家に眠っている絵画を持て余しているということはないだろうか。親から相続したものの、どう処理していいのか分からない、捨てるのはもったいないが、どこに引き取ってもらえばいいのか分からない絵画というのは意外に多いものだ。
ここでは日本の画家、野田弘志の絵画に注目してみる。もしも、家に眠っている野田弘志の絵を手放したいと思っているときには、ここで解説していく絵の価値や買取相場を参考にしてほしい。
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画家・野田弘志とは
野田弘志は1936年生まれの日本の画家だ。彼の描く絵は、様式が10年ごとに転換するともいわれている。
野田弘志の絵画とは
彼の作品は、表現様式は変えつつも一貫して写真で記録したモチーフを細密にキャンバス上に再現するリアリズムを特徴としてきた。およそ、彼の絵画の特徴は年代ごとに分けられる。
野田弘志は東急エージェンシーにてイラストレーターを務めたあと独立。『現代日本文学館 三島由紀夫』の挿絵を手がけるなど、イラストレーターとして活躍していた。
1970年代
野田弘志がイラストレーターをやめ、絵画制作に注力しはじめた頃、真っ先に描かれた絵画は、黒の背景を特徴するものである。「やませみ」1971年、「黒い風景」シリーズなどはこの時代の作品だ。背景を暗くすることにより、モチーフを浮きあがって見えるかのように見える作品群である。
1980年代
1980年代は背景に黄金を使う特徴がある。代表的な作品としては、1983年から朝日新聞へ連載されていた加賀乙彦『湿原』の挿絵を担当していた。この挿絵は細密な鉛筆画で制作している。
1990年代以降
1990年代は白やグレーを基調とした作品が増えてくる。TOKIJIKU(非時)やTHE、聖なるものや崇高なるものなどの作品群を数多く描いている時代となる。
TOKIJIKU(非時)は1991年に描いた『TOKIJIKU(非時)1Egg』からはじまり、24までの作品が確認されている。卵や動物の骨、鉱石や果物などを用い、グレーや白の空間に配置する作品群である。THEは1997年から制作された女性の絵が多いシリーズであったが、その後、人間だけではなく縄や金具などを描くことにより、挑戦的な作品として評価された。
聖なるものシリーズもまた、人間を中心に描く作品群である。2009年から制作されはじめた。外国人女性の立像を描いた「聖なるものTHE-1」からはじまったシリーズだ。崇高なるものシリーズもまた、人物画が中心の作品群である。描かれる人物は著名人が多い。特に有名なのが、谷川俊太郎や保木将夫などが描かれている作品だ。
買い取ってもらうときのポイント
個人で収蔵し、個人的に鑑賞している上では、絵の価値は個人の価値観次第で決まるだろう。しかし、買取してもらう上では、客観的な指標で価格がつけられることとなる。
まずチェックしておきたいこと
絵を買い取ってもらうときには、まず作家やその作品の絵柄、技法や制作年代などの絵の情報と買取相場や世間的な需要などを気にしておきたいところだ。知名度があり人気の高い作者のものであれば、当然値段は高くなる。
また、人気のあるシリーズのものや技法が珍しかったり、制作年代などがあまり出回っていない種類の作品であったりすれば、希少価値がつく可能性もあがるだろう。買取されるものの価値は、相場や需要は社会的な影響を受ける面が多い。
とはいっても、絵画の場合には富裕層の投資対象として利用されることもあり、法人が節税対策として購入することも少なくないものである。一定の需要が見込めるため、相場の変動はそれほど激しくないと考えてもいいだろう。
真作であるか、保存状態はどうか
最も重要なのは、その絵が本物であるかどうかである。真贋証明がハッキリしているのかどうか、鑑定書や保証書があるのかどうかもチェックしておきたい。
人気や知名度のある作家であれば複製が出回っていることも多く、複製であっても価値があるケースもある。とはいえ、真贋証明がなされているものかどうかは重要なポイントだ。さらに汚れや傷、シミなどがないのかどうかという保存状態も気にしておきたい。
