中国郵電部郵政総局から発行されている中国切手の中には、日本でも非常に高値で売買されているモノがある。「赤猿」「梅蘭芳」そして「文革」と呼ばれる切手は、そんな中国切手の代表とも言える切手だ。
ユニークな猿の絵柄が目を惹く「赤猿」に、実在した人物がモチーフとなっている「梅蘭芳」、そして文化大革命の略である「文革」は、中国切手を扱うならその価値や買取相場についておさえておきたいものだ。どうしてそんなに価値が高いのか、具体的な相場をあげながら紹介していく。
本記事のポイント
- 「赤猿」「梅蘭芳」「文革」の状態別買取相場
- それぞれの切手はなぜ高い価値がついているのか
- 高く売るために重要な査定ポイント
CONTENTS
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赤猿切手とは
朱色の背景に愛嬌のある金色の顔、赤い目をした猿が描かれた切手。それが中国切手の中でもプレミアム切手と呼ばれる「赤猿」だ。正式名称を「子ザル」と言い、1980年に発行された中国初の年賀切手となる。
1980年の干支が猿であることから、猿が年賀切手のモチーフとなっている。赤猿の顔には金粉がまぶされており、その身体の毛も一本一本とても丁寧に描写されており芸術品としても完成度の高い逸品である。
赤猿切手の価値が高い理由
1980年以降、十二支シリーズとして干支をモチーフとした年賀切手が発行されることになったが、シリーズほかの切手と比較にならないほど赤猿の価値は高くなっている。なぜ赤猿切手の価値は飛び抜けて高いのか。
理由として、そもそも発行枚数が少ない点があげられる。当初の予定として赤猿切手の発行枚数は、800万枚だった。それが、実際に発行されたのは500万枚と予定より300万枚も少なくなってしまった。さまざな事情により、発行枚数がもともと少なかったことから希少価値が高まったと言える。
また、この時代は切手の収集や輸出が困難な時代だった事から、現存している赤猿切手の枚数はさらに少なく、その希少性がより高まっている。そして希少性という観点からだけではなく、赤と金という縁起の良いカラーとデザインの芸術性からも赤猿切手は人気がある。
赤猿の買取価格相場
赤猿は、切手買取店やオークション店で需要が高く、高値が期待できる。買取業者によって提示している買取価格は異なるが、赤猿の買取金額は、現在10~18万円が相場となっている(2021年10月現在)。上記はシートではなく、バラの状態での相場だ。
買取業者の買取価格相場
シートで残っているかどうかのほか、切手の状態によっても買取金額が左右される。
バラの場合
保存状態が良く、色があざやかでシミや折れのない赤猿切手なら、相場18万円前後となるだろう。
並みの状態のもので15万円前後、やや保存状態が悪いものであっても8~10万円と破格の値段で買取りされている。通常は買取を断られるような状態のものであっても、赤猿であれば2~3万円程度の金額は期待できるだろう。
シートの場合
赤猿は当時、1シート80枚で販売されていた。過去には、1シート1億円以上の価格がついたこともある。現在でも1シートなら、600~800万円が相場だ。状態が非常に良いものであれば、1000万円をこえることもある。
1シート揃っているケースは、きわめてレアとなるが、2枚つづりでも35~40万円。4枚つづりなら70~130万円前後が相場と言えるだろう。
ヤフオク・メルカリでの買取価格相場
ヤフオク、メルカリのようなサイトでは、買取相場は全体的に買取専門店よりも低くなっている。他の切手と比較すると、オークション・フリマアプリでも高値がつきやすい赤猿切手だが、買取店よりも1~2割安くなる傾向にある。
赤猿の高額査定を狙うコツ
同じ赤猿であっても、価格差が生じることがわかった。高額査定のコツを確認しておこう。
シートもしくは繋がっている
赤猿の高額査定を狙うのであれば、バラよりもシートが圧倒的に高値だ。また、1枚よりも2枚、2枚よりも4枚つづりの方が高く買い取られる。
未使用品の状態が良いもの
