日本を離れ、海外への旅行や留学、駐在生活を送る際に喉から手がでるほど欲しくなるのが、活字での情報。新聞や雑誌がコンビニや書店などで手に入る国内と違い、どのように活字情報を手に入れるかは悩みどころだ。
それは、日本に比較的近い場所にある香港でも同じこと。1999年に開業以来、香港在住の日本人には欠かせない存在がトマトブックスである。初めてその名前を聞く人も多いかもしれない。香港で日本語の書籍が手に入るという事で、日本人観光客にも意外に重宝されている場所とのことである。
一説にはイタリアンレストランのチェーン店「イタリアントマト」の従業員が副業として始めたお店という話もある。そんなトマトブックスでは、どんな本が手に入るのだろうか。
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トマトブックスとは?
トマトブックスの特徴、取扱商品についてみていこう。
トマトブックスで扱う書物の種類
トマトブックスで扱う書物は多岐にわたる。ビジネス系の週刊誌やスポーツ雑誌はもとより、男性向けの雑誌から女性向けのファッション誌、子供向けの雑誌や絵本まで取り扱っている。また、 雑誌だけではなく新刊本や実用書、文庫本に至るまで日本国内の書店で見かけるのと変わらないラインナップである。
クールジャパンとして世界に名高い日本の文化である漫画雑誌も取り揃えている。『少年ジャンプ』『少年マガジン』など子供の頃から親しんで育った人には感涙ものであろう。雑誌は日本で発売されるものとそれほど大きな時差もなく手に入れることが可能だ。
旅行ガイドブックが充実
日本の書展と比べて大きく違っているところといえば、 旅行ガイドブックのコーナーだ。香港はもとより、世界各国のガイドブックが所狭しと並べられている。 香港や中国などで出版されている実用書を手に入れることができるのも読者にとっては高い利便性の一つだ。
中古本も充実
トマトブックスの特徴の一つとして、日本にあるブックオフなどの中古本買取店と同様に不要になった本を買い取ってくれるシステムが挙げられる。
そのため、新しい本や雑誌だけでなく、中古のコミック、文庫本なども手に入れることができる、コミックスは日本国内の中古品店と同様に一式のセットも販売されているし、中古の文庫本は作家ごとに分類されるなど品数も豊富である。
雑貨の販売や、定期購読サービスも
1999年にオープンしてから、香港市内で何度かの移転をしてきたトマトブックス。その度に新たなサービスを提供するなど、話題になってきた。店内には本や雑誌だけではなく、雑貨屋手作りの造花など様々な商品を購入できるようになっている。
また以前はチェーン店イタリアントマトのケーキを購入することもできたそうである。店内には購入者が価格で迷うことのないように、船便で届いた本には「書籍価格早見表」が、航空便で届いた方には、販売している本に情報が記載されている。店内には来店客が座ることのできる椅子が置かれているのも嬉しいサービスの一つだ。
日本語のフリーペーパーも手に入る
日本語のフリーペーパー配布もサービスの一つ。
300ページ以上のページ数を誇る「ぽけっとページ」や小雑誌の付録としてついた「コンシェルジュ香港」。ほかにも 女性向けフリーペーパー「Hong Kong LEI」、時事問題が豊富な「香港ポスト」、ぽけっとページのウィークリー版である「PPW」など豊富なフリーペーパーが手に入る。
こうしたローカルな情報を手に入れるためだけにも足を運ぶ価値はあると言える。
好意的なネットでの評判
ネットではトマトブックスに関する利用者の声を見ることもできる。
技術やビジネスに関する専門的な書物が手に入るのはありがたい、といった声や、香港にいながら日本の生活を味わうことができるという声、 外国で日本語に飢えている時に非常に嬉しいお店、 日本語の情報が欲しいのであれば寄るべし…といった声が見られた。現地に住む日本人からはとても好意的に見られているお店のようである。
使える支払い方法や特典は?
