長谷川利行は正統派の画家ではないものの、オリジナリティあふれる作品は独特のタッチで人々の心を惹きつけてやまない。晩年は描いた絵を売っては酒代にするという生活を送っていたため、知らずに所有している人も多いという。
ここでは、長谷川敏行の作品の価値や買取相場について説明する。長谷川敏行の作品を売却しようと考えている人は参考にしてほしい。
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長谷川利行の略歴
長谷川敏行は1891年に京都に生まれた。中学生の頃から文学に傾倒し、30歳頃までは歌や詩などを書き歌人を志していたという。自費出版で歌集も発行しており、1921年に上京してからもしばらくは大衆小説を書いていた。
その後いつの頃からか画を描くようになり、美大に通ったり著名な画家の指南を受けるわけでもなく独学で画家活動をおこなった。最初の頃は展覧会に出品しても落選続きであったが、諦めずに描き続けているうちに1923年には第1回新光洋画会展で初入選を果たし、1927年には第14回二科展で樗牛賞を受賞するなど着実に評価を上げていった。
しかし私生活は住所を転々とし、画を描いては換金して酒を飲むという荒んだ生活を送っていた。友人に絵を売りつけたり、借金をしたりなどして多くの友人や知人にも愛想をつかされ、周りから人が離れていったという。そのため、長谷川利行の経歴においては不明な部分も多い。
晩年は安酒の飲みすぎで体調を崩したり、泥酔してタクシーにひかれて重傷を負ったりと、ほとんど作品は残していない。慢性的な胃潰瘍であったが1940年に胃がんが見つかったものの治療を拒否し、ほどなくして49歳の生涯を閉じた。その後、1947年に追悼の短歌集が発行され、30周忌である1969年には上野不忍池弁天島に利行碑が建てられている。
長谷川利行の画風と代表作
荒々しく、波乱万丈とも言える人生を過ごした長谷川利行はそのなかでどういった作品を遺してきたのだろうか。長谷川利行の生い立ちや生き様を理解したところで、画風や代表作もあわせてチェックしておこう。
長谷川利行の画風
長谷川利行が画家として活動した期間は約20年であるが、画を売っては酒を買うという自転車操業のような生活をしていたため作品数は多い。数時間で油絵を描き上げたと言われているが、短時間とは思えない完成度の高い画を仕上げている。
白を多用し、明るく華やかな色彩の画が多く、荒々しいタッチで描かれているのが特徴である。木へらや指で引っ掻くなど独学で画を描いていることから、自由な発想で個性豊かな作品となっている。
長谷川利行の代表作
長谷川利行の代表作は「水泳場」、「麦酒室」などがある。「水泳場」は麻袋のような目の荒い布に描かれており、静止画でありながらも活気のある作品に仕上がっている。建物や人混みは赤を基調に描かれ、躍動的である。「麦酒室」は二科展の樗牛賞を受賞した作品で、下町の風景を独特のタッチで描き上げており初期の力作である。
長谷川利行の作品の査定基準
長谷川利行の作品が高く買取されるためには、査定の基準を満たしている必要がある。長谷川利行の作品の査定基準は、主に次の4つとなる。
本物か贋作か
長谷川利行は酒代を稼ぐために作品を量産したため、本物の作品もたくさん残っているものの贋作も多い。そのため、査定では本物か贋作かが基準となる。
本物か贋作かは、サインや絵画の技法などで判断される。正式な鑑定機関による鑑定書があれば査定に有利に働き、高額査定も狙えるだろう。贋作の場合はほとんど価値がないため、買い取ってもらえないこともある。
状態が良い
作品の状態が良いことも、重要な査定の基準である。良い状態の作品というのは、変色や汚れ、傷などがなく描き上げた時の状態に近く保っているものを指す。見た目的な劣化が目立つほど減額される。
ただし、汚れが目立つからといって自分で修復するのは禁物である。素人が何の知識もなく触ると、作品の価値を著しく下げてしまうからだ。軽く布で拭いても取れない汚れはそのまま査定に出すのが無難である。
画のサイズ
絵画の査定においては、画のサイズが大きいほど価値が高くなる傾向がある。長谷川利行は大小さまざまなサイズの作品を描いているため、大きいサイズの作品の方が高額査定が期待できるだろう。
市場価値
絵画の買取においては、市場価値も査定の基準となる。需要が高いものほど高い査定金額となるため、テレビで紹介されたり個展がおこなわれたりしたりとメディアなどで注目された後は、高額査定が期待できる。
長谷川利行の作品の買取業者や買取相場
長谷川利行の作品の買取金額は業者によって異なる。では、それぞれの買取業者の特徴や買取相場を解説しよう。
美術品専門の買取業者
美術品専門の買取業者は、専門的な絵画の知識を持つ査定員による査定がおこなわれる。そのため、本物か贋作かわからない作品を持ち込んでも、きちんと査定して適切な査定金額を算出してくれるのが特徴である。
長谷川利行の作品を買取に出すのに最も適した業者といえる。店舗買取や宅配買取、出張買取と都合の良い方法で買取に出せるので、近所に店舗がない場合も安心である。美術品専門の買取業者での長谷川利行の作品の買取金額は、場合によっては数百万円以上になることもある。