切手の状態で高値を狙うならば、中古より未使用品がベスト。日焼けやシミ、破れや折れがないもののほうが、高額査定される。
また、保管状態は絵柄のある表だけではなく、裏面の状態も査定に影響する。だから、裏面の状態にも注意しよう。
ミミがある
切手のミミがあるかないかで査定額に数万円の違いがでる。もともと高額買取されている赤猿切手だが、上記の条件を満たすと、より高価買取が期待可能だ。
梅蘭芳切手とは
1962年に発行された梅蘭芳切手は、北京生まれの京劇俳優である梅蘭芳の姿が描かれたものだ。梅蘭芳は、女形として高い人気を誇る俳優で、日本やアメリカでの公演もおこなっている。
梅蘭芳の切手図柄は、ひとつだけではない。8種類のデザインがあるバラ切手、そして特に人気のある貴妃酔酒という舞台を描いた小型シートが存在する。どの梅蘭芳舞台芸術切手もそれぞれの舞台の様子をうまくとらえており、緻密で華やかな絵柄が魅力的だ。
1961年になくなった彼の京劇への多大な貢献と功績を称え、翌年に切手として発行され人気を得た。
梅蘭芳の価値が高い理由
梅蘭芳舞台芸術切手が人気の高い理由は、さまざまにある。ひとつは、梅蘭芳自身が人気の高い俳優であったことがあげられるだろう。
ほかに、この切手が発行された1962年という年にも理由がある。1962年に発行された切手は、文化大革命の影響を多大に受けており、人気の高い梅蘭芳舞台芸術切手もその多くが焼却処分などをされている。
特に貴妃酔酒の小型シートは、発行枚数がたったの2万枚だ。そのため、上記の理由にくわえて希少価値が高くなっている。
梅蘭芳の買取相場
梅蘭芳の買取相場は、全8種完結のバラ切手かそれとも貴妃酔酒の小型シートかによって相場に大きな違いがみられる。まずは、バラ切手の相場から見ていこう。
買取業者の買取価格相場
梅蘭芳の買取相場も、バラかシートかで異なる。それぞれ確認していこう。
バラの場合
まず、バラ切手もそれぞれ発行枚数が違っている。ただ、どれがどれくらい発行されていたのかは、わかっていない。図柄に関係なく、バラ切手1枚の相場は3000円~が妥当だろう。
ただし、バラ1枚でも珍しい希少な状態のものは、数万円で取引される。例えば、切手のふちのギザギザがない無目打の梅蘭芳バラ切手なら、3倍程度の値が期待できる。
8種類全てそろっていて、未使用の場合、相場は5~8万円だ。使用済みのものは、それより低く2~3万円が相場となる。目打無しの希少品になると未使用で25~30万円、使用済みでも7~10万円ほど期待できるだろう。
小型シートの場合
貴妃酔酒の小型シートは、上記の品とは比べ物にならないほど相場が高くなる。相場は100~180万円前後となり、状態があまり良くないものでも30~40万円の値が期待できる。小型シートは、最大で200万円以上の値がついたこともある。ただ、そこまでの値がつくのは、現状では難しいだろう。
ヤフオク・メルカリでの買取価格相場
ネットオークションやフリマアプリでは、平均落札価格は4万円前後。希少価値の高いものは、70~80万円で落札される場合もある。
ただし、価値のある梅蘭芳切手は買取店なら必ず買取って貰えるが、オークションやフリマアプリでは、なかなか落札者があらわれないことも少なくない。早く売却したいなら、買取店に査定をしてもらう方がよいだろう。
梅蘭芳の高額査定を狙うコツ
梅蘭芳の高額査定を狙うコツを確認していこう。
未使用品の状態が良いもの
当然、バラ切手・小型シートともに使用済みよりも未使用のもの。破れや汚れがない状態の良いものが高額査定を狙える。
希少価値がある
希少価値が高くなるポイントがいくつかある。ギザギザのない目打無しの切手は、通常の3倍以上の値が期待できる。他にも切手の余白であるミミのついた状態でも相場が大幅にアップする。
バラ切手の場合は、8種類が揃っているとベストだ。発行日当日の消印がある初日カバーも相場が高くなるポイントとなる。
文革切手とは
正式には、文革切手という名称の切手は存在しない。主に文革切手とは中国共産党の指導者による毛沢東の主導の元におこなわれた政治闘争・文化大革命時代1966~1976年に発行された切手のことを指す。