絵画を買い取ってもらう方法
絵画を買い取ってもらう方法は主に3つだ。
- ・画廊への持ち込み
- ・美術品の買取専門店を利用する
- ・オークションサイトを利用する
画廊への持ち込み
画廊へ直接持ち込んで買い取ってもらう方法は、その画廊が自分の買い取ってもらいたい絵画に強い専門性を持っている場合に使える方法である。画廊は美術品の所蔵と展示をおこなっており、個人で経営しているものもあれば、規模の大きい画廊もある。いずれにしても、絵画の売却の際には、絵画を持ち込んで鑑定査定・査定をしてもらい、査定結果に満足できたら売却し、現金を受け取るというのが大まかな流れとなる。
この方法の場合には、画廊がメインとして取り扱っている絵画と売りたい絵画がマッチしているかどうかを事前に調べておかなければならない。たとえば洋画を中心に展示している画廊の場合に日本画の持ち込みをしたとしても正当な評価も難しいだろう。また、買取もしてもらえる可能性も低い。
画廊への持ち込みは、画廊で取り扱っている作家の系統を調べるなどの事前調査が必要になるため、上級者向けの方法である。買取査定をホームページからおこなっている画廊もあるため、調べてみるのもいいだろう。いわきいつき画廊などは買取査定もおこなっている画廊だ。
美術品の買取専門店を利用する
美術品買取専門店であれば、作家や絵画の種類や技法などを限定せずに買い取ってもらえるだろう。美術品を買い取ってくれる専門店の数は多いため、見つけるのは簡単だ。とはいえ、それぞれの専門店で得意とする傾向はあるだろう。
美術品を買取してくれる業者は骨董品の買取業を兼務しているケースも多い。買い取ってはくれるが、実際には正当な査定がされないとなれば、買取金額はさがる可能性もあるだろう。正当な査定がされるかどうかは、しっかりとした絵画の専門鑑定士がいるかどうかにかかっている。買取専門店を利用するときには、得意な分野が絵画である専門店を選ぼう。扱う絵によって買取相場は異なってくる。
- ・画集画の場合:10,000〜40,000円ほど
- ・油彩画の本作の場合:数十万円ほど
オークションサイトを利用する
誰でも簡単にオークションに出品ができるヤフオクなどを利用して絵画を売ることが可能である。直接出品者と落札者がやり取りをする方法だ。オークションサイトでは、出品した作品が珍しい作品であったり、珍しい技法の作品であったりする場合には買取専門店よりも高い値がつく可能性もある。
ただ、出品者本人が絵画情報の提示から梱包、発送、受け取りの確認などの手間をかける必要がある。また、落札者からのクレームなどが万一にでもあるときには対応が必要になるだろう。また、あるその絵の相場を調べてから最低落札金額を設定しないと価値のあるものであっても予想外に安く落札されてしまうケースもある。
オークションで絵画を出品する際には、作家や絵画について下調べをすることをおすすめする。オークションサイトを利用し、慣れている場合にはそれほど問題ないだろうが、絵画を売るために初めてオークションサイトを利用するときには細心の注意を払う必要があるだろう。
ヤフオクでの落札価格
ヤフオクでの落札価格を参考に野田弘志の絵画の価格相場を見ていこう。一例ではあるが、以下がヤフオクでの落札実績である。
- ・油彩画「聖なるもの-鳥の巣」08号真作保証:50,000円
- ・油彩画「聖なるもの-鳥の巣」08号真作保証:590,000円
- ・油彩画「聖なるもの-鳥の巣」:352,000円
- ・「縄」NO.215三越額装:101,000円
- ・「雪」NO.181三越額装:81,000円
- ・リトグラフ「Pour MONSIEUR et madame」:7,600円
- ・リトグラフ「目の追憶・牡丹」真作保証本人直筆サイン:45,000円
- ・直筆細密デッサン画額「谷地棒の木の実」真作保証:125,000円
- ・朝日新聞社連載「湿原」挿画「額絵20葉揃」:1,714円
