錆びていると武具の価値は下がる?売れるの?
日本刀などの刀剣類や兜、甲冑といった武具の売却を検討している方にとっての懸念事項としては、錆びている武具は買取ってもらえるのかという点が挙げられる。やはり全ての人が完璧に保存できている訳ではない。人によって錆ついた品物を所有していることもあるだろう。今回は錆びている武具の買取についてまとめていく。
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錆びている武具の価値は下がるのか?
まずは、錆びている武具の価値が下がるのかについて考えていく。これを知るためには、まず日本刀や兜、甲冑といった骨董品がどのような基準で価値がつけられているかを把握する必要がある。それらを元に、武具についた錆がどれぐらいの影響を及ぼすのかなどを検討していこう。
品物の背景
武具は基本的に骨董品というカテゴリーに属している。骨董品において最も価値を定める上で重要視されるのが、この品物に含まれている背景だ。例えば、著名/高名な作者が制作したものであるとか、有名な武将が所有していた物であるとか、格式のある流派であるなどが挙げられる。やはり利便性などは全くない、美術品、工芸品であるからこそ、こういった品物の背景は重要視されるのだ。もちろん品物自体の美しさや芸術性なども価値に含まれることは間違いない。
しかし、その品物に含まれているストーリーこそ、骨董品に人が惹かれる最大の要素でもある。誰が作り、いつ使われていたなど、そういった品物に備わっている背景によって、武具の価値は決まるといっていいだろう。
品物の状態
武具などの骨董品は作られてから膨大な時間が経過しているものがほとんどである。中には、数百年前の品物も存在する。そういったものはやはり時間の経過と共に自然劣化していく。それは仕方のないことだろう。保存環境や細かい手入れなどによって、劣化を遅らせることは可能だ。武具に備わっている劣化はある程度、時代性として受け入れられるかもしれない。
しかし、度を超えた状態の悪化は価値の低下を避けられないだろう。やはり武具などの骨董品は時代性なども重要視されるが、やはり見栄えの良い物の方がいいと思うのは当たり前である。そのため、錆などがついている武具の場合、価値の低下は避けられないだろう。
品物の付属品やアクセサリー
買取ということを考えれば、日本刀や兜、甲冑においては、品物単体ではなく、付属品やアクセサリーがセットになっていたほうが価値は高くなる。日本刀においては、箱や鑑定書、保証書、刀装具などが挙げられる。兜や甲冑においても同様に箱や作者の名前が把握できる付属品は必須だ。
その品物の価値を証明するという要素もある上に、やはり付属品やアクセサリーが一緒になって1つの品物としての価値を発揮する。 高価買取を目指すのであれば、こういった付属品などにも注意を払っておくべきである。
市場の動向
武具などの骨董品の価値は不変ではない。その時の需要やブームなどによって影響を受けるものである。ある時期に価値を上げる品物もあれば、ブームが去ってから価値を下げる品物も存在するだろう。日本の文化的・歴史的な作品として海外で高い価値を持つことも考えられる。
そういったことを含めながら、武具の価値は流動的に変化していく。これは持ち主にはどうにもできない部分ではあるが、こういったことを知った上で、武具の買取を行えば、よりよい結果を得ることができるだろう。
武具の価値は総合的に決まる
武具などの骨董品の価値は主に以上の4つの要素で決まるといっていいだろう。もちろんそれ以外の要素はあるが、確実にいえることは、武具にとって錆は価値を下げる要素であるということだ。もちろん時代性として許容される部分もあるかもしれない。しかし、大半の場合、武具の錆はマイナス要素になるということを頭に入れておくべきだ。
武具の価値はこれらの要素から総合的に決まることも念頭に置かなければならない。いくら錆があるからといっても、歴史的に価値のある品物であれば、高価買取を実現することは可能だ。品物の状態の悪さを、品物の背景的価値によって補うことができるのだ。しかし、錆もある、背景もない、付属品もなしなどプラス要素がない武具の場合、査定額を期待することはできないだろう。
以上のことを踏まえ、「錆のある武具の価値は下がるのか」という問いについての結論としては、「マイナス要素にはなるが、その他の要素でカバーすることは可能である」ということになる。
錆びのある武具は売れるのか?
