ブラシがあったのか?」と思うかもしれないが、この絵より42年前の1890年の段階で、すでに現代の歯ブラシに近いものが伝わっていたようだ。鯨のひげと馬の毛でブラシ部分が作られていたため、鯨楊枝と呼ばれていたという。藤牧もそのようなブラシで、朝の歯磨きをしていたのかもしれない。

藤牧義夫作品の買取価格

2019年6月30日時点で、インターネット上で販売されている藤牧作品はほとんど存在しない。しかし、山田書店のみ8作品を販売しており「鳥のぢいさん」には20万円という高値がついている。その他の作品は売却済みか問い合わせが必要なもので、Web上では値段がわからない。

「鳥のぢいさん」は昭和8年(1933年)に制作されたものだ。木版画で状態は良好、サイズは15.1×19.5cmである。いかにも版画という印象の、ゴツゴツしたタッチが特徴だ。

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藤牧義夫の版画を高く売る際の注意点とポイントを解説

藤牧義夫の作品は貴重であるため、真作であればどれでも高く売れるだろう。しかし、いくつかの注意点とポイントを知っていることで、より高値で売れるようになる可能性がある。ここではそのような注意点とポイントを紹介したい。

真作であることを証明する

これは、藤牧作品では特に重要なことだ。理由は、藤牧が若くして失踪したこともあり、擬作も出回っているためである。たとえば、帝展で入選した代表作のひとつ「給油所」だが、これは2点の擬作が存在することを、愛好家が指摘している。

その他、判明していないだけで「実は擬作である」という作品もある程度存在すると思われる。当人が生きていれば擬作を売り出すリスクが低いが、亡くなっていれば比較的容易になるためだ。失踪当時の藤牧が亡くなっていたとは限らないが、表に出ていなかった以上、擬作が容易になったことは間違いない。

どのように真作保証をするかは、作品によって異なる。その作品自体に、何かしら証明になる要素があれば、それを強調するのがいいだろう。逆に、そのようなものが一切ない場合、画商による真贋鑑定も必要になる可能性がある。

もちろん、画商の真贋判定も絶対に正しいとは限らない。しかし、買い手からの信用度が大きく上がるのは間違いない。そもそも、画商が真作であると判断してくれたら、その画商がそのまま買い取ってくれる可能性も高いだろう。

このような理由から、藤牧作品のなかでも特に大作と思われるものについては、できるだけ真贋鑑定を受けることをおすすめしたい。

画商と古書店の両方で査定を受ける

藤牧義夫の版画は絵画としても高く評価されているが、時代性を感じられる点で興味を持つ人も少なくない。そのため、古書店によっては高額で売買されることも珍しくないのだ。実際に、この記事の執筆時点でもっとも多くの藤牧作品をWeb上で販売しているのは、古書店の山田書店である。

戦前の古い書物などのコンテンツに興味を持つ人が、その延長で藤牧の版画に興味を持つこともあるだろう。このように、画商にも古書店にも売れる作品であるため、両者から査定を受けるべきと言える。

メルカリ・ラクマ・Yahoo!オークションなども利用する

もし業者に売るのでなく自分の手で売りたいという場合は、あらゆるツールやサイトの利用をおすすめする。フリマアプリならメルカリやラクマ、ネットオークションならYahoo!オークション(ヤフオク)が便利だ。この記事を書いている時点で、これらのいずれのサービスでも、藤牧義夫の作品は出品されていない。

過去の落札履歴もない状態だ。しかし、だからこそ出品したら目立つという可能性もある。

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藤牧作品を高値で売りたいなら、総合美術買取センターを特におすすめしたい。同社は東京の品川に拠点を持ち、名前通りオールジャンルの美術品を買い取っている。藤牧義夫のフィールドである版画も、特に積極的に買い取ってもらえるジャンルのひとつだ。

同社は電話やメールはもちろん、LINEでも査定を申し込める。事前に写真を送っておおよその査定額を聞き、それから持ち込みや宅配、出張などの方法で本査定を受けることが可能だ。あらゆる方法で査定を受けられるため、忙しい人でもサービスを利用しやすい。

査定の費用は出張費も含めて完全無料のため、売り手側のデメリットもない。手元の藤牧作品にどの程度の価値があるか確かめるためにも、一度気軽に査定を受けてみてはいかがだろうか。

まとめ

藤牧の作品に限らず、絵画は通常の保存方法では徐々に状態が悪くなっていく。画廊や美術館のように徹底した保存をすれば状態を維持できるが、一般家庭でそのような保存をすることは難しい。時間の経過とともに状態が悪くなることを考えると、できるだけ早めに売却するほうがいいだろう

少なくとも価値の確認だけはしておいても損がないため、査定だけ試しに受けてみることをおすすめしたい。

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2014年10月29日
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