CONTENTS
このコラムには、合法的な広告・宣伝が含まれている可能性があります。また、当社のサービスである「ヒカカク！」と「magi」の紹介も含まれています。
速水御舟(はやみぎょしゅう)とは
速水御舟（はやみ ぎょしゅう、本名：蒔田 栄一）は、東京生まれの日本画家である。1894年（明治27年）東京府東京市浅草区に生まれた速水御舟は、小学校高等科卒業後に画家松本楓湖の安雅堂画塾に入門、そこで日本画を学んだ。その後、出品した院展において横山大観などに認められ、日本美術院の同人に推挙されるなど、日本画家として頭角を現すようになった。
さらに、洋画家の岸田劉生の影響を受けるなどして、従来の日本画にはない写実的な描写を加える事で、独自の画風を切り開き、速水御舟の作品は高く評価された。日本画の作家として名声を手に入れた速水御舟であるが、名声に安住することなく、その後も試行錯誤を繰り返し、西洋画の画法など様々な手法を取り入れることで画風を変化させていき、数々の傑作を生みだした。
速水御舟の作品の価値は
それまでの日本画にはなかった写実的な独特の作風が高く評価され人気が高い速水御舟の作品は、高額で取引される。速水御舟の作品が高額で取引されているのは、速水御舟自身が寡作な作家であったこと加え40歳という若さで亡くなったことから、もともと制作された作品の数も少なく、さらに関東大震災で焼失した作品もあることから、現存している速水御舟の作品の数が少ない、という事情もある。
日本画の場合は、数百万円から数千万円で取引されており、高額なものになると、オークションで1億円を超える価格で取引されたものもある。
速水御舟自身が制作に関わったものではないが、速水御舟の門人など速水御舟ゆかりの人々が監修した速水御舟の作品の複製画やリトグラフなどの版画もあり、そちらは、数万円から数十万円で取引されているようだ。
速水御舟の作品の価値を決めるポイントについて
前述のように高額で取引されることも多い速水御舟の作品であるが、作品の価値を決める要素は他にもあり、速水御舟の作品であっても、思ったような価格で取引されない場合もある。
ここに速水御舟の作品の価値を決めるポイントについて簡単に記載していく。
技法は日本画であると価値は高くとなる
速水御舟に関わる作品の技法はいくつかあるが、やはり日本画である場合価値が高くなる。日本画の価値が高いのは、日本画は速水御舟自身が制作したものだが、複製品やリトグラフなどの版画は、速水御舟の関係者が制作しているものであるため、となど、様々な理由があると考えられる。
所有している速水御舟の作品がどのような技法か確認したほうがいいだろう。
共箱、共シールがある作品
日本画は、恒湿性や防虫性などに優れ、日本画を保管しておくのに最適な桐箱に収める場合が多い。その桐箱についてだが、作者の署名や作品名などが記載されている桐箱があり、それは、一般に共箱（ともばこ）と呼ばれるものとなる。この共箱は、作者が、自分が手掛けた作品とする証となることから、作品とともに共箱があると作品の価値がより高くなり、取引価格も高くなる傾向にある。
桐箱に収められないような日本画もあるが、そのような場合は、裏側に作者が著名や作品名などを記載した紙片を貼ることがあり、この紙片は、一般に共シール（ともしーる）と呼ばれるものとなる。この共シールも共箱同様に、作者が、自分が手掛けた作品とする証となることから、共シールが貼ってある作品は、共箱と同様に作品の価値が高くなり、取引価格も高くなる傾向にある。
取引では鑑定証が重要
人気の高い作家の場合は、他の人がその作家の画風に真似て制作した作品をその作家が制作した作品として流通させることがある。これは、贋作と呼ばれる偽物で、作品の価値は、贋作である場合は、無いに等しい。そのため、万が一贋作を速水御舟の作品として取引した場合、取引に費やした費用はそのまま無駄になってしまうだろう。
そのため、取引の際には、作品の真贋を確認するため、所定機関がこの作品は速水御舟が制作した作品である、と証明する鑑定証が必要となる場合がある。もし、取引の際に鑑定証がなければ、真贋がわからないことから、取引価格が大幅に安くなったり、取引を断られたりする可能性もあるのである。
そのため、取引の際には鑑定証が重要となってくるので、鑑定証が有無について確認をしたほうがいいだろう。買取業者によっては、鑑定証の取得などの相談を受け付ける場合もあるので、必要な場合は確認をしたほうがいいだろう。
状態が悪い場合は作品の価値は下がる
高額で取引される作品であっても作品の状態が悪いと、作品の価値は下がり、取引価格も下がる場合がほとんどである。前述のように1億円を超える価格で取引されることもある速水御舟の作品も例外ではなく、状態が悪くなると、取引価格は下がる事となるだろう。作品の状態は、作品の価値に対して大きな影響を与えるのである。
状態が悪い例としては、日光があたったことによる発生する日焼けと呼ばれる色落ち、多湿などにより発生するシミやカビ、作品を取り扱う時に発生する可能性がある紙などの破れや欠損、その他に絵具のひび割れなどがある。いずれも、作品を保管する環境や方法、取り扱い方法が、作品を保管するのに適していなかったために発生した可能性が高い。
作品を保管する時は、状態を悪化させて作品の価値を落とさないように、作品を保管する環境や方法、取り扱いについては十分に注意したほうがいいだろう。
速水御舟の作品を売却する場合について
速水御舟の作品を売却する場合については、買取業者に売却する、オークションに出品するなど、様々な方法がある。ただ、速水御舟の作品、特に日本画については、前述のように現存する数が少なく、希少価値が高いことから、もし、オークションなどに出品した場合は、大きな注目を集めることが予想される。オークションに出品する場合は、対応において美術品に対する豊富な知識が必要な場合もあり、美術品の取引に慣れていない場合は、対応が難しい可能性が高い。
買取業者に売却する場合は、オークションのような対応が難しい場面は少ないと予想されることから、美術品の取引に慣れていない場合でも、安心といえる。また、希少価値が高い速水御舟の作品であるので、買取業者の思った以上の価格で買取することも予想され、さらに、複数の買取業者に見積を依頼して、一番高額の見積を提示した買取業者に売却すれば、より高額で売却することが出来る可能性も出てくる。
速水御舟の作品を売却する場合は、様々な方法を検討して最適と思われる方法で売却するのが良いが、美術品の取引に慣れていない場合は、専門家がいる買取業者などに依頼したほうが確実と思われる。