野田弘志の絵画は画集画であれば、およそ20,000円~35,000円の価格帯で出品されている。とはいえ、落札実績はそれほど多く見当たらない。絵を額に入れて出品しているケースも多いが、落札実績がないところを見ると画集画とはなから名乗っているものは、それほど高い価格はつかないようである。
「聖なるもの-鳥の巣」もまた、いくつもの落札実績があることを鑑みると本画ではなく、画集画であるか複製であるかの可能性が高い。実際の「聖なるもの-鳥の巣」(「聖なるもの4」2013年)は2m×2mという巨大なキャンバスに描かれた絵であるため、表記されているような8号サイズではないのだ。
しかし、落札実績があることを考えると非常に人気の高い作品であることが分かる。それ以外の作品は、数千円~10数万円の価格幅で落札されている。本画の可能性は低いが、レプリカや画集画だとすれば、そこそこの値段がついているといえるだろう。
絵画の買取ができる業者
野田弘志の絵画の買取ができる店は下記のようにいくつもある。
古美術永澤
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
古美術永澤では骨董品の買取をはじめとし、美術品の買取もおこなっている。総合買取業者とは異なり、骨董品・美術品に特化しているので鑑定士の目も信頼できる。遺品の買取も得意としているので、遺品の処理に悩んでいる人にはおすすめの買取業者だ。
アート買取協会
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
アート買取協会では野田弘志の絵画の買取実績もある。そのため自宅に野田弘志の作品がある人にはおすすめの買取業者だ。丁寧な接客をしてくれることでも評判であるため、初心者の人にもおすすめする。
ひるねこ堂
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
ひるねこ堂は骨董品の買取を専門におこなっている買取業者だ。しかし美術品や絵画の買取もおこなっているため、野田弘志の絵画の買取も受け付けてくれる。絵画の買取実績も豊富なので野田弘志の鑑定も安心して任せられるだろう。
アート買取ネット
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
アート買取ネットは美術品の買取専門業者だ。絵画の買取実績も非常に多く、野田弘志ももちろん買取対象作家だ。野田弘志の作品は高価買取してもらえる可能性が非常に高い。
高額買取のためのポイント
野田弘志の絵画を高額買取してもらいたいときには、以下の3つのポイントをおさえておこう。
- ・必要な情報はあらかじめまとめておく
- ・証明書や付属品を探しておく
- ・複数の業者に査定してもらう
必要な情報をあらかじめまとめておく
査定を依頼する際、持ち込みの場合はともかくウェブなどから申し込む際には、絵画に関する細かい情報が重要になる。作家の名前や作品名、絵画の号数や種類、技法、制作年代などの絵の情報は申込みの際に必要最低限のものだといえる。スムーズに買取してもらうためにも、あらかじめ絵について調べて、おおよその情報はまとめておくのをおすすめしたい。
証明書や付属品を探しておく
鑑定書や保証書、サインや箱、額などがついているのかなども確認しておこう。手元にない場合には、手元にそろえてから申し込んだ方が、スムーズに申込みできるし、折り返し店から連絡がきたときにも返答するのが楽になる。
複数の業者に査定してもらう
複数の業者に査定してもらい、おおよその価格相場を掴んでおくことも大切だ。いくつかの業者に見積もりを出してもらい、好条件のところを選ぶといいだろう。
まとめ
野田弘志の絵画を売るときには、画廊への持ち込み、買取専門店の利用、オークションサイトの利用などの方法がある。それぞれ一長一短があるため、しっかり検討して希望に合った方法を選ぶことが大切だ。絵の種類によっては利用するサービスによって価格が変わることもあるため、査定金額や落札相場などを参考に比較検討してみよう。