湾岸ドライブやデートといったさまざまなシーンで人生を充実させてくれるオープンカーは、クルマ好きなら一度は乗ってみたいと考える魅力的な車種である。
そんなオープンカー市場は新車だけでなく中古でも活性化している実情があるため、自動車の買い替えをする際には「下取りではなく買取査定に出すこと」にトライすると良いだろう。
今回は愛車のオープンカーを高値で売るために実践して欲しい秘策を紹介していきたい。
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オープンカーの査定基準はどうなっているのか?
オープンカーの査定は、日本自動車査定協会が設定する50ものポイントから確認が行われる。
査定基準から導き出される査定額には、各ショップで独自に設定する利益率やコストなどが付加される形となるため、なるべく多くの業者に査定依頼をして相見積もりをとるのが理想と言えるだろう。
また基準の中には修復歴や足まわりといった項目もあるため、縁石などへの乗り上げをしないように大切に乗ることも高価買取に繋がる策と言えそうだ。
さらに、オープンカーは買取業者によって査定額に大きな差がつきやすい車種でもある。特殊な車のため、得意とする業者と不得意とする業者がはっきりと分かれ、場合によっては30万円以上の差がつくこともある。得意な業者を見つけるためには、できるだけ多くの業者の見積もりを比較するしかない。
オープンカーを売るのにベストなタイミング・シーズンはいつか?
オープンカーの特徴として、年式が新しく走行距離が少ない場合には一般的な車種よりも査定額が割高になる傾向がある一方で、コンディションによる下落率が高いことがあげられる。
一般の乗用車と比べて経年劣化や電装系の不良が起こりやすいオープンカーは、「壊れないうちに早めに査定依頼をすること」が最良の売り時と考えられる。乗車頻度の低いオープンカーは早めに売るべきかもしれない。
またオープンカーの中古市場はドライブシーズンが始まる「夏前の時期=春」に活性化する傾向があるため、中古車専門店が在庫増やしをスタートする頃に一度査定依頼をかけてみても良いだろう。目安は
年式・グレード・カラーなどの他に季節によっても買取価格が大きく変動するオープンカーは、タイミングを計った方が高く売れる可能性がある。しかし、年式やコンディションなどによっては季節にこだわらずできるだけ早く売った方がいい場合もある。そのため、ベストなタイミングを見極めるのは難しいところでもある。
オープンカーを高価買取に繋げるために実践して欲しいこと
愛車のオープンカーに高値をつけるためには、日頃からできるメンテナンスや買取業者との向き合い方が大事な要素となる。
ドライブが終わったら必ず毎回内部の清掃を行う
オープンカーに乗る最大の難点は、「ドライブをする度にたくさんのホコリが車内に溜まること」である。
シートやダッシュボードが直射日光に当たることで、変色を起こしやすい傾向もあるため、楽しいドライブから帰宅したら必ず拭き掃除をする習慣をつけることが、査定基準を高めるマイカーメンテナンスと言えそうだ。
また、屋根つきの保管場所が確保できない場合でも、日頃から駐車時は常にサンシェードを使用するなどの工夫が有効かもしれない。
雨漏りがする場合は正直に申告を
オープンカーは一般的な車種と同様の査定基準に加えて、ルーフの状態が重視され、査定額に大きな影響を与える。
非常に柔らかい材質でできているオープンカーの幌は、経年劣化によって破損しやすいパーツである。オープンカーの査定を高めるためには、「幌がしっかりしていて、雨漏りがしないこと」が欠かせない条件となる。
しかし実際は、多少の雨漏りがあっても業者側で補修可能なケースがほとんどのため、乗車に支障のない範囲のトラブルや故障を抱えている場合にも、その内容を正直に話すことが買取店との信頼関係を築くきっかけになると言えるだろう。
相見積もりに時間をかけよう
経年劣化によって再販売可能台数が限られているオープンカーは、大半の中古車専門店で歓迎される「売り手市場」とも言える車種である。まずはおおよその査定相場と下限価格などを把握しておき、なるべくたくさんの見積を集めてじっくり比較検討をしてみて欲しい。
近年ではショップのサイトから利用できるメール査定や一括査定サービスも増えているため、それらを活用することでより多くの買取業者の査定価格を比較することができる。
オープンカーの参考買取相場
オープンカーの買取相場を調べてみると、国産車と外国車で大きな違いがあることがわかる。
ロードスター、MR-S、スープラ、S2000などの買取相場
実用性の高い車種への需要が高まっている日本国内では、かつて人気が高かったロードスター、MR-S、スープラ、S2000などの買取相場がマイナス20~28%と大きく下落している。
買取相場自体は100万円以上をキープしているものの、オープンカー特有の壊れやすさなどを含めて考察すると、需要があるうちに売却するのが理想と言えそうだ。