武具などの骨董品にとって錆がマイナス要素であることは把握できただろう。その上でさらに気になることとしては、そもそも錆のある武具を買い取ってもらえるのかという点だ。価値が下がるのは理解できるが、そのような価値の下がったものを買取業者で受け付けてもらえるのだろうか。
骨董品に限らず、中古品の買取業者というのは、買取ったものを再び販売することによって利益を得ている。これを前提に考えると、価値の低い品物を買取るメリットはないといってもいいだろう。価値のほとんどない品物を二束三文で買取っても、販売できずに処分するだけになるはずだ。その場合、処分費用など業者側が負担することになるため、デメリットしかないといえる。
そうやって考えると、錆のある武具は売却可能なのか心配になってしまうだろう。ここでは、錆のある武具が実際に売れるのかについて考えていく。
買取業者によっては買取を公言しているところも多い
買取業者のサイトなどを見てみると以下のような文言を掲載していることが多い。
- 「錆びている品物でも喜んで査定させていただきます」
- 「錆があるなどの品物も○○にお任せください」
こういった文言を見てみると、錆などがある品物でも、広く買い取りを受け付けてくれる業者は数多く存在していることが伺える。もちろん査定額については、錆によってマイナスになることは避けられないが、錆があるからといってほとんどの買取業者が査定を拒否するわけではない。
これについては以下の理由が考えられる。買取業者は先ほども説明したように買い取った品物を再度販売することによって利益を得ている。そして、武具などを扱う専門の買取業者の場合、買取った品物を手入れすると考えられる。自店で清掃や修復などをする場合もあれば、プロに依頼するルートも持っているだろう。
そう考えれば、錆などがあって価値が低くなっている品物でも、手入れによって復活させることもできるはずだ。そういったことを実施している場合、錆のある武具でも広く買取りを受け付けてもらえる可能性は非常に高いと考えられる。
買取方法による違いについて
錆のついた武具の買取について、おおむね広く受け付けてもらえることが明らかとなった。しかし、買取方法によって、その確率は変わってくるかもしれないということを頭に入れておきたい。武具の買取方法には主に店頭買取、宅配買取、出張買取の3つが存在する。買取方法によって、買取までの経費が異なることを踏まえると、買取の是非に影響を及ぼす可能性があるだろう。
店頭買取の場合
品物を直接お店に持って行って査定を行うという形を取る。
宅配買取の場合
品物を業者の元へ送付するという形になる。送料や梱包に使用する段ボールなどの経費がかかる。
出張買取の場合
査定員が自宅までやって来て査定を行うため、出張費、人件費が余計にかかることが考えられる。
そういったことを考慮すると、いくら再販売によって利益を得ているとはいっても、経費によってマイナスになってしまう可能性も考えられる。店頭買取であれば、ほとんど経費は必要ないが、特に出張買取の場合、交通費や人経費などそれなりの経費がかかることが想定される。武具としての価値が高い品物であれば別であるが、錆があり、ほとんど価値のない品物で、出張買取を依頼した場合、断られる可能性があるだろう。
買取依頼前に無料査定を受けてみる
あれこれと錆のある武具の買取について述べてきたが、最終的には<買取業者にstrong>直接確認を取るのが最も手っ取り早い。しかし、確認のために品物をその都度店頭に持って行ったり、段ボールに梱包するのは大変だ。
そこで、買取業者が実施しているメールやLINEなどを活用した画像査定を利用することをおすすめする。この無料査定では、武具の画像や情報などから査定を行ってくれるサービスとなっている。このサービスを利用することで、武具の大まかな価値や、買取の是非を判断できる。
また、複数の無料査定を受けることで、より高値で買取ってもらえる業者を比較することも可能だ。なので、錆のある武具の買取を検討されているのであれば、買取業者の実施している画像査定/無料査定が確実である。
武具が錆びないようにするための方法について
錆のある武具の買取についてまとめてきた。これまでの内容をまとめると、武具に錆がある場合、価値は下がるが、売れないことはないといった感じになるだろう。価値が下がってしまうのは残念だが、それはしょうがないことでもある。
ただ、それが分かった以上、現在武具を所有している人は、できるだけ錆などが生じないような保存や手入れの方法を知っておくべきだろう。ここでは、武具が錆びないようにするための方法についてまとめていく。
日本刀の保管場所について
日本刀を保存する場所については、錆を防ぐためにも湿度の低い場所が推奨されている。ただし湿度が低すぎる場合、拵が痛む可能性があるので、あくまでバランスを考慮した場所を選ぶべきだ。
よく日本刀の場合、立てかけて部屋に飾る場合もある。もちろん個人の楽しみとして自由ではあるが、保存環境を考えれば、推奨されていない。
日本刀の手入れ方法
日本刀には、刃に油が塗ってある。これは、錆を防止する効果や鞘から刀を抜くときに傷などがつかないようにするための物である。日本刀の手入れの場合、この刃についている古い油を拭き取って、新しい油を塗るという作業になる。
手入れには、専用道具として「目釘抜」や「打粉」「拭い紙」「油」「油塗紙」が必要となる。大まかな手順としては、目釘抜を使って目釘を抜き、拭い紙で汚れを取り、打粉をかけるという作業を繰り返し行う。最後に、刃に油を塗るといった流れになる。
日本刀を所持している場合は、できるだけ知っておきたい方法でもあるが、専門の業者に依頼した方が確実かもしれない。もし錆が出た場合には、研師に相談することを頭に入れておこう。
兜や甲冑の保存場所について
兜や甲冑についても、錆や汚れを防止するために湿度が低く、風通しがよく、寒暖差のない場所がベストである。また、直射日光を避け、風通しの良い場所がおすすめだ。収納時にも、防虫剤などを適量入れて、品物が傷むのを防ぐという方法もある。兜や甲冑は大変デリケートな品物なので埃をかぶらないように柔らかい布などで覆うなども忘れずにするべきだ。
兜や甲冑の手入れ方法
兜や甲冑などに目立つような汚れがあった場合には、キレイにした方がいいのだが、やはりデリケートな品物でもあるので、下手に磨こうとするとかえって傷をつけてしまう可能性がある。
そのため、無理に汚れや埃などを落とそうとするのではなく、はたきや乾いた布などを利用して、優しく汚れを取っていくのがいいだろう。それ以上の汚れに関しては、下手に素人がいじろうとすると逆効果になってしまう可能性があるため、プロに依頼した方がいいと考えられる。
まとめ
錆のある武具の価値や売却についてまとめていった。やはり錆となると価値が下がるのは避けられないだろう。しかし、錆だけが武具の価値を決めるという訳ではないことを頭に入れておくべきだ。
また、売れるかどうかに関しても、わりと買取業者は錆について寛容な方針を示している。もし不安であれば、無料査定などで業者とコンタクトを取ってみるといいだろう。そして何より錆がつかないように保管場所や手入れなどに気を遣うということが最も重要といえる。