なかでも、1967年~1973年に発行された指導者である毛沢東関連の切手は、特に人気がある。
毛沢東関連の文革切手には、さまざまな種類があり、主に毛沢東自身の姿がメインとなっているものが多いのが特徴だ。毛沢東の長寿を祝うもの、延安での文藝講話をモチーフとした延安文藝講話発表二十五周年切手、全部で5種類ある軍服姿の主席の肖像切手などがある。
文革切手の価値が高い理由
なぜ文革切手の価値が高いのかというと、それは毛沢東の引き起こした文化大革命(プロレタリア大革命)が理由と考えられる。この文化大革命では、切手をコレクションしたり輸出したりすることが禁止された。
だから、中国国内でも人気のあった文革切手と言えども、国内外問わず現存している枚数は少なくなっている。それが文革切手の価値を高めている。
文革切手の買取相場
文革切手は種類が多いため、買取相場は定まっていない。切手によって相場に違いが見られるためだ。
買取業者の場合
梅蘭芳の買取相場も、バラかシートかで異なる。それぞれ確認していこう。
バラの場合
バラの場合は、1枚数千円~1万円程度が相場になるだろう。
シートの場合
シリーズ全種が揃っている場合は、数万円~数十万円の買取値が期待できる。例えば、毛主席の長寿を祝う語録11種完では20~25万円。延安文藝講話発表二十五周年3種完なら、7万円前後。毛主席像5種完では、5万円程度が相場となる。毛主席は赤い太陽2種完で1万円ほどだ。このように切手の種類によって、かなりの差がある。
ヤフオク・メルカリでの買取価格相場
一方、ネットオークションでの文革切手の平均落札価格は2~3万円。バラ1枚では3000円前後で落札されるケースが多くなっている。基本的に買取店の方が、高額査定になりやすいだろう。
文革切手の高額査定を狙うコツ
文革切手の高額査定のコツを確認しておこう。
未使用品の状態が良いもの
文革切手も査定額は、切手の状態が大きく影響する。当時の状態に近ければ近いほど、一般的に査定額が高くなると考えて構わない。つまり、通常は使用したものより未使用の切手が高くなる。ただし、いくら未使用品であっても保管の状態が悪く汚れや日焼け、折れなどがあるとそれだけ査定額はさがるだろう。
シリーズが全種類揃っている
また、文革切手はシリーズ全種類が揃っているかどうかで、かなり査定額が変わってくる。高額査定を目指すのであれば、全ての図柄をそろえてセットで売るべきだ。
一括見積もりサイトを利用しよう
赤猿、梅蘭芳、文革に共通する高く売るコツのもう一つに、一括見積もりサイトの利用や複数見積もりによる比較がある。一括見積もりサイトなら、複数の買取業者から簡単に見積もりをとれる。その中から一番見積もり額の高い業者に依頼すると良いだろう。
複数社で比較し、見積もりを出してもらう場合には見積もりの件数は、5件程度がおすすめだ。提示されている価格が高いのか、安いのか見えて来やすくなる。
おすすめの買取業者
買取価格
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手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
ヒカカク!でオススメしている買取業者は、総合美術買取センターだ。ジャンルごとに専門の鑑定人が在籍しているため、偽物やレプリカも多い中国切手を正しく査定可能だ。買取方法も電話・メール・訪問、LINE査定と幅広く日本全国から依頼できるのもメリットである。
「赤猿」「梅蘭芳」「文革」のような有名な人気切手は、強化買取をしているため、査定してもらうといい。クーリングオフ制度も導入しているため、安心して依頼できるのではないだろうか。
同じ切手でも価格差が生じるため注意
高値がつきやすい「赤猿」「梅蘭芳」「文革」だが、買取店によって数万円の差が出るのも珍しくない。上記の切手を売却するなら、切手の価値を正しく理解している業者・販売ルートが広い業者を選ぼう。
複数社で比較し、高い業者で売るほか、口コミで評判の良い買取業者を選ぶ方法もある。ヒカカク!では買取業者の口コミを集めているため、参考にしてみてはいかがだろうか。