マツダ / ロードスター
ロードスターは1989年に初めて登場した車種。「だれもが、しあわせになる」をキャッチコピーに、ドライバーの意思を素直に体現するクルマとして製造された。
角がなくするりとした曲線が特徴のボディは「魂動デザイン」と呼ばれ、スポーツカーらしさを感じさせる。国産オープンカーの中では人気が高く、中古車市場での販売台数も多い。
買取価格は比較的高値のまま推移するが、モデルチェンジを境に査定額が下落するので、高額売却を狙うならモデルチェンジ前が理想だ。
日産 / フェアレディZ
1969年に登場した車種。スポーツカーファンが憧れる名門スポーツカーで、オープンモデルのロードスターがラインナップされている。
年式が新しくコンディションの良いものは、中古車市場でも新車とほぼかわらない価格で販売されるため、買取の方が下取りよりも断然有利と言えるだろう。
トヨタ / MR-S
MR2の後継者として1999年に登場した車種。パワーは控えめであるものの、徹底した軽量化による加速と、エンジンを前後車軸間に搭載するミッドシップレイアウトによる運動性の良さでカバーした。
エンジンは実用車と同様のものを使用し、スポーツカーの中では低燃費車種として知られている。
トヨタ / スープラ
1978年~2002年まで製造販売された、ラテン語で「至上かつ最高」という意味の名を冠する車種。全日本GT選手権で戦ったこともあり、ダッシュ力が人気。ルーフの頭上部分のみを取り外せるタルガトップを採用しており、ボディの剛性感を損なうことなくオープンエアーの爽快感を得ることができる。生産終了は排ガス規制の強化によるものだったが、2018年に新型スープラとして再登場する予定。
ホンダ / S2000
1999年~2009年に製造販売された、ライトウエイトスポーツカーの中ではハイパワーな車種。余計な細工やデザインは施さない「硬派」な一台として人気。
コーナリングが特に素晴らしいといわれ、日本刀の切れ味に例えられたこともある。
ダイハツ/ コペン
2002年に登場して以来、高い操作性とスポーツカーらしい走りで人気の軽自動車規格のオープンカー。軽自動車は中古市場での人気が高く、利益率が高いために買取業者に好まれる。
買取相場は高値を維持し、中古車販売価格の相場は新車販売価格の7割ほどとなっている。
Z4、ボクスター、SLK350など外国産の査定相場
これに対してZ4、ボクスター、SLK350といった外国産のオープンカーは、スタイリッシュなデザインと性能面のバランスにより、マイナス4~5%前後の下落率に留まっている。
また、外国のオープンカーは国産車と比べて50万円以上の高値で売れた実績が多いため、将来的な売却を想定しているならポルシェやメルセデス、BMWといったメーカーを選んだ方が良いかもしれない。
BMW / Z4
エレガント・感動・完璧を根底にデザインされた車種。偶数と奇数のギヤ・セットがそれぞれにクラッチを備えているため、ギアチェンジの際のシフト時間を最小に抑え減速・ショックをほぼ感じさせない。
リトラクタブル・ハードトップの開閉によって、爽快なオープンエア・ドライビングとスポーツ・クーペらしい快適なドライビングの両方を堪能することができる。
ポルシェ / ボクスター
伝説的なオープンカーである356や550スパイダーの後続となるモデルで、明確な考えに従い、鮮烈な存在感を放つことをコンセプトに製造された車種。
全体的にエッジを効かせたデザインで表情に鋭さを持たせた。エンジンを車両中心部に重心低く搭載したことで、ダイナミックなコーナリング性能を実現している。
メルセデス・ベンツ / SLK350
1997年に最初のモデルが登場し、2004年にモデルチェンジして登場した車種。初代はどこか可愛らしい印象だったのを、モデルチェンジでたくましいデザインへと変え、本格的なスポーツカーとして生まれ変わらせた。
フォルクスワーゲン / ザ・ビートル
2012年に日本市場での受注が開始となったクーペタイプに続き、オープンカー全盛期に合わせるように翌2013年にラインナップに追加されたカブリオレ。国内外合わせても数少ない“手ごろな価格で買える”フルオープンカーのひとつ。
6層構造のソフトトップを採用することで、高い耐候性と静粛性を実現している。エコカー減税にも対応。
ミニ / ミニ
BMC時代のミニをモチーフに、プレミアムスモールとして2001年に発売された車。
モデルごとにさまざまなバリエーションが存在し、オープンモデルは電動ソフトトップのコンバーチブルと手動式ソフトトップのロードスターがある。国内外合わせても数少ない“手ごろな価格で買える”フルオープンカーのひとつ。
まとめ
車体のコンディションによって大きく査定額が変動するオープンカーは、早めに査定依頼を行って「今の価値を把握すること」が最重要となる。
また、車種によって下落率が大きく異なる特性があるため、「買う・売る」というダブルの角度から車選びをすることが上手な自動車運用に繋がると言えるだろう。