ALLSTOCKERはソラビト(SORABITO)が運営する中古建機売買プラットフォーム。オークションやマーケットといった利用ができ、資金調達を成功させるなど投資家周りからの評判は上々のようだ。購入は日本を始めとした先進国からインフラ環境が整っていない発展途上国など、140カ国以上にのぼっている。
ここではALLSTOCKERを知りたい層へ向けて、どういった事業なのかを解説。また、投資家からの評判や実際の建機がいくらぐらいで取引されているのかを紹介する。
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このコラムには、合法的な広告・宣伝が含まれている可能性があります。また、当社のサービスである「ヒカカク!」と「magi」の紹介も含まれています。
ソラビトとは
ソラビトはALLSTOCKERの運用会社だ。同社の立ち上げは2014年5月で、翌年3月よりALLSTOCKERの本格的な運用を開始した。ほかにも建機のレンタルをアプリで注文できるSaasプロダクトも展開している。
サービス立ち上げ前の念入りなテストのおかげで、立ち上げ直後には140カ国超からユーザーが集まるほど世界からサービスが注目。準備力が高く、サービスでは建機の発注・マッチングを最適化することで社会に貢献している企業だ。
ソラビトの評判と資金調達
ソラビトはALLSTOCKERを運営するにあたり、2014年9月にはGMO VenturePartnersから1億円、さらに複数のエンジェル投資家からの出資を受け、また総額1億円超の第三者割当増資をおこなっている。投資家や銀行からの評判は高い。
これだけの資金調達をおこなえる理由は、ALLSTOCKERへの期待度や前述したような準備力の高さだ。βテスト期間を含む立ち上げから半年間で、15,000を超える高単価な建機がALLSTOCKERに登録されているのは、事前の事業計画がしっかりと計画された上で、運用されている証拠だ。
現在、上場はおこなっておらずALLSTOCKERへ投資をするのは困難だが、今後の将来性によっては上場もありえるかもしれない。
ALLSTOCKERの特徴
ソラビトが運営するALLSTOCKERは、次のような特徴を持っている。
2種類の取引方法
ALLSTOCKERは、建機を世界中の販売者と購入者につなげるサービスだ。サービスをオークションとマーケットと呼ばれる2つに分類している。
オークション
ALLSTOCKERのオークションは、ユンボなどの建機を購入者がオークション形式で取引できるサービス。オークションはリアルタイムにで価格を把握ができ、一般からは出品はもちろん、レンタルアップ品と呼ばれるレンタル事業で使用されていた建機が出品されることもある。落札率は97.7%を記録しているため、成約率も高い。
オークション形式のため価格が高くなりやすく、利用者が世界中にいるため出品価格が世界基準になりやすいのは出品者にとって魅力的だ。
建機や重機のオークションに興味があれば、こちらのコラムも参考にしてほしい。
マーケット
ALLSTOCKERのマーケットは、オークションでのタイムロスをなくすような販売手法がとられている。マーケットでは、出品者があらかじめ出品価格を決めて、出品が可能だ。マッチングサイトにありがちな販売後の問題も、ALLSTOCKERがアフターケアをしてくれるため、安心して取引できる。
購入者が海外の客であっても、販売までを徹底してサポートしてくれるため、言葉に不安がある人でも手軽に利用できるのが魅力だ。
出品の手続きが容易
出品までの時間が長く複雑であれば、利用者がサービスの利用を控えるのは自明の理。ALLSTOCKERでは、利用者が離れないようにオークション出品までを次の3ステップで完了させている。
- webまたは電話で申し込み
- 出品予定の建機をチェック
- スタート金額の設定
出品からALLSTOCKER側でのチェック完了までは1週間程度かかる。現物をALLSTOCKERのスタッフが確認するためだ。オークション落札後の手続きもALLSTOCKERが手配してくれるため、出品後のアフターケアを利用者は心配する必要はない。
オークションを定期開催
大型オークションは開催までに時間がかかるものだが、ALLSTOCKERでは月次開催や隔週でオークションをおこなうため、スピーディーな販売が期待できる。販売までの時間が気になる場合は、オークションではなくマーケットでの売却も可能だ。
オークションでは出品情報をチェックできる閲覧期間と、ビッドできる入札期間が設定されている。入札期間には通常1日から2日設けられるため、ビッドさえされれば、比較的早く売却出来るチャンスが巡ってくるかもしれない。
ALLSTOCKERの将来性と建設市場規模
日本の建設投資額は、国土交通省の令和2年度(2020年度) 建設投資見通し 概要によると年間63兆1,600億円あり、レンタル建機の市場規模も、日本建設機械レンタル協会(JCRA)の2020年度建設機械レンタル業実態調査によると、約1兆2300億円となっており、市場規模の大きさが伺える。
また、日本の建機は質の高さから中古市場も活発である。建設機械は値段が高く、海外に輸出される機会は少なかったが、ALLSTOCKERの登場によって国内市場と海外市場の流動性が高まった。
インフラ整備の完了していない発展途上国では、特に人気を博しているようだ。現在は農業工作機にもチャレンジしているため、今後の発展も期待できるだろう。
- 出典
- 国土交通省:令和2年度(2020年度)建設投資見通し
- 日本建設機械レンタル協会:令和2年度 建設機械レンタル業実態調査 結果報告
ALLSTOCKERで建機はいくらで売れる?