トマトブックスでは現金での購入の他、VISA, MASTER, JCB, Union Payでの支払いが可能である。また、定期購読サービスや6ヵ月以上の購読でVIPカードを作成するなど、さまざまなサービスも行っている。
トマトブックスこんなときに使いたい
豊富な在庫を誇るトマトブックス。現地で生活する場合の情報収集先として使うのがもっとも身近な利用法であろう。香港へ赴任や留学をした時、地図やガイド、現地のフリーペーパーもも充実しているので、旅行に行った時に立ち寄ることや、現地の方に生の情報を聞いてもいいかもしれない。海外なので、特に生活していて危ない情報などは聞いておきたいところである。
また、技術的な書物、ビジネス関連の内容などは英語が不慣れな方なら日本語で読みたいものだ、同じ書物が日本語で出ている場合には、海外のビジネスパーソンにとってはトマトブックスのようなお店はありがたい存在である。
トマトブックスへのアクセス
トマトブックスは香港を走る地下鉄MTRの尖沙咀駅のB2出口横から出た文遜大廈の4階にある。駅からはわずか徒歩2分という好立地な場所にある。
…いや、あっという方が正しい。実はトマトブックスは2017年6月を持って閉店してしまったのである。以下はその閉店前の住所。googlemapではストリートビューで住所にある建物の外観を見ることはできる。しかし、現在のトマトブックスの店舗跡がどうなっているのかはうかがい知ることはできない。
《閉店前の店舗情報》
- 店名
- tomato books(トマトブックス)
- 住所(英語)
- Shop A2, 2/F., Manson House, 74-48 Nathan Rd, Tsim Sha Tsui,Kowloon
- 住所(中国語)
- 九龍彌敦道74-78号文遜大廈2楼A2室
- 電話番号
- 2314-3283
トマトブックス惜しまれつつも2017年6月に閉店
香港の方々に長年親しまれてきたトマトブックス、とても残念なことに、2017年6月をもって閉店となってしまった。ネットではそれを知った人によるお知らせが発信されると共に、トマトブックスの公式 Facebook 上では日本語と中国語で以下のようなお知らせが掲載された。
定期購読の顧客や現金券購入の顧客への気遣いが溢れたものになっている。急に閉店してしまったというよりも、売り上げや資金面など何か事情があっての閉店であることは十分に見てとれる。
閉店のお知らせ
誠に勝手ながら、2017年6月下旬を持ちまして閉店させて頂きます。長らくご愛顧頂き、誠にありがとうございました。
定期購読のお客様は、最終営業日前に商品の引き取りをお願い致します。残りのデポジットもご返金させて頂きますので、何かご不明な点がございましたら、スタッフまでお問い合わせくださいませ。
また、現金券ご購入のお客様は最終営業日前にご使用頂けますよう、お願い申し上げます。閉店後はご利用頂けませんので、ご注意くださいませ。
18年間の長きに渡り、ご愛顧頂きました事、重ねて御礼申し上げます。
Tomato books
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他にもある香港にある日本語の書籍が手に入るお店
トマトブックスが開店したのは1999年。やっとインターネットが普及しはじめた頃。今では Amazon を始めとしてインターネットで様々な日本語の書籍を購入することが可能になっている。また、Kindleなど電子書籍で購入することも可能で、ペーパーレス化も次第に進みつつあるのが現状だ。
わずか20年程の間に起こっためまぐるしい変化であるが、香港在住屋旅行で訪れる日本人に取って喜ばしい状況であることは間違いないといえる。しかし、リアルな書店で髪の香りがする本を本棚に並んでいるたくさんの本の中から選ぶのは、ネットで購入するのとはまた違った楽しさがある 。
トマトブックスは惜しくも閉店してしまったが、香港は日本人の在住者が多い街。日本からの旅行者も相変わらず多い。トマトブックスの様に他にも日本語の書籍が手に入る書店はいくつも存在するようである。いくつか情報を掲載しておく。旅行の際の現地情報収集先の一つとして、移住や単身赴任の際の行きつけのお店として行ってみてはいいかがだろうか。
香港で日本の本を購入できるお店7選
1.写楽堂(古本屋)
- 住所
- L/G, Fortune Ctr., 44-48 Yun Pin Rd., Causeway Bay
- Tel
- 2576-9929
※日本の古本屋と同じというネットでの感想もある古書店。扱うのは全て日本語の書籍とのこと。漫画、雑誌、小説、ライトノベル、童話、辞書と幅広い取り扱いジャンルは多岐にわたる。
2.旭屋書店(銅鑼湾SOGO内)
- 住所
- 11/F., Sogo Dept. Store, 555 Hennessy Rd., Causeway Bay
- Tel
- 2893-6083
※日本国内でもおなじみの旭屋書店の海外支店の一つ。銅鑼湾SOGO内にあるので、日本のショッピング感覚で立ち寄ることが可能だ。
3.FUJI書店(APITA内)(旧日本快線書店)
- 住所
- B/F., City Plaza 2, APITA, 10 Taikoo Sing Rd., Quarry Bay
- Tel
- 2560-7028
4.東京堂書店
- 住所
- G501A, JUSCO Whampoa Garden, Hung Hom
- Tel
- 2333-8403
※23時までオープンしているお客さんに優しい書店。フェイスブックも開設している。
5.東京堂書店(ホンハムジャスコ内)
- 住所
- G/F & Basement one, Site 5&6, Whampoa Garden, Hunghom, Kowloon
- Tel(代表)
- +852-2627-6688
※ジャスコの中にあるので安心して利用できる。
6.Nippon Book Shop(ユニー地下)
- 住所
- B/F 18 Taikoo Shing Road, Tailkoo Shing, Island East, HK
7.向日葵
- 住所
- 新界葵涌大連排道152-160號金龍工業中心第1庭25樓C室
- Tel
- 2529-2259
- 5506-4333
- URL
- http://www.himawari.com.hk/
※日本語教材が多いお店として有名らしく、取り寄せも可能とのこと。海外で子育てをするファミリーには、良いお店ではないだろうか。
※ここで紹介した書店情報は、全て現地へ足を運んでいるわけではありません。ご利用の際には、電話などで事前の確認ををおすすめします。