総合買取業者
総合買取業者は、ブランド品や貴金属など金目のアイテムを全般的に買取する業者である。大きな業者なら貴金属、ブランド品など部署を設けており、美術品の部署を持つ業者もある。美術品の部署がある総合買取業者は専門知識を備えた査定士による査定なので、適正な査定価格が期待できる。
総合買取業者も、店頭買取や宅配買取、出張買取と買取方法に選択肢があるので便利である。総合買取業者の長谷川利行の作品の買取相場は、数万円~数十万円である。
ネットオークション
ネットオークションは売りたい品物を出品すると、欲しい人が落札するという販売手段である。手続きはすべてスマホ上でできるため便利で、出品手数料や送料はかかるが一攫千金を狙える売却方法だ。需要の高い作品であればどんどん入札金額も上がっていき、予想以上の金額で落札されることもある。
ただし、出品してから落札されるまでに時間を擁するため、できるだけ早く現金化したいときには向いていない。ヤフオク・ネットオークションでの長谷川利行の作品の落札相場は、30,000円~100,000円である。
フリマアプリ
フリマアプリは売りたい品物に値段をつけて出品すると、欲しい人が買うという販売手段である。写真を撮って出品するだけの簡単な手続きだけで、希望の金額で販売できるのが特徴だ。
ただし、欲張った金額をつけると売れなかったり、売れるまでに時間がかかることもある。フリマアプリ・メルカリでは長谷川利行の作品は出品されておらず、買取相場は不明である。
高く売るためのテクニック
長谷川利行の作品を高く売るためには、いくつかのテクニックが必要となる。では、有効なテクニックをいくつか紹介しよう。
買取強化キャンペーンなどを利用する
買取業者は期間限定で買取強化キャンペーンと銘打ち、該当商品を高く買取することがある。通常の1.2倍~1.5倍の査定金額となるのが一般的なので、キャンペーンを利用しよう。キャンペーン情報は買取業者のホームページで確認できるので、小まめにチェックしておくとよいだろう。
複数の業者の買取価格を比較する
同じ長谷川利行の作品を買取に出しても、業者によって査定金額は異なる。より高い金額を望むなら、複数の業者の査定金額を比較するのがベストである。インターネットでは一括査定サービスがあり、1度の手続きで複数の業者の査定額を知ることができる。手間をかけずに最も高い金額で買取してくれる業者を知れるので便利だ。
買取相場の変動を知る
買取価格というのは、市場の動向によって変化する。絵画の価格は季節によって変動することはないが、何かのきっかけで画家が注目されたり、テレビや雑誌で紹介されて相場が変動することもある。売りどきを逃さないように、常に色んな方向にアンテナを張り巡らせておくことが大事だ。
まとめ売りをする
まとめ売りが有利なのは、買取の世界も同じである。複数の長谷川利行の作品を所有しているなら、まとめて売った方が個別に売るよりも高く買取される可能性が高まる。
長谷川利行の作品でなく、他の絵画や骨とう品などと一緒に売るのもありだ。まとめ売りするので高く買い取ってほしいと自分から交渉してもよいだろう。
絵画を買取に出す前の注意点
絵画を買取に出す前には、いくつか注意すべきポイントがある。では、どのようなポイントに気を付けるべきなのだろう。
普段のお手入れが大事
絵画の査定基準は作品の状態が大きく関わってくるため、普段からきちんとお手入れすることがポイントである。絵画は紫外線や湿気、たばこの煙に弱いため、それらから離れた場所に保管したり飾ったりするのが大切だ。
直射日光が当たる場所は絵画の色あせや変色の原因となり、湿気はカビの原因となる。たばこの煙も作品を劣化させるため、喫煙室の近くに飾るのも避けた方が良い。
運搬方法に気を付ける
小さい絵画なら買取業者までカバンや箱に入れて運搬してもそれほど問題は起こらないが、大きな絵画の場合は運搬途中に額縁をぶつけたり、傷つけてしまうこともある。一人で運ぼうとせず、友達や家族に手伝ってもらうのが無難である。また、買取方法はいろいろあるので、出張査定や宅配査定を利用するのも良いだろう。
配送方法に気を付ける
宅配査定を利用する場合は、自分で包装して業者に送ることになる。しかし、きちんと包装していないと配送途中に傷が付いたり壊れたりしてしまうこともある。
特に額縁の四隅はぶつかって破損しやすいため、二重に包装するのが必須だ。衝撃が加わっても壊れないように、まずは気泡緩衝材で包んでから箱に入れて放送するのが良い。額縁も作品の一部とみなされるので、破損すると査定金額に大きく影響する。
まとめ
長谷川利行は個人で所有されている作品も多く、倉庫の中に無造作に置かれている絵画が長谷川利行の作品の可能性もある。まずは、知識のある査定員に査定してもらって本物であるか確かめるのが良いだろう。また、テクニックを使うのも忘れないようにしよう。少しの手間をかけるだけで高額買取が実現するので、ぜひとも試してみてほしい。