ALLSTOCKERを利用することで、建機はどの程度の金額で売れるだろうか。買取価格や取引実績について紹介するので、参考にしてほしい。
なお、価格は2021年9月30日現在の情報であることを留意してほしい。
買取価格一例
ALLSTOCKERの利用で、次の建機がオークションで取引されている。
建機型番 | 買取価格 |
---|---|
油圧ショベル(コベルコ2011年製 SK135SR) | 560万円 |
油圧ショベル(ヤンマー2014年製 Vio-20-3A135SR) | 193万円 |
油圧ショベル(ヤンマー2007年製 B6-6) | 128万円 |
油圧ショベル(ヤンマー2004年製 308CCR) | 232万円 |
キャリアダンプ(諸岡2015年製 MST-1500VD-3) | 1200万円 |
フォークリフト(トヨタ2000年製 トヨタ7FD30) | 105万円 |
取引実績一例
次に紹介する建機は、ALLSTOCKERで取引実績があるものだ。買取価格が掲載されていないが、マーケットの方で出品価格が掲載されているため参考に記載する。なお、価格には別途運送料と取引手数料、消費税がかかるものとする。
建機型番 | 出品価格 |
---|---|
ホイールローダー(日立建機2011年製 ZW100) | 680万円 |
ブルドーザー(コマツ1980年製 D40P-1) | 220万円 |
クレーン(日立建機1988年製 KH150-3) | 980万円 |
ローダー(酒井重工業2004年製 TZ701) | 380万円 |
グレーダー(三菱2006年製 MG230II) | 680万円 |
フィニッシャー(HANTA2-年製 F31C2) | 応相談 |
発電機(北越工業2009年製 SDG60S) | 127万円 |
溶接機(デンヨー2020年製 GAW-190ES2) | 36万円 |
コンプレッサ(北越工業2014年製 PDS265SC) | 200万円 |
その他の建設機械(諸岡1999年製 MST1500VD) | 680万円 |
こうした建設機械のほかに、農業機械、車両、パーツなどが取引されている。
建機を売るなら買取業者の利用もおすすめ
ALLSTOCKERは海外にも目を向けたサービスだが、ほかにも建機の買取に力を入れた買取業者が日本にはいくつもある。ALLSTOCKERが現金化されるまでのラグは長くはないが、買取業者の現金化スピードと比較すると劣っているのは間違いない。
現金化を急いでいたり、建機によって保管場所を圧迫している事情があるなら、買取業者に買取を依頼してみてはいかがだろうか。建機の売却に興味あれば、次のコラムを参考にするといいだろう。
ヒカカク!の一括査定も活用しよう
ヒカカク!では、建設機械や重機を買取してくれる業者の見積もりを一括査定できるサービスを提供している。
手持ちの建設機械や重機をより高い値段で買取してもらうには、相見積もりが最低3社は必要だと言われており、複数社から見積もりを取るにはそれなりに時間を要する。忙しければ、間違いなく億劫になる作業だ。
一括査定の申し込みには、さほど時間がかからないうえ、最大20社の査定結果を受け取れる。短い時間で高額な買取を目指せるため、ぜひ利用してほしい。
まとめ
ソラビトが運営するALLSTOCKERの評判は上々で、立ち上げのタイミングから投資家からの期待を一身に背負っていた。世界中からの入札があるため、サービスの利用者は多く、価格が世界標準になりやすい。また、出品する建機はALLSTOCKERでチェックをするため、不良品だからと余計なトラブルを抱える必要もない。つまり、安心して取引ができるのだ。
現在は農業機器にも目を向けており、農業従事者などの利用者が認知することで、まだまだ伸びる余地を秘めたサービスとなっている。
- 参考サイト
- ALLSTOCKER
- ソラビト